ゲスト
(ka0000)
クルセイダーの競争
マスター:秋風落葉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/02 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/05/11 07:30
オープニング
●聖女と仲間達
「ロザリーさんっ!!」
大声と共にテーブルを叩いた一人の少女。
名を呼ばれたロザリーことロザリア=オルラランはもちろん、彼女と同じ卓についていた者達、そして酒場にいた人々全員が声の主を見た。
そこにいたのは青い髪を肩のあたりまで伸ばした一人の少女だった。
「あら……テレスではありませんか。お久しぶりです」
驚きから覚めたロザリーは顔見知りである少女の名を親しげに呼んだ。しかし、当のテレスは不機嫌さをあらわにしている。
「お久しぶりです、じゃないですよ! いったいどういうことなんですか!?」
「? 何を怒っているのでしょう?」
「最近のロザリーさんの戦いぶりについてです! 聞きましたよ!! なんでも、嬉々として前衛に立ち、武器を振るっているそうじゃないですか!!」
「ええ……それがどうしたのでしょう?」
ロザリーはテレスの言葉に首をかしげた。なぜ責められているのか良くわからないといった風情である。テレスは一瞬固まった。
「どうしたのでしょうって……それはエンフォーサーの戦い方でしょう! ロザリーさんはクルセイダーなんですよ!? ちゃんと仲間を援護しないと駄目じゃないですか!!」
「援護……ああ」
ロザリーはぽんと手を打つ。
「最前線に立ち、敵を殴って殴って殴りまくって味方への被害を抑えることですわね? そして戦いが終わったら傷ついた仲間に『ヒール』をする」
「違います! 後ろから『プロテクション』とか『レジスト』とかで味方をサポートすることですっ!」
「『プロテクション』……『レジスト』……うっ、頭が……」
ロザリーは額を手で押さえた。彼女がそのスキルの名を聞いたのも久しぶりである。テレスは愕然とした表情でロザリーを見る。
「ほ、本当にどうしちゃったんですか! あたし、ロザリーさんが的確に仲間をバックアップする姿にずっとあこがれてたのに……」
「……テレス……」
「他の人だってそう思ってますよ! ロザリーさんには後ろからサポートして欲しいって!」
「そんなまさか……仲間達はわたくしを受け入れてくれましたもの。ねえ、皆さん」
ロザリーはにこやかに同じ卓を囲む者達の方を振り向いた。
「……」
「ええっと、やっぱり時には『プロテクション』を使って欲しいなって……」
「うーん……」
「いや、今の戦い方も悪くはないと思うよ? でもやっぱりクルセイダーとしてはちょっと……」
「前衛で戦うのはうちらに任せてほしいなあー。回復できるのロザリーさん一人しかいないんだしー」
「ほら」
ロザリーは言葉と共にテレスの方に向き直る。
「皆さんこんなにわたくしを支持してくださっているではありませんか」
「声震えてるじゃないですか!? 目も逸らさないでくださいよ!」
テレスはロザリーの正面に回りこむが、ロザリーはやはり顔ごと視線を逸らす。
「お、おかしいですわ……何がいけなかったのでしょう……」
「それみたことか、ですよ! やっぱりロザリーさんは『聖女』の二つ名に恥じない行動を取るべきなんです! ここにいる人達が全員そう思ってますよ!」
「た、たしかに一握りの方には受け入れられていないようですが、貴族であるオルララン家の者として、やはり物言わぬ大衆の声無き声にこそ耳を傾けるべきかと……」
矜恃ある言葉とは裏腹に、どんよりとした瞳で虚空を見つめ、ぼそぼそと苦しい言い訳を呟くロザリー。
テレスはそんな彼女を見てため息をつく。
「分かりました。じゃあ、勝負しましょう」
「勝負?」
予想もしていなかった言葉をかけられ、ロザリーは顔を上げてテレスの瞳を覗き込んだ。
「ええ、そうです。あたしもクルセイダーとして経験を積みました。かつてのロザリーさんのように、仲間を後ろからサポートするのが主ですが」
テレスはロザリーを一瞬だけ悲しげな瞳で見たが、すぐに言葉を紡いだ。
「モルドバの遺跡のことはもちろん知ってますよね?」
「ええ……内部が双子のような構造になっている遺跡ですわね?」
テレスは王都イルダーナの近くにある遺跡の名を口にした。そこはロザリーの言葉の通り、入り口と最深部を除き、各階層が二つのブロックに分かれて対称の造りとなっている。
テレスは頷く。
「幸い、あそこにわいた雑魔を掃討して欲しいという依頼がでています。この依頼を受けて、どちらが先に最深部にたどり着くかを競争するんです。あたしのパーティーと、ロザリーさんのパーティーとで!」
――うおおおおおおおお!!
