ゲスト
(ka0000)
珈琲サロンとぱぁずの仕入れ
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/08 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/17 22:00
オープニング
●
馬車が走っていた。
ジェオルジからフマーレへ向かう街道を急いでいた。
夜道だった。
馬車は1人乗りで運転手はフマーレに店を構えて、ジェオルジの食品を扱っている。
売り上げの一番はコーヒー豆だ。個人よりも、フマーレのいくつかの喫茶店が取引先となっており、纏めて大量に売れるからなかなかに効率が良い。
定期的に買っていく店もあるが、不定期に買いに来る店もある。
不定期に買いに来る店の1つが、以前来てから大分経っている。そろそろ来る頃だろう。
暗い道、吊したカンテラの細い明かりを頼りに馬車を急かして、そんなことを考えていた。
馬車の横に影が過ぎった。
暗い中、それはよく見えなかったが、馬車よりも速く走る人間のような形をした何かだった。
馬の嘶きが聞こえた。
人間とは似ても似つかない歪な声を聞いた。男とも女とも若くも老いているともつかない幾種類もの声を継ぎ接ぎした声だった。
黒い靄に視界を覆われ、激しい痛みを感じた体が放り出されて地面に叩き付けられる。
消える意識の中、馬車が走り去っていく音を聞いた。
●
蒸気工場都市ジェオルジの商業区に佇む珈琲サロンとぱぁずは、前の店長が店を始めたときから懇意にしている取引先が幾つかある。
店の家具を頼んでいるところだとか、カップや皿を頼んでいるところ。
そして、コーヒー豆を仕入れている店もある。
前の店長が農業都市ジェオルジで気に入った豆を、偶然にも取り扱っている店があり、そことも長い長い付き合いだ。
前の店長が隠居して以来店を任されている孫のユリアも、その店には幼い頃から何度か通ったことがある。缶や袋で量り売りされるコーヒー、店で焙煎を済ませた物から生の物まで。
祖父と店員のローレンツに手を引かれてそれを眺めることはとても楽しかった。
「あら、これ最後だったみたい。ロロさん、コーヒー豆の注文に行ってくるから、後お願いね」
今日もユリアは黒いドレスに淡い色のエプロンを着けて給仕をこなし、時間が空くとローレンツにそう言い残して出て行った。店にはローレンツと常連客が数人残されていた。
「……ユリアちゃん、最近はよく笑うようになったんじゃないのかい?」
「ふん」
ユリアの幼い頃を知っている壮年の客に話し掛けられて、ローレンツは洗ったカップを拭いながら鼻を鳴らした。
●
ユリアが店に着くと店内は暗く、入り口には閉店の札が下げられていた。
そういえば、とユリアが呟く。
「仕入れに行くと言っていたかしら?」
店の前で佇んでいると、通り掛かった中年の女性が足を止めた。
「あら、まだ開いてないのかい。昨日には戻るって聞いていたんだけどね……やっぱりあの馬車、ここのお店だったのかしら」
「馬車?」
女性はユリアを見ると頷いて緩く手招いた。
彼女は近くで服飾店を営んでいる者だと言って道の先を示した。
この辺りは、彼女の店やこのコーヒー豆を始めジェオルジの産物を扱う店、他にも色々とこぢんまりとした店が軒を連ねている。
この通りを抜けた先で、昨日の朝方に事故があったらしいと女性は言った。
馬車がひっくり返り、引いていた馬が死んでいたという。見た者も聞いた者も暴れる馬車に酷く驚いていたらしい。
「聞いた話だけど、積荷がコーヒー豆だったって言うからさぁ……それに、馭者は死体すら見付かってないらしくてさ」
怖い事故だと言って女性は去って行った。
ユリアは暫く迷ってから街道の方へと足を向けた。途中出会った警邏の男に呼び止められる。
「事故があったみたいなので……」
ユリアは自身が喫茶店を営んでいることと、店で出しているコーヒー豆の仕入れ先が突然の休業していたこと、聞いた話ではコーヒー豆を積んだ馬車の事故があったことを話し、
