ゲスト
(ka0000)
美容のために
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/02 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/04/11 12:00
オープニング
ヴィッド・スプーレンという名を、魔術師のマーナは聞いたことあった。今住む町に関連する貴族の夫人、という認識であり、特に縁があるようには思えなかった。
ヴィッドが持つ趣味に合うわけでもなく、貴族でもないマーナが出会うときは厄介な事件な時だろうとも。
この日、マーナは久しぶりに帰宅しようと転移門をくぐった、留守番している弟子用に土産を2つも買って。ハンターズソサエティの支部を笑顔で出た直後、ヴィッドの使者に遭遇した。
その使者が言うには「奥さまが火急の用があるとのこと」だったため、話だけでも聞いてやろうと向かった。土産がかさばる上に、1つは動くから面倒くさいのだが、平和な生活のためには仕方がないと割り切った。
そして、スプーレン家の居間にてヴィッドと対面している。
(それにしても……ここの男たちはムキムキ)
マーナは困惑を通り越して、平静になっていた。
使者も長身で筋肉質な体型で、上着など不要とばかりにシャツだけだった。現在、ヴィッドの後ろに控える執事っぽい人もやはり筋肉質な男性だ。
マーナに茶を持ってきた侍女は、そこらへんにいそうな少女だった。
「単刀直入に問うわ、あなたはどんな化粧品を使っていらっしゃるの?」
ソファーに難儀そうに座る、鏡餅みたいな女性であるヴィッドが尋ねる。
「化粧水とオイルじゃな」
隠す必要もない。ただ、呼ばれた理由がはっきりとまだしていない。
「それらはどこで購入していらっしゃるの?」
「基材を業者からついでに購入しておる」
「キザイ?」
「材料じゃな。魔術の徒としていろいろ研究するゆえ」
「教えてちょうだい! どんな材料で、どういう風に作るの!」
ヴィッドはたゆたゆと体を揺らし、身を乗り出す。
マーナは彼女をよく見る。泣きはらしたように瞼が赤くなっているのに気付いた。不幸でもあったのか、政治がらみの何かなのか?
(いや、政治がらみで化粧品はなかろう。いや、何かの隠語か?)
マーナは考えるが、すぐに自分の考えを否定する。
御年48で美容大好きと噂に聞くヴィッドにそちらは関係ないだろう。
「わしが呼ばれた火急の用とは、化粧品を作れかえ?」
「う、そうですわね。そうよね……つらいけれどきちんと話さないとならないわね。セバス、説明を」
後ろに控えていたムキムキの男性セバスが咳払い一つ後説明を始めた。
「奥方様の美しくしみ一つなく、滑らかで弾力性があるお肌の事でございます。奥方様が昨日の朝起きられた後、いつものように確認されていた所、肌の荒れが発見され、吹き出物が一つできておりました。すでに大事をとり、医師にも診せましたが、触らなければ良いという一言で終わってしまいました。その後の奥方様のお嘆きようと言ったら……というわけで、美魔女として名高いマーナ殿のお知恵を拝借しようと言うことになりました」
マーナは慇懃な言葉の長文を聞き、頭を抱える。
(吹き出物くらいで騒ぐな! そもそも美魔女ってどうなんじゃ! 魔術師としての腕はまったく関係ないではないか!)
