ゲスト
(ka0000)
酒蔵の奥から
マスター:十野誠

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/27 15:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/06 15:00
オープニング
それはひっそりと姿を現した。
自分がどこで産まれたのかは、それが知る事ではない。
周囲は暗いが、問題にはならない。それが育つために必要なものは周囲にいくらでもあった。
自らをのばし、出来る限り大きく。
それは、考えることをしない。
ただひたすら自分を広げるために、活動を開始した。
●
故郷より離れた旅人は、時たま自分の故郷の物を食べたくなると言う。
それは食べ物に限らず、嗜好品の類も同じだ。
帝国内のとある町に店を構えるその商店では、中でも酒に目をつけた。
同じ様な、似た酒ならば造られている。
ならば、そのままの酒は?
全く同じ酒があるのなら。同じ製法で、この場所ならではの酒は作れないか?
彼らが目を付けたのはリアルブルーで洋酒と呼ばれる酒だった。
クリムゾンウェストにあり、リアルブルーでそれらしきものが見つかっていないもの――マテリアル。木々にはそれが含まれる事があるという。
多くのマテリアルを含む木は、エルフの森から得る必要があることから、1商店が入手する事は難しい。
ならば、少ない量でも長期間置けば。
熟成に長い時間をかける酒ならば、マテリアルが溶け出すこともあるいはあるのではないか?
実際に出来るか分からない酒だ。そして熟成に長い時間をかける以上、できあがるまでの繋ぎとなる商品は必須。
その商店は、自らの手で造った酒を売り出す事を夢見ながら、酒やジュースなどの商品を店頭にならべていった。
●
その日。酒蔵に向かった担当者は、母屋に戻ると息を切らせながら叫んだ。
「蔦が……!」
熟成させるために樽を並べていたその酒蔵の内側、不気味な蔦がはりめぐらされていと言う。
前日にはそのような蔦はどこにも見あたらなかった。どこからともなく現れた青みがかった蔦は酒蔵の中に並べられた樽に巻き付くように広がっていた。
その異常な光景を見た担当者は、身震を見せながら奥から現れた主人に語る。
「あぁん? 蔦? どっから……って。それよりもおめぇ、そのまま戻ってきたのか」
「勝手に動いたんです! ありゃ普通のじゃねえ!」
入った時の風で振れたわけでもなく。酒蔵に入っただけで蔦の先が自らの方を向いたのだと。
まるで、新しい獲物を見つけたかのように。
「ありゃ化け物かなんかだ……旦那。やっぱり、無茶だったんじゃねえですかね……」 担当者は主人の顔色をうかがうようにして言う。
酒を寝かす樽は、少しでも有望そうな木材を集めて造られたものだ。無茶な集め方をしたと言う程ではないが、多少怪しげな仕入先からでもかき集めた。そうでもなければ、十分な量にならなかったからだ。
「バカ言え。造れなかったら意味がねぇんだ……ううむ……」
「もう焼いちまうしか……」
「バカ野郎。酒蔵ごと焼こうってのか? これまでの苦労を何だと思ってやがる」
「だったら旦那。どうするんですか? オレはあんなかにまた行くのはのは嫌ですよ?」
にじりよる蔦。
その鋭くなった枝先を向け、獲物をからめ取り、何かに突き刺そうと言うようにそれは動いていた。
「旦那。どうしようもありませんて……うまくやりゃ中だけで済むでしょうし……」
厄介な事が起こったのならば、頼む先はハンター達と相場は決まっている。
しかし、この店では酒の研究のために予算を大きく割いていた事もあり、あまり金額を出すことは出来なかった。
ならば、自分たちで出来る限りをやらなくてはならない。だが
腕組みをして考え込んでいた店の主人は、うなるようにして言った。
「……オレが出そう」
「へ? 旦那が、ですかい? でもそんな金……」
「いいから気にすんな! おめえはハンター達んとこ行ってこい!」
主人の言葉に蹴飛ばされるように跳ね上がると、担当者はハンターオフィスに向かって走っていく。
後ろ姿を見送りながら、ガリゴリと頭をかきながら店の主人はつぶやく。
「あぁ、クソ。オレが飲みたいから造るってのに当分のめねぇだろうな、畜生」
研究のためと言いつつ自分が飲むために仕入れる予定だった酒のリストに×印をつけると、主人は大きくため息をついた。
自分がどこで産まれたのかは、それが知る事ではない。
周囲は暗いが、問題にはならない。それが育つために必要なものは周囲にいくらでもあった。
自らをのばし、出来る限り大きく。
それは、考えることをしない。
ただひたすら自分を広げるために、活動を開始した。
●
故郷より離れた旅人は、時たま自分の故郷の物を食べたくなると言う。
それは食べ物に限らず、嗜好品の類も同じだ。
帝国内のとある町に店を構えるその商店では、中でも酒に目をつけた。
同じ様な、似た酒ならば造られている。
ならば、そのままの酒は?
全く同じ酒があるのなら。同じ製法で、この場所ならではの酒は作れないか?
彼らが目を付けたのはリアルブルーで洋酒と呼ばれる酒だった。
クリムゾンウェストにあり、リアルブルーでそれらしきものが見つかっていないもの――マテリアル。木々にはそれが含まれる事があるという。
多くのマテリアルを含む木は、エルフの森から得る必要があることから、1商店が入手する事は難しい。
ならば、少ない量でも長期間置けば。
熟成に長い時間をかける酒ならば、マテリアルが溶け出すこともあるいはあるのではないか?
