• 戦闘

空と未来と僕の詩

マスター:Urodora

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在7人 / 5~7人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/05/11 22:00
リプレイ完成予定
2015/05/20 22:00

オープニング

 空はなぜあるのだろう
 といかけたことがある
 答えがほしいから手をのばし
 ここにいるよとつぶやいた
 
 なのに答えはない だからすねた
 てのひらをかざし太陽の視線をふさぎ
 ゆびのすきまからそそぐ光をまぶしいといった

 空のむこうには何があるのだろう
 といかけなおす 
 永遠がないなんて知っている
 退屈な日常が続くのもわかっている
 けれどその答えがぜんぶ正しいのなら
 もしそれでいいのなら
 
 ここにいてもいなくても同じだから
 
 広い青空の下 夢をみたいと願う
 ちっぽけな自由がほしい
 羽ばたく翼がなくてもそれでもいい
 いつかきっと飛べる 届く
 そう感じたい



●空と

 長い、そうすごく長い夏休みのようだと思った。
 終わらない夏休み、そういったほうが正しいかもしれない。
 僕は今日ここにいて、明日もここにいて、明後日もたぶんこの場所にいる。
 それでいいのか悪いのか、考えるのはもうやめてしまった。
 天気は晴れ、雲が足早にすすんでいる。少し前まで雨が続いていたのに。
 みずたまりにゆらめく青と空に在る青のちがいは何なのだろう。意味のない思考はぐるぐるまわる。 
 朝の光、鼻をくすぐるにおい、雨上がりの土の香り、たしかそのにおいが好き。誰かが言っていたのを思い出す。
 一瞬、記憶のかたすみに浮かんだ姿、はっきりと誰なのかはわからない。  
「おはようカケル君」
 肩におかれた手に声にふりかえると、どこか無邪気そうな笑顔があった。
 僕の前にいるのは偶然知り合った男の人がいる。若いのか歳をとっているのかよくわからない、たぶん三十歳くらいだと思うのだけど、つかみどころがないというのきっとこういう人のことをいうのかもしれない。
「おはようございます。トリノさん」
「あいかわらず暗い表情ですね、そろそろ打ち解けてもいいのでは」 
「がんばってみます」
「がんばるって、そうだ! ひとつ聞いていいでしょうか」
「たしか、あの女の子。智さんでしたよね」
 トリノさんが言っている女の子は、この前ちょっとした偶然と事件があって出会った。
 僕もお世話になっている村、ここにいるのは知っていたけれど、あれいらいまともに話をしていない。
 彼女の目をみるとなぜか何も話せなくなる。だからそっけなく答えた。
「知りません」
「そうですか」
 トリノさんはどこか残念そうだった。
「気になるんですか」
「まったく」
「うそだ」
 トリノさんは頷いた。
「大人はすぐに嘘をつく生物です。違う、言葉を使う生物は嘘をつかないとやっていけないだけです」
「?」
「そんな不思議そうな顔をしなくても。カケル君は、誰でも何かを分かったから大人になった。そう思っていたりするのですか」
「ちがうんですか」
「そうでもあるけれど、そうでもない。大人として振る回うしかなくなっただけで、中身はたいして変わっていない、嘘をついている人も多いのです」
「でも……」
「納得できない、それなら私は誰かを愛した結果、子供という時間を息子に与えた。そして自分は大人になった。じゃだめでしょうか」
「もっと、わからないです」
「そうですか、まあ嘘つきの大人としては、君と彼女の間には何かある思うわけで」
「わかりません」
 本当にわからない誰なのか知らない。
「けれど」
「しつこい! 僕は一人でだいじょうぶです。だから」
 僕がそういうと、トリノさんはさびしそうな顔をした。
 そんなことを言いたいわけじゃないのは、自分でも知っていた。けれど、口に出してしまうとほんとうのことのようなきがした。
 トリノさんがいなくなったあと僕は空をあおぐ。
 きれいだ。
 僕の名前は駆。
 いつかきっとあの大空だって駆けることができる。
 そんなことくだらないことを思い浮かべたあと、ちょっとだけ楽しいかな。
 そう思った。

 ●未来と

 想いの中心にひっそりと残るさびついた軸がぎしぎしと音を立てるとき、何かが違うと感じる時がある。
 過去に戻りたいわけではない、何も変っていないのに音はやまない。原因は何なのだろう。考えたところで答えは出ない。
 無意味な質問をする暇は今、この場の誰にもなかった。 
 緊迫した空気がその場を包んでいるのだから。
「ゴブリンが襲ってくるだと!」
「報復というやつか、まったく最近おかしなことばかり起こるな」
 分かりきったことを分かりきったように村人たちは言う。
「トリノはどうした」
「トリノは今いない。この前やって来た娘たちと息子をつれて、一緒に帝都に行っている」
「こんなときに」
 疫病神め、カケルへ向けられた視線がそういっているようだった。
 きっとこうなるのを予感していたのだろうか、出かける前にトリノと交わした会話をカケルは思い出した。
  

「カケル君には、剣が似合うと思います」
「……いやだといっても、おしつけるんでしょ」
「私は身勝手で利己的な人間なのです。何もないとは思いますが」
「僕は保険ですか?」
「信頼しているんですよ」
「うそつき」
「騙されてほしいですね、さて留守を頼みます。本当に危ない時はこれを使ってください、預けておきます」
 トリノは金を手渡し、カケルの手を強く握り言った。
「私の想いも託しましたよ」
「真顔で見つめてよくいえますね」
「大人ですから」


