ゲスト
(ka0000)
【不動】慟哭の叙唱 悪性開花し、人は惑う
マスター:鹿野やいと

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/02 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/04/11 22:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
敵の発見から僅か十数分。ダンテの微塵の迷いも無い指示により、王国連合軍は歪虚の群に突撃した。接触と同時に部隊は二つに分かれる。ダンテ自ら率いる血路を開く部隊と、敵の群の中央に位置するフレッシュゴーレムを狙う部隊だ。中央に向かった部隊の半分は途上現れた骸の壁に阻まれたものの、ジェフリー・ブラックバーン率いる残り半分は、敵陣中央へと激しく切り込んだ。群の中央。巨人達の輪の中にぽっかりと開いた空間に鎮座するのは、グロテスクな肉の塊であった。それは人の形をしていた。怠惰の巨人達よりも横に太く、どちらかといえば平均的なドワーフをそのまま巨大にしたようなシルエットだった。巨人は肉厚な曲刀と身を覆い隠すほどの盾で武装しているが、武器の凶悪さが霞むほどにその肉体が異様であった。ジェフリーが最初に連想したのは紐で固く縛ったハムであった。人の形をした入れ物に、むりやり人間の肉を押し込んだような外見だった。巨人の指は、一本一本が大人の腕でできていた。足は人の胴や腿を組み合わせてできている。そして体の至る所に生気を失った人の顔が埋め込まれていた。ジェフリーはフレッシュゴーレムを知識では知っていたが、過去の資料と比べても飛びぬけて趣味の悪い材料の使い方をしていた。
「副長、あれは…」
騎士の1人が巨人の上方を指す。本来頭があるべき場所は平坦で何もなく、頭の代わりに人が足を組み腰掛けていた。いや、人ではない。逆光で見えなかったが、その人物は服を着た骸骨であった。王国貴族の華やかな正装をまとい、金のかつらを被ったしゃれこうべ。眼窩には青い光を灯し、地上を悠然と見下ろしている。騎士達の視線に気づいたのか。髑髏の人物は立ち上がり、シルクハットを取って優雅な仕草でお辞儀をした。
「紳士淑女の皆々様、ようこそおいでくださいました! 私はラトス・ケーオと申します。偉大なるレチタティーヴォ様の元で「作曲家」を務めております」
「レチタティーヴォ……だと」
嫌な名前だ。阮妙純(グェン・ジェウ・トゥアン)ら、リアルブルー出身のハンターは怪訝な顔をしているが、王国の騎士達は揃って怒気を露にしていた。レチタティーヴォは王国で歪虚が起こした幾つかの少なくない事件の黒幕として名が挙がる人物だ。その被害は深刻であり、王国は何年もこの歪虚を追っているが足取りすら掴むことができていない。彼の部下は目の前のラトスのように決まって彼の名前を高らかに謳いあげるが、本人が現場に現れることが無いために未だに正体不明のままである。
「演目の開幕を飾りますのは、我らが楽団の歌い手達による合唱でございます。極上の痛みと嘆きに彩られた旋律、どうぞ心行くまで御堪能くださいませ!」
口上が終わると同時に銃声が響いた。撃ったのはトゥアンであった。怒りで目が据わっており、正面に立てば大の大人でも竦むような鬼気迫る顔をしている。ラトスの衣装に穴は開いたが、本人は欠片もダメージを受けた気配は無い。
「おい、てめえ……」
「はい、如何いたしましたか?」
「なんだそのでかぶつは……! なんでテッドの顔がついてやがんだ!? あぁっ!?」
表情の無いはずのラトスに相貌に、喜悦の色が見える。膨れ上がる怒りの気配に高潮すらしているようだった。眼窩に光る青い光が妖しく揺らめいている。
「これはこれは……。そちらのお嬢さんの御友人でしたか。この歌い手達はマギア砦にて御招待申し上げました」
「マギア砦だと……」
