ゲスト
(ka0000)
【讐刃】ブラック・ハンター
マスター:松尾京

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/24 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/03 19:00
オープニング
●捜査
「このあたりと言いましたね」
ハンターのフリッツが、山中であたりを検分する。
それを、村の若い男が見て頷いた。
「ええ。目撃者はここで動く影を見たと」
「普段、ここに立ち入るものはいないのだろう。犯人の可能性もあるな」
若い男は頷くと、言う。
「フリッツさん。それにしても……どうしてここまで、この連続殺人事件を調べてくれるんです。助かりますが、危険では?」
「これは、俺の仕事――いや、やるべきことなんです」
フリッツは犯人の痕跡がないかと調べながら、そう口にした。
それは最近、村落周辺で連続する殺人事件だった。
最初に起きたのは数ヶ月前。いさかいごとすら起こらないような村の外れで、一人の男の死体が見つかった。以降、近隣の村や山林で、第二、第三の被害者が現れた。
特徴的なのは、被害者が銃で撃たれたあと、体が刃物で切り裂かれていたことだ。
まるで憎悪をぶつけられたかのように、それらの死体は全身がずたずたとなっていた。
村人達は、この謎の事件に恐怖を覚えた。
だが、村人にとってお手上げ状態だったのは、犯行が卑劣だったからではない。
この連続殺人には、更なる特徴があった。
被害者が全員――覚醒者であること。
殺されたものの中にはハンターもいた。そんな強者を殺せてしまうほどの犯人を、村人に追い詰めることは不可能だった。
そんな中、フリッツは事件を聞きつけ、早期から犯人を追っていた。
フリッツには、この犯人について――ある心当たりがあったからだ。
木々の間を歩き……フリッツは独り言のように、呟く。
「……ルイス。お前なのか」
●親友
ルイスは、かつてフリッツの親友だったハンターだ。
気の良い男で、互いに十代の新米ハンターだった頃から、よく一緒に行動をしていた。
だが、一年前。ルイスは行方不明となった。
きっかけは、ルイスがジュリアという恋人と、二人で山に入ったときのこと。
突如現れた山賊に襲われ――抵抗虚しく、ジュリアが殺されてしまった。ルイスは命を取り留めたのだが、それは崖下に落ちて偶然助かったからだった。
山賊は覚醒者だったという。だから、二人いても、勝てなかった。
ルイスは普段から、フリッツが呆れるほどに、ジュリアへの愛する思いを口にしていたものだった。
そのジュリアが死んで、ルイスは激変した。
虚ろな目で言われた言葉をフリッツは覚えている。
「弱い、弱い、弱い。何で俺は、こんなに弱い。恋人一人守れないで……どうして……」
フリッツは、懸命に言葉をかけた。
「ルイス。自分を責めるな。どうしようもなかったんだ。お前は悪くない」
「じゃあ、誰が悪いんだ? どうしてこんなことになった? 教えてくれよ」
ルイスはしかし、そんなふうに答えるだけ。
それから、次第に精神を壊していった。
「……なあフリッツ。どうすればジュリアが、喜んでくれるんだろうな」
それが、フリッツが最後に聞いた言葉だ。その後、ルイスは姿を消した。
最初の殺人が起きたのはそれからしばらくしてのことだ。
●邂逅
フリッツは首を振って見回す。
「とりあえず今日の調査はここまでにしましょう。続きはまた――」
どぉん、という籠もった銃声が聞こえたのはそのときだった。
村の男とフリッツは、びくりとして振り返る。
「……向こうだ!」
顔を見合わせると、急いで、葉をかき分け走った。
そして音の発生現場までたどりつき……それを見つけた。
土に転がる、ハンターらしき男の死体。
そして体は、ずたずたに切り裂かれている。
「くそ、遅かったか……!」
地に拳を打ち付けるフリッツだったが――そのとき視界の端で、何者かの影がちらついた。人間だ。
「? ……おい、待て!」
フリッツと村の男は影を追って走る。影は、複数の足音が近づいてきたことに、警戒するように離れていった。
だが、山中、木々に囲まれて数軒の小屋が建ち並ぶ場所が見えるところで……フリッツは、その影を追い詰めた。
影は、追ってくるのが二人だけと見るや、逃げるのもやめていた。
それは、剣から血を滴らせている、長い黒髪の男だった。
フリッツは呆然となり、歯をかみしめる。
「……ルイス。やっぱり、お前だったのか」
「フリッツ……そうか、フリッツだったか。はは。久しぶりだな」
フードを浅く被っており、木々に紛れる格好をしてはいた。
