ゲスト
(ka0000)
名前を付けて!―花―
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/29 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/08 12:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●
蒸気工場都市フマーレ、その工業区の外れにひっそり佇む煉瓦造りの工場。アイビーの絡む塀に囲まれた広い庭、門に掲げられた看板には、「阪井紡績有限会社」。
水車が回る動力が建物内の歯車を伝い、今日も何百と並ぶスピンドルが絶え間なく綿花を紡ぐ軽快な音が響いている。
先月、この工場にもたらされた二つの吉報。
一、防火の魔術が施された種子から育ち、機械では紡げないが手を掛けて紡いで織れば、多少の炎ではびくつかない布に仕上がる特殊な綿花
一、ふかふかな尻尾が愛らしく、どうやら人の言葉をある程度分かっていそうな振る舞いを見せる賢い狐
「さて……」
工場長、阪井輔は綿花の袋を片腕に抱え、膝に乗ってきた狐を撫でて溜息を零す。
遠い山から来た狐は社員一号のエンリコ・アモーレの元で回復し、最近では工場の庭を走り回る快活さを見せる。希に工場を尋ねてくる客人にも吠えついたりせず、大人しく座って撫でられれば尻尾を振って懐いてみせる卒の無さがある。
そろそろ、散歩に出しても良いのかもしれないね。
先日、阪井がそう呟くと、狐を抱えていたエンリコよりも先に飛び跳ねて喜んでいた。
丁度良い、そろそろあの綿花を紡がなければならないし、そうしている間は構ってやれないから。
●
ハンターのチームが2組呼ばれた。
片方は阪井が、もう片方はエンリコが依頼したらしい。
阪井は黒染の麻袋から一掴みの綿花を取り出して見せた。
「これは特殊な綿花で……」
その中から一輪、ハンターに摘まませて、触ってみてくれと促した。
ハンター達の手に触れられながら、綿花はぽろぽろと崩れ、解れて、細かな繊維が風に流れた。
「この通り、とても弱い花なんだ。だから、紡績も機械では無く手で行う。こっちの丈夫な綿花と混ぜながら少しずつ紡いでいくことになるんだ。上手くすれば、とても火に強い布が出来るそうだよ。まずは、この一袋だけなんだが、まあ、うちには人手が無くてね」
それじゃあ、スピンドルの使い方から話そうか。
袋を抱えて阪井は工場内にハンター達を招く。
「じゃあ、そういうわけだから、エンリコ君は狐のお守りを頼んだよ」
狐を連れ出したエンリコを見送って、工場の扉をガシャンと閉めた。
水車を回して動力を繋ぐ限り動き続ける紡績機は少しなら目を離しても大丈夫だ。
阪井はハンター達に1つずつスピンドル――装飾のされた手紡ぎ用のコマ――を差し出した。
ハンター達の手元には、練習用にと渡された綿の固まりと1本のスピンドル。
阪井はその1つを取って、綿を軽く引き出してスピンドルの先に絡めると、コマの重さでするすると引き延ばし、中空で揺れるコマの回転で撚りを掛けて軸にくるくる巻き取っていく。
「こんな感じかな。慣れは必要だけど、丁寧にやっていけば難しいことでは無いよ」
特殊な綿花は通常の物と混紡するから、弾いて混ぜている間、暫くその辺の綿を紡いで軽く慣れていてくれ。そう言い残し、作業に掛かった。
「そうそう、言い忘れていたけれど……この綿花にも名前が無いそうなんだ。何か良い名前を付けて欲しいと言われているんだが、どうだろうか?」
綿花を解す綿打ち用の弓を張りながらハンター達を振り返る。オーバーオールのポケットから取り出した手紙、この綿花の扱いについて記されたそれに付記された言葉をハンター達に伝えると、弦をぴしと綿に向けた。
細かな綿埃を散らし、仄かな色を付けた綿花が真白いそれに混ぜられていく。
弓で弾いて細い繊維を絡ませ馴染む内に、柔らかな固まりとなり、皺の多い節くれた指に馴染んでいった。
●
「どうだろう?」
ハンター達の手元を覗き、阪井は穏やかに声を掛けた。
「そろそろ、こちらの本番に掛かってもらっても良いかな?」
柔らかな綿を一掴みハンター達の手に委ねる。
「紡ぎながら、さっきのことも考えてみてくれないだろうか? 私の硬い頭ではなかなか、ね」