言われてジェフリーは付いている顔の一つ一つを見た。そこには確かにマギア砦に出陣し、帰って来なかった者の顔が浮かんでいた。トゥアンが指しているのもハンターの仲間の者だろう。
「上等だクソが! もう一度死にてえってんならそうしてやる!!」
トゥアンは切れた事を隠しもせず、赤の隊顔負けの手の早さで弾が尽きるまで撃ち続けた。しかし、ラトスに変化はない。ラトスはトゥアンが銃を撃つのを止めるまでたっぷりと待ち、そこから手を翻した。
「皆様、暖かい拍手をありがとうございます! それでは楽団による合唱をお聞きください。曲の演奏は私、ラトス・ケーオが行います」
言ってラトスが引き出したのは、人の大腿骨で出来た悪趣味な笛であった。ラトスが笛を吹くと響き渡る重低音がマテリアルに干渉し、重圧となって騎士達に圧し掛かる。何か来ると構えていた騎士とハンターだが、思わず武器を取り落とす者さえ居た。
「ぐぅっ……!」
笛の音に重ねるように巨人の肉塊についた頭もそれぞれが不協和音となる陰鬱な声を発し始める。巨人に近い者ほどその波動に苦しめられた。
「!?」
【歌】を歌いながらもゴーレムは動き始めていた。頭を抑えて苦しむトゥアンに、肉塊は肉厚の曲刀を振りかぶる。間一髪。側にいたアーノルドがトゥアンを突き飛ばした。
「! アーノルド!!」
突き飛ばしたアーノルドは曲刀を盾で弾いていたが、衝撃に耐え切れず鎧ごと腕がひしゃげていた。片手で斧を構えるアーノルドだが、既に戦力は半減している。出血が多く、長くは立っていられないだろう。
「散開!」
ジェフリーは命じながらハルバードを振りかぶり太股を狙う。単調で直線的ながらも必殺の速度で振るわれたそれは、しかし振り返った巨人の盾で防がれる。
「ちっ……」
木偶かと思えばなかなかどうして武芸達者だ。だがここまで来て引き返せるわけもない。こいつはここで殺さねばならない。でなければこの進路に住む村民は、この醜悪な巨人と同じ末路に成り果てるだろう。
「仕留めるぞ! 続けぇ!!」
再びハルバードを構え、ジェフリーは巨人へと攻めかかる。包囲したハンター達は遅れじとその攻勢に続いた。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
敵の発見から僅か十数分。ダンテの微塵の迷いも無い指示により、王国連合軍は歪虚の群に突撃した。接触と同時に部隊は二つに分かれる。ダンテ自ら率いる血路を開く部隊と、敵の群の中央に位置するフレッシュゴーレムを狙う部隊だ。中央に向かった部隊の半分は途上現れた骸の壁に阻まれたものの、ジェフリー・ブラックバーン率いる残り半分は、敵陣中央へと激しく切り込んだ。群の中央。巨人達の輪の中にぽっかりと開いた空間に鎮座するのは、グロテスクな肉の塊であった。それは人の形をしていた。怠惰の巨人達よりも横に太く、どちらかといえば平均的なドワーフをそのまま巨大にしたようなシルエットだった。巨人は肉厚な曲刀と身を覆い隠すほどの盾で武装しているが、武器の凶悪さが霞むほどにその肉体が異様であった。ジェフリーが最初に連想したのは紐で固く縛ったハムであった。人の形をした入れ物に、むりやり人間の肉を押し込んだような外見だった。巨人の指は、一本一本が大人の腕でできていた。足は人の胴や腿を組み合わせてできている。そして体の至る所に生気を失った人の顔が埋め込まれていた。ジェフリーはフレッシュゴーレムを知識では知っていたが、過去の資料と比べても飛びぬけて趣味の悪い材料の使い方をしていた。
「副長、あれは…」
騎士の1人が巨人の上方を指す。本来頭があるべき場所は平坦で何もなく、頭の代わりに人が足を組み腰掛けていた。いや、人ではない。逆光で見えなかったが、その人物は服を着た骸骨であった。王国貴族の華やかな正装をまとい、金のかつらを被ったしゃれこうべ。眼窩には青い光を灯し、地上を悠然と見下ろしている。騎士達の視線に気づいたのか。髑髏の人物は立ち上がり、シルクハットを取って優雅な仕草でお辞儀をした。
