ゲスト
(ka0000)
【偽夜】蕎麦屋黄玉堂の夢
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/08 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/04/17 19:00
オープニング
※このシナリオは夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。
●
賑やかな街を抜けて、隣町への街道に静かに佇む蕎麦屋が1軒。
蕎麦処黄玉堂。ひび割れて禿げ掛かった看板にはそう書かれている。
一見すると開いているのか分からない程静かで古めかしいが、染め抜いた暖簾の藍地の色は鮮やかだ。表の腰掛けと、6畳程の座敷。客は馴染みの商人ばかり。彼等に蕎麦と一時の憩いを提供する。この店の中は酷く穏やかな時が流れているという。
店主は老齢と言ってよく、その店主に代わって、前の夏に夫を亡くして出戻っていた孫娘の百合が喪服のままで厨に立っている。
彼女の湯がく蕎麦は美味いが、汁は不味いと評判だ。
彼女の代わりに出汁と醤油を扱うのは、前の店主と同じく老齢の、某。
「お百合、おい、お百合」
某の声が煩く呼ぶ。
「何ですか、そんなに何度も呼ばなくたって、聞こえてますよ」
「客だよ」
打ち粉の付いた包丁を手にしたまま、百合はいらっしゃいと微笑んだ。
●
客と呼ばれたのは2人ずれのまだ幼い姉と弟。
乾物を売る母親に手を引かれ、時折紅玉堂で見かけていた。祖父の頃からの得意客だ。
「あら、いらっしゃい。今日はお母さんと一緒じゃないのね」
包丁を置き2人分の蕎麦を茹でながら座敷に通す。2人は手を繋いだまま畳みの隅にぺたりと座った。
「あの、母さま、ここに来なかった?」
「山向こうまで行くから、昨日までお留守番だったのだけど」
つるつると蕎麦を食べて、姉はまだ箸を上手く使えない弟の世話を甲斐甲斐しく焼きながら、百合を見上げた。
百合は首を傾がせた。
2人の母親が1人で店に来ることは間々あることだ。山を越えて商いに向かう時は、幼い2人に留守を任せていたらしい。いい子で留守番をしてくれるのだと褒めていたことも覚えている。
百合はもう一度首を傾がせて、某を振り返る。
閑散とした表を眺めていた彼も見ていないと首を横に揺らした。
「昨日の昼には戻って来るはずだったのだけど、今日まで待っても帰ってこなかったから」
「迎えに行こうと思ったの。でも、街から先の道を知らなくて」
なるほど、と百合は頷いた。確かに隣町から先へ行く山は大人の足でも骨が折れる。
「化生に襲われでもしていたらっておもったら」
「夜も怖くて眠れなかったから。せめて街まで行ってみようと思ったのだけど」
それでここにも顔を見せたのか、と百合は頷いたが、2人の向かいに屈むとごめんねと首を揺らした。
「ここには寄ってないわ。隣まで見に行ってみる?」
姉ははいと頷くが、弟は隣までかと不満げに袖を弄っている。
「山道まで見に行くのは危ないから」
「でも、母さまが心配……姉さまは心配じゃない?」
心配だと姉が拗ねる。
百合も困ったように肩を竦めた。流石に店を放り出して付いていくと言うわけにもいかない。
●
山の中の下り道、まだ街の見えない辺り。
月のない道を急いだが、そんな夜には化生の声が賑わう。
野犬の声かと思えば、その犬の面が人の顔をしていたり、提灯の火に旅人か商人かと振り向けば、そこには提灯しかなかったり。
赤茶けた肌の鬼や、青ざめた肌の動く骸に追い回されて、気付けば足を挫いて気を失っていた。
目覚めると日は昇っており、夜露に湿気った着物が冷たく肌に張り付いていた。懐に小さな守刀を抱き締めて足の痛みが引くのを待った。そしてまた、日が暮れていく。
日没前に枝を括って添え木に、ふらつきながらも歩けるまでに回復すると道に戻る。せめて少しでも街に近付いておこうと思った。
母親が憔悴した体で山を下り始めた頃、
黄玉堂で姉弟と出会った何某かが数人、街で母親の話を聞いて山へ入った頃、
ざわざわとまた新たな化生がぬうと顔を覗かせた。
●
賑やかな街を抜けて、隣町への街道に静かに佇む蕎麦屋が1軒。
蕎麦処黄玉堂。ひび割れて禿げ掛かった看板にはそう書かれている。
一見すると開いているのか分からない程静かで古めかしいが、染め抜いた暖簾の藍地の色は鮮やかだ。表の腰掛けと、6畳程の座敷。客は馴染みの商人ばかり。彼等に蕎麦と一時の憩いを提供する。この店の中は酷く穏やかな時が流れているという。
店主は老齢と言ってよく、その店主に代わって、前の夏に夫を亡くして出戻っていた孫娘の百合が喪服のままで厨に立っている。
彼女の湯がく蕎麦は美味いが、汁は不味いと評判だ。
彼女の代わりに出汁と醤油を扱うのは、前の店主と同じく老齢の、某。
「お百合、おい、お百合」
某の声が煩く呼ぶ。
「何ですか、そんなに何度も呼ばなくたって、聞こえてますよ」
「客だよ」
打ち粉の付いた包丁を手にしたまま、百合はいらっしゃいと微笑んだ。
●
客と呼ばれたのは2人ずれのまだ幼い姉と弟。
乾物を売る母親に手を引かれ、時折紅玉堂で見かけていた。祖父の頃からの得意客だ。
「あら、いらっしゃい。今日はお母さんと一緒じゃないのね」
