ゲスト
(ka0000)
【偽夜】大正ロマンVS怪盗スライム男爵
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/08 15:00
- リプレイ完成予定
- 2015/04/17 15:00
オープニング
※このシナリオは夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。
●
散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする。
開国から幾年月が経ち、東京の装いもレンガ造りのモダンな建物が増えた。
馬車をひく馬の蹄の音が、銀座の街によく響く。
「石倉さん、これ見てください。大きく取り上げられてますよ」
「知ってるよ。いちいち、騒ぐんじゃない。見っともない」
二人の男が馬車に揺らされていた。
服装を見るに、石倉が上司、もう一人が部下であるらしい。
部下の男は新聞を広げ、読み上げる。
「天下の怪盗スライム男爵、今度は大江戸美術館の秘宝を狙うと宣言!」
「だから、知ってるっての」
「警察の無能っぷりって書かれちゃってますよ。黙ってていいんですか?」
新聞をたたんで、部下は石倉の顔を覗き見る。
石倉は仏頂面を更に、石像のように硬くしていた。
「丸橋、それは……事実だ。だから、私達はあそこへ向かっているのだからな!」
吐き捨てるように、石倉はいう。
丸橋と呼ばれた部下は、ですねぇと気の抜ける声で答えていた。
五日前、最後のチャンスと長官から達しがあった警備に石倉達は当たっていた。
スライム男爵が狙ったのは、とある富豪が持つ「七色に輝く蹄鉄」だった。
猫一匹入れない覚悟で、出せる人員を総動員した。
石倉自身も、娘の誕生日会を泣く泣く諦めたという経緯がある。
だからこそ、捕まえたかった。そして、それを誕生日プレゼントのように誇ってやりたかった。
だが、娘に言われた言葉はこれだ。
「お父様……不甲斐ない」
最新鋭のライトまで揃えたというのに、スライム男爵はぬるりぬるりと現れたのだ。
光をまるで、自分への照明のように思っている節すら感じられた。
「あら、今日はパーティでもあったのかしらん?」
甘ったるい嗄れた声で、男爵は石倉たちを見下す。
大壇上から、降り立ったスライム男爵を十人の警官が一斉にとりかかるも、奴の姿はなかった。
代わりに一匹のスライムが警察と大立ち回りを演じていた。
その間に、蹄鉄を盗み出したスライム男爵を、石倉と丸橋は追いかけた。
やつを行き場のない袋小路にまで追い詰めることができたのだ。
「もう逃げられんぞい!」
にやりと石倉が笑った時、スライム男爵はところがどっこいと声を上げた。
次の瞬間、二人の目の前でスライム男爵は身体を溶かし、スライム状になって壁を這い登ったのだ。
あまりの出来事に、呆然とする二人をよそに壁を上りきった男爵は笑い声をあげていた。
「ほーっほほほ。おばかさん」
あの声を思い出すだけで、石倉の額に青筋が立つのだった。
●
「アポイントメントはございますか?」
「アポ……なんだ? よくわからんが、警察庁の石倉だ。所長いるんだろ?」
「アポなしですかー。所長お忙しいのですがー」
受付の少女はぽわんとした表情で、石倉の言葉を受け流す。
そういえば、こういう奴だったと思い出しながらグッと拳を堪える。
「石倉が来たと伝えろ」
「しかたないですねー。今度は袖の下用意しやがれー」
「ほざけ」
ここは、銀座の裏通り。表から外された、寂れた建物の中の一つだ。
半田探偵事務所と表看板を掲げる、怪しげな赤レンガの建物である。
「どうぞー」
少女に呼ばれ、石倉達は玄関から奥に設けられた応接室へ向かう。
呪符やら奇妙な絵画やら……骨まで飾られた悪趣味な廊下を抜け、扉を開ける。
「おおきに。今日はどんなご用件で?」
半田所長が、手もみして待っていた。
口止め料が上乗せされるため、実入りがいい警察からの依頼は好んで受ける。
金さえ払えば、神すら見極め断じると豪語する男である。
「実は……」と硬いソファに腰掛け、石倉は早速本題に入った。
「そういう依頼やったら、うちの肝入を何人かお貸ししまっせ」
話が早くて済むが、石倉の胃は痛かった。
一体、どれだけの額が請求されるというのだろうか。
「ほい、ではコレ請求書。どや?」
ちらりと額を見て見ぬふりをする。
長官からは捕まえるための額は惜しまないと言われていたが、これはひどい。
どうせ、長官のクビが飛ぶだけだと高をくくって書状を預かる。
「では……頼むぞ」