「お店の……いつも仕入れは店長さんが向かわれていたみたいなんですが……心配で」
街道の門、通られましたかと尋ねて首を傾がせる。
警邏の男はユリアにコーヒー店の店長の容姿を尋ねると、よく似た男の亡骸が街道で見付かったと伝えた。
「一昨日の夜、彼の馬車が通ったとは聞いていたけれど、確認した者が今日は体調を崩してしまって」
困った顔で肩を竦めてそう付け足すと、店に戻るというユリアを気をつけてと見送った。
ユリアはとぱぁずに戻り、聞いたことをローレンツに伝えた。
奥の広いテーブルには地図が広げられて、今までこの店で相談を受けた色んな人の、色んな悩みの行き先がピンで残されている。
ユリアはそこに黒いピンを1つ増やした。
「死体を残したまま一日以上が過ぎてしまって……雑魔が出てしまったから暫く街道を塞ぐみたい。あの道、そんなに危なかったかしら?」
指先でピンを撫でて、ユリアはぽつりと呟いた。
馬車が走っていた。
ジェオルジからフマーレへ向かう街道を急いでいた。
夜道だった。
馬車は1人乗りで運転手はフマーレに店を構えて、ジェオルジの食品を扱っている。
売り上げの一番はコーヒー豆だ。個人よりも、フマーレのいくつかの喫茶店が取引先となっており、纏めて大量に売れるからなかなかに効率が良い。
定期的に買っていく店もあるが、不定期に買いに来る店もある。
不定期に買いに来る店の1つが、以前来てから大分経っている。そろそろ来る頃だろう。
暗い道、吊したカンテラの細い明かりを頼りに馬車を急かして、そんなことを考えていた。
馬車の横に影が過ぎった。
暗い中、それはよく見えなかったが、馬車よりも速く走る人間のような形をした何かだった。
馬の嘶きが聞こえた。
人間とは似ても似つかない歪な声を聞いた。男とも女とも若くも老いているともつかない幾種類もの声を継ぎ接ぎした声だった。
黒い靄に視界を覆われ、激しい痛みを感じた体が放り出されて地面に叩き付けられる。
消える意識の中、馬車が走り去っていく音を聞いた。
●
蒸気工場都市ジェオルジの商業区に佇む珈琲サロンとぱぁずは、前の店長が店を始めたときから懇意にしている取引先が幾つかある。
店の家具を頼んでいるところだとか、カップや皿を頼んでいるところ。
そして、コーヒー豆を仕入れている店もある。
前の店長が農業都市ジェオルジで気に入った豆を、偶然にも取り扱っている店があり、そことも長い長い付き合いだ。
前の店長が隠居して以来店を任されている孫のユリアも、その店には幼い頃から何度か通ったことがある。缶や袋で量り売りされるコーヒー、店で焙煎を済ませた物から生の物まで。
祖父と店員のローレンツに手を引かれてそれを眺めることはとても楽しかった。
「あら、これ最後だったみたい。ロロさん、コーヒー豆の注文に行ってくるから、後お願いね」
今日もユリアは黒いドレスに淡い色のエプロンを着けて給仕をこなし、時間が空くとローレンツにそう言い残して出て行った。店にはローレンツと常連客が数人残されていた。
「……ユリアちゃん、最近はよく笑うようになったんじゃないのかい?」
「ふん」
ユリアの幼い頃を知っている壮年の客に話し掛けられて、ローレンツは洗ったカップを拭いながら鼻を鳴らした。
●
ユリアが店に着くと店内は暗く、入り口には閉店の札が下げられていた。
そういえば、とユリアが呟く。
「仕入れに行くと言っていたかしら?」
店の前で佇んでいると、通り掛かった中年の女性が足を止めた。
「あら、まだ開いてないのかい。昨日には戻るって聞いていたんだけどね……やっぱりあの馬車、ここのお店だったのかしら」
「馬車?」
女性はユリアを見ると頷いて緩く手招いた。
彼女は近くで服飾店を営んでいる者だと言って道の先を示した。
この辺りは、彼女の店やこのコーヒー豆を始めジェオルジの産物を扱う店、他にも色々とこぢんまりとした店が軒を連ねている。
この通りを抜けた先で、昨日の朝方に事故があったらしいと女性は言った。
馬車がひっくり返り、引いていた馬が死んでいたという。見た者も聞いた者も暴れる馬車に酷く驚いていたらしい。
