• 無し

形見

マスター:旅硝子

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2014/07/05 07:30
リプレイ完成予定
2014/07/13 07:30

オープニング

※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

「レネンシアお姉ちゃんへ。

 ハンターのお仕事は、じゅんちょうですか。
 この間のお手紙の、コボルドをたおして子羊と男の子を助けた話、ドキドキしながら読みました。みんなぶじで、本当に良かった!
 マリーシカは、ようやく毛織物を1人で任せてもらえるようになりました。
 まだまだ上手じゃないけど、できあがったらお父さんが街で売ってきてくれるんだって。
 お姉ちゃんがハンターして送ってくれたお金と、わたしの織物を売ったお金で、お父さんとお母さん、それにイルテスキーを助けてあげたいな。
 ししゅうもしたら、もっと高く売れるかもしれないね。わたしのししゅうがとても上手って一番ほめてくれたのは、お姉ちゃんだもんね。
 いっぱいししゅうしたハンカチ、大事に持っていってくれたけど、まだ使ってくれてるかな? ボロボロになっちゃったら、あたらしいのを送ります。
 それじゃ、体に気をつけてね。けがとかしないでね。
 お姉ちゃんに、マリーシカのしんあいのキスをたくさんたくさんおくります。

 あいするレネンシアお姉ちゃんの妹 マリーシカ」

 ハンターズソサエティに送られたこの手紙が、受け取り主に読まれることは――永遠に、ない。

「3人で依頼を受けたハンター達が、帰り道で大量の歪虚に遭遇……1人は死亡し、2人は何とか帝国軍の詰め所に辿り着いて歪虚の存在を告げましたが、まだベッドから起き上がれない重傷を負っています」
 詳細は受付にて、と書かれた依頼書を確認し、集まったハンター達に、静かに受付の女性は告げた。
「帝国軍によって歪虚は退治されましたが、亡くなったハンターの死体は回収できなかったとのこと。生き延びたハンター達が何とか預かって持ち帰ることのできた遺品が、届いています……」
 そっと置かれたのは、一振りの短剣と古びたハンカチーフ。
 短剣は丁寧に手入れされており、戦いに使うよりはナイフ代わりに日常的に使っていたようだと思われる。古びたハンカチーフには点々と血が付き、やや色褪せてしまった、けれど美しい刺繍の花々を赤に染めている。
「ハンターの名は、レネンシアさん。16歳の女性です。ハンターとして登録したのは2年前、それ以来は闘狩人として常に前線で戦っていたらしいのですが、今回は仲間達を庇って最期まで戦い抜いたとのこと……そのおかげで自分達は帰って来られたと、逃げ延びたハンター達が感謝して、そして――嘆いていました」
 彼らが必死に持って帰ってきた短剣は、彼女がハンターとなった最初に買ったものだと。
 ハンカチーフは、故郷を出る餞別にと妹が刺繍してくれたのだと、よく自慢していたと。
 ハンター達は語り、ハンターズソサエティに遺品を託したのだという。
「この遺品を、ご家族に届け……レネンシアさんの死を、伝えていただけないでしょうか。辛いお仕事とはわかっていますけど……」
 ハンター達が頷いたのを確かめ、受付の女性はそっと2つの遺品を包み直す。そして、ハンター達にそっと丁寧に手渡した。
 さらに、2通の手紙をその上に置く。
「こちらは、レネンシアさんの妹さんから届いた手紙です。……彼女が依頼に出発したのと、入れ違いでした。
 そして、こちらはレネンシアさんが借りていた部屋の、机の引き出しから見つかったものです。レネンシアさんの署名がありますから、ご本人のものでしょう。……家族へ、と書いてあります。こちらも、どうか届けてあげてください」
 そっと頭を下げた女性は、顔を上げぬまま手で覆い、嗚咽を零した。
「よろしくお願いいたします。……レネンシアさんは、依頼を受ける時もいつも丁寧で、優しいお嬢さんでした。私も……大好きでした」
 家族から、同僚から、そして目の前の女性から、愛された少女は――もう、いない。

解説

●目的
 レネンシアの遺品を、家族に届けること。

 家族の悲しみを慰めることは、目的のうちには入りません。
 ですが、あなた方にだけ話せることがあるはずです。
 レネンシアと同じ、ハンターとして。
 この依頼では、皆さんの心情と言葉を大切に描いていきたいと思っています。

●レネンシアと家族について
 レネンシアはオープニングに書いてある通り、人が良くて優しい、勇敢なハンターでした。
 ついつい前に出すぎてしまう癖があったと語るハンターもいます。
 妹を可愛がっており、よく自慢していたと、誰もが言いました。
 家族はジャガイモ農家の父、織物の得意な母、そして刺繍の得意な妹。覚醒者だったのはレネンシアのみです。
 仲の良い家族で、特に両親に怒られた時は大泣きするのも、こっそり家出して納屋に隠れるのも姉妹一緒だったそうです。

●スタンス
 あなたは、レネンシアと知り合いであったとしても構いません。
 知り合いではないとしても構いません。
 どちらであっても、語れることはあるでしょう。
 あなたしか知らない、レネンシアのエピソード(それは、オープニングには書かれていないことかもしれません。あなただけしか知らないのですから)。
 ハンターとして、死と隣り合わせにある身として。

 妹からの手紙を開封するならば、オープニングの冒頭の手紙の内容について知ることができます。
 またはレネンシアから妹の話を聞いており、大体のことは知っていた、としても構いません。

マスターより

 こんにちは。旅硝子です。
 ハンターは、危険に身を晒し続ける仕事。
 当然失われる命もあれば、救われる命もある。
 それに対する皆さんの思いを、描ききれるよう頑張ります。

 どうぞよろしくお願いいたします。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2014/07/08 03:14

参加者一覧

  • 雄弁なる真紅の瞳
    エヴァ・A・カルブンクルス(ka0029
    人間(紅)|18才|女性|魔術師
  • 征夷大将軍の正室
    天竜寺 詩(ka0396
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士

  • トルテ・リューンベリ(ka0640
    人間(蒼)|11才|女性|聖導士

  • 白遥 テンカ(ka1007
    人間(蒼)|16才|女性|機導師

  • ウィルヘルミナ=スピナハイム(ka1625
    人間(蒼)|17才|女性|猟撃士
  • よき羊飼い
    リアリュール(ka2003
    エルフ|17才|女性|猟撃士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/07/02 22:23:47
アイコン 相談卓
トルテ・リューンベリ(ka0640
人間(リアルブルー)|11才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2014/07/05 07:36:41