ゲスト
(ka0000)
工業用水路に満ちる罠
マスター:村井朋靖

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/07/06 12:00
- リプレイ完成予定
- 2014/07/14 12:00
オープニング
●排水に異常アリ
蒸気工場都市フマーレには、工業用に設けられた地下水路が大小いくつも入り組んでいる。
毎日のように使用される大量の水は、ここを通って工場へ。使用済みの水は、個々に設置された処理施設を経由した後に排水。その後、都市が管理する浄化施設で念入りに処理され、常に安全な水質を保っている。
工場を動かす人たちはもちろん、この整備された水路もまた、フマーレの財産なのだ。
そんなある日の小さな金物工場。
頑固職人がいつものように溜めた水を流そうと勢いよく栓を抜くが、相手はいつものように「おう!」と威勢よくは流れず、なんだか「ちょ、ちょっと待ってくださいね……」と遠慮がちにチョロチョロと吸い込んでいく。
「ん、なんだ? おい、社長! 水が詰まるぞー!」
「あいよ、ちょっと待っとくれ。今行くから」
職人より少しだけ若い、身なりのいい小太りの男が事務所から小走りで出てきた。
「どれどれ……ありゃ、これは随分と貧相な流れ方だねぇ。しかしうちの工場で水が詰まるなんて、なんとも珍しいよ」
報告した方も「うーん」と唸りながら記憶を遡らせるが、確かにここ数年ではまったく心当たりがない。
「まぁ、完全に詰まっちまう前によ、組合のフランコさんに伝えといてくれよ」
ここで名前の出たフランコ・カルヴィーニとは、フマーレ労働組合の長であり、自由都市評議会の評議会員も兼務している人物だ。
とはいえ、フマーレ全体において、雇用者側と労働者側との対立はほぼ皆無。労働組合は事務所こそあれど、こういった際に機能する程度である。
「よし、じゃあお願いしとくかね。でもしばらくは、これで我慢してくれよ」
「おうよ、わかった。しかしお前さんも、さすがに何日もこうはいられねぇよな。早くいつもの調子を取り戻したいだろ、ん?」
職人がそう話す頃、ようやくたくさんの水を飲み干し、返事がてらに「ゴポッ」という音を鳴らした。
●水路に異物アリ
金物工場の社長から連絡を受けた労働組合の事務員は、すばやく関係各所に連絡を飛ばす。この辺は手馴れたものだ。あっという間に段取りが整う。
そこへ職場から駆けつけたフランコが「お疲れさん!」と言いながら、ドカドカと事務所に入ってくる。
「すでにあの辺の水路を封鎖を依頼し、作業は完了しています。排水の迂回もうまくいってます。そろそろ、調査の方が現地に着いた頃でしょう」
「おお、手際がいいな。ハハハ、俺は来なくてよかったかな? しかし、おかしいなぁ。あの辺はめったに水が詰まったりしないんだが……」
社長と同じ疑問を覚えたフランコが首を傾げていると、いきなりツナギ姿の男が息を切らせながら事務所に飛び込んできた。彼は、水路の調査員のひとりである。
「た、た、大変です! あの工場の排水溝にスライムが詰まってます!」
「なんだって!」
この報告に、さすがのフランコもビックリ。事務員も開いた口が塞がらない。
「そいつはいけねぇ。早く陸軍に周辺を封鎖してもらって、すぐにハンターさんに依頼しねぇと!」
「あ、フランコさん! あそこの水路は高さはあるんですが、横幅がすごく狭いんで、討伐の際は気をつけてと伝えてくださーい!」
調査員の話を背中越しに聞き、組合長は「一緒に伝えとく!」と答え、ハンターオフィスに向かって駆け出した。
「そういえば……さっき『スライムが詰まっている』とおっしゃいませんでした?」
事務員はおかしな表現がどうにも気になっていたらしく、調査員に水を勧めながら尋ねる。
「ええ、なんだか据わりがいいらしくって。じっとして動かないんです。おかげで俺らは安全に逃げれたんですけど」
排水溝に引っ付いといて据わりがいいとは、これいかに。
とはいえ、このまま放置しても、金物工場の迷惑になるのは火を見るより明らかだ。今回は速やかな排除が求められる。