予想もしない展開に、酒場の中のハンター達はおおいに盛り上がった。どちらが勝つかの賭けをしようとする者までいる始末だ。
「あたしは仲間達を後ろから支援することでパーティーに貢献します。そして、勝って証明してみせます。そんな戦い方をしていたかつてのロザリーさんこそ、クルセイダーのあるべき姿だって!」
「……分かりましたわ。その勝負、お受けいたします」
ロザリーは立ち上がり、そう答えた。彼女の瞳には強い光が宿り、まっすぐにテレスを見つめている。テレスもその視線を受け止め、微笑む。
「では現地で会いましょう! 勝負は三日後です! それまでに仲間を集めてくださいね!」
「仲間……? ……あっ」
いつの間にか、ロザリーと同席していた者達の姿がなくなっている。
彼女が視線を周囲に投げると、他のハンター達も慌てて目を逸らした。
「……」
ロザリーは再びどんよりとした瞳になると、そのまま酒場をあとにした。
●聖女と新たな仲間達
次の日。
ロザリーはとあるハンターオフィスのカウンターにしずしずと進んだ。
悲壮感ただようその表情に、受付嬢は小さく悲鳴をあげる。
しかしロザリーはそれに気付かず、ぼそぼそと喋りだした。
「仲間を募集いたしますわ……そう……出来たら最前線でメイスを振るうクルセイダーを受け入れてくれるような仲間を……」
「ロザリーさんっ!!」
大声と共にテーブルを叩いた一人の少女。
名を呼ばれたロザリーことロザリア=オルラランはもちろん、彼女と同じ卓についていた者達、そして酒場にいた人々全員が声の主を見た。
そこにいたのは青い髪を肩のあたりまで伸ばした一人の少女だった。
「あら……テレスではありませんか。お久しぶりです」
驚きから覚めたロザリーは顔見知りである少女の名を親しげに呼んだ。しかし、当のテレスは不機嫌さをあらわにしている。
「お久しぶりです、じゃないですよ! いったいどういうことなんですか!?」
「? 何を怒っているのでしょう?」
「最近のロザリーさんの戦いぶりについてです! 聞きましたよ!! なんでも、嬉々として前衛に立ち、武器を振るっているそうじゃないですか!!」
「ええ……それがどうしたのでしょう?」
ロザリーはテレスの言葉に首をかしげた。なぜ責められているのか良くわからないといった風情である。テレスは一瞬固まった。
「どうしたのでしょうって……それはエンフォーサーの戦い方でしょう! ロザリーさんはクルセイダーなんですよ!? ちゃんと仲間を援護しないと駄目じゃないですか!!」
「援護……ああ」
ロザリーはぽんと手を打つ。
「最前線に立ち、敵を殴って殴って殴りまくって味方への被害を抑えることですわね? そして戦いが終わったら傷ついた仲間に『ヒール』をする」
「違います! 後ろから『プロテクション』とか『レジスト』とかで味方をサポートすることですっ!」
「『プロテクション』……『レジスト』……うっ、頭が……」
ロザリーは額を手で押さえた。彼女がそのスキルの名を聞いたのも久しぶりである。テレスは愕然とした表情でロザリーを見る。
「ほ、本当にどうしちゃったんですか! あたし、ロザリーさんが的確に仲間をバックアップする姿にずっとあこがれてたのに……」
「……テレス……」
「他の人だってそう思ってますよ! ロザリーさんには後ろからサポートして欲しいって!」
「そんなまさか……仲間達はわたくしを受け入れてくれましたもの。ねえ、皆さん」
ロザリーはにこやかに同じ卓を囲む者達の方を振り向いた。
「……」
「ええっと、やっぱり時には『プロテクション』を使って欲しいなって……」
「うーん……」
「いや、今の戦い方も悪くはないと思うよ? でもやっぱりクルセイダーとしてはちょっと……」
「前衛で戦うのはうちらに任せてほしいなあー。回復できるのロザリーさん一人しかいないんだしー」
「ほら」