心の中で絶叫しているうちに、マーナは落ち着いて来た。今度は、ここに連れてこられたばかばかしさに腹が立ってくる。
角を立てず、何か面白くできないかと考えた。
閃いた瞬間、内心で笑う。
「分かった。わしができる限りのことを教えよう」
マーナは神妙な顔で、いかにも同情しているという顔を作る努力をする。
「ほ、本当」
「ああ、まあ、教えることは教えるがの、後はあなた次第じゃ」
「わ、解りましたわ」
「ハンガリー王妃の水またの名を若返りの水の作り方を教えよう」
ヴィッドはごくりと唾を飲み込む。
「若返り……」
「まあ、伝承があっての。リアルブルーの話でな、ハンガリーという国で王妃が治めていたとき、高齢だったこともあり体の節々が痛む病にかかっておったそうじゃ。それを見かねた修道士がの、ローズマリーを中心に使った薬を作って王妃に贈ったそうじゃ」
「それで?」
「その薬を塗ったところ、たちどころに痛みは消え、肌は若返り、なんと隣国の若い王子が求婚しにくるほど若返ったというのじゃ」
「ほ、欲しいわ」
マーナが心のなかで「あてにならん伝承だがの」と言っているのはもちろん伝わらない。
「まあ、本当かどうかはともかく、完全なレシピはわしも持っておらぬ。主の様子を見て、ローズマリーから抽出したエキスを混ぜて調合しよう。
マーナが材料を述べると、セバスがメモを取っていく。
大仰に言ったわりには大したことがないために、ヴィッドはつまらなそうな顔になっている。
「これが重要なんじゃが、水はアニマニュの泉という我が町の近くにある泉から、使う本人がとってこないとならないのじゃ」
マーナはにこりと笑う。
「な、なんですって!」
「そう、あなたがとりに行かねばならぬのじゃ」
「う、仕方がありませんね」
「わしの家が近くだから、採りに行ったら他の材料と共によればよい。しばらく、家にとどまっておるのでの」
「あなたの好意は身に染みました。すぐに手配します」
ヴィッドは護衛のためにハンターを至急雇うよう指示した。
マーナは弟子が待つ家に急いだ。小さい嘘をついたが、それをヴィッドが実践するのか、見届ける人員がいないことに気付いた。
「ふむ、ハンター雇ってものぉ。土産を餌にあやつを動かした場合のリスクも考えると……」
袋の中から土産用のフェレットが脱出して顔をのぞかせている。フェレットの顔が弟子の抜けた顔に見えてきて、自分で林に入って監視するしかないかと溜息を漏らした。
ヴィッドが持つ趣味に合うわけでもなく、貴族でもないマーナが出会うときは厄介な事件な時だろうとも。
この日、マーナは久しぶりに帰宅しようと転移門をくぐった、留守番している弟子用に土産を2つも買って。ハンターズソサエティの支部を笑顔で出た直後、ヴィッドの使者に遭遇した。
その使者が言うには「奥さまが火急の用があるとのこと」だったため、話だけでも聞いてやろうと向かった。土産がかさばる上に、1つは動くから面倒くさいのだが、平和な生活のためには仕方がないと割り切った。
そして、スプーレン家の居間にてヴィッドと対面している。
(それにしても……ここの男たちはムキムキ)
マーナは困惑を通り越して、平静になっていた。
使者も長身で筋肉質な体型で、上着など不要とばかりにシャツだけだった。現在、ヴィッドの後ろに控える執事っぽい人もやはり筋肉質な男性だ。
マーナに茶を持ってきた侍女は、そこらへんにいそうな少女だった。
「単刀直入に問うわ、あなたはどんな化粧品を使っていらっしゃるの?」
ソファーに難儀そうに座る、鏡餅みたいな女性であるヴィッドが尋ねる。
「化粧水とオイルじゃな」
隠す必要もない。ただ、呼ばれた理由がはっきりとまだしていない。
「それらはどこで購入していらっしゃるの?」
「基材を業者からついでに購入しておる」
「キザイ?」
「材料じゃな。魔術の徒としていろいろ研究するゆえ」
「教えてちょうだい! どんな材料で、どういう風に作るの!」
ヴィッドはたゆたゆと体を揺らし、身を乗り出す。
マーナは彼女をよく見る。泣きはらしたように瞼が赤くなっているのに気付いた。不幸でもあったのか、政治がらみの何かなのか?
(いや、政治がらみで化粧品はなかろう。いや、何かの隠語か?)
