ゲスト
(ka0000)
実験畑の研究日誌5頁目―街道編―
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/03 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/04/12 22:00
オープニング
●
ジェオルジへ農具の売り込みに。
うちの鍛冶場で焼いた鋼は頑丈で、どんな土だって上手く耕す。
荷馬車に満載の鍬の行き先は、農業都市ジェオルジのおっきな市場。と、ちょっとコネのある北の畑。なんでも、実験畑と呼ばれているらしい。
工場都市フマーレを発つ商人の馬車は、ジェオルジへ向かう街道の入り口で止められた。
最近この辺りでゴブリンや歪虚の出没が目立つらしい。せめて護衛を付けてくれ、とのことだった。
商人は出立を一日遅らせてハンターオフィスに掛け合った。
『荷馬車の護衛、ジェオルジまで、片道』
●
集まったハンター達に商人は自己紹介を兼ねて、行き先と積荷を改めて告げた。
「何度も通っている道だ。大したことないと思うんだがな」
笑いながら荷馬車を走らせ、がたごとと街道を行く。
春先の晴れた空はとても綺麗だ。
商人は話し好きな質なのか、道中ハンター達に彼是と話し掛けてきた。蹄の音に、積荷の揺れる音に、車輪の音に紛れながらも穏やかに、朗らかに。
商人の目的地はジェオルジの市場の一つで、長く懇意にしている所らしい。そこへ詰んでいる鍬の殆どを卸してくる。
そして、もう1箇所。ジェオルジ北部の実験畑。ルーベン・ジェオルジが出資し、魔術と農業の研究をしている畑や研究施設がある場所だと楽しげに話す。
「面白いよなぁ、魔術を農業にってぇのは、さ……まあ、魔法で土が耕されりゃあ、俺等の商売は上がっちまうなぁ」
豪快に笑いながら。そして、そういえば、と手綱を揺らしながら。
「前にもその実験畑に特注のスコップを届けたことがあってなぁ――そんとき小耳に挟んだんだが……おっと」
緩んでいた手綱を引いて馬を止めた。
桑の実を潰したような紫色のローブを纏った何ものかが、ゆらゆらと陽炎の様に漂いながら近付いてくる。
派手なローブを除けば、それは疲れた旅歩きの姿にも見えたが、深く被ったフードの隙間から覗いた口は、大凡人間のそれとは異なっていた。
深く切れ込んだ三日月型の暗闇の中歯車が回り、発条が跳ねる。そして、高く低く女性的でもあり男性的でもある様々な音を継ぎ接ぎした歪な声で話し掛けてきた。
「アラアラァ、こんにちワ? 僕は、急いで、いるのですヨ」
ゆらゆらと商人の男が止めた馬車に近付く足は、人のそれよりもずっと速い。
「急いでいるのです、が、それハ、玩具、ですネ」
ローブの袖が持ち上がる。僅かに除いたのは白磁の陶器のような作り物めいた白い指先。かたかたと強張った動きで持ち上がったその腕の先がはらりと解ける。
白い手から放たれたのは、木彫りの甲虫。地面に落ちる寸前にそれは膨れて、歪んだマテリアルの本性を晒す。
濁った大粒の目玉が商人とハンターを眺める。長いバネの触覚を揺らし、鋭い爪と細く硬い骨をゴムで繋いだ脚で這って、飛び上がる。羽ばたくことも無く、背負った玉虫色の甲に陽光を映し、地面から僅かに浮き上がって、ふらふらと前進してくる。
「僕の、玩具と、交換、しましョ」
きゃきゃ、と幼い笑い声がどこからともなく響いてきた。
ローブの歪虚を囲むように甲虫の歪虚がゆらりと並び、目玉を蠢かして、玩具と称された荷馬車を眺めた。
●
先程、ローブの歪虚が去った実験畑。
鳴り続けていた警鐘が止み、研究者等の殆どが屋内への退避を終えた中、襲撃を受けている畑とはいくらか離れた場所に立てられた研究棟の一室で、折れたスコップを手に溜息を吐く研究者が1人。