ロザリーは言葉と共にテレスの方に向き直る。
「皆さんこんなにわたくしを支持してくださっているではありませんか」
「声震えてるじゃないですか!? 目も逸らさないでくださいよ!」
テレスはロザリーの正面に回りこむが、ロザリーはやはり顔ごと視線を逸らす。
「お、おかしいですわ……何がいけなかったのでしょう……」
「それみたことか、ですよ! やっぱりロザリーさんは『聖女』の二つ名に恥じない行動を取るべきなんです! ここにいる人達が全員そう思ってますよ!」
「た、たしかに一握りの方には受け入れられていないようですが、貴族であるオルララン家の者として、やはり物言わぬ大衆の声無き声にこそ耳を傾けるべきかと……」
矜恃ある言葉とは裏腹に、どんよりとした瞳で虚空を見つめ、ぼそぼそと苦しい言い訳を呟くロザリー。
テレスはそんな彼女を見てため息をつく。
「分かりました。じゃあ、勝負しましょう」
「勝負?」
予想もしていなかった言葉をかけられ、ロザリーは顔を上げてテレスの瞳を覗き込んだ。
「ええ、そうです。あたしもクルセイダーとして経験を積みました。かつてのロザリーさんのように、仲間を後ろからサポートするのが主ですが」
テレスはロザリーを一瞬だけ悲しげな瞳で見たが、すぐに言葉を紡いだ。
「モルドバの遺跡のことはもちろん知ってますよね?」
「ええ……内部が双子のような構造になっている遺跡ですわね?」
テレスは王都イルダーナの近くにある遺跡の名を口にした。そこはロザリーの言葉の通り、入り口と最深部を除き、各階層が二つのブロックに分かれて対称の造りとなっている。
テレスは頷く。
「幸い、あそこにわいた雑魔を掃討して欲しいという依頼がでています。この依頼を受けて、どちらが先に最深部にたどり着くかを競争するんです。あたしのパーティーと、ロザリーさんのパーティーとで!」
――うおおおおおおおお!!
予想もしない展開に、酒場の中のハンター達はおおいに盛り上がった。どちらが勝つかの賭けをしようとする者までいる始末だ。
「あたしは仲間達を後ろから支援することでパーティーに貢献します。そして、勝って証明してみせます。そんな戦い方をしていたかつてのロザリーさんこそ、クルセイダーのあるべき姿だって!」
「……分かりましたわ。その勝負、お受けいたします」
ロザリーは立ち上がり、そう答えた。彼女の瞳には強い光が宿り、まっすぐにテレスを見つめている。テレスもその視線を受け止め、微笑む。
「では現地で会いましょう! 勝負は三日後です! それまでに仲間を集めてくださいね!」
「仲間……? ……あっ」
いつの間にか、ロザリーと同席していた者達の姿がなくなっている。
彼女が視線を周囲に投げると、他のハンター達も慌てて目を逸らした。
「……」
ロザリーは再びどんよりとした瞳になると、そのまま酒場をあとにした。
●聖女と新たな仲間達
次の日。
ロザリーはとあるハンターオフィスのカウンターにしずしずと進んだ。
悲壮感ただようその表情に、受付嬢は小さく悲鳴をあげる。
しかしロザリーはそれに気付かず、ぼそぼそと喋りだした。
「仲間を募集いたしますわ……そう……出来たら最前線でメイスを振るうクルセイダーを受け入れてくれるような仲間を……」
解説
ロザリーとパーティーを組み、遺跡内部の敵を全滅させつつ、テレス達よりも早く最深部を目指してください。
テレスも、ロザリーのパーティーと同じ数のメンバーを集めています。
舞台となるモルドバの遺跡はOPの通り、入り口と最深部以外はそっくりの双子構造になっています。
以下は、横から見た簡単な図になります。
入り口
地下1階 地下1階
地下2階 地下2階
最深部
左右どちらのルートも、存在する敵の種類と数は同じです。
遺跡自体は小さく、最深部にたどり着く途中で覚醒状態が切れる心配はありません。
