ゲスト
(ka0000)
乙女の想いは歌に抱かれて天へ往く
マスター:あまねみゆ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- サポート
- 現在0人 / 0~12人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2014/07/03 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/07/12 19:00
オープニング
吟遊詩人がとある町にふらりと立ち寄ると、丁度町をあげてのお祭り騒ぎの最中だった。聞けば町長の娘がどこぞの下級貴族に見初められ、後妻として嫁入りするらしい。町長は多額の支度金と貴族と縁続きになれることを喜んで、町を上げて祝わせているのだという。
丁度よい機会だと町中で歌っていた吟遊詩人だったが、町長に呼ばれて町長宅で歌声を披露した。披露した祝いの歌は町長のお気に召したらしく、多めの報酬をもらって宿屋に戻ろうとした時、引き止められた。嫁ぐ予定の娘が、眠りにつくまで吟遊詩人に歌を歌って欲しいのだと。
少女の兄を同席させることを条件に、町長は娘の最後のわがままとしてそれを許した。
町長は町の者達と夜通し祝い酒を飲みにでかけ、町長夫人も夫の給仕や介抱の為に付き添って出かけていった。町長の子どもたちしか残っていない家の中、娘の部屋に呼ばれた吟遊詩人は予想外のお願いをされたのである。
「吟遊詩人様、どうか、私とイザイヨの恋を、私の想いを歌にしてください。
嫁ぐことには了承しています。けれどもこのままでは、私の、私達の想いがかわいそうで……。
名を伏せて、名を変えてでも、私達の恋が吟遊詩人様の歌の中だけでも成就してくれるのなら、私に思い残すことはありません」
涙ながらに語る娘の名はフィオレ。付き添う兄もこの恋については知っているのだろう、フィオレとともに頭を下げてきた。
聞けばこっそり育んできた愛は貴族の元へ嫁ぐことに決まった時に両親の知るところになり、イザイヨは町を追い出されてしまったのだという。
娘の側から見れば不憫な話ではあるが、吟遊詩人にはそれを覆す力はない。承諾して、二人の恋の物語を記憶に刻むことしかできなかった。
そしてフィオレは豪奢な馬車に出迎えられて、貴族の元へと嫁いでいったのである。
これは数日前の出来事。
* * *
「え? 狙われてる……?」
「はい」
この日ハンターオフィスを訪ねてきたのはエルフの男性だ。長い髪を軽く結って垂らしている。聞けば、吟遊詩人として旅をしているとのこと。
「何か心当たりは……というか、なにかやったんですか?」
まさか、と訝しげな表情を浮かべる職員に、彼、クリストフェル――クリスは苦笑しつつ首を振った。
「視線を感じるようになったのは、王都に入ってからなんです。幸い人通りの多い場所を歩くようにしていましたし、部屋をとっている宿の1階の食堂兼酒場で歌わせてもらってるので、夜道を出歩くこと無く済んでいたのですが……やはり、視線を感じるんです。見張られているような……狙われているような」
「うーん、旅をなさっているんでしたよね。次に王都に向かうこと、誰かに話しました?」
職員の問いに少し考えるように首を傾げるクリス。頭に巻いた飾り布についている石がふれ合って、しゃらりと音を立てた。
「ああ、ここに来る前に寄った町を出る時に、宿屋の方に次は王都へ向かうつもりですとお話しましたね」
「ふむふむ……その町から誰か追いかけてきたんですかね? でもだったらすぐにクリスさんの前に姿を現せばいいだけですよね。なのに……ちょっと気持ち悪いですねぇ」
「ええ、だから、囮になるつもりです。あちらがもし私を狙っているのでしたら、少人数で野宿をしている時に仕掛けてくると思うのです」
クリスもハンターではあるが、相手の数も目的もわからない状態で一人で対峙する愚かさはない。自分の力量がそれほど高くないことも自覚している。複数の相手に一人で対処できるとも思えないから、依頼をしに来たのだろう。
「私と一緒に見えない敵をおびき出してくれる人を探しています。 相手が油断するよう、野宿がてら歌と演奏を披露しようと思います。もし歌や演奏、踊りなど得意な方がいらっしゃるなら、披露してくださると嬉しいです」
* * *
「ああ、フィオレとイザイヨの事が万が一バンデラス様のお耳にでも入ったら! 離縁されるだけでなく支度金を返せと言われるかもしれない! まさか、フィオレが吟遊詩人に話すとは……」
あの夜、忘れ物をとりに家へ戻ってきた町長夫人は扉の外から偶然話を聞いてしまったのだった。すぐに夫に報告しなかったのは娘の気持ちもわかるからであったが、やはりなにか起こってからでは遅いと判断し、夫に報告した。しかし吟遊詩人――クリスはすでに旅立った後。