「紳士淑女の皆々様、ようこそおいでくださいました! 私はラトス・ケーオと申します。偉大なるレチタティーヴォ様の元で「作曲家」を務めております」
「レチタティーヴォ……だと」
嫌な名前だ。阮妙純(グェン・ジェウ・トゥアン)ら、リアルブルー出身のハンターは怪訝な顔をしているが、王国の騎士達は揃って怒気を露にしていた。レチタティーヴォは王国で歪虚が起こした幾つかの少なくない事件の黒幕として名が挙がる人物だ。その被害は深刻であり、王国は何年もこの歪虚を追っているが足取りすら掴むことができていない。彼の部下は目の前のラトスのように決まって彼の名前を高らかに謳いあげるが、本人が現場に現れることが無いために未だに正体不明のままである。
「演目の開幕を飾りますのは、我らが楽団の歌い手達による合唱でございます。極上の痛みと嘆きに彩られた旋律、どうぞ心行くまで御堪能くださいませ!」
口上が終わると同時に銃声が響いた。撃ったのはトゥアンであった。怒りで目が据わっており、正面に立てば大の大人でも竦むような鬼気迫る顔をしている。ラトスの衣装に穴は開いたが、本人は欠片もダメージを受けた気配は無い。
「おい、てめえ……」
「はい、如何いたしましたか?」
「なんだそのでかぶつは……! なんでテッドの顔がついてやがんだ!? あぁっ!?」
表情の無いはずのラトスに相貌に、喜悦の色が見える。膨れ上がる怒りの気配に高潮すらしているようだった。眼窩に光る青い光が妖しく揺らめいている。
「これはこれは……。そちらのお嬢さんの御友人でしたか。この歌い手達はマギア砦にて御招待申し上げました」
「マギア砦だと……」
言われてジェフリーは付いている顔の一つ一つを見た。そこには確かにマギア砦に出陣し、帰って来なかった者の顔が浮かんでいた。トゥアンが指しているのもハンターの仲間の者だろう。
「上等だクソが! もう一度死にてえってんならそうしてやる!!」
トゥアンは切れた事を隠しもせず、赤の隊顔負けの手の早さで弾が尽きるまで撃ち続けた。しかし、ラトスに変化はない。ラトスはトゥアンが銃を撃つのを止めるまでたっぷりと待ち、そこから手を翻した。
「皆様、暖かい拍手をありがとうございます! それでは楽団による合唱をお聞きください。曲の演奏は私、ラトス・ケーオが行います」
言ってラトスが引き出したのは、人の大腿骨で出来た悪趣味な笛であった。ラトスが笛を吹くと響き渡る重低音がマテリアルに干渉し、重圧となって騎士達に圧し掛かる。何か来ると構えていた騎士とハンターだが、思わず武器を取り落とす者さえ居た。
「ぐぅっ……!」
笛の音に重ねるように巨人の肉塊についた頭もそれぞれが不協和音となる陰鬱な声を発し始める。巨人に近い者ほどその波動に苦しめられた。
「!?」
【歌】を歌いながらもゴーレムは動き始めていた。頭を抑えて苦しむトゥアンに、肉塊は肉厚の曲刀を振りかぶる。間一髪。側にいたアーノルドがトゥアンを突き飛ばした。
「! アーノルド!!」
突き飛ばしたアーノルドは曲刀を盾で弾いていたが、衝撃に耐え切れず鎧ごと腕がひしゃげていた。片手で斧を構えるアーノルドだが、既に戦力は半減している。出血が多く、長くは立っていられないだろう。
「散開!」
ジェフリーは命じながらハルバードを振りかぶり太股を狙う。単調で直線的ながらも必殺の速度で振るわれたそれは、しかし振り返った巨人の盾で防がれる。
「ちっ……」
木偶かと思えばなかなかどうして武芸達者だ。だがここまで来て引き返せるわけもない。こいつはここで殺さねばならない。でなければこの進路に住む村民は、この醜悪な巨人と同じ末路に成り果てるだろう。
「仕留めるぞ! 続けぇ!!」
再びハルバードを構え、ジェフリーは巨人へと攻めかかる。包囲したハンター達は遅れじとその攻勢に続いた。
解説
■状況
PCは王国連合軍に雇われたハンターです
詳細はOPの通りです
■敵情報(1ターン目で判明するPL情報込み)
・フレッシュゴーレム × 1
フレッシュ(死肉)のゴーレムです
外見はOPの通り
