ゲスト
(ka0000)
山岳猟団〜人類最前線
マスター:有坂参八

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在10人 / 4~10人
- サポート
- 現在0人 / 0~5人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/15 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/04/24 22:00
オープニング
●
複雑怪奇な経緯と、幾多の思惑の交錯を経て、山岳猟団は帝国軍より独立した。
人々の噂と憶測を他所に、猟団員達はその日の内に、次の行動を開始した。
「私を副団長に?」
帝国軍の正規兵の最専任者……だった戦士、ガーハートは、目を丸くして眼前の老兵に問う。
対する老兵、シバ(kz0048)は、深く頷いた。
「うむ」
「しかし私は、その……帝国軍の出だぞ。内外への影響力を考えれば、シバこそ適任だろう」
「儂はもう人の上に立つ器ではない。先は短く、また手を汚しすぎた……それに、我等が団長を支えるは正規軍隊の運用をよく知る物こそ、望ましいでな」
「団長代……いや、団長はどう思う」
そう言ってガーハートは、山岳猟団の『団長』となった男を見やる。
八重樫 敦(kz0056)……当初は団長代理として呼ばれたいち傭兵だが、独立にあたって彼が正規の団長となるのは、いまや猟団員満場一致の意見であった。
「副長はガーハートに任せる」
八重樫は短く告げた。
彼の決断は早い。迷わない。そして、理を欠く事がない。
だからこそ、猟団員は彼に従うのだ。故郷も、人種も違う、荒くれ者の戦士達が。
三人の男が、互いの顔を見合わせて頷いた時……シバの腰に下がった魔導短伝話から甲高い声が響いた。
『斥候の太陽猫より報告! パシュパティ砦真北より歪虚の大群が移動開始! 南進して人類領へ侵入しますにゃ!』
「敵戦力組成は」八重樫が問う。
『すっげぇ大群ですにゃ! 影喰らいの群狼が百二〇体、オーガ十八体、加えてサイクロプス級大型怠惰歪虚を一体確認!』
男達の目の色が、変わった。
戦が、始まる。
人類最前線の、苛烈なる戦が。
●
パシュパティ砦の中庭に並んだ猟団員は、百数十名。
これに『即応員』と呼ばれるハンター兼任の団員を併せた総員が、猟団の全戦力である。
その、整列した猟団員達の前にシバが現れると、彼は指揮台に上り、語り始めた。
『今日この日山岳猟団に集いし同士、そしてハンター達に礼を言う。
我等は『歪虚を討ち、人類の守護者たらん』という理想の下に集い、闘ってきた。
それは楽な道程ではなく、犠牲も多く払ってきた。
ここに至るまでに多くの友が倒れ、また我等の立場も今、自ら望んで根無し草となった。
その上で今、我等はこれまでで最も強大な歪虚の軍勢を討ち倒さねばならない。
過酷な状況ではあるが……今一度、皆の力を、貸して欲しい。
我等人類は窮地にある。
いまこの地で歪虚の侵攻を止め、また退けねば、まず最初に赤き大地が滅び、次に帝国が滅ぶであろう。
我等が為すべき事は何かは、至極単純な問に過ぎぬ。
『力を合わせて歪虚を討つ』……ただそれだけだ。
しかし、その純然たる目的の為に、人は戦う事はできなかった。
帝国は自らを人類の盾と謳いながら隣人に服従を迫り、また赤き大地の部族は力持たずして自らの誇りだけを守ろうとした。
国の違い、世界の違い、身体に流れる血の違いが、利益の違いを産み、我等の心がひとつになることを妨げた。
だが……我等猟団を、今、ここまで歩んで来た山岳猟団を観よ。
地の底の金剛に育てられしドワーフの子、
真なる青き天空より来る異世界の子、
赤き大地に生まれし森と獣の子、
壁の向こうに文明を築いた皇帝の子、
そのどれにさえも属さぬ依辺なき子達さえ。
全てを捨てて、ただひとつ、人類の敵を討たんが為だけに此処に集った。
ハンターズソサエティ以外にこれを為した組織が、未だかつて存在したか?
だが、いつか人の魂は濁り、血は淀む。
いつか我等の利益が矛盾し、心が離れ、道を違えるやもしれぬ。
あるいはいつか、圧倒的なる歪虚の力の前に、無様に敗れ、死に絶えるやもしれぬだろう。
……だが、今日、いま、この時だけは!
我等は、一つになって闘うのだ!
闘い、示せ!
人は、こころ一つに闘えると!
