ゲスト
(ka0000)
第四師団(海賊退治中)VS幽霊船!?
マスター:旅硝子

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/06 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/04/15 22:00
オープニング
冬に勃発した十三魔との、そして突如現れた新型剣機との戦いで傷ついた高速小型艦の1隻が修理を終えたのは、春の兆しが見えようという頃であった。
「修理ドックもちゃんと役目を果たしてくれたわね。良かったわ」
「修理機具がかなり古いものですから、将来的には入れ替えて行った方がいいとは思いますけど。今まであまり使われていなかったのが、逆にありがたかったですね」
再び水上に戻った船の姿に目を細める、第四師団長ユーディト・グナイゼナウ(kz0084)の言葉に副師団長エムデンが頷く。
「その辺りはおいおい、といったところね……ともあれ」
「ええ、準備は整ってます」
ようやく春の色を帯びつつある空と海に向かって、ユーディトは笑んだ。
「海賊退治に繰り出せそうね」
その頃。
もう1人の副師団長リーリヤ・ローレライは、珍しく訓練場に姿を見せていた。
もちろん個人の鍛錬を欠かすことはないのだが、彼女が武術指南を行うのは滅多にない事だ。
「とにかく人間の急所の位置を、頭に叩き込むこと。そしてそこに的確に一撃を入れること。武器で殺すのだって技量が必要だけれど、素手で無力化しようと思ったらそれ以上に洗練された動作が必要ですからね」
「はいっ!」
リーリヤが責任者となっている部署には、税関が含まれている。主に同盟からやって来た人間を受け入れるための事務と同時に、危険な薬物や保護された幻獣などの密輸を行おうとする者を即座に無力化するのも税関担当の仕事の1つだ。
その責任者であるリーリヤも素手格闘、それも対人戦に於いては第四師団で右に出る者はないほどの腕前である。
それゆえに、今回の海賊退治に赴く師団員達の指導を任されたのだ。他の仕事も多いから1日1時間という約束で。
「では、今日はこれで。ちゃんと練習しておいてくださいね!」
「ありがとうございました!」
頭を下げる師団員達に頷き、汗をぬぐいながらリーリヤは訓練場を後にする。
約束通り、きっちり1時間の指南を終えて、廊下には窓から夕陽が差し込みつつあった。
「……確かに、海賊は生かして捕らえる方が効果的だわ。情報提供も見込めるし、ある程度は温情をかけた方が他の海賊団の投降も見込める……」
ふと窓の向こうに目をやれば、修理を終えた船とそれを見つめるユーディトとエムデンの姿が目に入る。
「ユーディト師団長……さすがは、元海賊と言うべきかしら」
言葉だけならば嘲るようにも思えるその呟きは、けれど棘や敵意の感じられぬ口ぶりであった。
ハンターズソサエティに『帝国第四師団の海賊退治への協力依頼』が貼りだされたのは、翌日のこと。
「今回は、師団員達に実戦訓練を積ませる意味合いもあるから、お願いしたいのはアドバイスとか……数の多い相手や、歪虚絡みのことが起きたときは戦いに協力してもらう形かしらねぇ」
そうユーディトが最初に説明した通り、ベルトルードから出港した高速小型艦4隻の船団に乗り込んだハンター達は、遭遇した海賊と戦い捕らえたり本拠地と目される場所を襲撃したり、捕らえた海賊達を一度各地の港に立ち寄って待機していた師団員に引き渡したりと忙しいスケジュールの中、割合に心地良く過ごしていた。
「おっ、ハンターさん。今日はいい魚がかなり獲れたから、フライにするって聞いたぜ」
「ねぇねぇ、アタシあんまし射撃得意じゃないからさ、この魔導銃の撃ち方教えてくれない?」
親しげに声を掛けてくる師団員も多い。元々海賊の出身者も多く、また彼らを受け入れて来ただけあって――そしてそもそも誰でも来てくれたら嬉しいというほどの人材不足なので――帝国兵としては、かなりハンター達に好意的であった。
海賊を捕らえて、今後の処遇を餌に情報を引き出せば、新たな海賊の存在や活動領域がわかることも多い。そうやって戦いの旅路を続けているうちに。