「そんな様を見たら、ハンターさんも驚くでしょうねぇ……」
事務員の妄想がどんな内容かはわからないが、調査員は「ええ……」と呟いた。
蒸気工場都市フマーレには、工業用に設けられた地下水路が大小いくつも入り組んでいる。
毎日のように使用される大量の水は、ここを通って工場へ。使用済みの水は、個々に設置された処理施設を経由した後に排水。その後、都市が管理する浄化施設で念入りに処理され、常に安全な水質を保っている。
工場を動かす人たちはもちろん、この整備された水路もまた、フマーレの財産なのだ。
そんなある日の小さな金物工場。
頑固職人がいつものように溜めた水を流そうと勢いよく栓を抜くが、相手はいつものように「おう!」と威勢よくは流れず、なんだか「ちょ、ちょっと待ってくださいね……」と遠慮がちにチョロチョロと吸い込んでいく。
「ん、なんだ? おい、社長! 水が詰まるぞー!」
「あいよ、ちょっと待っとくれ。今行くから」
職人より少しだけ若い、身なりのいい小太りの男が事務所から小走りで出てきた。
「どれどれ……ありゃ、これは随分と貧相な流れ方だねぇ。しかしうちの工場で水が詰まるなんて、なんとも珍しいよ」
報告した方も「うーん」と唸りながら記憶を遡らせるが、確かにここ数年ではまったく心当たりがない。
「まぁ、完全に詰まっちまう前によ、組合のフランコさんに伝えといてくれよ」
ここで名前の出たフランコ・カルヴィーニとは、フマーレ労働組合の長であり、自由都市評議会の評議会員も兼務している人物だ。
とはいえ、フマーレ全体において、雇用者側と労働者側との対立はほぼ皆無。労働組合は事務所こそあれど、こういった際に機能する程度である。
「よし、じゃあお願いしとくかね。でもしばらくは、これで我慢してくれよ」
「おうよ、わかった。しかしお前さんも、さすがに何日もこうはいられねぇよな。早くいつもの調子を取り戻したいだろ、ん?」
職人がそう話す頃、ようやくたくさんの水を飲み干し、返事がてらに「ゴポッ」という音を鳴らした。
●水路に異物アリ
金物工場の社長から連絡を受けた労働組合の事務員は、すばやく関係各所に連絡を飛ばす。この辺は手馴れたものだ。あっという間に段取りが整う。
そこへ職場から駆けつけたフランコが「お疲れさん!」と言いながら、ドカドカと事務所に入ってくる。
「すでにあの辺の水路を封鎖を依頼し、作業は完了しています。排水の迂回もうまくいってます。そろそろ、調査の方が現地に着いた頃でしょう」
「おお、手際がいいな。ハハハ、俺は来なくてよかったかな? しかし、おかしいなぁ。あの辺はめったに水が詰まったりしないんだが……」
社長と同じ疑問を覚えたフランコが首を傾げていると、いきなりツナギ姿の男が息を切らせながら事務所に飛び込んできた。彼は、水路の調査員のひとりである。
「た、た、大変です! あの工場の排水溝にスライムが詰まってます!」
「なんだって!」
この報告に、さすがのフランコもビックリ。事務員も開いた口が塞がらない。
「そいつはいけねぇ。早く陸軍に周辺を封鎖してもらって、すぐにハンターさんに依頼しねぇと!」
「あ、フランコさん! あそこの水路は高さはあるんですが、横幅がすごく狭いんで、討伐の際は気をつけてと伝えてくださーい!」
調査員の話を背中越しに聞き、組合長は「一緒に伝えとく!」と答え、ハンターオフィスに向かって駆け出した。
「そういえば……さっき『スライムが詰まっている』とおっしゃいませんでした?」
事務員はおかしな表現がどうにも気になっていたらしく、調査員に水を勧めながら尋ねる。
「ええ、なんだか据わりがいいらしくって。じっとして動かないんです。おかげで俺らは安全に逃げれたんですけど」
排水溝に引っ付いといて据わりがいいとは、これいかに。
とはいえ、このまま放置しても、金物工場の迷惑になるのは火を見るより明らかだ。今回は速やかな排除が求められる。
「そんな様を見たら、ハンターさんも驚くでしょうねぇ……」
事務員の妄想がどんな内容かはわからないが、調査員は「ええ……」と呟いた。
解説
●依頼の目的