特注だと言われたそれを折ってしまい、新しい物を依頼したのが先日。そして、今日辺りに届くと知らせを受けていた。
窓からもぴりぴりと不穏な気配が伝わってくる。
彼は、とても良い物を作ってくれるから。
どうかどうか、無事であってくれと祈る。
ジェオルジへ農具の売り込みに。
うちの鍛冶場で焼いた鋼は頑丈で、どんな土だって上手く耕す。
荷馬車に満載の鍬の行き先は、農業都市ジェオルジのおっきな市場。と、ちょっとコネのある北の畑。なんでも、実験畑と呼ばれているらしい。
工場都市フマーレを発つ商人の馬車は、ジェオルジへ向かう街道の入り口で止められた。
最近この辺りでゴブリンや歪虚の出没が目立つらしい。せめて護衛を付けてくれ、とのことだった。
商人は出立を一日遅らせてハンターオフィスに掛け合った。
『荷馬車の護衛、ジェオルジまで、片道』
●
集まったハンター達に商人は自己紹介を兼ねて、行き先と積荷を改めて告げた。
「何度も通っている道だ。大したことないと思うんだがな」
笑いながら荷馬車を走らせ、がたごとと街道を行く。
春先の晴れた空はとても綺麗だ。
商人は話し好きな質なのか、道中ハンター達に彼是と話し掛けてきた。蹄の音に、積荷の揺れる音に、車輪の音に紛れながらも穏やかに、朗らかに。
商人の目的地はジェオルジの市場の一つで、長く懇意にしている所らしい。そこへ詰んでいる鍬の殆どを卸してくる。
そして、もう1箇所。ジェオルジ北部の実験畑。ルーベン・ジェオルジが出資し、魔術と農業の研究をしている畑や研究施設がある場所だと楽しげに話す。
「面白いよなぁ、魔術を農業にってぇのは、さ……まあ、魔法で土が耕されりゃあ、俺等の商売は上がっちまうなぁ」
豪快に笑いながら。そして、そういえば、と手綱を揺らしながら。
「前にもその実験畑に特注のスコップを届けたことがあってなぁ――そんとき小耳に挟んだんだが……おっと」
緩んでいた手綱を引いて馬を止めた。
桑の実を潰したような紫色のローブを纏った何ものかが、ゆらゆらと陽炎の様に漂いながら近付いてくる。
派手なローブを除けば、それは疲れた旅歩きの姿にも見えたが、深く被ったフードの隙間から覗いた口は、大凡人間のそれとは異なっていた。
深く切れ込んだ三日月型の暗闇の中歯車が回り、発条が跳ねる。そして、高く低く女性的でもあり男性的でもある様々な音を継ぎ接ぎした歪な声で話し掛けてきた。
「アラアラァ、こんにちワ? 僕は、急いで、いるのですヨ」
ゆらゆらと商人の男が止めた馬車に近付く足は、人のそれよりもずっと速い。
「急いでいるのです、が、それハ、玩具、ですネ」
ローブの袖が持ち上がる。僅かに除いたのは白磁の陶器のような作り物めいた白い指先。かたかたと強張った動きで持ち上がったその腕の先がはらりと解ける。
白い手から放たれたのは、木彫りの甲虫。地面に落ちる寸前にそれは膨れて、歪んだマテリアルの本性を晒す。
濁った大粒の目玉が商人とハンターを眺める。長いバネの触覚を揺らし、鋭い爪と細く硬い骨をゴムで繋いだ脚で這って、飛び上がる。羽ばたくことも無く、背負った玉虫色の甲に陽光を映し、地面から僅かに浮き上がって、ふらふらと前進してくる。
「僕の、玩具と、交換、しましョ」
きゃきゃ、と幼い笑い声がどこからともなく響いてきた。
ローブの歪虚を囲むように甲虫の歪虚がゆらりと並び、目玉を蠢かして、玩具と称された荷馬車を眺めた。
●
先程、ローブの歪虚が去った実験畑。
鳴り続けていた警鐘が止み、研究者等の殆どが屋内への退避を終えた中、襲撃を受けている畑とはいくらか離れた場所に立てられた研究棟の一室で、折れたスコップを手に溜息を吐く研究者が1人。