地下1階にはスライム型の敵が多数います。あまり強くはありませんが、物理ダメージが効きづらいです。
地下2階には、一言で表現するとリビングアーマーのような敵が数体います。1階にいるスライムより、総合的な強さは上です。
遺跡は石造りの構造で、各階には罠などもなく、広い部屋があるだけです。
入り口と最深部には敵はおりません。
移動速度は考慮せず、各階で敵を全滅させるのにかかった時間を合計し、その差で優劣をつけます。
ロザリーは戦いに関してはかなりの実力を持っており、雑魔に遅れを取ることはまずありません。
ロザリーが持ち込むスキルは以下の通りです。
ストライクブロウ×7
メイスファイティング×3
ヒール×6
彼女がヒールを使うのは戦闘後(今回は最深部についた時)ですが、戦闘中に仲間が大きな傷を負った場合はその限りではありません。
テレスも、ロザリーのパーティーと同じ数のメンバーを集めています。
舞台となるモルドバの遺跡はOPの通り、入り口と最深部以外はそっくりの双子構造になっています。
以下は、横から見た簡単な図になります。
入り口
地下1階 地下1階
地下2階 地下2階
最深部
左右どちらのルートも、存在する敵の種類と数は同じです。
遺跡自体は小さく、最深部にたどり着く途中で覚醒状態が切れる心配はありません。
地下1階にはスライム型の敵が多数います。あまり強くはありませんが、物理ダメージが効きづらいです。
地下2階には、一言で表現するとリビングアーマーのような敵が数体います。1階にいるスライムより、総合的な強さは上です。
遺跡は石造りの構造で、各階には罠などもなく、広い部屋があるだけです。
入り口と最深部には敵はおりません。
移動速度は考慮せず、各階で敵を全滅させるのにかかった時間を合計し、その差で優劣をつけます。
ロザリーは戦いに関してはかなりの実力を持っており、雑魔に遅れを取ることはまずありません。
ロザリーが持ち込むスキルは以下の通りです。
ストライクブロウ×7
メイスファイティング×3
ヒール×6
彼女がヒールを使うのは戦闘後(今回は最深部についた時)ですが、戦闘中に仲間が大きな傷を負った場合はその限りではありません。
マスターより
こんにちは、こんばんは。秋風落葉(しゅうふうらくよう)です。
今回は遺跡へのタイムアタック的な依頼となっております。
とはいえ、遺跡内部は雑魔がうろついています。
あまり無茶はなさらぬよう。
ご参加、お待ちしております。
※補足
このOPに登場しているロザリーこと、ロザリア=オルラランは、以下のシナリオに登場しています。
もちろん、こちらを参照していただかなくても、参加にあたって特に支障はございません。
・クルセイダーの憂鬱
・クルセイダーの葛藤
今回は遺跡へのタイムアタック的な依頼となっております。
とはいえ、遺跡内部は雑魔がうろついています。
あまり無茶はなさらぬよう。
ご参加、お待ちしております。
※補足
このOPに登場しているロザリーこと、ロザリア=オルラランは、以下のシナリオに登場しています。
もちろん、こちらを参照していただかなくても、参加にあたって特に支障はございません。
・クルセイダーの憂鬱
・クルセイダーの葛藤
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/06 20:38
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/27 08:06:47 |
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相談卓 柏木 千春(ka3061) 人間(リアルブルー)|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/04/29 20:50:50 |