最後の最後まで渋面を崩さなかった石倉に、半田は満面の笑みを浮かべた。
「おおきにぃ~」
●
石倉たちが帰った後、半田は受付嬢を呼ぶ。
「梅ちゃん、電報とお使い頼んでもええかー」
「いいですとも」と石倉への態度とは一変、ハキハキと梅は動く。
招聘されるのは、半田探偵事務所所属の探偵たち。そして、協力者だった。
スライム男爵がいかなる怪異だとしても、彼らには構うまい。
「ヘマせなんだらやけどなぁ」
少し不吉なつぶやきをしながら、半田はパイプから煙を蒸すのだった。
●
散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする。
開国から幾年月が経ち、東京の装いもレンガ造りのモダンな建物が増えた。
馬車をひく馬の蹄の音が、銀座の街によく響く。
「石倉さん、これ見てください。大きく取り上げられてますよ」
「知ってるよ。いちいち、騒ぐんじゃない。見っともない」
二人の男が馬車に揺らされていた。
服装を見るに、石倉が上司、もう一人が部下であるらしい。
部下の男は新聞を広げ、読み上げる。
「天下の怪盗スライム男爵、今度は大江戸美術館の秘宝を狙うと宣言!」
「だから、知ってるっての」
「警察の無能っぷりって書かれちゃってますよ。黙ってていいんですか?」
新聞をたたんで、部下は石倉の顔を覗き見る。
石倉は仏頂面を更に、石像のように硬くしていた。
「丸橋、それは……事実だ。だから、私達はあそこへ向かっているのだからな!」
吐き捨てるように、石倉はいう。
丸橋と呼ばれた部下は、ですねぇと気の抜ける声で答えていた。
五日前、最後のチャンスと長官から達しがあった警備に石倉達は当たっていた。
スライム男爵が狙ったのは、とある富豪が持つ「七色に輝く蹄鉄」だった。
猫一匹入れない覚悟で、出せる人員を総動員した。
石倉自身も、娘の誕生日会を泣く泣く諦めたという経緯がある。
だからこそ、捕まえたかった。そして、それを誕生日プレゼントのように誇ってやりたかった。
だが、娘に言われた言葉はこれだ。
「お父様……不甲斐ない」
最新鋭のライトまで揃えたというのに、スライム男爵はぬるりぬるりと現れたのだ。
光をまるで、自分への照明のように思っている節すら感じられた。
「あら、今日はパーティでもあったのかしらん?」
甘ったるい嗄れた声で、男爵は石倉たちを見下す。
大壇上から、降り立ったスライム男爵を十人の警官が一斉にとりかかるも、奴の姿はなかった。
代わりに一匹のスライムが警察と大立ち回りを演じていた。
その間に、蹄鉄を盗み出したスライム男爵を、石倉と丸橋は追いかけた。
やつを行き場のない袋小路にまで追い詰めることができたのだ。
「もう逃げられんぞい!」
にやりと石倉が笑った時、スライム男爵はところがどっこいと声を上げた。
次の瞬間、二人の目の前でスライム男爵は身体を溶かし、スライム状になって壁を這い登ったのだ。
あまりの出来事に、呆然とする二人をよそに壁を上りきった男爵は笑い声をあげていた。
「ほーっほほほ。おばかさん」
あの声を思い出すだけで、石倉の額に青筋が立つのだった。
●
「アポイントメントはございますか?」
「アポ……なんだ? よくわからんが、警察庁の石倉だ。所長いるんだろ?」
「アポなしですかー。所長お忙しいのですがー」
受付の少女はぽわんとした表情で、石倉の言葉を受け流す。
そういえば、こういう奴だったと思い出しながらグッと拳を堪える。
「石倉が来たと伝えろ」
「しかたないですねー。今度は袖の下用意しやがれー」
「ほざけ」
ここは、銀座の裏通り。表から外された、寂れた建物の中の一つだ。
半田探偵事務所と表看板を掲げる、怪しげな赤レンガの建物である。
「どうぞー」
少女に呼ばれ、石倉達は玄関から奥に設けられた応接室へ向かう。
呪符やら奇妙な絵画やら……骨まで飾られた悪趣味な廊下を抜け、扉を開ける。
「おおきに。今日はどんなご用件で?」
半田所長が、手もみして待っていた。
口止め料が上乗せされるため、実入りがいい警察からの依頼は好んで受ける。
金さえ払えば、神すら見極め断じると豪語する男である。
「実は……」と硬いソファに腰掛け、石倉は早速本題に入った。
「そういう依頼やったら、うちの肝入を何人かお貸ししまっせ」
話が早くて済むが、石倉の胃は痛かった。
一体、どれだけの額が請求されるというのだろうか。
「ほい、ではコレ請求書。どや?」
ちらりと額を見て見ぬふりをする。
長官からは捕まえるための額は惜しまないと言われていたが、これはひどい。
