• コメディ

気の弱い魔導書

マスター:篠崎砂美

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
サポート
現在0人 / 0~8人
マテリアルリンク
報酬
寸志
相談期間
5日
プレイング締切
2014/07/09 07:30
リプレイ完成予定
2014/07/17 07:30

オープニング

※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

 ここは、ヴァリオス魔術学院の資料館です。
 中は大ホールとなっている中央閲覧室を初めとして、大小の閲覧室があり、魔術書を初めとする様々な資料が管理され、自由に閲覧できるようになっています。
 本来は学院の生徒たちのための施設ですが、広く一般にも門戸を開いています。
 書籍などの閲覧は、書架にある物は自由に、その他の物は資料館職員に申し出れば閲覧することができますが、館外への持ち出しや貸し出しは禁止となっています。
 そのため、利用者たちは目的の資料のある閲覧室に行き、そこで資料を読んだり書き写したりするのでした。
「じゃあ、私は例の資料室に行ってくるから」
「はーい。私は、この大ホールで本でも見てますね」
 一緒にやってきた友達と別れると、あなたは目的の本がどこにあるのか職員に訊ねました。
「ええと、その本でしたら……、ああ、二階の五番閲覧室に収蔵されています。珍しいものですから、丁寧に見てくださいね。資料を破損したら、きつーいお仕置きが待っていますからね」
 案内カウンターにいた職員のセリオ・テカリオが、目的の閲覧室を教えてくれました。見かけより広いのか、あるいは魔法的にややこしい建物なのか、案内するのに結構バタバタしています。
 さて、やってきたのは十人ほどがゆったりと閲覧できる小部屋です。
「あった、あった」
 そう言うと、あなたはすぐさま迷わずに目当ての本を手に取りました。
 それは、最近リゼリオで見かけるアイドル系のグラビア雑誌です。もともとはサルヴァトーレ・ロッソで発行されているらしいのですが、物珍しさからリゼリオでもそこそこ流布しています。
 とはいえ、発行部数は微々たる物なので、クリムゾンウェストでは希少本扱いです。
 そのため、希少本と聞いたとたんにキラーンと目の光った資料館職員たちが、内容関係なくせっせと蒐集してきているのでした。
 そんな雑誌になじみのある者たちは抵抗なく情報誌としてそれを読みますし、そんな物初めて見るクリムゾンウェストの者たちにとっては少々刺激の強い変な本として認識されています。
「おおっ、アットリーチェちゃんの写真集、もう発売になっているのか」
 グラビア雑誌を読んだ一人が、そこに載っていた広告を見て叫びました。
「しーっ!」
「しーっ!」
『しくしくしく……』
 とたん、周囲から注意されて声を潜めます。
「いつ手に入る……なあんだ、もう入荷してるじゃないか」
『しくしくしく……』
 書架に目ざとく新刊を見つけると、迷わずそれを手に取ります。
 アットリーチェちゃんは、まだまだひよっこのアイドルと言っても、そこは美少女です。写真集としてはごく普通のドレスや水着や、ちょっと扇情的なポーズなども、そこそこ格好良くてセクシーでした。免疫のないクリムゾンウェストの者には、ちょっと刺激が強すぎるかも知れませんが。
「あー、それ、俺も見たかったんだよ。見せろよー」
「えっ、新作? わー、見たい見たい」
『しくしくしく……』
 さっそく、それを見たがる者たちが集まってきました。仕方ないので、テーブルの上においてみんなで囲んで見ます。
「ねえ、さっきから変な音しない? なんだか、泣いてるような、紙がこすれるような……」
「よせよ、博物館の怪談じゃあるまいし」
「あー、あの本、ガタガタとふるえてる!」
 一人が指さした本に、全員の視線が集まりました。
「なんだ、この本は?」
 一人が勇気を出してその本を書架から引っ張り出してきました。
 テーブル上に開くと、ページの上で文字が躍っています。ええ、文字通りに……。
『しくしくしく……。しくしくしく……。きゃー、見つかっちゃった!!』
 突然、ページの文字がそう変化したかと思うと、あっという間にゲシュタルト崩壊を起こして、文字の一文字一文字がページの中を駆け回り始めました。
「何だこりゃ、魔導書か!?」
『きゃーきゃー!』
 その間にも、駆け回っていた文字は、現れては消え、消えては現れ、ついにはページの隅っこの方に集まってガタブルと震え始めてしまったのです。後には、目にも痛い白さのページが残るだけです。
「どうかしましたか?」
 目ざとく異変に気づいたのか、職員のセリオが見に来ました。
「あまり騒がないでくださいね。暴れでもして、本を汚したり破いたり文字を消したりしたら、磔獄門ですからね。命がおしかったら、ちゃんとしてくださいね」
 何やらおそろして事を言って、セリオは去って行きました。
「いや、これどうするよ……」
 すでに文字が消えて真っ白になった本を見つめて、あなたたちは青ざめたのでした。