だが、それは紛れもない、ルイスだった。
「お前が、やったのか。あれを」
フリッツの言葉に、ルイスは……愉快そうな顔になるのだった。
「そうさ。見たか、フリッツ。あの無残な姿を。あの男、覚醒者のくせに大して強くもなかったんだ。ほとんど、一撃さ」
「覚醒者の、連続殺人。全て……お前なのか」
「それがどうかしたのか。はは、何を怒っている」
フリッツは剣を抜いて、切り込んだ。だがルイスはそれを剣で受け、止めている。
二人はにらみ合った。
「自分が何をしたか、わかっているのか。……優しい男だったお前は、どこに行った」
「何の話だ? 俺は仇をとっているだけだ。ジュリアの仇を」
フリッツははっとする。
ルイスの中に見えたのは――行方不明になる直前、フリッツに見せていた……絶望と、何かへの憎悪をたたえた、黒い瞳。
「ルイス、お前は復讐しようとしているのか。……ジュリアを殺したのは、山賊だ。殺された覚醒者に、罪はない」
「覚醒者は、悪だ!」
ルイスは一瞬引くと、フリッツの体を切り下げた。
「ぐあ……!」
フリッツは、血を流しながら膝をつく。
「いい加減に、邪魔するなら、容赦はしないぞ」
ルイスは見下ろして言うと、手でさっと合図した。
すると、まわりからフードを被って顔を隠した戦士と思しき者たちが、四人現れる。でどころは、おそらくあの小屋か。
「やれ」
ルイスが言うと、その一人が槍で襲ってきた。
多勢に無勢。フリッツ自体、既に肩で息をしている。
ここで自分が死ねば、ルイスは、止まらない。
「くそ……!」
フリッツは村の男を連れ……その場から退くしかなかった。
●依頼
「ルイスは、山小屋にいる。あそこがアジトだ」
フリッツは、急ぎ集められたハンターに語った。
「俺に居場所が知られてはいるが、余裕を見せていたから、いまだに潜伏していると見ていいだろう。誰かが来ても迎え撃つつもりなのかも知れない。とにかく、急ぎ対処する必要がある」
それから何かを言おうとして、首を振る。思い直すように口を開いた。
「あいつは元ハンターで、俺の友人でもあった。だが、殺人者だ。全力で当たってくれ」
ルイスは小屋の中、銃身を磨く。
そして今日も、そこにはいない恋人に語りかける。
「ジュリア。待っててくれ。君の仇を、取るから。覚醒者を全員、殺してあげるから……」
「このあたりと言いましたね」
ハンターのフリッツが、山中であたりを検分する。
それを、村の若い男が見て頷いた。
「ええ。目撃者はここで動く影を見たと」
「普段、ここに立ち入るものはいないのだろう。犯人の可能性もあるな」
若い男は頷くと、言う。
「フリッツさん。それにしても……どうしてここまで、この連続殺人事件を調べてくれるんです。助かりますが、危険では?」
「これは、俺の仕事――いや、やるべきことなんです」
フリッツは犯人の痕跡がないかと調べながら、そう口にした。
それは最近、村落周辺で連続する殺人事件だった。
最初に起きたのは数ヶ月前。いさかいごとすら起こらないような村の外れで、一人の男の死体が見つかった。以降、近隣の村や山林で、第二、第三の被害者が現れた。
特徴的なのは、被害者が銃で撃たれたあと、体が刃物で切り裂かれていたことだ。
まるで憎悪をぶつけられたかのように、それらの死体は全身がずたずたとなっていた。
村人達は、この謎の事件に恐怖を覚えた。
だが、村人にとってお手上げ状態だったのは、犯行が卑劣だったからではない。
この連続殺人には、更なる特徴があった。
被害者が全員――覚醒者であること。
殺されたものの中にはハンターもいた。そんな強者を殺せてしまうほどの犯人を、村人に追い詰めることは不可能だった。
そんな中、フリッツは事件を聞きつけ、早期から犯人を追っていた。
フリッツには、この犯人について――ある心当たりがあったからだ。
木々の間を歩き……フリッツは独り言のように、呟く。
「……ルイス。お前なのか」
●親友
ルイスは、かつてフリッツの親友だったハンターだ。
気の良い男で、互いに十代の新米ハンターだった頃から、よく一緒に行動をしていた。
だが、一年前。ルイスは行方不明となった。
きっかけは、ルイスがジュリアという恋人と、二人で山に入ったときのこと。
突如現れた山賊に襲われ――抵抗虚しく、ジュリアが殺されてしまった。ルイスは命を取り留めたのだが、それは崖下に落ちて偶然助かったからだった。
山賊は覚醒者だったという。だから、二人いても、勝てなかった。
ルイスは普段から、フリッツが呆れるほどに、ジュリアへの愛する思いを口にしていたものだった。
そのジュリアが死んで、ルイスは激変した。