どうせ、長官のクビが飛ぶだけだと高をくくって書状を預かる。
「では……頼むぞ」
最後の最後まで渋面を崩さなかった石倉に、半田は満面の笑みを浮かべた。
「おおきにぃ~」
●
石倉たちが帰った後、半田は受付嬢を呼ぶ。
「梅ちゃん、電報とお使い頼んでもええかー」
「いいですとも」と石倉への態度とは一変、ハキハキと梅は動く。
招聘されるのは、半田探偵事務所所属の探偵たち。そして、協力者だった。
スライム男爵がいかなる怪異だとしても、彼らには構うまい。
「ヘマせなんだらやけどなぁ」
少し不吉なつぶやきをしながら、半田はパイプから煙を蒸すのだった。
解説
●目的
怪盗スライム男爵を捕まえ、この怪事件を解決する。
●舞台設定
文明開化を遂げて、レンガ造りの建物が増えてきた東京。
ざっくりといえば、大正ロマンを感じさせる街です。
PCは、半田探偵事務所所属の探偵、もしくは警察等の協力者です。
●スライム男爵
スライム細胞なる細胞を持ち、身体をスライム化させたりスライムを生み出せる。
その特殊能力から、警備の網をくぐり抜けて盗みを働いている。
美学は、美しきスライムの技で盗みをすること。
警察では太刀打ちできないため、依頼が行われた。
正体。スライム研究者の衆来(すらい)。
30代半ばの男。オネエ言葉で喋る。
調べる過程で会いに行くことも可能。
ただし、捕まえられるのは男爵時限定です。
●半田探偵事務所
怪事件を中心に警察や富豪からの依頼を解決する探偵事務所。
特殊な力を持つ探偵たちが所属する。
中には、協力者として出入りする者も多い。
●舞台設定との絡みについて
開国後のため、外国人もいます。
ただし、数は多くないため和名を使う場合はそちらを使用します。
また、技名等も和名に言い換えて頂いて構いません。
怪盗スライム男爵を捕まえ、この怪事件を解決する。
●舞台設定
文明開化を遂げて、レンガ造りの建物が増えてきた東京。
ざっくりといえば、大正ロマンを感じさせる街です。
PCは、半田探偵事務所所属の探偵、もしくは警察等の協力者です。
●スライム男爵
スライム細胞なる細胞を持ち、身体をスライム化させたりスライムを生み出せる。
その特殊能力から、警備の網をくぐり抜けて盗みを働いている。
美学は、美しきスライムの技で盗みをすること。
警察では太刀打ちできないため、依頼が行われた。
正体。スライム研究者の衆来(すらい)。
30代半ばの男。オネエ言葉で喋る。
調べる過程で会いに行くことも可能。
ただし、捕まえられるのは男爵時限定です。
●半田探偵事務所
怪事件を中心に警察や富豪からの依頼を解決する探偵事務所。
特殊な力を持つ探偵たちが所属する。
中には、協力者として出入りする者も多い。
●舞台設定との絡みについて
開国後のため、外国人もいます。
ただし、数は多くないため和名を使う場合はそちらを使用します。
また、技名等も和名に言い換えて頂いて構いません。
マスターより
こんにちは、御影堂です。
大正ロマンな感じのIFシナリオです。
一風変わった時代劇ともいえますが、コミカル臭がするのはなぜでしょう。
大正ロマンですよ? 大正ロマン!
戦闘というより創意工夫といった感じもあります。
情報収集含めて、楽しんでみては如何でしょうか?
大正ロマンな感じのIFシナリオです。
一風変わった時代劇ともいえますが、コミカル臭がするのはなぜでしょう。
大正ロマンですよ? 大正ロマン!
戦闘というより創意工夫といった感じもあります。
情報収集含めて、楽しんでみては如何でしょうか?
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/04/16 18:54
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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設定卓 ボルディア・コンフラムス(ka0796) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/04/07 19:44:46 |
|
![]() |
相談卓 ボルディア・コンフラムス(ka0796) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/04/08 05:41:14 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/08 07:04:27 |