ゲスト
(ka0000)
さよならから僕らは歩む
マスター:白河ゆう

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/04 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/13 12:00
オープニング
その村では猫が英霊として崇められるという程ではないものの、少なくとも敬意を払って愛される。
真偽はお伽話と思われているが『ご先祖様が猫の長と約束したから』というのが躾の際に子供達に聞かせる定番の言葉。
山林に群生している野生の猫達と、縄張りを共有する隣人として村の人々は長閑に暮らしていた。
彼らは警戒心が強く、時には牙や爪で傷つける事もあるが、それは安易に近付き過ぎた場合のこと。
可愛いけれど、彼らには彼らの生活が。私達には私達の生活が。自然の営みを邪魔してはいけないよというのが村の大事な教えである。
ところがその自然の営みを破壊する異常が、愛らしくも捕食者の猛々しさを持ち合わせた猫達を雑魔にしてしまった。
「みんな、みんな……死んじゃうの? 殺しちゃうの!? やだよ、そんなのっ!!」
「仕方ないよ、もう彼らは僕らと共存する事ができないんだから……倒さないと、村が生きていけないんだ」
「やだよっ、やだよぉ……っ!!」
まだ抱き上げられる程に小さな幼い妹ララの拳が、ズボンの裾を力任せに引く。
粗末な腰紐で結わえただけのズボンが思わぬ強さで引っ張られて脱げそうになるのを慌てて押さえる兄のレオン。
「僕だって嫌だよ、ララ。父さんも母さんも、みんな嫌だけど。ゾウマは猫達の身体を奪った悪い奴らなんだ」
彼らはもう死んじゃったんだよ。村の物知り爺さんからの受け売りをレオンはそのまま口にした。
「でも動いてるじゃないっ。あれは……猫さん達じゃないの?」
「違うんだ。違うんだよ、ララ。あれはゾウマだ。倒さないと僕達が殺されちゃうんだ」
顔を涙だらけでぐちゃぐちゃにして、しゃくり上げるララ。その頭にぽとりと熱い滴が落ちる。
もう何も言わずララを抱き上げるレオン。僕はお兄ちゃんだから。泣いてるのを見られたくなかった。
頭では大人達のいう事を理解しているけども、気持ちは幼い妹と変わりなかった。
大人達は男も女も交代で武器になりそうな物を手にして、ゾウマの襲撃を警戒している。
ハンターが駆けつけてくれるまでに誰にも被害を出さない為に。
今、レオンに任せられた役目は、駄々をこねるララが外に出ないように面倒を見ていること。
そして辛い光景を決して見せないこと。
ゾウマは猫の姿をしているのだから。
被害は出ていないものの連日の心労の為か、村へ着いたハンターを出迎えた人々の顔は憔悴していた。
「奴らは昼夜問わず10匹くらいで連れ立って、わしらの隙を伺いに来る。そのうち諦めて逃げるが、またやってくるんだ」
その数なら、村人がしっかり徒党を組んでるうちは手出しが難しく、弱るか油断するのを様子見しているのか。
だがしびれを切らして本気で襲ってくれば。俊敏な運動能力と鋭い爪と牙は、戦い慣れぬ者など翻弄して殺傷できる。
村人より明らかに強いハンターが待ち構えても、最初から形勢不利とみた奴らから仕掛けてはこないだろう。
「僕が囮になります。僕は見届けたいから」
レオンと名乗った少年が進み出た。ひょろりと背が高いが、青年と呼ぶにはまだ華奢な身体と澄んだ声。
「父さん母さんとも話し合ったし、村のみんなも理解してくれました。僕がやります」
ハンター以外の者が複数居ては、邪魔になるだろうから。一人だけ代表して。
「僕、脚の速さじゃ村で一番なんです。だから大丈夫」
僕が見て、僕が感じて、ララにちゃんと伝えたいから。
ゾウマは猫と違う事を納得したいから。
「お願いしますっ!!」
真偽はお伽話と思われているが『ご先祖様が猫の長と約束したから』というのが躾の際に子供達に聞かせる定番の言葉。
山林に群生している野生の猫達と、縄張りを共有する隣人として村の人々は長閑に暮らしていた。
彼らは警戒心が強く、時には牙や爪で傷つける事もあるが、それは安易に近付き過ぎた場合のこと。
可愛いけれど、彼らには彼らの生活が。私達には私達の生活が。自然の営みを邪魔してはいけないよというのが村の大事な教えである。
ところがその自然の営みを破壊する異常が、愛らしくも捕食者の猛々しさを持ち合わせた猫達を雑魔にしてしまった。
「みんな、みんな……死んじゃうの? 殺しちゃうの!? やだよ、そんなのっ!!」
「仕方ないよ、もう彼らは僕らと共存する事ができないんだから……倒さないと、村が生きていけないんだ」
「やだよっ、やだよぉ……っ!!」
まだ抱き上げられる程に小さな幼い妹ララの拳が、ズボンの裾を力任せに引く。