全ての蟠りを捨て、ただひとつの目的の為に、共に闘い、勝ち抜けると!
それこそが、歪虚という強敵を討ち果たし、我等人類が生き抜く為の、唯一無二の道であると!
天上天下の人類に教えてやれ!
我ら山岳猟団の意義は、そこにある!
違うか、我が友たちよ!』
……時間にしてみれば長くはない訓示。
しかしそれは、シバの隠し続けた真意であり……猟団員達の持つ理念そのものを、言い表していた。
熱狂とともに出撃準備を始める団員達を尻目に、シバは指揮台を降りる。
そして、吐血し、ふらりと蹌踉めいた。
その身体を、八重樫が支える。
「シバ」
「…………大丈夫じゃ。少し、少し気を入れすぎただけよ」
「……俺は、お前の理想には興味が無い。俺がお前に協力するのは……」
「判っておる。お前さんは、それでええ。そうでなくてはならん」
「……」
シバは、泣いていた。その涙の意味を問う流儀を、傭兵は持たない。
八重樫はシバを自力で立たせると、団員達に向き直った。
「作戦伝達! 団員の内、重装歩兵を含む主戦隊は俺と共に正面突撃を行う。ガーハートは騎兵を率いて側面攻撃。シバは別働隊と共にサイクロプスを撃退しろ!」
『了解ッ!』
団員達の唱和の中で、ガーハートは団長八重樫に向き直った。
「サイクロプスか、大物だぞ。やれるか?」
「所詮、命がある敵だ。まず目を潰す。次に足を潰す。最後に、殺す。それで終わりだ」
「ふむ。ハンターは、どうする?」
ガーハートは最後に、自分の背後に並んだハンター達を指差した。
これまで猟団の数奇な運命を、変え続けた存在。
「各自に判断を任せる。遊撃して戦況を有利にしろ」
八重樫を知る者でなければ、その淡々とした指示が、信頼ありきのものであると気づけまい。
だが……ハンターもまた、当初から猟団の、確かな戦力の一部だったのだ。
あらゆる立場、あらゆる人種が集い共に闘う、山岳猟団の。
複雑怪奇な経緯と、幾多の思惑の交錯を経て、山岳猟団は帝国軍より独立した。
人々の噂と憶測を他所に、猟団員達はその日の内に、次の行動を開始した。
「私を副団長に?」
帝国軍の正規兵の最専任者……だった戦士、ガーハートは、目を丸くして眼前の老兵に問う。
対する老兵、シバ(kz0048)は、深く頷いた。
「うむ」
「しかし私は、その……帝国軍の出だぞ。内外への影響力を考えれば、シバこそ適任だろう」
「儂はもう人の上に立つ器ではない。先は短く、また手を汚しすぎた……それに、我等が団長を支えるは正規軍隊の運用をよく知る物こそ、望ましいでな」
「団長代……いや、団長はどう思う」
そう言ってガーハートは、山岳猟団の『団長』となった男を見やる。
八重樫 敦(kz0056)……当初は団長代理として呼ばれたいち傭兵だが、独立にあたって彼が正規の団長となるのは、いまや猟団員満場一致の意見であった。
「副長はガーハートに任せる」
八重樫は短く告げた。
彼の決断は早い。迷わない。そして、理を欠く事がない。
だからこそ、猟団員は彼に従うのだ。故郷も、人種も違う、荒くれ者の戦士達が。
三人の男が、互いの顔を見合わせて頷いた時……シバの腰に下がった魔導短伝話から甲高い声が響いた。
『斥候の太陽猫より報告! パシュパティ砦真北より歪虚の大群が移動開始! 南進して人類領へ侵入しますにゃ!』
「敵戦力組成は」八重樫が問う。
『すっげぇ大群ですにゃ! 影喰らいの群狼が百二〇体、オーガ十八体、加えてサイクロプス級大型怠惰歪虚を一体確認!』
男達の目の色が、変わった。
戦が、始まる。
人類最前線の、苛烈なる戦が。
●
パシュパティ砦の中庭に並んだ猟団員は、百数十名。
これに『即応員』と呼ばれるハンター兼任の団員を併せた総員が、猟団の全戦力である。
その、整列した猟団員達の前にシバが現れると、彼は指揮台に上り、語り始めた。
『今日この日山岳猟団に集いし同士、そしてハンター達に礼を言う。
我等は『歪虚を討ち、人類の守護者たらん』という理想の下に集い、闘ってきた。
それは楽な道程ではなく、犠牲も多く払ってきた。
ここに至るまでに多くの友が倒れ、また我等の立場も今、自ら望んで根無し草となった。
その上で今、我等はこれまでで最も強大な歪虚の軍勢を討ち倒さねばならない。
過酷な状況ではあるが……今一度、皆の力を、貸して欲しい。
