ゲスト
(ka0000)
アンナの作戦日誌
マスター:のどか

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/23 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/02 12:00
オープニング
「アンナ=リーナ・エスト曹長、入ります」
いつものように呼び出された上司の執務室。
アンナはびしりと敬礼を示すと、すたすたと中へと足を踏み入れる。
「ああ、聞かん坊達の様子はどうかね?」
「相変わらずではありますが、日々の訓練には比較的真面目に取り組んでいます。今日は基礎訓練を言いつけてありますが――」
言いながら、アンナは窓の外へと目を向ける。
『聞かん坊』と言うのは先日から預かっている3人の若い新兵達である。
有能だが世間知らずの若き戦士をハンターに『教育』してもらってから半月が過ぎ、彼らなりの向上心(反骨心と言うべきだろうか)を見せつつ日々の訓練に努めている。
眺めた外の訓練場では、ヘロヘロになりながらランニングに従事している様子が伺えた。
「それはなによりだ。戦力の増強は急務だからね」
大佐もまた、その視線を追って窓の外をちらりと眺める。
そうして自分の愛娘の姿を捉えてニコリと頬を緩ませた後、アンナへと向き直った。
「さて、本題に入ろう。今日は君たちのチームに任務の話だ」
「はっ」
「彼らにもそろそろ実戦経験を持って貰おうと思ってね。敵対亜人の討伐を頼みたい」
そう前於いて、大佐は数枚の資料をアンナの前へと提示した。
「数日前、ジェオルジの小さな農村でゴブリンの集団による襲撃があったらしい。数は40ほど。食料を漁られた挙句、村の女性を何人か攫われたらしい」
「人質……ですか?」
人災の話題に、アンナは微かに声を潜める。
「なんとも分からん。少なくとも何か交渉してくるような素振りは無いし、それ以外にもこれといったアプローチも無い。気まぐれで攫ったのだろう、と言うのが今のところの見解だ」
大佐は椅子に深く腰掛けると、ヒゲの綺麗に剃られた顎を撫でながら、渋い表情を浮かべる。
「偵察隊を出して、拠点までは調べがついている。ヤツら、山の麓にちょっとした砦を築いていたらしい。木造の何ともちゃちなものだがな。背の高い馬防柵に囲まれて、小屋が数件立ち並ぶ、『砦』と呼ぶには十分なものだ。チームはこれを攻略し、人質を救出して貰いたい。救出と殲滅、それが今回の任務だ」
「了解しました」
「ああ、一つだけ気を付けて貰いたい事があってね」
そう、思い出したように大佐は言葉を加える。
「集団の中に数匹、大柄な個体が居るそうなんだが……」
「大柄……まさか、怠惰の兵がこのような場所まで?」
「いや、そんな大層なヤツじゃない。大柄だが、あくまでゴブリン――所謂、ホブゴブリンと呼ばれる個体だろう。ゴブリンに比べて腕力や戦技には長ける奴らで、戦力の中核になっていると思われる。注意して欲しい」
「分かりました」
返事をしながら、アンナは渡された資料にさっと目を通す。
村人から寄せられた情報や、偵察兵からの情報。
砦の簡易見取り図等が、そこには記載されていた。
「作戦はキミに任せるよ。ソサエティにも依頼を出しているから、応援のハンターも来てくれるハズだ。彼らの協力も勘定に入れて欲しい」
「了解しました。謹んでお受けいたします」
「頼むよ。所で、先日の話だが……考えてくれたかな?」
ひとしきり任務のあらましを説明し終えた所で、話題を変えるようにそう口にする大佐。
アンナはそれを聞くと、少々バツが悪そうに視線を伏せながら答える。
「黒狐塾……ですか?」
「ああ。キミのような人材が下士官で燻っているのは何とも勿体ない。とは言え、都合、海軍も特機隊も目指せないのであれば、現状そのくらいしか道は無い。年功序列に肖るにも、キミはまだ若すぎるからね。その気があるのなら、推薦状はいくらでも書く」