苦く笑って肩を竦め。阪井もハンター達に混じってスピンドルを回した。
●
蒸気工場都市フマーレ、その工業区の外れにひっそり佇む煉瓦造りの工場。アイビーの絡む塀に囲まれた広い庭、門に掲げられた看板には、「阪井紡績有限会社」。
水車が回る動力が建物内の歯車を伝い、今日も何百と並ぶスピンドルが絶え間なく綿花を紡ぐ軽快な音が響いている。
先月、この工場にもたらされた二つの吉報。
一、防火の魔術が施された種子から育ち、機械では紡げないが手を掛けて紡いで織れば、多少の炎ではびくつかない布に仕上がる特殊な綿花
一、ふかふかな尻尾が愛らしく、どうやら人の言葉をある程度分かっていそうな振る舞いを見せる賢い狐
「さて……」
工場長、阪井輔は綿花の袋を片腕に抱え、膝に乗ってきた狐を撫でて溜息を零す。
遠い山から来た狐は社員一号のエンリコ・アモーレの元で回復し、最近では工場の庭を走り回る快活さを見せる。希に工場を尋ねてくる客人にも吠えついたりせず、大人しく座って撫でられれば尻尾を振って懐いてみせる卒の無さがある。
そろそろ、散歩に出しても良いのかもしれないね。
先日、阪井がそう呟くと、狐を抱えていたエンリコよりも先に飛び跳ねて喜んでいた。
丁度良い、そろそろあの綿花を紡がなければならないし、そうしている間は構ってやれないから。
●
ハンターのチームが2組呼ばれた。
片方は阪井が、もう片方はエンリコが依頼したらしい。
阪井は黒染の麻袋から一掴みの綿花を取り出して見せた。
「これは特殊な綿花で……」
その中から一輪、ハンターに摘まませて、触ってみてくれと促した。
ハンター達の手に触れられながら、綿花はぽろぽろと崩れ、解れて、細かな繊維が風に流れた。
「この通り、とても弱い花なんだ。だから、紡績も機械では無く手で行う。こっちの丈夫な綿花と混ぜながら少しずつ紡いでいくことになるんだ。上手くすれば、とても火に強い布が出来るそうだよ。まずは、この一袋だけなんだが、まあ、うちには人手が無くてね」
それじゃあ、スピンドルの使い方から話そうか。
袋を抱えて阪井は工場内にハンター達を招く。
「じゃあ、そういうわけだから、エンリコ君は狐のお守りを頼んだよ」
狐を連れ出したエンリコを見送って、工場の扉をガシャンと閉めた。
水車を回して動力を繋ぐ限り動き続ける紡績機は少しなら目を離しても大丈夫だ。
阪井はハンター達に1つずつスピンドル――装飾のされた手紡ぎ用のコマ――を差し出した。
ハンター達の手元には、練習用にと渡された綿の固まりと1本のスピンドル。
阪井はその1つを取って、綿を軽く引き出してスピンドルの先に絡めると、コマの重さでするすると引き延ばし、中空で揺れるコマの回転で撚りを掛けて軸にくるくる巻き取っていく。
「こんな感じかな。慣れは必要だけど、丁寧にやっていけば難しいことでは無いよ」
特殊な綿花は通常の物と混紡するから、弾いて混ぜている間、暫くその辺の綿を紡いで軽く慣れていてくれ。そう言い残し、作業に掛かった。
「そうそう、言い忘れていたけれど……この綿花にも名前が無いそうなんだ。何か良い名前を付けて欲しいと言われているんだが、どうだろうか?」
綿花を解す綿打ち用の弓を張りながらハンター達を振り返る。オーバーオールのポケットから取り出した手紙、この綿花の扱いについて記されたそれに付記された言葉をハンター達に伝えると、弦をぴしと綿に向けた。
細かな綿埃を散らし、仄かな色を付けた綿花が真白いそれに混ぜられていく。
弓で弾いて細い繊維を絡ませ馴染む内に、柔らかな固まりとなり、皺の多い節くれた指に馴染んでいった。
●
「どうだろう?」
ハンター達の手元を覗き、阪井は穏やかに声を掛けた。
「そろそろ、こちらの本番に掛かってもらっても良いかな?」
柔らかな綿を一掴みハンター達の手に委ねる。
「紡ぎながら、さっきのことも考えてみてくれないだろうか? 私の硬い頭ではなかなか、ね」
苦く笑って肩を竦め。阪井もハンター達に混じってスピンドルを回した。
解説
目的 特殊綿花の紡績とネーミング
急いで紡いだり、ゆっくり紡いだり、
練習中のことを思い出したり、
機械を眺めたり、親睦を深めたり出来ます。
また、簡易的な物ですが、急騰の設備もありますので、