マーナは考えるが、すぐに自分の考えを否定する。
御年48で美容大好きと噂に聞くヴィッドにそちらは関係ないだろう。
「わしが呼ばれた火急の用とは、化粧品を作れかえ?」
「う、そうですわね。そうよね……つらいけれどきちんと話さないとならないわね。セバス、説明を」
後ろに控えていたムキムキの男性セバスが咳払い一つ後説明を始めた。
「奥方様の美しくしみ一つなく、滑らかで弾力性があるお肌の事でございます。奥方様が昨日の朝起きられた後、いつものように確認されていた所、肌の荒れが発見され、吹き出物が一つできておりました。すでに大事をとり、医師にも診せましたが、触らなければ良いという一言で終わってしまいました。その後の奥方様のお嘆きようと言ったら……というわけで、美魔女として名高いマーナ殿のお知恵を拝借しようと言うことになりました」
マーナは慇懃な言葉の長文を聞き、頭を抱える。
(吹き出物くらいで騒ぐな! そもそも美魔女ってどうなんじゃ! 魔術師としての腕はまったく関係ないではないか!)
心の中で絶叫しているうちに、マーナは落ち着いて来た。今度は、ここに連れてこられたばかばかしさに腹が立ってくる。
角を立てず、何か面白くできないかと考えた。
閃いた瞬間、内心で笑う。
「分かった。わしができる限りのことを教えよう」
マーナは神妙な顔で、いかにも同情しているという顔を作る努力をする。
「ほ、本当」
「ああ、まあ、教えることは教えるがの、後はあなた次第じゃ」
「わ、解りましたわ」
「ハンガリー王妃の水またの名を若返りの水の作り方を教えよう」
ヴィッドはごくりと唾を飲み込む。
「若返り……」
「まあ、伝承があっての。リアルブルーの話でな、ハンガリーという国で王妃が治めていたとき、高齢だったこともあり体の節々が痛む病にかかっておったそうじゃ。それを見かねた修道士がの、ローズマリーを中心に使った薬を作って王妃に贈ったそうじゃ」
「それで?」
「その薬を塗ったところ、たちどころに痛みは消え、肌は若返り、なんと隣国の若い王子が求婚しにくるほど若返ったというのじゃ」
「ほ、欲しいわ」
マーナが心のなかで「あてにならん伝承だがの」と言っているのはもちろん伝わらない。
「まあ、本当かどうかはともかく、完全なレシピはわしも持っておらぬ。主の様子を見て、ローズマリーから抽出したエキスを混ぜて調合しよう。
マーナが材料を述べると、セバスがメモを取っていく。
大仰に言ったわりには大したことがないために、ヴィッドはつまらなそうな顔になっている。
「これが重要なんじゃが、水はアニマニュの泉という我が町の近くにある泉から、使う本人がとってこないとならないのじゃ」
マーナはにこりと笑う。
「な、なんですって!」
「そう、あなたがとりに行かねばならぬのじゃ」
「う、仕方がありませんね」
「わしの家が近くだから、採りに行ったら他の材料と共によればよい。しばらく、家にとどまっておるのでの」
「あなたの好意は身に染みました。すぐに手配します」
ヴィッドは護衛のためにハンターを至急雇うよう指示した。
マーナは弟子が待つ家に急いだ。小さい嘘をついたが、それをヴィッドが実践するのか、見届ける人員がいないことに気付いた。
「ふむ、ハンター雇ってものぉ。土産を餌にあやつを動かした場合のリスクも考えると……」
袋の中から土産用のフェレットが脱出して顔をのぞかせている。フェレットの顔が弟子の抜けた顔に見えてきて、自分で林に入って監視するしかないかと溜息を漏らした。
解説
ヴィッドの護衛です。
ヴィッドの普段の移動手段は馬車や駕籠で、ほとんど歩きません。
歩けないわけではないですが、疲労のためにすぐに休む・癇癪を起す……かもしれません。「背負いなさい」「あなたがとってらっしゃい」などなど。
●現地
町を出て、北に10分ほど行った林に泉はあります。大人の足で片道1時間の道中。
岩場にアニマニュの泉があり、動物が多く集まっているのですぐに分かります。
水場から水があふれる為、道の一部はぬかるんでいます。