 進展しない話を嫌い、少年は外に出た。
 結論が出ないのならハンターを頼んで守ってもらえばいいだけだ。
 お前は何もする必要はない。
 少年の内で聞きなれた声がそう言った。
「どうでもいい」
 独り言が口から出ると、瞳にまぶしさを感じた。
 見返すと太陽は無邪気に微笑んでいる。そのまぶしさにうつむいた少年の先には陽の意思を受けたもう一人の自分。
 彼がいつも責めているような気がする。
 守りたくないなら守らなければいい、どうせ他人だ。理由も理屈も感情さえ、言い訳にすればいい。
 右手の親指から順に指折り、戻し。指折り戻した瞬間、ゆがんだ笑顔が少年に張りついた。
 被った仮面は薄笑い、無造作に創られる感情を隠すための道具。惑う気持ちを否定することができず、無意識に取り出したのは傷ついたフレームとレンズ、どうやら眼鏡のようだ。
 彼はいつのまにか眼鏡をかけている。
 傷だらけのレンズから見える風景がゆがむ、向かう光は滲む七色、揺らいで薄く遠のいた。
 こんな風に全てぼやけてしまえばいい、叶わない夢のほうがきれいだ。 
 そう自分に言い聞かせた時。
「できるのにやらないなんて、ずるいよ」
 虚空に急に生まれ、自らの内を通り抜けた言葉になぜか懐かしさを感じた。
 誰の言葉かは分からない。だが誰かに言われた言葉だったような気がする。
 浅い過去と記憶は重なるが彼は首を振った。否定したほうが楽だったから。
 けれど振り切った何かは追いつき、閉じた門を開こうと漠然とした想いを浮ばせる。
 僕の欲しいものは何だろう――。
 心に問うが答えはない、どうすることもできず迷う彼の前に。
 剣がただ在った。

解説

 ゴブリンウォーズ・エピソード2「ヴォルケーノ・ゴブリン」
 邦題 「進撃のゴブリン」
 ってわけではないですけれど、とりあえずやつらが帰ってきた。
 新しい仲間をひき連れて。
 内容は、とある少年といっしょに村を襲うゴブリンと戦闘するシナリオです。
 
 ゴブリンの数は15匹中心に増減あり、でかいのも数匹います。もしかしてオーガだったりするかもしれないぞ。
 侵攻ルートが右、中央、左と三つあり、ルートの途中に陣地があります。
 そして村のちょい前に最終防衛ラインがはってあります。
 距離はラインまで中央は短距離の平地が多く、左右は少し長く森が中心です。

 ゲーム的な処理として
 シナリオの開始すると、ハンターは村にすでにいて迎撃します。
 陣地を行きする場合、防衛ラインを経由して移動する。
 横軸移動はできないためちょい時間がかかります。

 その他は……。 
 三つのルートのどこからどう敵が来るかは現時点では分かりません。
 開始するとゆっくり進撃してきますが、時間が経てば経つほど加速します。
 とはいえ陣地に到着するまでにかなり時間があります。
 考えるのが面倒なばあい、陣地に分散し連絡をとっていれば最悪の事態には、まずならないはず。
 ただそれはふつーの策なので、ぶーぶー。
 あとは少年は中央にとりあえず置くので、どうするかは君たちしだい。
 この子は覚醒できます。本人は含むところがあるようですけれど。
 
 多少複雑ぽいので、まとめると。
  
 1、三つルートがある。ルート左・中央・右、陣地がある。地形は平地と森中心。
  あと最終防衛ラインがある。
 2、開始するとごぶごぶ軍団がルートを進撃してくる。
  どこをどうくるか数と場所は不明。時間が経つと奴ら突進してくるよ。
 3、目的としてはごぶごぶ団を殲滅するか、防衛ラインを守ること。
  あと少年は中央あたりに置くよ。
 4、さあ博打、じゃなくて冒険しようぜ!
 

マスターより

 こっちを先にっと。
 風邪やら花粉やらいろいろあって、遅れましたーごめんね。
 中身はネガな男の子とゴブ退治。というシナリオです。

 カケル君は13.5歳、中二秒読み。
 名前は久遠寺駆、実家はたしかお寺。
        
 それとここから出すシナリオのいくつか、かってに名づけたのですが、スケッチです。
 オウドウからの流れで登場人物が共通するやつがそうなると思います。
 まだ物語る段階ではありませんが、いずれ何かを始めれればいいな、そのためのスケッチかも。
 興味があるかたは、スケッチブックを片手にハイキングへ一緒にいきましょう。
 そんなのめんどくせーというかた、ぜひ記念にスケッチを一枚どうぞ。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/05/19 05:09

参加者一覧

  • Stray DOG
    ヴォルフガング・エーヴァルト(ka0139
    人間(紅)|28才|男性|闘狩人
  • Pun Pun ぷー
    メープル・マラカイト(ka0347
    エルフ|25才|女性|魔術師
  • Eの天秤
    ユスティティア・メイベリー(ka0511
    人間(蒼)|16才|女性|霊闘士
  • SKMコンサルタント
    レイ・T・ベッドフォード(ka2398
    人間(蒼)|26才|男性|霊闘士
  • 光森の太陽
    チョココ(ka2449
    エルフ|10才|女性|魔術師
  • 疾く強きケモノ
    クウ(ka3730
    人間(紅)|18才|女性|疾影士
  • 残光の銃架
    水無月 凛音(ka4638
    人間(蒼)|14才|女性|機導師
依頼相談掲示板
アイコン 進撃のゴブリン
メープル・マラカイト(ka0347
エルフ|25才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2015/05/11 21:31:57
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/05/07 20:48:27