解説

 以下に、PL情報として真相を記します。

 魔導書の能力は、ページに自由に文字を表示させるというものです。どうも、古くからある由緒正しい者のようで、自らの意志を持っています。すでに魔導生物と言ってもいいのかも知れません。
 それはさておき、どこからかもってこられたのか、それとも自分からこの資料館へやってきたのか、ここに住み着いていたようです。
 ところが、最近入荷してきたグラビア雑誌を見て大ショック。文字よりも写真や絵の方が多いではありませんか。アイデンティティの危機です。しかも、写真集は閲覧者には大人気ときています。そのため、魔導書はすっかり自信をなくしてしまったのでした。

 さて、目的ですが、この魔導書の文字がなぜ消えてしまうのかを推理して理由を本人から聞きだし、その相談に乗って自信を回復させるというものです。
 もし、自信を回復させて文字を復活させないと、本を一冊真っ白にした罪で、様々な拷問が待っている……かもしれません。最低でも、資料館の廊下ぞうきんがけ1万往復とかはありそうです。やばいです。
 さあ、口八丁手八丁で、何とか魔導書の自信を取り戻させてください。ただし、この魔導書は結構ナイーブなので、注意してくださいね。

マスターより

 はい、頑張って、困ったちゃんの魔導書をなんとかしてあげてください。
 基本ギャグなので、わざと酷い目に遭うとか、ボケツッコミとか、いろいろありです。
 サポート参加の方は、当事者としてでなく、大ホールで好きな本を読みつつ留守番で、みんな何してるのかなあと心配するいう感じです。世界設定に反しない限り、好きな本を読んでいることができます。変にゲームのメタな情報を引き出そうとすると没になりますから、キャラのイメージを広げる意味でこんな本読んでいるだろうなあというのが望ましいです。ギャグシナリオですから、変な本というのもいいでしょう。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2014/07/17 00:15

参加者一覧

  • 思い出の守り手
    茅崎 颯(ka0005
    人間(蒼)|25才|男性|猟撃士
  • 豪傑!ちみドワーフ姐さん
    レーヴェ・W・マルバス(ka0276
    ドワーフ|13才|女性|猟撃士
  • 心優しき友人
    東雲 禁魄(ka0463
    エルフ|23才|男性|霊闘士

  • 上泉 澪(ka0518
    人間(紅)|19才|女性|霊闘士
  • ふわもふマニア
    ソフィ・アナセン(ka0556
    人間(蒼)|26才|女性|魔術師
  • Sanctuary
    羊谷 めい(ka0669
    人間(蒼)|15才|女性|聖導士

  • 月観 翠杞(ka0699
    人間(紅)|18才|女性|魔術師
  • 戦場の眼となりて
    星見 香澄(ka0866
    人間(蒼)|25才|女性|機導師
依頼相談掲示板
アイコン 消えた文字を取り戻せ?
茅崎 颯(ka0005
人間(リアルブルー)|25才|男性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2014/07/09 00:35:21
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/07/04 22:36:15