ゲスト
(ka0000)
【アルカナ】 恋人叫ぶは憎悪の嬌声
マスター:桐咲鈴華

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/13 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/04/22 09:00
オープニング
●
辺境の地の一角。日は落ち、夜の闇が森を静寂に染め上げる。
鳥の声すら聞こえない暗闇の中、葉のざわめきの隙間から、高い金切り声のような音が響く。
ずるり、ずるり
森の中に聞こえる異質な音。湿った何かを引きずるような音が、静寂の森の中に響く。
月明かりがその姿を照らす。露わになったのは、人間の男の顔と、人間の女の顔。
次に露わになったのは、まるで融け合ったかのように歪に融合した男女の肉体の上半身。
そして下半身は粘性の肉塊に覆われ、そこから無数の人間の腕や脚。そして翼のような肉塊が生えている。肉塊は心臓のようにドクン、ドクンと鳴動しながら体液を滴らせ、おぞましいその姿の本体であろう男女の顔は苦悶の表情で白目を剥いていた。
『ア……ア……』
『オ…………ァゥ……』
人の声とは思えぬ、しかし確かに人が発する声で呻き声をあげるその物体は、ずるり、ずるりと身体を引きずり、再び森の闇の中へと消えていった。
●
「……森の中で、行方不明者……ですか」
ハンターオフィスの中、不審な事件が相次いでいると聞かされたエフィーリア・タロッキ(kz0077)は受付嬢から話を聞いていた。
「ええ。辺境に住まう村人が、森の中で行方不明になっているとの情報があります」
話によれば、その異変は数日前からあったそうだ。山菜を採りにいったまま戻って来ない村人が増えてきており、不審に思った村の住民はハンターオフィスへと依頼を出したのだと言う。
「情報は、どうなってますか?」
「今のところ、行方不明になった人が立て続けにいるだけです。捜索に行った人も未だ戻って来なくて、村長は森への立ち入りを禁止し、ハンターに協力を仰いだらしいですね」
「……」
その言葉を聞いたエフィーリアは考えこむ。彼女は『アルカナ』と呼ばれる歪虚群の情報を集めている。『アルカナ』は彼女らの部族が長年に渡って封印を守り続けてきた歪虚であり、近年その封印が綻び、断片が漏れだしているとのこと。故にエフィーリアはその情報を集めるべく、不審な事件を一つひとつ、当たっていると言うのだ。
「……行方不明になった者のリストなどは、ございますか?」
「はい、用意しています」
エフィーリアは差し出されたリストをくまなく見ていく。そして、ある共通点を見つけた。
「……全員、独り身ですか」
「ええ。何れも配偶者がいない方や、身寄りのない方ですね。……それが、何か?」
エフィーリアは思う所があったようで、伝承の書かれた本を取り出し、ページをめくる。
「……現時点ではまだ何も確かなことはありませんが、もし、この事件に『アルカナ』が関わっているとすれば……恐らく」
ページをめくる手が止まる。そこに記されていた名前を、受付嬢は声に出して読み上げる。
「『The Lovers』……」
「……『愛を渇望する狂気の恋人』……そう伝えられています。見るもおぞましき姿のそれは、『独りの人間』に対して異常なまでの憎悪を見せ、その身に取り込んで捕食してしまうという歪虚です」
「独りの、人間ですか?」
「はい。……肉体的、精神的なつながりを持たない者。そう認識した者に対しての攻撃性能は、『アルカナ』の中でも随一。危険極まりない歪虚です」
受付嬢は息を呑む。
「しかし、それを証明するのはどうやって? 本当に、恋人同士とか、家族同士じゃないといけないのでしょうか」
「……必ずしもその必要はありません。簡単な方法があります。Loversの前で『手を繋いでいればいい』のです。そうすればLoversは相手を『独りではない』と見なし、通常の歪虚程度の戦闘力に収まるはずです。……しかし、ひと度手を放してしまえば……恐ろしい相手となるでしょう」
「変わった性質を持ってるんですね……だけど、もしこれが相手なら……。行方不明になった村人は、既に」
受付嬢はそこから先は口にしなかった。エフィーリアは申し訳無さそうに押し黙り、やがて切り出す。
「……何にせよ、放置できる状況ではありませんね。……ハンターを募って頂けますか」
受付嬢は頷き、依頼書を作成するのだった。今回の募集案件も、特殊な事例になりそうだと受付嬢は思うのだった。
辺境の地の一角。日は落ち、夜の闇が森を静寂に染め上げる。
鳥の声すら聞こえない暗闇の中、葉のざわめきの隙間から、高い金切り声のような音が響く。
ずるり、ずるり
森の中に聞こえる異質な音。湿った何かを引きずるような音が、静寂の森の中に響く。