捕らえた海賊の一団が、奇妙な話を口にした。
「そう、随分立派な船だったけど、1隻だけだったから襲おうとしたのさ、海賊同士だってライバルだ。けど……」
「奴ら、みぃんなゾンビだったんだよ!」
「俺たちゃ他の海賊相手ならちっとは腕が立つ自信はあったが、ゾンビなんかにゃ敵うわけないし、慌てて逃げて来たんだが……」
トライデントを背負うように話を聞いていたユーディトは、ふむ、と眉を寄せる。
「嘘とも思えないわねぇ……こんな嘘、ついても仕方ないし」
ねぇ、と同意を求めたのは、ハンター達に対してだ。
幽霊船、と誰かが呟いた。そうね、とユーディトは頷く。
「ともあれ、放っておくわけにはいかないわねぇ……」
のんびりとした口調ながらはっきりと言って、老女はにっこりと縛り上げた海賊達に微笑んだ。
「それじゃ、どの辺りでその幽霊船を見かけたのか、ちょっと案内してもらおうかしら」
「え、お、俺達がですか」
「マスケンヴァルの刑期は長いわよぉ。ちゃんと良い子に案内してくれたら、そうねぇ。半分くらいはあたしの口利きで融通が利くかもしれないわねぇ」
「喜んで!」
そのやりとりを眺めながら、ハンター達の後ろでエムデンが、海賊達には聞こえないような声で。
「まぁ、彼らは結構あくどいこともやってるから、半分になっても100年近いだろうけどね……」
苦笑いと共に、呟いた。
改めて情報を集めたところ、幽霊船の目撃証言はとある島の周囲に集まっていた。
海図にすら載っていない小さな無人島である。
「どうやら本格的にあなた達の力を借りることになりそうね」
ここまでの事態は想定していなかったのだけれどねぇ、と言いながらも、ユーディトは楽しげだ。
「あの剣機の襲撃も潜り抜けた兵士達だから肝は据わってるでしょうけど、ゾンビと直接戦った経験はないはず。なるべく被害を出さない形で実戦経験を積ませられたらいいけれど……その辺りの作戦については考えてもらえたら嬉しいわ。なんせあたしとエムデンと、あと闘狩人が2人に、あなた方。それで覚醒者は全部ですからね。でも」
ふふと笑ってユーディトは、トライデントの柄をぽんと肩の上で弾ませる。
「ここまで骨のある相手もいなかったことだし、いっそ何だか楽しみな気分ねぇ」
そうあっけらかんと言い放ち、目を細めるおばあちゃんであった。
「修理ドックもちゃんと役目を果たしてくれたわね。良かったわ」
「修理機具がかなり古いものですから、将来的には入れ替えて行った方がいいとは思いますけど。今まであまり使われていなかったのが、逆にありがたかったですね」
再び水上に戻った船の姿に目を細める、第四師団長ユーディト・グナイゼナウ(kz0084)の言葉に副師団長エムデンが頷く。
「その辺りはおいおい、といったところね……ともあれ」
「ええ、準備は整ってます」
ようやく春の色を帯びつつある空と海に向かって、ユーディトは笑んだ。
「海賊退治に繰り出せそうね」
その頃。
もう1人の副師団長リーリヤ・ローレライは、珍しく訓練場に姿を見せていた。
もちろん個人の鍛錬を欠かすことはないのだが、彼女が武術指南を行うのは滅多にない事だ。
「とにかく人間の急所の位置を、頭に叩き込むこと。そしてそこに的確に一撃を入れること。武器で殺すのだって技量が必要だけれど、素手で無力化しようと思ったらそれ以上に洗練された動作が必要ですからね」
「はいっ!」
リーリヤが責任者となっている部署には、税関が含まれている。主に同盟からやって来た人間を受け入れるための事務と同時に、危険な薬物や保護された幻獣などの密輸を行おうとする者を即座に無力化するのも税関担当の仕事の1つだ。
その責任者であるリーリヤも素手格闘、それも対人戦に於いては第四師団で右に出る者はないほどの腕前である。
それゆえに、今回の海賊退治に赴く師団員達の指導を任されたのだ。他の仕事も多いから1日1時間という約束で。
「では、今日はこれで。ちゃんと練習しておいてくださいね!」
「ありがとうございました!」
頭を下げる師団員達に頷き、汗をぬぐいながらリーリヤは訓練場を後にする。
約束通り、きっちり1時間の指南を終えて、廊下には窓から夕陽が差し込みつつあった。