我等人類は窮地にある。
いまこの地で歪虚の侵攻を止め、また退けねば、まず最初に赤き大地が滅び、次に帝国が滅ぶであろう。
我等が為すべき事は何かは、至極単純な問に過ぎぬ。
『力を合わせて歪虚を討つ』……ただそれだけだ。
しかし、その純然たる目的の為に、人は戦う事はできなかった。
帝国は自らを人類の盾と謳いながら隣人に服従を迫り、また赤き大地の部族は力持たずして自らの誇りだけを守ろうとした。
国の違い、世界の違い、身体に流れる血の違いが、利益の違いを産み、我等の心がひとつになることを妨げた。
だが……我等猟団を、今、ここまで歩んで来た山岳猟団を観よ。
地の底の金剛に育てられしドワーフの子、
真なる青き天空より来る異世界の子、
赤き大地に生まれし森と獣の子、
壁の向こうに文明を築いた皇帝の子、
そのどれにさえも属さぬ依辺なき子達さえ。
全てを捨てて、ただひとつ、人類の敵を討たんが為だけに此処に集った。
ハンターズソサエティ以外にこれを為した組織が、未だかつて存在したか?
だが、いつか人の魂は濁り、血は淀む。
いつか我等の利益が矛盾し、心が離れ、道を違えるやもしれぬ。
あるいはいつか、圧倒的なる歪虚の力の前に、無様に敗れ、死に絶えるやもしれぬだろう。
……だが、今日、いま、この時だけは!
我等は、一つになって闘うのだ!
闘い、示せ!
人は、こころ一つに闘えると!
全ての蟠りを捨て、ただひとつの目的の為に、共に闘い、勝ち抜けると!
それこそが、歪虚という強敵を討ち果たし、我等人類が生き抜く為の、唯一無二の道であると!
天上天下の人類に教えてやれ!
我ら山岳猟団の意義は、そこにある!
違うか、我が友たちよ!』
……時間にしてみれば長くはない訓示。
しかしそれは、シバの隠し続けた真意であり……猟団員達の持つ理念そのものを、言い表していた。
熱狂とともに出撃準備を始める団員達を尻目に、シバは指揮台を降りる。
そして、吐血し、ふらりと蹌踉めいた。
その身体を、八重樫が支える。
「シバ」
「…………大丈夫じゃ。少し、少し気を入れすぎただけよ」
「……俺は、お前の理想には興味が無い。俺がお前に協力するのは……」
「判っておる。お前さんは、それでええ。そうでなくてはならん」
「……」
シバは、泣いていた。その涙の意味を問う流儀を、傭兵は持たない。
八重樫はシバを自力で立たせると、団員達に向き直った。
「作戦伝達! 団員の内、重装歩兵を含む主戦隊は俺と共に正面突撃を行う。ガーハートは騎兵を率いて側面攻撃。シバは別働隊と共にサイクロプスを撃退しろ!」
『了解ッ!』
団員達の唱和の中で、ガーハートは団長八重樫に向き直った。
「サイクロプスか、大物だぞ。やれるか?」
「所詮、命がある敵だ。まず目を潰す。次に足を潰す。最後に、殺す。それで終わりだ」
「ふむ。ハンターは、どうする?」
ガーハートは最後に、自分の背後に並んだハンター達を指差した。
これまで猟団の数奇な運命を、変え続けた存在。
「各自に判断を任せる。遊撃して戦況を有利にしろ」
八重樫を知る者でなければ、その淡々とした指示が、信頼ありきのものであると気づけまい。
だが……ハンターもまた、当初から猟団の、確かな戦力の一部だったのだ。
あらゆる立場、あらゆる人種が集い共に闘う、山岳猟団の。
解説
●依頼内容
歪虚の撃退
猟団員の被害が極限されればより好ましい
以上。
●敵
3種の歪虚は、満遍なく混合された布陣で戦場を南下してきます。
・影食らいの群狼:
真っ黒な狼型の歪虚。数は120体。1体1体の強さは並〜比較的に弱め。
互いをフォローしあう組織的な戦闘を得意とします。
個々の能力の特筆点は、スピードと、噛み付きの威力・拘束力。
・オーガ:
額に数本の角を持つ、身長3〜4mの巨人型歪虚。数18体。
攻撃力や生命力に優れますが、動きは鈍いです。
・サイクロプス級:
6〜8mの大きさの巨人型歪虚。数1体。
大きさ相応にとても強いです。
投石スキルで大砲じみた射撃を行う事ができます。
●味方
大きく分けて3隊に分かれます。
どの部隊に随伴するかはハンター各自の自由、それ以外の独自の行動も許可されています。
いずれの部隊も、事前にその有効性を説明できれば、概ねハンターの提案を受け入れてくれます。