「あの吟遊詩人は王都へ行くと言っていたそうだ。なんとかヤツの口を封じなくては……」
「あなた……」
「人を雇おう。ちょっと出てくる」
「あなたっ……!」
乱暴に扉を閉める夫の背を見つめ、夫人は自分のしたことが正しかったのだろうかと自問自答したのだった。
丁度よい機会だと町中で歌っていた吟遊詩人だったが、町長に呼ばれて町長宅で歌声を披露した。披露した祝いの歌は町長のお気に召したらしく、多めの報酬をもらって宿屋に戻ろうとした時、引き止められた。嫁ぐ予定の娘が、眠りにつくまで吟遊詩人に歌を歌って欲しいのだと。
少女の兄を同席させることを条件に、町長は娘の最後のわがままとしてそれを許した。
町長は町の者達と夜通し祝い酒を飲みにでかけ、町長夫人も夫の給仕や介抱の為に付き添って出かけていった。町長の子どもたちしか残っていない家の中、娘の部屋に呼ばれた吟遊詩人は予想外のお願いをされたのである。
「吟遊詩人様、どうか、私とイザイヨの恋を、私の想いを歌にしてください。
嫁ぐことには了承しています。けれどもこのままでは、私の、私達の想いがかわいそうで……。
名を伏せて、名を変えてでも、私達の恋が吟遊詩人様の歌の中だけでも成就してくれるのなら、私に思い残すことはありません」
涙ながらに語る娘の名はフィオレ。付き添う兄もこの恋については知っているのだろう、フィオレとともに頭を下げてきた。
聞けばこっそり育んできた愛は貴族の元へ嫁ぐことに決まった時に両親の知るところになり、イザイヨは町を追い出されてしまったのだという。
娘の側から見れば不憫な話ではあるが、吟遊詩人にはそれを覆す力はない。承諾して、二人の恋の物語を記憶に刻むことしかできなかった。
そしてフィオレは豪奢な馬車に出迎えられて、貴族の元へと嫁いでいったのである。
これは数日前の出来事。
* * *
「え? 狙われてる……?」
「はい」
この日ハンターオフィスを訪ねてきたのはエルフの男性だ。長い髪を軽く結って垂らしている。聞けば、吟遊詩人として旅をしているとのこと。
「何か心当たりは……というか、なにかやったんですか?」
まさか、と訝しげな表情を浮かべる職員に、彼、クリストフェル――クリスは苦笑しつつ首を振った。
「視線を感じるようになったのは、王都に入ってからなんです。幸い人通りの多い場所を歩くようにしていましたし、部屋をとっている宿の1階の食堂兼酒場で歌わせてもらってるので、夜道を出歩くこと無く済んでいたのですが……やはり、視線を感じるんです。見張られているような……狙われているような」
「うーん、旅をなさっているんでしたよね。次に王都に向かうこと、誰かに話しました?」
職員の問いに少し考えるように首を傾げるクリス。頭に巻いた飾り布についている石がふれ合って、しゃらりと音を立てた。
「ああ、ここに来る前に寄った町を出る時に、宿屋の方に次は王都へ向かうつもりですとお話しましたね」
「ふむふむ……その町から誰か追いかけてきたんですかね? でもだったらすぐにクリスさんの前に姿を現せばいいだけですよね。なのに……ちょっと気持ち悪いですねぇ」
「ええ、だから、囮になるつもりです。あちらがもし私を狙っているのでしたら、少人数で野宿をしている時に仕掛けてくると思うのです」
クリスもハンターではあるが、相手の数も目的もわからない状態で一人で対峙する愚かさはない。自分の力量がそれほど高くないことも自覚している。複数の相手に一人で対処できるとも思えないから、依頼をしに来たのだろう。
「私と一緒に見えない敵をおびき出してくれる人を探しています。 相手が油断するよう、野宿がてら歌と演奏を披露しようと思います。もし歌や演奏、踊りなど得意な方がいらっしゃるなら、披露してくださると嬉しいです」
* * *
「ああ、フィオレとイザイヨの事が万が一バンデラス様のお耳にでも入ったら! 離縁されるだけでなく支度金を返せと言われるかもしれない! まさか、フィオレが吟遊詩人に話すとは……」
あの夜、忘れ物をとりに家へ戻ってきた町長夫人は扉の外から偶然話を聞いてしまったのだった。すぐに夫に報告しなかったのは娘の気持ちもわかるからであったが、やはりなにか起こってからでは遅いと判断し、夫に報告した。しかし吟遊詩人――クリスはすでに旅立った後。
「あの吟遊詩人は王都へ行くと言っていたそうだ。なんとかヤツの口を封じなくては……」
「あなた……」
「人を雇おう。ちょっと出てくる」
「あなたっ……!」
乱暴に扉を閉める夫の背を見つめ、夫人は自分のしたことが正しかったのだろうかと自問自答したのだった。
解説
・目的
エルフの吟遊詩人クリストフェル(クリス)と一緒に野宿をして、クリスを狙っている相手をおびき出して何とかしよう!