月明かりがその姿を照らす。露わになったのは、人間の男の顔と、人間の女の顔。
次に露わになったのは、まるで融け合ったかのように歪に融合した男女の肉体の上半身。
そして下半身は粘性の肉塊に覆われ、そこから無数の人間の腕や脚。そして翼のような肉塊が生えている。肉塊は心臓のようにドクン、ドクンと鳴動しながら体液を滴らせ、おぞましいその姿の本体であろう男女の顔は苦悶の表情で白目を剥いていた。
『ア……ア……』
『オ…………ァゥ……』
人の声とは思えぬ、しかし確かに人が発する声で呻き声をあげるその物体は、ずるり、ずるりと身体を引きずり、再び森の闇の中へと消えていった。
●
「……森の中で、行方不明者……ですか」
ハンターオフィスの中、不審な事件が相次いでいると聞かされたエフィーリア・タロッキ(kz0077)は受付嬢から話を聞いていた。
「ええ。辺境に住まう村人が、森の中で行方不明になっているとの情報があります」
話によれば、その異変は数日前からあったそうだ。山菜を採りにいったまま戻って来ない村人が増えてきており、不審に思った村の住民はハンターオフィスへと依頼を出したのだと言う。
「情報は、どうなってますか?」
「今のところ、行方不明になった人が立て続けにいるだけです。捜索に行った人も未だ戻って来なくて、村長は森への立ち入りを禁止し、ハンターに協力を仰いだらしいですね」
「……」
その言葉を聞いたエフィーリアは考えこむ。彼女は『アルカナ』と呼ばれる歪虚群の情報を集めている。『アルカナ』は彼女らの部族が長年に渡って封印を守り続けてきた歪虚であり、近年その封印が綻び、断片が漏れだしているとのこと。故にエフィーリアはその情報を集めるべく、不審な事件を一つひとつ、当たっていると言うのだ。
「……行方不明になった者のリストなどは、ございますか?」
「はい、用意しています」
エフィーリアは差し出されたリストをくまなく見ていく。そして、ある共通点を見つけた。
「……全員、独り身ですか」
「ええ。何れも配偶者がいない方や、身寄りのない方ですね。……それが、何か?」
エフィーリアは思う所があったようで、伝承の書かれた本を取り出し、ページをめくる。
「……現時点ではまだ何も確かなことはありませんが、もし、この事件に『アルカナ』が関わっているとすれば……恐らく」
ページをめくる手が止まる。そこに記されていた名前を、受付嬢は声に出して読み上げる。
「『The Lovers』……」
「……『愛を渇望する狂気の恋人』……そう伝えられています。見るもおぞましき姿のそれは、『独りの人間』に対して異常なまでの憎悪を見せ、その身に取り込んで捕食してしまうという歪虚です」
「独りの、人間ですか?」
「はい。……肉体的、精神的なつながりを持たない者。そう認識した者に対しての攻撃性能は、『アルカナ』の中でも随一。危険極まりない歪虚です」
受付嬢は息を呑む。
「しかし、それを証明するのはどうやって? 本当に、恋人同士とか、家族同士じゃないといけないのでしょうか」
「……必ずしもその必要はありません。簡単な方法があります。Loversの前で『手を繋いでいればいい』のです。そうすればLoversは相手を『独りではない』と見なし、通常の歪虚程度の戦闘力に収まるはずです。……しかし、ひと度手を放してしまえば……恐ろしい相手となるでしょう」
「変わった性質を持ってるんですね……だけど、もしこれが相手なら……。行方不明になった村人は、既に」
受付嬢はそこから先は口にしなかった。エフィーリアは申し訳無さそうに押し黙り、やがて切り出す。
「……何にせよ、放置できる状況ではありませんね。……ハンターを募って頂けますか」
受付嬢は頷き、依頼書を作成するのだった。今回の募集案件も、特殊な事例になりそうだと受付嬢は思うのだった。
解説
◆本シナリオの目的
歪虚『アルカナ-The Lovers』の討伐
◆敵の特徴
『Lovers』は人間の男性の肉体と女性が歪に融合したような、おぞましい姿をした歪虚です。
粘性のある体液を纏い、憎悪に満ちた呻き声を絶え間なく漏らし続ける存在で、その見た目は正常な思考を持つ人なら激しい嫌悪感を覚える姿です。
攻撃方法は主に下半身の肉塊から伸びる無数の手による殴打、鋭い爪による斬撃となります。
また、叫び声をあげる事による行動阻害のバッドステータスを与えてくる場合があり、翼による一時的な飛行、肉塊の一部を飛ばしての遠距離攻撃なども行ってきます。
◆敵の性質
『独り』と認識した相手に対して、戦闘力が跳ね上がるという特殊な性質を持っており、これを防ぐ為には誰かと『手を繋ぐ』必要があります。(異性である必要はありません)
手を繋いでる間は行動にペナルティがかけられます。