体を覆うほどの巨大な盾と肉厚の曲刀を装備しています
いくつかの近接戦闘用のスキルを所持しています
動きは巨大さに似合わず機敏で、武器戦闘の技術もあります
・『紅凶汲曲』ラトス・ケーオ
人骨の笛で重低音の音色を奏でています
笛を吹いているだけですが、何らかのスキルを使用しているようで
毎ターン何らかの悪影響がPCに起こります
スキルの効果範囲、対象の数、射程、効果など、明らかではありません
スキルの効果に含まれない場合はうるさいだけの重低音に聞こえます
ラトスは彼個人のルールに従い、今回は本気を出していません
フレッシュゴーレムが撃破されれば撤退します
■味方NPC
・ジェフリー・ブラックバーン(kz0092) 霊闘士
・騎士アーノルド、闘狩人
・阮妙純(グエン・ジェウ・トゥアン)猟撃士
他兵士数名。
NPCはPCの作戦に準拠して自動で行動します
プレイングで行動方針を書く必要はありません
■周囲の状況
障害物の無い平野です
■他
・希望者には1人1頭まで王国の名馬ゴースロンを貸与します
・依頼の状況によって、敵味方両方に増援の可能性があります
PCは王国連合軍に雇われたハンターです
詳細はOPの通りです
■敵情報(1ターン目で判明するPL情報込み)
・フレッシュゴーレム × 1
フレッシュ(死肉)のゴーレムです
外見はOPの通り
体を覆うほどの巨大な盾と肉厚の曲刀を装備しています
いくつかの近接戦闘用のスキルを所持しています
動きは巨大さに似合わず機敏で、武器戦闘の技術もあります
・『紅凶汲曲』ラトス・ケーオ
人骨の笛で重低音の音色を奏でています
笛を吹いているだけですが、何らかのスキルを使用しているようで
毎ターン何らかの悪影響がPCに起こります
スキルの効果範囲、対象の数、射程、効果など、明らかではありません
スキルの効果に含まれない場合はうるさいだけの重低音に聞こえます
ラトスは彼個人のルールに従い、今回は本気を出していません
フレッシュゴーレムが撃破されれば撤退します
■味方NPC
・ジェフリー・ブラックバーン(kz0092) 霊闘士
・騎士アーノルド、闘狩人
・阮妙純(グエン・ジェウ・トゥアン)猟撃士
他兵士数名。
NPCはPCの作戦に準拠して自動で行動します
プレイングで行動方針を書く必要はありません
■周囲の状況
障害物の無い平野です
■他
・希望者には1人1頭まで王国の名馬ゴースロンを貸与します
・依頼の状況によって、敵味方両方に増援の可能性があります
マスターより
ムジカSSD、藤山MSとの連動依頼です
今回はただでさえ強い相手に加え、初見という悪条件の重なる非常に難しい依頼になります
敵の能力を暴けば以後の戦いが楽になるとは思いますが、まず勝つ事が難しいでしょう
しかしハンター諸氏ならこの逆境にも負けることはないと私は信じています
腕に覚えのある皆様の挑戦をお待ちしております
今回はただでさえ強い相手に加え、初見という悪条件の重なる非常に難しい依頼になります
敵の能力を暴けば以後の戦いが楽になるとは思いますが、まず勝つ事が難しいでしょう
しかしハンター諸氏ならこの逆境にも負けることはないと私は信じています
腕に覚えのある皆様の挑戦をお待ちしております
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/04/09 21:06
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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相談卓 ジュード・エアハート(ka0410) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/04/02 21:52:28 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/02 01:29:51 |