ゲスト
(ka0000)
名前を付けて!―狐―
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/01 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/10 19:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●
蒸気工場都市フマーレ、その工業区の外れにひっそり佇む煉瓦造りの工場。アイビーの絡む塀に囲まれた広い庭、門に掲げられた看板には、「阪井紡績有限会社」。
水車が回る動力が建物内の歯車を伝い、今日も何百と並ぶスピンドルが絶え間なく綿花を紡ぐ軽快な音が響いている。
先月、この工場にもたらされた二つの吉報。
一、ふかふかな尻尾が愛らしく、どうやら人の言葉をある程度分かっていそうな振る舞いを見せる賢い狐
一、防火の魔術が施された種子から育ち、機械では紡げないが手を掛けて紡いで織れば、多少の炎ではびくつかない布に仕上がる特殊な綿花
「さて……」
工場長、阪井輔は綿花の袋を片腕に抱え、膝に乗ってきた狐を撫でて溜息を零す。
遠い山から来た狐は社員一号のエンリコ・アモーレの元で回復し、最近では工場の庭を走り回る快活さを見せる。希に工場を尋ねてくる客人にも吠えついたりせず、大人しく座って撫でられれば尻尾を振って懐いてみせる卒の無さがある。
そろそろ、散歩に出しても良いのかもしれないね。
先日、阪井がそう呟くと、狐を抱えていたエンリコよりも先に飛び跳ねて喜んでいた。
丁度良い、そろそろあの綿花を紡がなければならないし、そうしている間は構ってやれないから。
●
ハンターのチームが2組呼ばれた。
片方はエンリコが、もう片方は阪井が依頼したらしい。
エンリコはの前足の下辺りで抱き上げて言う。腹を晒してだらりと伸びた格好は落ち着かないらしく、狐は横を向いて鼻を鳴らしている。
「こいつの散歩に、付き合って貰えませんか? 阪井さん……工場長、今日は忙しいんで」
首輪を付けると暴れて嫌がる、腕に抱えていくんじゃ散歩の意味が無い。
「こいつが外に慣れるように、一緒に歩いて貰えませんか? あと、実はまだ名前が無くって……それも相談したいなって思ったんすよ」
尻尾を揺らした狐を地面に下ろす。
「皆さん、よろしくお願いします! 阪井さん、いってきまーす」
さあ行こうかと、狐を足下に招く。門から振り返ると仕事を始める阪井に大きく手を振って、広い通りへと走り出した。
工場からの道を1つ曲がって暫く歩く。大人しく着いてきていた狐がきゅっと鳴いて足を止めた。
エンリコが促してもその場に留まって歩こうとせず、立てた耳を振るわせて左右への警戒を見せる。
正面から近付いてきた婦人が軽く会釈をして近付いてきた。
「あの、すみません。この辺りで…………」
婦人の話は幾らか込み入っていた。
彼女はある家具作りの工場で勤めており、この近くの捻子の工場へ発注の伝票を届けに来た。
しかし、人とぶつかった拍子にその伝票を落としてしまい、風に飛ばされてしまった。
拾い集めている内に、鞄を落としてしまい、その鞄を野良犬に持って行かれてしまった。
「伝票はあと3枚見付からないし……犬もどこかへ行ってしまったし……もう、散々」
それでも、一番急ぐ伝票だけは回収出来たから、まずはそれを届けに行って。
それから残りを書き直して。
鞄探しは夜かしらね。
野良犬を見なかったかとエンリコとハンター達に尋ねた婦人は肩を竦めて溜息を吐いた。
狐が不意にきゅうと高い声で鳴いて走り出した。
「あ、ま、待てっ――――って、い、犬! おねーさん! いぬー、あれですかー!」
狐を追ったエンリコが走りながら、前を横切った小型の野良犬を指した。その頭にはハンドバッグが引っ掛かっている。
「その犬ー、捕まえてー!」
婦人が声を張り上げた。
●
犬の発見に一時呆然としたが、伝票は急がないと工場が閉まってしまう。