主に命中と回避が低下し、両手を使う必要のある装備は使用不可能になります。また、必ず同スクエア内に居なければなりません。
繋ぐのは2人1組で、それ以上を繋ぐ必要はありません(繋ぐ人数が多ければ多い程ステータスが低下します)
『繋ぐ相方と息が合っている』程、ステータス減少が軽減されます。
関係の深いプレイヤー様同士の場合、互いを想うプレイングを書いて頂ければ、そちらを加味させて頂きます。
プレイングによっては『両手武器を二人で扱う』事も可能になる場合がございます。
無茶な連携や、相方との息が合っていない場合、手が離れてしまう場合があります。手を繋いでいない場合のLoversは非常に危険な相手となる事をご留意下さい。
◆称号について
本シナリオを見事成功させた場合、『アルカナ』にちなんだ称号を贈らせて頂きます
既存の『アルカナ』シナリオによる称号をお持ちの方は、特筆的な活躍をされた場合にお贈りさせて頂きます
歪虚『アルカナ-The Lovers』の討伐
◆敵の特徴
『Lovers』は人間の男性の肉体と女性が歪に融合したような、おぞましい姿をした歪虚です。
粘性のある体液を纏い、憎悪に満ちた呻き声を絶え間なく漏らし続ける存在で、その見た目は正常な思考を持つ人なら激しい嫌悪感を覚える姿です。
攻撃方法は主に下半身の肉塊から伸びる無数の手による殴打、鋭い爪による斬撃となります。
また、叫び声をあげる事による行動阻害のバッドステータスを与えてくる場合があり、翼による一時的な飛行、肉塊の一部を飛ばしての遠距離攻撃なども行ってきます。
◆敵の性質
『独り』と認識した相手に対して、戦闘力が跳ね上がるという特殊な性質を持っており、これを防ぐ為には誰かと『手を繋ぐ』必要があります。(異性である必要はありません)
手を繋いでる間は行動にペナルティがかけられます。
主に命中と回避が低下し、両手を使う必要のある装備は使用不可能になります。また、必ず同スクエア内に居なければなりません。
繋ぐのは2人1組で、それ以上を繋ぐ必要はありません(繋ぐ人数が多ければ多い程ステータスが低下します)
『繋ぐ相方と息が合っている』程、ステータス減少が軽減されます。
関係の深いプレイヤー様同士の場合、互いを想うプレイングを書いて頂ければ、そちらを加味させて頂きます。
プレイングによっては『両手武器を二人で扱う』事も可能になる場合がございます。
無茶な連携や、相方との息が合っていない場合、手が離れてしまう場合があります。手を繋いでいない場合のLoversは非常に危険な相手となる事をご留意下さい。
◆称号について
本シナリオを見事成功させた場合、『アルカナ』にちなんだ称号を贈らせて頂きます
既存の『アルカナ』シナリオによる称号をお持ちの方は、特筆的な活躍をされた場合にお贈りさせて頂きます
マスターより
お世話になっております、桐咲です!
『アルカナ』シリーズの第四弾は『恋人』のアルカナとの戦いです。
独りではない事を証明する手段として手を繋ぐ事を強いられるシナリオ。プレイヤー様同士の絆を見せて頂きたいと思っております。
なお敵は異形ですがSANチェックはないのでご安心下さい(何
それでは、皆様の個性溢れる素敵なプレイングをお待ちしております!
『アルカナ』シリーズの第四弾は『恋人』のアルカナとの戦いです。
独りではない事を証明する手段として手を繋ぐ事を強いられるシナリオ。プレイヤー様同士の絆を見せて頂きたいと思っております。
なお敵は異形ですがSANチェックはないのでご安心下さい(何
それでは、皆様の個性溢れる素敵なプレイングをお待ちしております!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/04/16 06:21
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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【質問宅】※実際にやるかは別( 十色・T・ エニア(ka0370) 人間(リアルブルー)|15才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/04/09 21:35:18 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/09 14:23:00 |
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相談卓 Uisca=S=Amhran(ka0754) エルフ|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/04/12 23:02:30 |