そう言葉にするのは、大佐の一種の親心のようなものであった。
リアルブルーからの漂流者と言う一点を取っても、軍の中でのアンナの立場は比較的希薄だ。
信頼が無いわけでも、人望が無いわけでも無いが、所謂コネクションが彼女には無かった。
いくら実力があっても、チャンスを与えて貰えなければ発揮する場は無い。
海軍、黒狐塾、特機隊など、実力があればチャンスを回して貰えるような場所は同盟軍にも存在はする。
しかし、一身上の都合でうち2つが考えられない自分にとっては黒狐塾が唯一の場であることは、アンナ自身も理解はしていた。
「大佐……」
やがて、絞り出すように彼女は口を開く。
「私の気持ちは変わりません。より身近に人々の生活を護る事が、右も左も分からない私に良くしてくれたこの世界への、私なりの恩返しです。上を目指す事に、意味はありません」
アンナはそう言い切ると、「申し訳ありません」と深く頭を下げる。
「いや、良いんだ。私もお節介が過ぎた……任務の件、よろしく頼むよ」
「はっ!」
来訪者である彼女にとって、例え1年の時が過ぎようともこの世界は『異世界』である事に変わりは無かった。
それは決してこの世界を、人々を軽んじている訳では無く、むしろ感謝すらしている。
その恩を返す事こそが、今この世界に自分が生きる意味であり、自らの身を立てる事には何の意味も無いのだと、それがアンナの抱く素直な気持ちであった。
いつものように呼び出された上司の執務室。
アンナはびしりと敬礼を示すと、すたすたと中へと足を踏み入れる。
「ああ、聞かん坊達の様子はどうかね?」
「相変わらずではありますが、日々の訓練には比較的真面目に取り組んでいます。今日は基礎訓練を言いつけてありますが――」
言いながら、アンナは窓の外へと目を向ける。
『聞かん坊』と言うのは先日から預かっている3人の若い新兵達である。
有能だが世間知らずの若き戦士をハンターに『教育』してもらってから半月が過ぎ、彼らなりの向上心(反骨心と言うべきだろうか)を見せつつ日々の訓練に努めている。
眺めた外の訓練場では、ヘロヘロになりながらランニングに従事している様子が伺えた。
「それはなによりだ。戦力の増強は急務だからね」
大佐もまた、その視線を追って窓の外をちらりと眺める。
そうして自分の愛娘の姿を捉えてニコリと頬を緩ませた後、アンナへと向き直った。
「さて、本題に入ろう。今日は君たちのチームに任務の話だ」
「はっ」
「彼らにもそろそろ実戦経験を持って貰おうと思ってね。敵対亜人の討伐を頼みたい」
そう前於いて、大佐は数枚の資料をアンナの前へと提示した。
「数日前、ジェオルジの小さな農村でゴブリンの集団による襲撃があったらしい。数は40ほど。食料を漁られた挙句、村の女性を何人か攫われたらしい」
「人質……ですか?」
人災の話題に、アンナは微かに声を潜める。
「なんとも分からん。少なくとも何か交渉してくるような素振りは無いし、それ以外にもこれといったアプローチも無い。気まぐれで攫ったのだろう、と言うのが今のところの見解だ」
大佐は椅子に深く腰掛けると、ヒゲの綺麗に剃られた顎を撫でながら、渋い表情を浮かべる。
「偵察隊を出して、拠点までは調べがついている。ヤツら、山の麓にちょっとした砦を築いていたらしい。木造の何ともちゃちなものだがな。背の高い馬防柵に囲まれて、小屋が数件立ち並ぶ、『砦』と呼ぶには十分なものだ。チームはこれを攻略し、人質を救出して貰いたい。救出と殲滅、それが今回の任務だ」
「了解しました」
「ああ、一つだけ気を付けて貰いたい事があってね」
そう、思い出したように大佐は言葉を加える。
「集団の中に数匹、大柄な個体が居るそうなんだが……」
「大柄……まさか、怠惰の兵がこのような場所まで?」
「いや、そんな大層なヤツじゃない。大柄だが、あくまでゴブリン――所謂、ホブゴブリンと呼ばれる個体だろう。ゴブリンに比べて腕力や戦技には長ける奴らで、戦力の中核になっていると思われる。注意して欲しい」