虚ろな目で言われた言葉をフリッツは覚えている。
「弱い、弱い、弱い。何で俺は、こんなに弱い。恋人一人守れないで……どうして……」
フリッツは、懸命に言葉をかけた。
「ルイス。自分を責めるな。どうしようもなかったんだ。お前は悪くない」
「じゃあ、誰が悪いんだ? どうしてこんなことになった? 教えてくれよ」
ルイスはしかし、そんなふうに答えるだけ。
それから、次第に精神を壊していった。
「……なあフリッツ。どうすればジュリアが、喜んでくれるんだろうな」
それが、フリッツが最後に聞いた言葉だ。その後、ルイスは姿を消した。
最初の殺人が起きたのはそれからしばらくしてのことだ。
●邂逅
フリッツは首を振って見回す。
「とりあえず今日の調査はここまでにしましょう。続きはまた――」
どぉん、という籠もった銃声が聞こえたのはそのときだった。
村の男とフリッツは、びくりとして振り返る。
「……向こうだ!」
顔を見合わせると、急いで、葉をかき分け走った。
そして音の発生現場までたどりつき……それを見つけた。
土に転がる、ハンターらしき男の死体。
そして体は、ずたずたに切り裂かれている。
「くそ、遅かったか……!」
地に拳を打ち付けるフリッツだったが――そのとき視界の端で、何者かの影がちらついた。人間だ。
「? ……おい、待て!」
フリッツと村の男は影を追って走る。影は、複数の足音が近づいてきたことに、警戒するように離れていった。
だが、山中、木々に囲まれて数軒の小屋が建ち並ぶ場所が見えるところで……フリッツは、その影を追い詰めた。
影は、追ってくるのが二人だけと見るや、逃げるのもやめていた。
それは、剣から血を滴らせている、長い黒髪の男だった。
フリッツは呆然となり、歯をかみしめる。
「……ルイス。やっぱり、お前だったのか」
「フリッツ……そうか、フリッツだったか。はは。久しぶりだな」
フードを浅く被っており、木々に紛れる格好をしてはいた。
だが、それは紛れもない、ルイスだった。
「お前が、やったのか。あれを」
フリッツの言葉に、ルイスは……愉快そうな顔になるのだった。
「そうさ。見たか、フリッツ。あの無残な姿を。あの男、覚醒者のくせに大して強くもなかったんだ。ほとんど、一撃さ」
「覚醒者の、連続殺人。全て……お前なのか」
「それがどうかしたのか。はは、何を怒っている」
フリッツは剣を抜いて、切り込んだ。だがルイスはそれを剣で受け、止めている。
二人はにらみ合った。
「自分が何をしたか、わかっているのか。……優しい男だったお前は、どこに行った」
「何の話だ? 俺は仇をとっているだけだ。ジュリアの仇を」
フリッツははっとする。
ルイスの中に見えたのは――行方不明になる直前、フリッツに見せていた……絶望と、何かへの憎悪をたたえた、黒い瞳。
「ルイス、お前は復讐しようとしているのか。……ジュリアを殺したのは、山賊だ。殺された覚醒者に、罪はない」
「覚醒者は、悪だ!」
ルイスは一瞬引くと、フリッツの体を切り下げた。
「ぐあ……!」
フリッツは、血を流しながら膝をつく。
「いい加減に、邪魔するなら、容赦はしないぞ」
ルイスは見下ろして言うと、手でさっと合図した。
すると、まわりからフードを被って顔を隠した戦士と思しき者たちが、四人現れる。でどころは、おそらくあの小屋か。
「やれ」
ルイスが言うと、その一人が槍で襲ってきた。
多勢に無勢。フリッツ自体、既に肩で息をしている。
ここで自分が死ねば、ルイスは、止まらない。
「くそ……!」
フリッツは村の男を連れ……その場から退くしかなかった。
●依頼
「ルイスは、山小屋にいる。あそこがアジトだ」
フリッツは、急ぎ集められたハンターに語った。
「俺に居場所が知られてはいるが、余裕を見せていたから、いまだに潜伏していると見ていいだろう。誰かが来ても迎え撃つつもりなのかも知れない。とにかく、急ぎ対処する必要がある」
それから何かを言おうとして、首を振る。思い直すように口を開いた。
「あいつは元ハンターで、俺の友人でもあった。だが、殺人者だ。全力で当たってくれ」
ルイスは小屋の中、銃身を磨く。
そして今日も、そこにはいない恋人に語りかける。
「ジュリア。待っててくれ。君の仇を、取るから。覚醒者を全員、殺してあげるから……」
解説
●目的
ルイスのアジトを制圧すること。
なお、ルイスの撃退、もしくは捕縛の判断はハンターに一任する。
●状況
覚醒者連続殺人事件の犯人、ルイスが山中のアジトに潜伏。
ハンターは山中へ向かい、アジトへ潜入、制圧を目指す。
●場所
山中のアジト。
------------------------------