蒸気工場都市フマーレの地下水路の排水溝に居座るスライムを倒すこと。
●地下水路について
水詰まり調査を行っていたため、そのまま周辺の水路は封鎖してあります。
さらに同盟陸軍が詰めており、スライムの逃亡を阻止すべく配置されています。
地下水路の天井はやや高いなので、特に注意は必要ありません。
しかし、調査員の言葉にあったように、横幅がとても狭く、
特にスライムがいる辺りは「約2m(1スクエア)」しか余裕がありません。
戦闘を行うことを想定すると、何らかの工夫が必要になるでしょう。
頭上から光が入るので真っ暗ではないですが、やや薄暗く、湿気が多いです。
●スライムについて
どこから流れてきたのか、なぜ排水溝がお好みなのかは、いっさい不明。
存在するのは1匹のみで、こちらから攻撃するまでは行動を起こしません。
ただし、ひとたび戦闘になれば、容赦なく反撃してくるでしょう。
●その他の補足
・現地までの道案内は、水路の調査員と陸軍が行います。
ハンターさんは道に迷わず、スライムの元にたどり着けるとお考えください。
・調査に必要なものがあれば、プレイング内でご指定ください。
フマーレ労働組合、もしくは同盟陸軍が準備できるものであれば貸します。
蒸気工場都市フマーレの地下水路の排水溝に居座るスライムを倒すこと。
●地下水路について
水詰まり調査を行っていたため、そのまま周辺の水路は封鎖してあります。
さらに同盟陸軍が詰めており、スライムの逃亡を阻止すべく配置されています。
地下水路の天井はやや高いなので、特に注意は必要ありません。
しかし、調査員の言葉にあったように、横幅がとても狭く、
特にスライムがいる辺りは「約2m(1スクエア)」しか余裕がありません。
戦闘を行うことを想定すると、何らかの工夫が必要になるでしょう。
頭上から光が入るので真っ暗ではないですが、やや薄暗く、湿気が多いです。
●スライムについて
どこから流れてきたのか、なぜ排水溝がお好みなのかは、いっさい不明。
存在するのは1匹のみで、こちらから攻撃するまでは行動を起こしません。
ただし、ひとたび戦闘になれば、容赦なく反撃してくるでしょう。
●その他の補足
・現地までの道案内は、水路の調査員と陸軍が行います。
ハンターさんは道に迷わず、スライムの元にたどり着けるとお考えください。
・調査に必要なものがあれば、プレイング内でご指定ください。
フマーレ労働組合、もしくは同盟陸軍が準備できるものであれば貸します。
マスターより
こんにちは、村井朋靖(むらい・ともやす)です。ようこそ、クリムゾンウェストへ!
今回の依頼は、自由都市同盟の蒸気工場都市「フマーレ」からお届けします。
なんだか厄介な来訪者が、おかしなところに住み着こうとしています。
このままだと金物工場に上がって、職人や社長に危害を与えるやも知れません。
そうなる前に、今回はハンターさんの手で何とかしてください!
プレイングは、PC口調で書いていただけると助かります。今回はよろしくお願いします!
今回の依頼は、自由都市同盟の蒸気工場都市「フマーレ」からお届けします。
なんだか厄介な来訪者が、おかしなところに住み着こうとしています。
このままだと金物工場に上がって、職人や社長に危害を与えるやも知れません。
そうなる前に、今回はハンターさんの手で何とかしてください!
プレイングは、PC口調で書いていただけると助かります。今回はよろしくお願いします!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/07/12 21:14
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談 シヴェルク(ka1571) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2014/07/06 06:45:01 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/07/02 23:43:54 |