婦人はどうしたものかと首を傾げた。
「と、取り敢えず、これを届けないと……あっ!」
突風が、婦人の手からその急ぎの伝票を掠った。
婦人は伝票を追い、慌てて走り出した。
●
蒸気工場都市フマーレ、その工業区の外れにひっそり佇む煉瓦造りの工場。アイビーの絡む塀に囲まれた広い庭、門に掲げられた看板には、「阪井紡績有限会社」。
水車が回る動力が建物内の歯車を伝い、今日も何百と並ぶスピンドルが絶え間なく綿花を紡ぐ軽快な音が響いている。
先月、この工場にもたらされた二つの吉報。
一、ふかふかな尻尾が愛らしく、どうやら人の言葉をある程度分かっていそうな振る舞いを見せる賢い狐
一、防火の魔術が施された種子から育ち、機械では紡げないが手を掛けて紡いで織れば、多少の炎ではびくつかない布に仕上がる特殊な綿花
「さて……」
工場長、阪井輔は綿花の袋を片腕に抱え、膝に乗ってきた狐を撫でて溜息を零す。
遠い山から来た狐は社員一号のエンリコ・アモーレの元で回復し、最近では工場の庭を走り回る快活さを見せる。希に工場を尋ねてくる客人にも吠えついたりせず、大人しく座って撫でられれば尻尾を振って懐いてみせる卒の無さがある。
そろそろ、散歩に出しても良いのかもしれないね。
先日、阪井がそう呟くと、狐を抱えていたエンリコよりも先に飛び跳ねて喜んでいた。
丁度良い、そろそろあの綿花を紡がなければならないし、そうしている間は構ってやれないから。
●
ハンターのチームが2組呼ばれた。
片方はエンリコが、もう片方は阪井が依頼したらしい。
エンリコはの前足の下辺りで抱き上げて言う。腹を晒してだらりと伸びた格好は落ち着かないらしく、狐は横を向いて鼻を鳴らしている。
「こいつの散歩に、付き合って貰えませんか? 阪井さん……工場長、今日は忙しいんで」
首輪を付けると暴れて嫌がる、腕に抱えていくんじゃ散歩の意味が無い。
「こいつが外に慣れるように、一緒に歩いて貰えませんか? あと、実はまだ名前が無くって……それも相談したいなって思ったんすよ」
尻尾を揺らした狐を地面に下ろす。
「皆さん、よろしくお願いします! 阪井さん、いってきまーす」
さあ行こうかと、狐を足下に招く。門から振り返ると仕事を始める阪井に大きく手を振って、広い通りへと走り出した。
工場からの道を1つ曲がって暫く歩く。大人しく着いてきていた狐がきゅっと鳴いて足を止めた。
エンリコが促してもその場に留まって歩こうとせず、立てた耳を振るわせて左右への警戒を見せる。
正面から近付いてきた婦人が軽く会釈をして近付いてきた。
「あの、すみません。この辺りで…………」
婦人の話は幾らか込み入っていた。
彼女はある家具作りの工場で勤めており、この近くの捻子の工場へ発注の伝票を届けに来た。
しかし、人とぶつかった拍子にその伝票を落としてしまい、風に飛ばされてしまった。
拾い集めている内に、鞄を落としてしまい、その鞄を野良犬に持って行かれてしまった。
「伝票はあと3枚見付からないし……犬もどこかへ行ってしまったし……もう、散々」
それでも、一番急ぐ伝票だけは回収出来たから、まずはそれを届けに行って。
それから残りを書き直して。
鞄探しは夜かしらね。
野良犬を見なかったかとエンリコとハンター達に尋ねた婦人は肩を竦めて溜息を吐いた。
狐が不意にきゅうと高い声で鳴いて走り出した。
「あ、ま、待てっ――――って、い、犬! おねーさん! いぬー、あれですかー!」
狐を追ったエンリコが走りながら、前を横切った小型の野良犬を指した。その頭にはハンドバッグが引っ掛かっている。
「その犬ー、捕まえてー!」
婦人が声を張り上げた。
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犬の発見に一時呆然としたが、伝票は急がないと工場が閉まってしまう。
婦人はどうしたものかと首を傾げた。
「と、取り敢えず、これを届けないと……あっ!」
突風が、婦人の手からその急ぎの伝票を掠った。