「分かりました」
返事をしながら、アンナは渡された資料にさっと目を通す。
村人から寄せられた情報や、偵察兵からの情報。
砦の簡易見取り図等が、そこには記載されていた。
「作戦はキミに任せるよ。ソサエティにも依頼を出しているから、応援のハンターも来てくれるハズだ。彼らの協力も勘定に入れて欲しい」
「了解しました。謹んでお受けいたします」
「頼むよ。所で、先日の話だが……考えてくれたかな?」
ひとしきり任務のあらましを説明し終えた所で、話題を変えるようにそう口にする大佐。
アンナはそれを聞くと、少々バツが悪そうに視線を伏せながら答える。
「黒狐塾……ですか?」
「ああ。キミのような人材が下士官で燻っているのは何とも勿体ない。とは言え、都合、海軍も特機隊も目指せないのであれば、現状そのくらいしか道は無い。年功序列に肖るにも、キミはまだ若すぎるからね。その気があるのなら、推薦状はいくらでも書く」
そう言葉にするのは、大佐の一種の親心のようなものであった。
リアルブルーからの漂流者と言う一点を取っても、軍の中でのアンナの立場は比較的希薄だ。
信頼が無いわけでも、人望が無いわけでも無いが、所謂コネクションが彼女には無かった。
いくら実力があっても、チャンスを与えて貰えなければ発揮する場は無い。
海軍、黒狐塾、特機隊など、実力があればチャンスを回して貰えるような場所は同盟軍にも存在はする。
しかし、一身上の都合でうち2つが考えられない自分にとっては黒狐塾が唯一の場であることは、アンナ自身も理解はしていた。
「大佐……」
やがて、絞り出すように彼女は口を開く。
「私の気持ちは変わりません。より身近に人々の生活を護る事が、右も左も分からない私に良くしてくれたこの世界への、私なりの恩返しです。上を目指す事に、意味はありません」
アンナはそう言い切ると、「申し訳ありません」と深く頭を下げる。
「いや、良いんだ。私もお節介が過ぎた……任務の件、よろしく頼むよ」
「はっ!」
来訪者である彼女にとって、例え1年の時が過ぎようともこの世界は『異世界』である事に変わりは無かった。
それは決してこの世界を、人々を軽んじている訳では無く、むしろ感謝すらしている。
その恩を返す事こそが、今この世界に自分が生きる意味であり、自らの身を立てる事には何の意味も無いのだと、それがアンナの抱く素直な気持ちであった。
解説
▼任務
ゴブリン砦を攻略せよ
▼概要
ジェオルジの郊外に築かれたゴブリン砦を攻略し、囚われた人達を救出してください。
砦は木造の掘立小屋が5つほど立ち並び、その周囲を高さ2mほどあるの馬防柵で覆った簡素なもので、中に多数のゴブリンが徒党を組んで住み着いています。
今回、軍の提示した作戦は以下の通りです。
1.ハンター隊、エスト隊に分かれ作戦を実行。
2.一方の隊が真正面から砦に突入。武力を以てゴブリン達の気を引く。
3.その間に、もう一方の隊が裏より侵入。速やかに人質を救出し、一時脱出。
4.後に2隊合流し、砦内のゴブリンを殲滅する。
ハンターの皆は、ひと纏まりの隊として【正面からの陽動】か【裏からの潜入】かのどちらかの役割を選んで頂きます。
選ばれなかった役割をエスト隊が担います。
▼砦概要図
□ □ □ □ □ □ □
□ □ □=馬防柵
□ ■ ■ □ ■=掘立小屋
□ ■ □ ↑=正面
□ ■ ■ □
□ □
□ □ □ ↑ □ □ □
一辺100mほど。
救出対象は掘立小屋のどれかに居ると思われます。
▼敵軍
・ホブゴブリン×10前後
大柄な成人男性ほどのサイズのゴブリンです。
砦戦力の中核で比較的強力ですが、頭は良くないです。
剣や槍に加え、簡易な鎧で武装しています。
・ゴブリン×30前後
近接武器を中心に、弓を持った個体も見受けられます。