「……確かに、海賊は生かして捕らえる方が効果的だわ。情報提供も見込めるし、ある程度は温情をかけた方が他の海賊団の投降も見込める……」
ふと窓の向こうに目をやれば、修理を終えた船とそれを見つめるユーディトとエムデンの姿が目に入る。
「ユーディト師団長……さすがは、元海賊と言うべきかしら」
言葉だけならば嘲るようにも思えるその呟きは、けれど棘や敵意の感じられぬ口ぶりであった。
ハンターズソサエティに『帝国第四師団の海賊退治への協力依頼』が貼りだされたのは、翌日のこと。
「今回は、師団員達に実戦訓練を積ませる意味合いもあるから、お願いしたいのはアドバイスとか……数の多い相手や、歪虚絡みのことが起きたときは戦いに協力してもらう形かしらねぇ」
そうユーディトが最初に説明した通り、ベルトルードから出港した高速小型艦4隻の船団に乗り込んだハンター達は、遭遇した海賊と戦い捕らえたり本拠地と目される場所を襲撃したり、捕らえた海賊達を一度各地の港に立ち寄って待機していた師団員に引き渡したりと忙しいスケジュールの中、割合に心地良く過ごしていた。
「おっ、ハンターさん。今日はいい魚がかなり獲れたから、フライにするって聞いたぜ」
「ねぇねぇ、アタシあんまし射撃得意じゃないからさ、この魔導銃の撃ち方教えてくれない?」
親しげに声を掛けてくる師団員も多い。元々海賊の出身者も多く、また彼らを受け入れて来ただけあって――そしてそもそも誰でも来てくれたら嬉しいというほどの人材不足なので――帝国兵としては、かなりハンター達に好意的であった。
海賊を捕らえて、今後の処遇を餌に情報を引き出せば、新たな海賊の存在や活動領域がわかることも多い。そうやって戦いの旅路を続けているうちに。
捕らえた海賊の一団が、奇妙な話を口にした。
「そう、随分立派な船だったけど、1隻だけだったから襲おうとしたのさ、海賊同士だってライバルだ。けど……」
「奴ら、みぃんなゾンビだったんだよ!」
「俺たちゃ他の海賊相手ならちっとは腕が立つ自信はあったが、ゾンビなんかにゃ敵うわけないし、慌てて逃げて来たんだが……」
トライデントを背負うように話を聞いていたユーディトは、ふむ、と眉を寄せる。
「嘘とも思えないわねぇ……こんな嘘、ついても仕方ないし」
ねぇ、と同意を求めたのは、ハンター達に対してだ。
幽霊船、と誰かが呟いた。そうね、とユーディトは頷く。
「ともあれ、放っておくわけにはいかないわねぇ……」
のんびりとした口調ながらはっきりと言って、老女はにっこりと縛り上げた海賊達に微笑んだ。
「それじゃ、どの辺りでその幽霊船を見かけたのか、ちょっと案内してもらおうかしら」
「え、お、俺達がですか」
「マスケンヴァルの刑期は長いわよぉ。ちゃんと良い子に案内してくれたら、そうねぇ。半分くらいはあたしの口利きで融通が利くかもしれないわねぇ」
「喜んで!」
そのやりとりを眺めながら、ハンター達の後ろでエムデンが、海賊達には聞こえないような声で。
「まぁ、彼らは結構あくどいこともやってるから、半分になっても100年近いだろうけどね……」
苦笑いと共に、呟いた。
改めて情報を集めたところ、幽霊船の目撃証言はとある島の周囲に集まっていた。
海図にすら載っていない小さな無人島である。
「どうやら本格的にあなた達の力を借りることになりそうね」
ここまでの事態は想定していなかったのだけれどねぇ、と言いながらも、ユーディトは楽しげだ。
「あの剣機の襲撃も潜り抜けた兵士達だから肝は据わってるでしょうけど、ゾンビと直接戦った経験はないはず。なるべく被害を出さない形で実戦経験を積ませられたらいいけれど……その辺りの作戦については考えてもらえたら嬉しいわ。なんせあたしとエムデンと、あと闘狩人が2人に、あなた方。それで覚醒者は全部ですからね。でも」
ふふと笑ってユーディトは、トライデントの柄をぽんと肩の上で弾ませる。
「ここまで骨のある相手もいなかったことだし、いっそ何だか楽しみな気分ねぇ」
そうあっけらかんと言い放ち、目を細めるおばあちゃんであった。
解説
●目的
幽霊船の撃破
●幽霊船について
1隻ですが第四師団の高速小型艦よりも大型。ただし甲板の高さは同じ程度です。
船速は第四師団の高速小型艦の3分の2程度。