包丁を置き2人分の蕎麦を茹でながら座敷に通す。2人は手を繋いだまま畳みの隅にぺたりと座った。
「あの、母さま、ここに来なかった?」
「山向こうまで行くから、昨日までお留守番だったのだけど」
つるつると蕎麦を食べて、姉はまだ箸を上手く使えない弟の世話を甲斐甲斐しく焼きながら、百合を見上げた。
百合は首を傾がせた。
2人の母親が1人で店に来ることは間々あることだ。山を越えて商いに向かう時は、幼い2人に留守を任せていたらしい。いい子で留守番をしてくれるのだと褒めていたことも覚えている。
百合はもう一度首を傾がせて、某を振り返る。
閑散とした表を眺めていた彼も見ていないと首を横に揺らした。
「昨日の昼には戻って来るはずだったのだけど、今日まで待っても帰ってこなかったから」
「迎えに行こうと思ったの。でも、街から先の道を知らなくて」
なるほど、と百合は頷いた。確かに隣町から先へ行く山は大人の足でも骨が折れる。
「化生に襲われでもしていたらっておもったら」
「夜も怖くて眠れなかったから。せめて街まで行ってみようと思ったのだけど」
それでここにも顔を見せたのか、と百合は頷いたが、2人の向かいに屈むとごめんねと首を揺らした。
「ここには寄ってないわ。隣まで見に行ってみる?」
姉ははいと頷くが、弟は隣までかと不満げに袖を弄っている。
「山道まで見に行くのは危ないから」
「でも、母さまが心配……姉さまは心配じゃない?」
心配だと姉が拗ねる。
百合も困ったように肩を竦めた。流石に店を放り出して付いていくと言うわけにもいかない。
●
山の中の下り道、まだ街の見えない辺り。
月のない道を急いだが、そんな夜には化生の声が賑わう。
野犬の声かと思えば、その犬の面が人の顔をしていたり、提灯の火に旅人か商人かと振り向けば、そこには提灯しかなかったり。
赤茶けた肌の鬼や、青ざめた肌の動く骸に追い回されて、気付けば足を挫いて気を失っていた。
目覚めると日は昇っており、夜露に湿気った着物が冷たく肌に張り付いていた。懐に小さな守刀を抱き締めて足の痛みが引くのを待った。そしてまた、日が暮れていく。
日没前に枝を括って添え木に、ふらつきながらも歩けるまでに回復すると道に戻る。せめて少しでも街に近付いておこうと思った。
母親が憔悴した体で山を下り始めた頃、
黄玉堂で姉弟と出会った何某かが数人、街で母親の話を聞いて山へ入った頃、
ざわざわとまた新たな化生がぬうと顔を覗かせた。
解説
山の中で和風な妖怪を倒して、母親を保護し、姉弟と再会させる夢を見ました。
●化生
金棒を振り回す鬼や、刀を構えて突っ込んでくる武者の死体、
形が歪に崩れた動物、鳥、植物、等々。
沢山出てくるので、逃げ切って下さい。
●山
少々足場が悪く、茂みや木の影などが多い。
提灯の化生が数匹出ている為、夜道にしては明るい。
真っ直ぐ下れば街に着きます。
●NPC
母親
ぐったりと疲れ切っていますが、何とか歩けます。
走ったり、逃げたり、躱したりはできませんが、襲われれば、守刀で一応の応戦はします。
指示があれば従います。
姉と弟
連れて行かない場合は街で待機します。
連れて行った場合は従いますが、非武装で、山歩きには慣れていません。
※
夢の中では和服を着ているものとして描写致します。
武器も同様に刀を持っているものとして描写致します。
衣装等の外観についてご要望がありましたらプレイングへの記述をお願いします。
判定の数値は実際に着用されている物を使用致しますので、いつもの格好で大丈夫です。
●化生
金棒を振り回す鬼や、刀を構えて突っ込んでくる武者の死体、
形が歪に崩れた動物、鳥、植物、等々。
沢山出てくるので、逃げ切って下さい。
●山
少々足場が悪く、茂みや木の影などが多い。
提灯の化生が数匹出ている為、夜道にしては明るい。
真っ直ぐ下れば街に着きます。
●NPC
母親
ぐったりと疲れ切っていますが、何とか歩けます。
走ったり、逃げたり、躱したりはできませんが、襲われれば、守刀で一応の応戦はします。
指示があれば従います。
姉と弟
連れて行かない場合は街で待機します。
連れて行った場合は従いますが、非武装で、山歩きには慣れていません。
※
夢の中では和服を着ているものとして描写致します。
武器も同様に刀を持っているものとして描写致します。
衣装等の外観についてご要望がありましたらプレイングへの記述をお願いします。
判定の数値は実際に着用されている物を使用致しますので、いつもの格好で大丈夫です。
マスターより
刀を振り回したい方へ。
和装ではしゃぎたい方へ。
ちょっと不気味な夢をお届け……
和装ではしゃぎたい方へ。
ちょっと不気味な夢をお届け……
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/04/16 23:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/04 01:24:15 |
|
![]() |
相談卓 アルナイル・モーネ(ka0854) 人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/04/07 22:44:11 |