「聞いた話だけど、積荷がコーヒー豆だったって言うからさぁ……それに、馭者は死体すら見付かってないらしくてさ」
怖い事故だと言って女性は去って行った。
ユリアは暫く迷ってから街道の方へと足を向けた。途中出会った警邏の男に呼び止められる。
「事故があったみたいなので……」
ユリアは自身が喫茶店を営んでいることと、店で出しているコーヒー豆の仕入れ先が突然の休業していたこと、聞いた話ではコーヒー豆を積んだ馬車の事故があったことを話し、
「お店の……いつも仕入れは店長さんが向かわれていたみたいなんですが……心配で」
街道の門、通られましたかと尋ねて首を傾がせる。
警邏の男はユリアにコーヒー店の店長の容姿を尋ねると、よく似た男の亡骸が街道で見付かったと伝えた。
「一昨日の夜、彼の馬車が通ったとは聞いていたけれど、確認した者が今日は体調を崩してしまって」
困った顔で肩を竦めてそう付け足すと、店に戻るというユリアを気をつけてと見送った。
ユリアはとぱぁずに戻り、聞いたことをローレンツに伝えた。
奥の広いテーブルには地図が広げられて、今までこの店で相談を受けた色んな人の、色んな悩みの行き先がピンで残されている。
ユリアはそこに黒いピンを1つ増やした。
「死体を残したまま一日以上が過ぎてしまって……雑魔が出てしまったから暫く街道を塞ぐみたい。あの道、そんなに危なかったかしら?」
指先でピンを撫でて、ユリアはぽつりと呟いた。
解説
目的 街道の死体回収
●エネミー
ゴブリン型雑魔×7~
棍棒や革の鎧を装備している。
一定の条件により増援が発生する。
・半数以下に減ったとき
・死体が持ち去られそうになったとき
●場所
両サイドが茂みと森に挟まれた街道
道は馬車が楽にすれ違える幅があり、
地面は馬車が楽に走れる程度に固められている。
死体を囲むようにエネミーが出没している。
●支給
死体回収の為の馬車一台と大判の布。
移動用の馬(性能は自前のものに劣る)
●コーヒー店の店長
ユリア含め、取引先の店や近所の住人、同店の店員達から慕われる壮年男性
家族については多くを語っていないが、店内のレジスターの横には若い頃のものらしい家族写真が飾られている。
●エネミー
ゴブリン型雑魔×7~
棍棒や革の鎧を装備している。
一定の条件により増援が発生する。
・半数以下に減ったとき
・死体が持ち去られそうになったとき
●場所
両サイドが茂みと森に挟まれた街道
道は馬車が楽にすれ違える幅があり、
地面は馬車が楽に走れる程度に固められている。
死体を囲むようにエネミーが出没している。
●支給
死体回収の為の馬車一台と大判の布。
移動用の馬(性能は自前のものに劣る)
●コーヒー店の店長
ユリア含め、取引先の店や近所の住人、同店の店員達から慕われる壮年男性
家族については多くを語っていないが、店内のレジスターの横には若い頃のものらしい家族写真が飾られている。
マスターより
馬車を乗っ取り、フマーレに何かがログインしました。
死体が放置だと雑魔が沸いてくるのでさくっと回収をお願いします。
死体が放置だと雑魔が沸いてくるのでさくっと回収をお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/17 18:33
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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遺体回収ミッション ブリジット・B・バートランド(ka1800) 人間(リアルブルー)|26才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/05/08 16:38:06 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/06 17:31:54 |