婦人は伝票を追い、慌てて走り出した。
解説
目的 急ぎの伝票を届ける、鞄を取り戻す、狐のネーミング。
犬を追ったり、伝票を追ったり、地道に辺りを探したり出来ます。
犬を追う場合はエンリコと一緒に、急ぎの伝票を追う場合は婦人と一緒に走り出すことになります。
その後は好きなように行動出来ます。
捻子の工場へ急ぎの伝票が届き、鞄が婦人の手元に戻ればクリアです。
●現在地
整備された中くらいの広さの少し寂れた通り。
もう少し歩くと大通りに繋がります。
左右には所々に建物(工場や附属の寮など)が並んでいます。
●大通り
一通りの工場が揃っています。
フマーレらしく蒸気が上がっていたり、機械の稼働音がそこかしこから聞こえてきます。
捻子の工場もこの通りにあります。
●風向き
現在地から大通り方面へ、大通りを捻子の工場と逆方向へ吹いています。
●野良犬
攻撃的ではありませんが、友好的でもありません。言葉も通じません。
大通りまで逃げた後は、身を隠そうとします。
●婦人
伝票を追います。あまり足は速くなく、走ることも得意ではありません。
●エンリコ・アモーレ
阪井紡績で働く青年、狐の飼い主。
フマーレで生まれ育ち、阪井紡績の近くのアパートに暮らしている。
狐を追って走りますが、ハンターの指示には従います。
●狐
言葉は理解しているようです。
名前を付けて欲しそうにしています。
※一昨日リリースの『名前を付けて!―花―』と一部リンクしております。
ネーミングについて。
NPCが勝手に選ぶ場合があります。ご了承下さい。
犬を追ったり、伝票を追ったり、地道に辺りを探したり出来ます。
犬を追う場合はエンリコと一緒に、急ぎの伝票を追う場合は婦人と一緒に走り出すことになります。
その後は好きなように行動出来ます。
捻子の工場へ急ぎの伝票が届き、鞄が婦人の手元に戻ればクリアです。
●現在地
整備された中くらいの広さの少し寂れた通り。
もう少し歩くと大通りに繋がります。
左右には所々に建物(工場や附属の寮など)が並んでいます。
●大通り
一通りの工場が揃っています。
フマーレらしく蒸気が上がっていたり、機械の稼働音がそこかしこから聞こえてきます。
捻子の工場もこの通りにあります。
●風向き
現在地から大通り方面へ、大通りを捻子の工場と逆方向へ吹いています。
●野良犬
攻撃的ではありませんが、友好的でもありません。言葉も通じません。
大通りまで逃げた後は、身を隠そうとします。
●婦人
伝票を追います。あまり足は速くなく、走ることも得意ではありません。
●エンリコ・アモーレ
阪井紡績で働く青年、狐の飼い主。
フマーレで生まれ育ち、阪井紡績の近くのアパートに暮らしている。
狐を追って走りますが、ハンターの指示には従います。
●狐
言葉は理解しているようです。
名前を付けて欲しそうにしています。
※一昨日リリースの『名前を付けて!―花―』と一部リンクしております。
ネーミングについて。
NPCが勝手に選ぶ場合があります。ご了承下さい。
マスターより
狐が元気になりましたので。
狐と犬を追ってフマーレを走り回ったり、
伝票を追って春風に弄ばれて通りを巡ったりしてください。
狐と犬を追ってフマーレを走り回ったり、
伝票を追って春風に弄ばれて通りを巡ったりしてください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/09 15:20
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/28 04:08:44 |
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狐と犬と伝票を追いかける相談所 レウィル=スフェーン(ka4689) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/05/01 13:25:32 |