ゲスト
(ka0000)
森の遺跡に羽ばたく不穏
マスター:紡花雪

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/16 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/04/25 22:00
オープニング
●怪しげな老人
夜を突くような雨風に、雷電が轟く。
闇色の空が白く弾け、山でも割れたかのような音が響いた。
翌朝、雨が上がって木こりたちが森に入ると、森の奥へと続く唯一の細い道が倒木により完全に塞がれていた。昨夜の落雷が原因である。まだ辺りには、樹木の焦げた匂いが残っていた。
「……おい、どうする?」
「どう、って……今この奥には、あの遺跡しかないだろ。……まったく、迷惑なもんだ」
あの遺跡――木こりの男が、苛立った様子で言ったのには理由がある。木こりたちの住まう村では、この森の奥にある小さな遺跡を大切にしてきた。来歴は定かではなく、これまで調査の対象にもなったことのないが、村にとっては信仰の対象となるような大事な遺跡である。
だが、数年前より、この遺跡に無断で住み着いた者がいるのだ。
「あの爺さんのせいで、遺跡に供え物もできやしねェ」
遺跡の隣に小さな小屋を建て、そのまま居着いてしまったのは、一人の老人であった。その老人は土地の者ではなく流れ者で、家族や友人がいる様子ではなく、村の者ともまったく関わらない変わり者だ。低めの背丈に少し曲がった腰、そして大きな鷲鼻とぎょろりと飛び出した大きな目という容姿が、その怪しさに拍車をかけている。
「そういやァ、あの爺さん、何日か前に出かけてったきり戻ってねェのか」
「あァ、また動物の死骸やら骨やら、調達しに行ってるんだろう。魔法の研究だか何だか知らないが、下手に関わるとこっちが呪われそうだ」
村のある者は、老人の家に怪しげな魔法の本が並んでいるのを見たとか、軒先に吊るされた動物の死骸を見たとか、庭に勝手に入って遊んでいた子供が斧で追い回されたとか、様々な噂が流れている。いつしか村人たちは、その怪しい老人に関わることを恐れて近づかないようになり、結果として不法な居住であるはずの老人のことを領主に告発する者はいなかった。
「まァ、俺たちが除けてやることもないさ。また、家に勝手に近付いたって仕返しされるぞ」
「そ、そうだよな……」
なるべくならば関わりなくない。放っておけばいい。木こりたちはそう思った。だが状況が変化したのは、倒木から一ヶ月が経った頃である。
●ざわつく森
森が騒がしい。
そのことに気が付いたのは、先日の木こりの男二人である。
依然として、森の奥へ続く道の倒木はそのまま、例の奇妙な老人も出かけたきり戻っていない様子だった。だが、その倒木の向こう、生い茂った樹木の奥で何かが起こっていた。
がさがさ、ばさばさ、と鳥が羽ばたいて木々を揺らすような音が続けざまに響いている。
「な、何だ……? 怪我した鳥でもいるのか?」
「いや、一羽二羽の話じゃない。そんなにたくさん、鳥がいたか?」
木こりたちは顔を見合わせて、首を傾げた。彼らはこの森のことを良く知っているが、ここまで騒がしいことは今までなかった。だが、例の奇妙な老人が家畜を残したままだった可能性もある。それは、この倒木に閉ざされた遺跡にある棲家へ行ってみなければわからない。
木こりたちは意を決して、倒木の解体作業に取り掛かった。
この奥は、老人が住み着いて以来、木こりたちも近付くことが許されなかった。そのせいか樹木の手入れも行き届いておらず、伸び放題、茂り放題で視界は深い緑に閉ざされている。まだ昼過ぎだというのに、時間や方向の感覚が奪われてしまいそうだ。
がさがさ、ばさばさ、とそこかしこで音がしている。草木を鎌で切り倒しながら進んでいると、一人が足元に落ちているものに気が付いた。
「ん……? これは……紙か?」
木こりが手にしたのは、破れた紙片。文字がびっしりと刷られた、古いものだ。暗い中、森を見渡してみると、枝葉のいろいろなところに同じような紙片が引っかかっている。
老人の棲家が眼前に迫るが、鳥や家畜の姿はない。木こりたちは注意深く、老人の家を観察した。窓が開け放たれている。それに気付いた瞬間のこと――
がさがさがさ、ばさばさばさ――!