特注だと言われたそれを折ってしまい、新しい物を依頼したのが先日。そして、今日辺りに届くと知らせを受けていた。
窓からもぴりぴりと不穏な気配が伝わってくる。
彼は、とても良い物を作ってくれるから。
どうかどうか、無事であってくれと祈る。
解説
目的 商人の護衛
●エネミー
・甲虫型歪虚×7
大きな目玉を持った甲虫のような形の歪虚。
艶を帯びた甲羅は硬く、
地面から50~80センチほど浮き上がった状態のものもいる。
撃手段は口から吐く粘液での足止め、体当たり、足で捕獲した上での噛み付き。
・ローブの歪虚×1
紫色のローブで全身を隠した人型の歪虚。
ある程度の魔術を使うことが可能で、
撤退や撹乱を考える程度の知性があるが、
攻撃は呼び出した甲虫型歪虚にほぼ依存している。
●地形
特に何も無い街道。
両サイドは茂みと森。
初期配置
□□□□□□□□□□□□◆□□□
□この辺に□□□□□◆□◆□□□
□ハンター□□□□□◆□□□★□
□と、荷馬車□□□□◆□◆□□□
□□□□□□□□□□□□◆□□□
◆=甲虫型歪虚
★=ローブの歪虚
●NPC
・商人
やや錯乱状態になっている。
ハンターの指示には従うが、エネミーが接近した場合は積荷の鍬で応戦する。
●目的地
・農業魔術研究機関
ルーベン・ジェオルジ所有の実験畑の一部を管理・運営し、農業魔法の研究を行っている機関。
大小様々な畑と管理棟が点在し、中央には広場がある。
時折実験に失敗し、大事の時はハンターオフィスへ対処の依頼を届けている。
●エネミー
・甲虫型歪虚×7
大きな目玉を持った甲虫のような形の歪虚。
艶を帯びた甲羅は硬く、
地面から50~80センチほど浮き上がった状態のものもいる。
撃手段は口から吐く粘液での足止め、体当たり、足で捕獲した上での噛み付き。
・ローブの歪虚×1
紫色のローブで全身を隠した人型の歪虚。
ある程度の魔術を使うことが可能で、
撤退や撹乱を考える程度の知性があるが、
攻撃は呼び出した甲虫型歪虚にほぼ依存している。
●地形
特に何も無い街道。
両サイドは茂みと森。
初期配置
□□□□□□□□□□□□◆□□□
□この辺に□□□□□◆□◆□□□
□ハンター□□□□□◆□□□★□
□と、荷馬車□□□□◆□◆□□□
□□□□□□□□□□□□◆□□□
◆=甲虫型歪虚
★=ローブの歪虚
●NPC
・商人
やや錯乱状態になっている。
ハンターの指示には従うが、エネミーが接近した場合は積荷の鍬で応戦する。
●目的地
・農業魔術研究機関
ルーベン・ジェオルジ所有の実験畑の一部を管理・運営し、農業魔法の研究を行っている機関。
大小様々な畑と管理棟が点在し、中央には広場がある。
時折実験に失敗し、大事の時はハンターオフィスへ対処の依頼を届けている。
マスターより
交換=強奪、破壊
4頁目で逃げたローブと、追加の虫。
体当たりで、荷馬車壊れます。
4頁目で逃げたローブと、追加の虫。
体当たりで、荷馬車壊れます。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/04/13 01:42
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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【相談】歪虚撃退作戦 ミオレスカ(ka3496) エルフ|18才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/04/03 21:06:47 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/03/29 22:15:59 |