粗末な腰紐で結わえただけのズボンが思わぬ強さで引っ張られて脱げそうになるのを慌てて押さえる兄のレオン。
「僕だって嫌だよ、ララ。父さんも母さんも、みんな嫌だけど。ゾウマは猫達の身体を奪った悪い奴らなんだ」
彼らはもう死んじゃったんだよ。村の物知り爺さんからの受け売りをレオンはそのまま口にした。
「でも動いてるじゃないっ。あれは……猫さん達じゃないの?」
「違うんだ。違うんだよ、ララ。あれはゾウマだ。倒さないと僕達が殺されちゃうんだ」
顔を涙だらけでぐちゃぐちゃにして、しゃくり上げるララ。その頭にぽとりと熱い滴が落ちる。
もう何も言わずララを抱き上げるレオン。僕はお兄ちゃんだから。泣いてるのを見られたくなかった。
頭では大人達のいう事を理解しているけども、気持ちは幼い妹と変わりなかった。
大人達は男も女も交代で武器になりそうな物を手にして、ゾウマの襲撃を警戒している。
ハンターが駆けつけてくれるまでに誰にも被害を出さない為に。
今、レオンに任せられた役目は、駄々をこねるララが外に出ないように面倒を見ていること。
そして辛い光景を決して見せないこと。
ゾウマは猫の姿をしているのだから。
被害は出ていないものの連日の心労の為か、村へ着いたハンターを出迎えた人々の顔は憔悴していた。
「奴らは昼夜問わず10匹くらいで連れ立って、わしらの隙を伺いに来る。そのうち諦めて逃げるが、またやってくるんだ」
その数なら、村人がしっかり徒党を組んでるうちは手出しが難しく、弱るか油断するのを様子見しているのか。
だがしびれを切らして本気で襲ってくれば。俊敏な運動能力と鋭い爪と牙は、戦い慣れぬ者など翻弄して殺傷できる。
村人より明らかに強いハンターが待ち構えても、最初から形勢不利とみた奴らから仕掛けてはこないだろう。
「僕が囮になります。僕は見届けたいから」
レオンと名乗った少年が進み出た。ひょろりと背が高いが、青年と呼ぶにはまだ華奢な身体と澄んだ声。
「父さん母さんとも話し合ったし、村のみんなも理解してくれました。僕がやります」
ハンター以外の者が複数居ては、邪魔になるだろうから。一人だけ代表して。
「僕、脚の速さじゃ村で一番なんです。だから大丈夫」
僕が見て、僕が感じて、ララにちゃんと伝えたいから。
ゾウマは猫と違う事を納得したいから。
「お願いしますっ!!」
解説
雑魔のサイズはやや逞しいイエネコと変わらず、特殊能力も持ち合わせておりません。
見た目もごく普通の猫です。瞳も爛々と獲物を狙う猫そのもの。
ただ触れたなら生物としては異常な体温の低さ。まるで死骸のようなのが違います。
村の地形は、畑に均した場所以外は起伏があり木立も残されている場所もあります。
建物は点在する人家のほか、山林に近い側に壁板も隙間だらけな粗末な道具小屋がひとつ。
数人が一箇所に隠れるのには適切な場所はないので、各自の初期位置は考えてください。
山林に逃げられたら視界も足元も悪く仕留めるのは厄介です。
戦闘は昼間。天候は快晴、山林側からそよ風。
倒した後、雑魔になってしまった猫の亡骸は残りません。
見た目もごく普通の猫です。瞳も爛々と獲物を狙う猫そのもの。
ただ触れたなら生物としては異常な体温の低さ。まるで死骸のようなのが違います。
村の地形は、畑に均した場所以外は起伏があり木立も残されている場所もあります。
建物は点在する人家のほか、山林に近い側に壁板も隙間だらけな粗末な道具小屋がひとつ。
数人が一箇所に隠れるのには適切な場所はないので、各自の初期位置は考えてください。
山林に逃げられたら視界も足元も悪く仕留めるのは厄介です。
戦闘は昼間。天候は快晴、山林側からそよ風。
倒した後、雑魔になってしまった猫の亡骸は残りません。
マスターより
ハンターの皆様、初めまして。
単純な戦闘シナリオながら、猫を愛するが故にあえて挑む内容となっております。
登録したばかりの初心者さんも。戦闘所作に拘りたい方も。どっぷり心情注ぎたい方も。
全て歓迎致します。
単純な戦闘シナリオながら、猫を愛するが故にあえて挑む内容となっております。
登録したばかりの初心者さんも。戦闘所作に拘りたい方も。どっぷり心情注ぎたい方も。
全て歓迎致します。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/11 23:52
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談の場 薛 春洋(ka4417) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/05/04 01:00:11 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/30 09:39:07 |