森の木々が騒々しく葉を揺らしたかと思うと、その緑の闇の奥から何かが飛び出してきて木こりたちを襲った。
「鳥か……ッ」
燕のような大きさから、鷲のような大きさまで、様々なものが不穏に羽ばたいて空を切る。
「違うぞッ、これは鳥じゃないッ……バケモノだ!」
いきなり襲いかかられ、木こりたちはその正体を確認する間もなくその場から逃げ出した。
どうにか村へ戻った木こりたちは、鳥に突かれたのとはまったく違う、すっぱりと鋭く浅く切れた傷を全身に負っていた。
――ああ、こういう時こそ、遺跡で祈りを捧げたいというのに。
村人たちは、かつての慣習が行えなくなっていることを改めて実感し、歯噛みした。
依然、襲ってきたものの正体はわからないが、斧や鎌だけで特別な力を持たない村人たちだけでは対処が難しい。それに、いつ森を越えて村を襲ってくるかわからない。
これは、ハンターに退治を請うしかないだろう――。
夜を突くような雨風に、雷電が轟く。
闇色の空が白く弾け、山でも割れたかのような音が響いた。
翌朝、雨が上がって木こりたちが森に入ると、森の奥へと続く唯一の細い道が倒木により完全に塞がれていた。昨夜の落雷が原因である。まだ辺りには、樹木の焦げた匂いが残っていた。
「……おい、どうする?」
「どう、って……今この奥には、あの遺跡しかないだろ。……まったく、迷惑なもんだ」
あの遺跡――木こりの男が、苛立った様子で言ったのには理由がある。木こりたちの住まう村では、この森の奥にある小さな遺跡を大切にしてきた。来歴は定かではなく、これまで調査の対象にもなったことのないが、村にとっては信仰の対象となるような大事な遺跡である。
だが、数年前より、この遺跡に無断で住み着いた者がいるのだ。
「あの爺さんのせいで、遺跡に供え物もできやしねェ」
遺跡の隣に小さな小屋を建て、そのまま居着いてしまったのは、一人の老人であった。その老人は土地の者ではなく流れ者で、家族や友人がいる様子ではなく、村の者ともまったく関わらない変わり者だ。低めの背丈に少し曲がった腰、そして大きな鷲鼻とぎょろりと飛び出した大きな目という容姿が、その怪しさに拍車をかけている。
「そういやァ、あの爺さん、何日か前に出かけてったきり戻ってねェのか」
「あァ、また動物の死骸やら骨やら、調達しに行ってるんだろう。魔法の研究だか何だか知らないが、下手に関わるとこっちが呪われそうだ」
村のある者は、老人の家に怪しげな魔法の本が並んでいるのを見たとか、軒先に吊るされた動物の死骸を見たとか、庭に勝手に入って遊んでいた子供が斧で追い回されたとか、様々な噂が流れている。いつしか村人たちは、その怪しい老人に関わることを恐れて近づかないようになり、結果として不法な居住であるはずの老人のことを領主に告発する者はいなかった。
「まァ、俺たちが除けてやることもないさ。また、家に勝手に近付いたって仕返しされるぞ」
「そ、そうだよな……」
なるべくならば関わりなくない。放っておけばいい。木こりたちはそう思った。だが状況が変化したのは、倒木から一ヶ月が経った頃である。
●ざわつく森
森が騒がしい。
そのことに気が付いたのは、先日の木こりの男二人である。
依然として、森の奥へ続く道の倒木はそのまま、例の奇妙な老人も出かけたきり戻っていない様子だった。だが、その倒木の向こう、生い茂った樹木の奥で何かが起こっていた。
がさがさ、ばさばさ、と鳥が羽ばたいて木々を揺らすような音が続けざまに響いている。
「な、何だ……? 怪我した鳥でもいるのか?」
「いや、一羽二羽の話じゃない。そんなにたくさん、鳥がいたか?」
木こりたちは顔を見合わせて、首を傾げた。彼らはこの森のことを良く知っているが、ここまで騒がしいことは今までなかった。だが、例の奇妙な老人が家畜を残したままだった可能性もある。それは、この倒木に閉ざされた遺跡にある棲家へ行ってみなければわからない。
木こりたちは意を決して、倒木の解体作業に取り掛かった。
この奥は、老人が住み着いて以来、木こりたちも近付くことが許されなかった。そのせいか樹木の手入れも行き届いておらず、伸び放題、茂り放題で視界は深い緑に閉ざされている。まだ昼過ぎだというのに、時間や方向の感覚が奪われてしまいそうだ。
がさがさ、ばさばさ、とそこかしこで音がしている。草木を鎌で切り倒しながら進んでいると、一人が足元に落ちているものに気が付いた。
「ん……? これは……紙か?」
木こりが手にしたのは、破れた紙片。文字がびっしりと刷られた、古いものだ。暗い中、森を見渡してみると、枝葉のいろいろなところに同じような紙片が引っかかっている。
老人の棲家が眼前に迫るが、鳥や家畜の姿はない。木こりたちは注意深く、老人の家を観察した。窓が開け放たれている。それに気付いた瞬間のこと――
がさがさがさ、ばさばさばさ――!