主力部隊:指揮者は八重樫。約70名、満遍なくジョブが配置された主力。敵群正面から突撃。
騎兵部隊:指揮者はガーハート。約30名、竜騎兵、弓騎兵を含む騎兵で側面(戦場西側)から撹乱を担当。
別動部隊:指揮者はシバ。約20名、軽装戦士中心、側面(戦場東側)から回りこみサイクロプス級へ集中攻撃。
●戦場について
平地・快晴・戦闘の障害となる事象なし。
●その他
質問にはシバがお答えしますので、掲示板にてどうぞ。
(指名したら八重樫も応対しますが、愛想悪し)
今回も山岳猟団の共通称号を配布しておりますので、
ご興味を持たれた方はマスター紹介ページをご参照下さい。
歪虚の撃退
猟団員の被害が極限されればより好ましい
以上。
●敵
3種の歪虚は、満遍なく混合された布陣で戦場を南下してきます。
・影食らいの群狼:
真っ黒な狼型の歪虚。数は120体。1体1体の強さは並〜比較的に弱め。
互いをフォローしあう組織的な戦闘を得意とします。
個々の能力の特筆点は、スピードと、噛み付きの威力・拘束力。
・オーガ:
額に数本の角を持つ、身長3〜4mの巨人型歪虚。数18体。
攻撃力や生命力に優れますが、動きは鈍いです。
・サイクロプス級:
6〜8mの大きさの巨人型歪虚。数1体。
大きさ相応にとても強いです。
投石スキルで大砲じみた射撃を行う事ができます。
●味方
大きく分けて3隊に分かれます。
どの部隊に随伴するかはハンター各自の自由、それ以外の独自の行動も許可されています。
いずれの部隊も、事前にその有効性を説明できれば、概ねハンターの提案を受け入れてくれます。
主力部隊:指揮者は八重樫。約70名、満遍なくジョブが配置された主力。敵群正面から突撃。
騎兵部隊:指揮者はガーハート。約30名、竜騎兵、弓騎兵を含む騎兵で側面(戦場西側)から撹乱を担当。
別動部隊:指揮者はシバ。約20名、軽装戦士中心、側面(戦場東側)から回りこみサイクロプス級へ集中攻撃。
●戦場について
平地・快晴・戦闘の障害となる事象なし。
●その他
質問にはシバがお答えしますので、掲示板にてどうぞ。
(指名したら八重樫も応対しますが、愛想悪し)
今回も山岳猟団の共通称号を配布しておりますので、
ご興味を持たれた方はマスター紹介ページをご参照下さい。
マスターより
この依頼をご紹介いたします、有坂参八と申します。
ぼろぼろの状態でスタートした山岳猟団も、とうとうここまでやって来ました。
猟団の依頼はまだまだ続くものの、一連の物語はここで一区切りを迎えます。
ハンターの皆様の尽力無くば、万全に近い今の状態でこの闘いを迎える事はあり得なかった事でしょう。
そして此処から先も、猟団を待つのはひとつ間違えば尽くが死の過酷な戦。
どうか、再び、彼等が道を切り拓く為にお力添えを頂きたく思います。
それでは、皆様のご武運を、お祈り致します。
ぼろぼろの状態でスタートした山岳猟団も、とうとうここまでやって来ました。
猟団の依頼はまだまだ続くものの、一連の物語はここで一区切りを迎えます。
ハンターの皆様の尽力無くば、万全に近い今の状態でこの闘いを迎える事はあり得なかった事でしょう。
そして此処から先も、猟団を待つのはひとつ間違えば尽くが死の過酷な戦。
どうか、再び、彼等が道を切り拓く為にお力添えを頂きたく思います。
それでは、皆様のご武運を、お祈り致します。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/04/27 06:26
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
質問卓 ラスティ(ka1400) 人間(リアルブルー)|20才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 |
|
![]() |
相談卓 ウィンス・デイランダール(ka0039) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/04/15 21:08:04 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/11 23:15:14 |