お茶くらいでしたらご自由にどうぞ。
●特殊綿花
農業都市ジェオルジの農業魔術研究機関、通称「実験畑」にて生産された防火に特化した綿花。
単体では壊れやすく、水に濡れただけで溶けてしまいますが、
通常の綿と混紡することで、それなりの強度を持つようになります。
試験的に生産された第一弾が、この工場へ移出されて、現在紡績を任されています。
この綿花を狙ったと思われる実験畑への歪虚の襲撃が1件、ハンターオフィスに報告されていますが、
一般にこの襲撃の情報は伏せられています。
まだ名前は付いておりません。
●阪井輔
壮年の工場長。
リアルブルー出身。実家は大規模な紡績工場を営んでおり後継者として育てられた。
20代で転移後、数十年を経て現在の工場を稼働させるに至る。
工場は小規模で、社員はエンリコのみ。
ハンター達の手際次第で、手紡ぎを続けたり、機械の世話に戻ったりします。
●工場
外観
煉瓦造りで三角屋根、円筒形の遠目には可愛らしい印象のある建物。
1階
壁一面に歯車、両サイドにずらりと紡績機が並んでいる。
中央が割合広く空いており、ハンター用に椅子が置かれている。
2階
殆どが1階を見下ろすことの出来る吹き抜けになっている。
屋根の露台へ出る梯子がある。
特に何も置かれていない。
屋根
見晴らしの良い露台がある。
※明後日リリースの『名前を付けて!―狐―』と一部リンクしております。
ネーミングについて。
NPCが勝手に選ぶ場合があります、ご了承下さい。
急いで紡いだり、ゆっくり紡いだり、
練習中のことを思い出したり、
機械を眺めたり、親睦を深めたり出来ます。
また、簡易的な物ですが、急騰の設備もありますので、
お茶くらいでしたらご自由にどうぞ。
●特殊綿花
農業都市ジェオルジの農業魔術研究機関、通称「実験畑」にて生産された防火に特化した綿花。
単体では壊れやすく、水に濡れただけで溶けてしまいますが、
通常の綿と混紡することで、それなりの強度を持つようになります。
試験的に生産された第一弾が、この工場へ移出されて、現在紡績を任されています。
この綿花を狙ったと思われる実験畑への歪虚の襲撃が1件、ハンターオフィスに報告されていますが、
一般にこの襲撃の情報は伏せられています。
まだ名前は付いておりません。
●阪井輔
壮年の工場長。
リアルブルー出身。実家は大規模な紡績工場を営んでおり後継者として育てられた。
20代で転移後、数十年を経て現在の工場を稼働させるに至る。
工場は小規模で、社員はエンリコのみ。
ハンター達の手際次第で、手紡ぎを続けたり、機械の世話に戻ったりします。
●工場
外観
煉瓦造りで三角屋根、円筒形の遠目には可愛らしい印象のある建物。
1階
壁一面に歯車、両サイドにずらりと紡績機が並んでいる。
中央が割合広く空いており、ハンター用に椅子が置かれている。
2階
殆どが1階を見下ろすことの出来る吹き抜けになっている。
屋根の露台へ出る梯子がある。
特に何も置かれていない。
屋根
見晴らしの良い露台がある。
※明後日リリースの『名前を付けて!―狐―』と一部リンクしております。
ネーミングについて。
NPCが勝手に選ぶ場合があります、ご了承下さい。
マスターより
無事に綿花を届けて頂きましたので。
まずは紡いで糸にしてください。
ついでに名前も付けてください。
練習時間はたっぷりあるので、
ぶきっちょさんも気負わずどうぞー。
まずは紡いで糸にしてください。
ついでに名前も付けてください。
練習時間はたっぷりあるので、
ぶきっちょさんも気負わずどうぞー。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/07 16:48
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/27 19:05:07 |
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相談・雑談卓 マキナ・バベッジ(ka4302) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/04/28 19:15:24 |