森の木々が騒々しく葉を揺らしたかと思うと、その緑の闇の奥から何かが飛び出してきて木こりたちを襲った。
「鳥か……ッ」
燕のような大きさから、鷲のような大きさまで、様々なものが不穏に羽ばたいて空を切る。
「違うぞッ、これは鳥じゃないッ……バケモノだ!」
いきなり襲いかかられ、木こりたちはその正体を確認する間もなくその場から逃げ出した。
どうにか村へ戻った木こりたちは、鳥に突かれたのとはまったく違う、すっぱりと鋭く浅く切れた傷を全身に負っていた。
――ああ、こういう時こそ、遺跡で祈りを捧げたいというのに。
村人たちは、かつての慣習が行えなくなっていることを改めて実感し、歯噛みした。
依然、襲ってきたものの正体はわからないが、斧や鎌だけで特別な力を持たない村人たちだけでは対処が難しい。それに、いつ森を越えて村を襲ってくるかわからない。
これは、ハンターに退治を請うしかないだろう――。
解説
【依頼概要】
●森の奥の遺跡及び老人の小屋付近にて、木こりが襲われる事件が発生。
●正体がわかっていない敵の殲滅、排除。
【敵の様子・規模】
●鳥のように、ばさばさと音を立てて襲い来る。
●敵の大きさは様々で、動きが早く殺傷能力は低い。
●数は不明だが、取り囲まれるほど多くはない。
【その他条件】
敵の正体が不明であるので、それを推測した上で対策を立てていただくことになります。
成功条件は、敵の殲滅、排除。なお、森や遺跡を破壊するような戦闘(周辺一帯を魔法で焼き払う、見通しや採光のための過度な伐採行為など)はなるべく控えてほしいとのことです。
また、戦闘終了後、荒れてしまっているであろう遺跡周辺の手入れ、掃除などに付き合っていただける方をお願いしたい、と村長からの依頼です。
失敗した場合、敵が村を襲い、ひいては雑魔発生の引き金になる可能性もあります。
●森の奥の遺跡及び老人の小屋付近にて、木こりが襲われる事件が発生。
●正体がわかっていない敵の殲滅、排除。
【敵の様子・規模】
●鳥のように、ばさばさと音を立てて襲い来る。
●敵の大きさは様々で、動きが早く殺傷能力は低い。
●数は不明だが、取り囲まれるほど多くはない。
【その他条件】
敵の正体が不明であるので、それを推測した上で対策を立てていただくことになります。
成功条件は、敵の殲滅、排除。なお、森や遺跡を破壊するような戦闘(周辺一帯を魔法で焼き払う、見通しや採光のための過度な伐採行為など)はなるべく控えてほしいとのことです。
また、戦闘終了後、荒れてしまっているであろう遺跡周辺の手入れ、掃除などに付き合っていただける方をお願いしたい、と村長からの依頼です。
失敗した場合、敵が村を襲い、ひいては雑魔発生の引き金になる可能性もあります。
マスターより
お世話になっております。紡花雪です。
今回は、「正体不明の敵を殲滅する」シナリオです。
敵の正体については、オープニングから読み取っていただける仕様になっております。
皆様には、小さな村の困りごとをかっこよく解決していただければ幸いです。
今回は、「正体不明の敵を殲滅する」シナリオです。
敵の正体については、オープニングから読み取っていただける仕様になっております。
皆様には、小さな村の困りごとをかっこよく解決していただければ幸いです。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/04/24 03:33
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/13 20:14:00 |
|
![]() |
正体不明を討つ 龍崎・カズマ(ka0178) 人間(リアルブルー)|20才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/04/16 20:53:21 |