歌ったり演奏したり踊ったりできる方は是非一緒に楽しんでください。出来ない方も、手拍子などでご参加頂ければ。
・野宿予定地
王都を出て暫く歩いたあたりの、人通りの少ない林付近
・依頼人
クリストフェル(クリス)(25歳)……エルフの吟遊詩人。一応ハンター(魔術師)ではあるが、そんなに強くはない。
・予想される襲撃者
ガラの悪い男たち。いわゆるごろつきみたいなのが4人ほど。
斧とか棒とか剣とかもってますが、ちょっと強い一般人。
・その他
フィオレ(17歳)……クリスに自分の恋を歌にして、歌の中だけでも幸せにしてほしいと願った少女。貴族の後妻として嫁いだ。
イザイヨ(20歳)……フィオレと同じ町に住んでいて隠れて恋仲になっていたが、町長にバレて町を追い出された青年。
エルフの吟遊詩人クリストフェル(クリス)と一緒に野宿をして、クリスを狙っている相手をおびき出して何とかしよう!
歌ったり演奏したり踊ったりできる方は是非一緒に楽しんでください。出来ない方も、手拍子などでご参加頂ければ。
・野宿予定地
王都を出て暫く歩いたあたりの、人通りの少ない林付近
・依頼人
クリストフェル(クリス)(25歳)……エルフの吟遊詩人。一応ハンター(魔術師)ではあるが、そんなに強くはない。
・予想される襲撃者
ガラの悪い男たち。いわゆるごろつきみたいなのが4人ほど。
斧とか棒とか剣とかもってますが、ちょっと強い一般人。
・その他
フィオレ(17歳)……クリスに自分の恋を歌にして、歌の中だけでも幸せにしてほしいと願った少女。貴族の後妻として嫁いだ。
イザイヨ(20歳)……フィオレと同じ町に住んでいて隠れて恋仲になっていたが、町長にバレて町を追い出された青年。
マスターより
はじめまして、またはこんにちは。
あまねみゆと申します。以後お見知り置きを。
クリスを狙っている敵の正体と目的は、PL情報としてはすでにお分かりいただけているかと思います。
敵をどう処分するかなども話し合って頂ければと。
その他の点に触れるか触れないかは皆様次第です。
野宿でのパフォーマンス披露も楽しんでいただければ嬉しいです。
心情を添えていただけると、キャラクターをつかみやすくなりますので、字数に余裕がありましたらぜひお書きください。
それでは、いってらっしゃいませ。
あまねみゆと申します。以後お見知り置きを。
クリスを狙っている敵の正体と目的は、PL情報としてはすでにお分かりいただけているかと思います。
敵をどう処分するかなども話し合って頂ければと。
その他の点に触れるか触れないかは皆様次第です。
野宿でのパフォーマンス披露も楽しんでいただければ嬉しいです。
心情を添えていただけると、キャラクターをつかみやすくなりますので、字数に余裕がありましたらぜひお書きください。
それでは、いってらっしゃいませ。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/07/29 14:29
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/28 20:55:09 |
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ご相談しましょう☆ ソナ(ka1352) エルフ|19才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/07/03 17:41:24 |