実際に出来るか分からない酒だ。そして熟成に長い時間をかける以上、できあがるまでの繋ぎとなる商品は必須。
その商店は、自らの手で造った酒を売り出す事を夢見ながら、酒やジュースなどの商品を店頭にならべていった。
●
その日。酒蔵に向かった担当者は、母屋に戻ると息を切らせながら叫んだ。
「蔦が……!」
熟成させるために樽を並べていたその酒蔵の内側、不気味な蔦がはりめぐらされていと言う。
前日にはそのような蔦はどこにも見あたらなかった。どこからともなく現れた青みがかった蔦は酒蔵の中に並べられた樽に巻き付くように広がっていた。
その異常な光景を見た担当者は、身震を見せながら奥から現れた主人に語る。
「あぁん? 蔦? どっから……って。それよりもおめぇ、そのまま戻ってきたのか」
「勝手に動いたんです! ありゃ普通のじゃねえ!」
入った時の風で振れたわけでもなく。酒蔵に入っただけで蔦の先が自らの方を向いたのだと。
まるで、新しい獲物を見つけたかのように。
「ありゃ化け物かなんかだ……旦那。やっぱり、無茶だったんじゃねえですかね……」 担当者は主人の顔色をうかがうようにして言う。
酒を寝かす樽は、少しでも有望そうな木材を集めて造られたものだ。無茶な集め方をしたと言う程ではないが、多少怪しげな仕入先からでもかき集めた。そうでもなければ、十分な量にならなかったからだ。
「バカ言え。造れなかったら意味がねぇんだ……ううむ……」
「もう焼いちまうしか……」
「バカ野郎。酒蔵ごと焼こうってのか? これまでの苦労を何だと思ってやがる」
「だったら旦那。どうするんですか? オレはあんなかにまた行くのはのは嫌ですよ?」
にじりよる蔦。
その鋭くなった枝先を向け、獲物をからめ取り、何かに突き刺そうと言うようにそれは動いていた。
「旦那。どうしようもありませんて……うまくやりゃ中だけで済むでしょうし……」
厄介な事が起こったのならば、頼む先はハンター達と相場は決まっている。
しかし、この店では酒の研究のために予算を大きく割いていた事もあり、あまり金額を出すことは出来なかった。
ならば、自分たちで出来る限りをやらなくてはならない。だが
腕組みをして考え込んでいた店の主人は、うなるようにして言った。
「……オレが出そう」
「へ? 旦那が、ですかい? でもそんな金……」
「いいから気にすんな! おめえはハンター達んとこ行ってこい!」
主人の言葉に蹴飛ばされるように跳ね上がると、担当者はハンターオフィスに向かって走っていく。
後ろ姿を見送りながら、ガリゴリと頭をかきながら店の主人はつぶやく。
「あぁ、クソ。オレが飲みたいから造るってのに当分のめねぇだろうな、畜生」
研究のためと言いつつ自分が飲むために仕入れる予定だった酒のリストに×印をつけると、主人は大きくため息をついた。
解説
とある店において、洋酒(のようなもの)を寝かす酒蔵にて発生している、蔦の形をした生物の討伐依頼となります。
はっきりとした前触れもなく発生した点などから、おそらく雑魔の一種であろうと思われます。
対象の正確な数は不明となりますが、酒蔵の中見た担当者は、蔦は酒蔵に並べて置かれた20個の樽の内半数ほどに蔦が巻き付いていたのを見たと言っています。
酒蔵の広さは、入り口が2人がたてる程度。奥行きは10m。幅は7m。天井の高さは2.5mとなります。
酒蔵の中では、両側の壁沿いに10個ずつ酒樽が並べられています。
酒樽の大きさは、直径60cm、高さ1mほどです。
なお、特記事項としまして、中での火の使用は出来る限り控えてほしいとの要望が依頼主よりでています。
はっきりとした前触れもなく発生した点などから、おそらく雑魔の一種であろうと思われます。
対象の正確な数は不明となりますが、酒蔵の中見た担当者は、蔦は酒蔵に並べて置かれた20個の樽の内半数ほどに蔦が巻き付いていたのを見たと言っています。
酒蔵の広さは、入り口が2人がたてる程度。奥行きは10m。幅は7m。天井の高さは2.5mとなります。
酒蔵の中では、両側の壁沿いに10個ずつ酒樽が並べられています。
酒樽の大きさは、直径60cm、高さ1mほどです。
なお、特記事項としまして、中での火の使用は出来る限り控えてほしいとの要望が依頼主よりでています。
マスターより
地方に行くとどんなお酒があるのかなと思わず考えてしまいます。十野です。
最近は色々と発達しているようで、その土地ならではと言ったものが、お酒の種類を問わずに造られているようで、なかなか知るだけでも面白いです。
※未成年の飲酒は禁止されています。お酒はマナーとルールと節度を保って楽しみましょう。
さて。今回の依頼ですが、戦闘物となります。
街中で大きな火をあげる必要が無いよう、みなさまのご協力をお願いいたします。
プレイングを心よりお待ちしております。
最近は色々と発達しているようで、その土地ならではと言ったものが、お酒の種類を問わずに造られているようで、なかなか知るだけでも面白いです。
※未成年の飲酒は禁止されています。お酒はマナーとルールと節度を保って楽しみましょう。
さて。今回の依頼ですが、戦闘物となります。
街中で大きな火をあげる必要が無いよう、みなさまのご協力をお願いいたします。
プレイングを心よりお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/06 23:33
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/24 15:31:17 |
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蔦退治作戦卓 エリオ・アルファーノ(ka4129) 人間(クリムゾンウェスト)|40才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/04/27 12:03:01 |