森森森森森森森森森森森森森森
森 ■■ ■■ ■■森
森森森森森森 森森森森森森
森森森森森森 森森森森森森
森 ■■ ■■ 森
森森森森森森 森森森森森森
------------------------------
1マス3×3スクエア。
■■=小屋。
外部は全て森。空白部分は土の地面。
ハンターの初期位置は南側。
・森
鬱蒼と茂る。視界が悪い。
・小屋
窓はないが、外を監視する穴などはあると思われる。
入口は左方の小屋は右向き、右方の小屋は左向きにある。
●敵
・ルイス
元ハンターであり、相応の実力を持つ。
アサルトライフル、直剣を装備。
・ルイスの配下
顔をフードで隠した集団。
フリッツによると、こちらもただの賊ではなさそうだとのこと。
ルイスと同行していた数は4人だが、アジトの規模から、その倍はいてもおかしくないと推測されている。
槍や剣など、1人が1つの武器を持っていた模様。
●フリッツについて
金髪が目立つ青年ハンター。闘狩人。
ハンターに同行。けがをしているため主戦力にはならないが、配下と戦うことは充分に可能。
作戦を提示すれば従う。
剣、近接格闘系スキルを装備。
ルイスのアジトを制圧すること。
なお、ルイスの撃退、もしくは捕縛の判断はハンターに一任する。
●状況
覚醒者連続殺人事件の犯人、ルイスが山中のアジトに潜伏。
ハンターは山中へ向かい、アジトへ潜入、制圧を目指す。
●場所
山中のアジト。
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森 ■■ ■■ ■■森
森森森森森森 森森森森森森
森森森森森森 森森森森森森
森 ■■ ■■ 森
森森森森森森 森森森森森森
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1マス3×3スクエア。
■■=小屋。
外部は全て森。空白部分は土の地面。
ハンターの初期位置は南側。
・森
鬱蒼と茂る。視界が悪い。
・小屋
窓はないが、外を監視する穴などはあると思われる。
入口は左方の小屋は右向き、右方の小屋は左向きにある。
●敵
・ルイス
元ハンターであり、相応の実力を持つ。
アサルトライフル、直剣を装備。
・ルイスの配下
顔をフードで隠した集団。
フリッツによると、こちらもただの賊ではなさそうだとのこと。
ルイスと同行していた数は4人だが、アジトの規模から、その倍はいてもおかしくないと推測されている。
槍や剣など、1人が1つの武器を持っていた模様。
●フリッツについて
金髪が目立つ青年ハンター。闘狩人。
ハンターに同行。けがをしているため主戦力にはならないが、配下と戦うことは充分に可能。
作戦を提示すれば従う。
剣、近接格闘系スキルを装備。
マスターより
今回の敵は、道を踏み外してしまった一人の男です。
彼は既にハンターと言える存在ではありませんが、覚醒者であり、かなりの修練を重ねたあともあるようです。配下もいるので、それなりに厳しい戦いになることが予想されます。
我こそはというハンターの皆様は是非、負の連鎖を止める戦いに名乗りを上げてみてください。
彼は既にハンターと言える存在ではありませんが、覚醒者であり、かなりの修練を重ねたあともあるようです。配下もいるので、それなりに厳しい戦いになることが予想されます。
我こそはというハンターの皆様は是非、負の連鎖を止める戦いに名乗りを上げてみてください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/02 12:18
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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質問卓! エヴァンス・カルヴィ(ka0639) 人間(クリムゾンウェスト)|29才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/04/20 19:02:18 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/20 18:42:50 |
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相談卓 柏木 秋子(ka4394) 人間(リアルブルー)|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/04/23 23:05:49 |