個々は強く無いため、ここでは数匹でまとまって襲い掛かる戦法を得意としているようです。
▼友軍
エスト隊4名
・アンナ=リーナ曹長 (機導師)
・フィオーレ軍曹 (猟撃士)
・ピーノ (疾影士)
・バン (闘狩人)
隊長のアンナで最年長という若いチームですが、腕は確かです。
作戦中は短電話による通信が可能です。
ゴブリン砦を攻略せよ
▼概要
ジェオルジの郊外に築かれたゴブリン砦を攻略し、囚われた人達を救出してください。
砦は木造の掘立小屋が5つほど立ち並び、その周囲を高さ2mほどあるの馬防柵で覆った簡素なもので、中に多数のゴブリンが徒党を組んで住み着いています。
今回、軍の提示した作戦は以下の通りです。
1.ハンター隊、エスト隊に分かれ作戦を実行。
2.一方の隊が真正面から砦に突入。武力を以てゴブリン達の気を引く。
3.その間に、もう一方の隊が裏より侵入。速やかに人質を救出し、一時脱出。
4.後に2隊合流し、砦内のゴブリンを殲滅する。
ハンターの皆は、ひと纏まりの隊として【正面からの陽動】か【裏からの潜入】かのどちらかの役割を選んで頂きます。
選ばれなかった役割をエスト隊が担います。
▼砦概要図
□ □ □ □ □ □ □
□ □ □=馬防柵
□ ■ ■ □ ■=掘立小屋
□ ■ □ ↑=正面
□ ■ ■ □
□ □
□ □ □ ↑ □ □ □
一辺100mほど。
救出対象は掘立小屋のどれかに居ると思われます。
▼敵軍
・ホブゴブリン×10前後
大柄な成人男性ほどのサイズのゴブリンです。
砦戦力の中核で比較的強力ですが、頭は良くないです。
剣や槍に加え、簡易な鎧で武装しています。
・ゴブリン×30前後
近接武器を中心に、弓を持った個体も見受けられます。
個々は強く無いため、ここでは数匹でまとまって襲い掛かる戦法を得意としているようです。
▼友軍
エスト隊4名
・アンナ=リーナ曹長 (機導師)
・フィオーレ軍曹 (猟撃士)
・ピーノ (疾影士)
・バン (闘狩人)
隊長のアンナで最年長という若いチームですが、腕は確かです。
作戦中は短電話による通信が可能です。
マスターより
おはようございます、のどかです。
駐在日誌、訓練日誌に引き続きまして、3度目の登場となりますアンナ=リーナ曹長です。
無事NPC化もしまして、素敵なイラストも付きました。
是非、仲良くしてあげてくださいね!(宣伝)
今回は曹長のチームとの合同作戦となるため、敵状に対して作戦としての難易度は低めです。
しかし下手を打てば失敗も十分あり得ますので、心してご参加ください。
質問がございましたらアンナ=リーナがお答えいたしますので、別途質問卓をご用意ください。
皆様のご参加をお待ちしております。
駐在日誌、訓練日誌に引き続きまして、3度目の登場となりますアンナ=リーナ曹長です。
無事NPC化もしまして、素敵なイラストも付きました。
是非、仲良くしてあげてくださいね!(宣伝)
今回は曹長のチームとの合同作戦となるため、敵状に対して作戦としての難易度は低めです。
しかし下手を打てば失敗も十分あり得ますので、心してご参加ください。
質問がございましたらアンナ=リーナがお答えいたしますので、別途質問卓をご用意ください。
皆様のご参加をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/04/30 08:48
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/23 08:19:00 |
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作戦相談 ノイ・ヴァンダーファルケ(ka4548) 人間(クリムゾンウェスト)|14才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/04/22 21:53:06 |