なお、アニマニュの泉はあくまで魔術師の弟子が付けた名前で、集落で聞いても「泉」「湧水」等の名詞が返ってきます。
●林の注意
リスやネズミなど小型動物が多く、時々キツネやイタチがいるくらいです。
道は約1メートル。広い所でも2メートルはありません。
なお、道幅が狭いところでは駕籠で通るのは非常に難儀です。
●駕籠係
一般人です。
身長二メートル近い大変筋肉質な男性二人です。
マダム運ぶだけの一般人なので、万が一戦闘発生すると守ってあげないとなりません。
●ヴィッド
美魔女にあこがれるお年頃。
身長150センチくらい、体重はフェレット125匹分です。フェレットの体重は1.2キロで計算。
関心ごとは美容と食事。
●マーナの肌の手入れ
面倒だから、最小限。
化粧水はローズマリーチンキとローズ水と精油数滴混合したもの。
保湿用オイルはオリーブオイルとスイートアーモンドオイルと言った昔ながらの物品。
※護衛は往復ですが、往路しか描きません、不毛なので。
ヴィッドの普段の移動手段は馬車や駕籠で、ほとんど歩きません。
歩けないわけではないですが、疲労のためにすぐに休む・癇癪を起す……かもしれません。「背負いなさい」「あなたがとってらっしゃい」などなど。
●現地
町を出て、北に10分ほど行った林に泉はあります。大人の足で片道1時間の道中。
岩場にアニマニュの泉があり、動物が多く集まっているのですぐに分かります。
水場から水があふれる為、道の一部はぬかるんでいます。
なお、アニマニュの泉はあくまで魔術師の弟子が付けた名前で、集落で聞いても「泉」「湧水」等の名詞が返ってきます。
●林の注意
リスやネズミなど小型動物が多く、時々キツネやイタチがいるくらいです。
道は約1メートル。広い所でも2メートルはありません。
なお、道幅が狭いところでは駕籠で通るのは非常に難儀です。
●駕籠係
一般人です。
身長二メートル近い大変筋肉質な男性二人です。
マダム運ぶだけの一般人なので、万が一戦闘発生すると守ってあげないとなりません。
●ヴィッド
美魔女にあこがれるお年頃。
身長150センチくらい、体重はフェレット125匹分です。フェレットの体重は1.2キロで計算。
関心ごとは美容と食事。
●マーナの肌の手入れ
面倒だから、最小限。
化粧水はローズマリーチンキとローズ水と精油数滴混合したもの。
保湿用オイルはオリーブオイルとスイートアーモンドオイルと言った昔ながらの物品。
※護衛は往復ですが、往路しか描きません、不毛なので。
マスターより
こんにちは~。寒かったり暖かだったり……。
さて、頑張ってヴィッドをどうにかしてください。なだめる、おだてる、下手に出る、興味がありそうな話で釣る……戦闘ないはずです。
ヴィッド、歩けますがお姫様抱っこ所望したりするかもしれません。
なお、マーナのお肌の手入れについては、医学的に万人に効果があるはわけではありません。
では、よろしくお願いします。
さて、頑張ってヴィッドをどうにかしてください。なだめる、おだてる、下手に出る、興味がありそうな話で釣る……戦闘ないはずです。
ヴィッド、歩けますがお姫様抱っこ所望したりするかもしれません。
なお、マーナのお肌の手入れについては、医学的に万人に効果があるはわけではありません。
では、よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/04/05 18:40
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
護衛相談所 ペル・ツェ(ka4435) エルフ|15才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/03/30 22:25:57 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/01 03:33:51 |