射程1~12の魔導銃を左右に各2基備えています。威力は高く、非覚醒者であれば重傷、船体に当たった場合は当たり所によっては応急処置に船員を割く必要があります。
ゾンビは31体。20体は簡素な近接武器を持った通常のゾンビ、10体は片腕を銃に改造されたゾンビです。
非覚醒者でも1体を3人でたこ殴りにすれば拮抗、5人なら確実に勝てるくらいの能力です。
最後の1体は覚醒者でなければ対処できない強力な個体です。両手で持った巨大なチェーンソーを振り回して戦い、また周囲のゾンビにある程度の指示を出すことができるようです。
●味方戦力について
覚醒者はユーディト(疾影士)、エムデン(聖導士)、闘狩人の兵長が2人。
非覚醒者100人程度。各船10人程度の操船要員を含みますが、彼らも戦闘訓練は行っています。
●高速小型艦について
全4隻で構成されています。
4隻全てが固定された魔導銃(射線は変更可能)を左右に各2基備えています。射程1~10、非覚醒者も使用可能。威力は低めです。
通信機を備えており、互いに通信が可能です。
相手の船に乗り込む手段は接舷させて板を渡すという割と原始的なものになります。落ちないように気を付けてください。
●無人島について
幽霊船を首尾よく撃退することができたら、無人島の探索を行います。
わざわざこの島を中心に活動している辺り、何かありそうですが……?
※PL情報になりますが、無人島での戦闘は発生しません。
幽霊船の撃破
●幽霊船について
1隻ですが第四師団の高速小型艦よりも大型。ただし甲板の高さは同じ程度です。
船速は第四師団の高速小型艦の3分の2程度。
射程1~12の魔導銃を左右に各2基備えています。威力は高く、非覚醒者であれば重傷、船体に当たった場合は当たり所によっては応急処置に船員を割く必要があります。
ゾンビは31体。20体は簡素な近接武器を持った通常のゾンビ、10体は片腕を銃に改造されたゾンビです。
非覚醒者でも1体を3人でたこ殴りにすれば拮抗、5人なら確実に勝てるくらいの能力です。
最後の1体は覚醒者でなければ対処できない強力な個体です。両手で持った巨大なチェーンソーを振り回して戦い、また周囲のゾンビにある程度の指示を出すことができるようです。
●味方戦力について
覚醒者はユーディト(疾影士)、エムデン(聖導士)、闘狩人の兵長が2人。
非覚醒者100人程度。各船10人程度の操船要員を含みますが、彼らも戦闘訓練は行っています。
●高速小型艦について
全4隻で構成されています。
4隻全てが固定された魔導銃(射線は変更可能)を左右に各2基備えています。射程1~10、非覚醒者も使用可能。威力は低めです。
通信機を備えており、互いに通信が可能です。
相手の船に乗り込む手段は接舷させて板を渡すという割と原始的なものになります。落ちないように気を付けてください。
●無人島について
幽霊船を首尾よく撃退することができたら、無人島の探索を行います。
わざわざこの島を中心に活動している辺り、何かありそうですが……?
※PL情報になりますが、無人島での戦闘は発生しません。
マスターより
お久しぶりです。旅硝子です。
海賊退治に来たら海賊も捕まえましたが、幽霊船も見つかってしまいました。
ちょっと数が多いですが、みんなで力を合わせればきっと大丈夫!
よろしくお願いいたします!
海賊退治に来たら海賊も捕まえましたが、幽霊船も見つかってしまいました。
ちょっと数が多いですが、みんなで力を合わせればきっと大丈夫!
よろしくお願いいたします!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/04/14 05:52
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 レベッカ・アマデーオ(ka1963) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/04/06 21:01:52 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/02 22:32:03 |