ゲスト
(ka0000)
出会いはパウンドケーキと共に。
マスター:蓮華・水無月

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- サポート
- 現在0人 / 0~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/07/10 22:00
- リプレイ完成予定
- 2014/07/23 22:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
お気に入りのお菓子屋さんの紙袋を手に、ご機嫌な気分でアンヌは街を歩いていた。今日はちらほら雲は見られるものの良いお天気で、だからますます気分が良い。
冒険都市リゼリオ、その一角にあるお菓子屋さんが、最近のアンヌのお気に入りだった。このところ、数日と空けずに通っては、何かしらのお菓子を購入していっている。
前からあったのを気付かなかっただけなのか、最近出来たのか、あまり人通りのない通りの一角にひっそりと建つ、そのお店『レディ・ブルー』に気付いたのはひと月ほど前のこと。古めかしくも、新しくも感じられる店構えに少し気後れしながら入ったアンヌは、そこで売られていた数々のお菓子に魅了されたのだ。
今日もどっしりとした重みを持つ、木の実やドライフルーツがどっさり入ったパウンドケーキを購入して、今から食べるのが楽しみで仕方がなかった。家族と一緒に食べようと、奮発して1本丸々買ったからなおさらだ。
(せっかくだから、公園でも散歩して帰ろうかな?)
こんなご機嫌な気分でただ真っ直ぐに家に帰るのももったいないと、アンヌは家から歩いてすぐの所にある公園に足を向けた。ぐるりと公園をめぐる散歩道を歩くのも、ちょっと気持ち良さそうだ。
公園は辺りの住民がよく散歩したり、日向ぼっこしたり、かと思えば子供たちが元気に走り回っていたりして、一巡りするのに30分ほどはかかるくらいの、ちょっとした広さがあった。たまに大道芸を披露していたり、かと思えば籠に入れた花を売る娘や、地面に敷いた布に手作りのアクセサリーを並べた露店があったりして、アンヌも子供の頃から数え切れないくらい遊びに来た公園である。
今日もそういった賑やかしの人々と、それを眺めたり、はたまた関係なく友人同士でくつろいでいる姿を見ながら、どうしようかな、と考えた。そうして、そろそろ夏の緑が綺麗な散歩道の方を歩こうかと、足を向けたアンヌはその瞬間、ドン! と誰かに思い切りぶつかってしまう。
「きゃ……ッ!?」
「うわ……ッと、大丈夫ですか?」
――どさ……ッ
衝撃に、手に持っていた紙袋を落として悲鳴を上げたアンヌに、同じく驚いた男性の声が重なった。そうしてアンヌの落とした紙袋を拾い上げ、どうぞ、と渡してくれる。
ありがとうございますと受け取った、アンヌは男性の手にも同じ紙袋があることに気がついた。持ち手のついた白い紙袋には、『レディ・ブルー』の看板と同じ、花の上で蝶と遊ぶ猫の絵が描かれている。
それに、拾ってくれた男性も気が付いたようだった。あ、と目を丸くしたあと、どこか決まりが悪そうに「はは」と笑う。
「貴女もあのお店でお菓子を買ったんですね」
「はい。何だか美味しくて、気に入ってしまって――あの、ありがとうございました。今日はパウンドケーキを買って、家族で食べるつもりだったんです」
「それはますます奇遇だなぁ! 僕もパウンドケーキを買ったんですよ。娘の誕生日のお祝いに、一緒に食べようと思って」
「あら、きっと娘さんも喜んでくれますわ。だって、『レディ・ブルー』のお菓子は本当に美味しくて、それから何だかお洒落なんですもの」
なんて良いお父さんなのかしらと、アンヌはすっかりこの男性に親近感を覚えてそう言った。そうして目に入った花売りの娘から、一番綺麗に咲いているひまわりの花束を買って、娘さんへとプレゼントする。
男性は恐縮していたものの、これも何かの縁ですから、と言うとそれもそうだと受け取ってくれた。実際、決して狭くはないこのリゼリオで、同じお菓子屋さんで同じパウンドケーキを買った2人が、偶然同じ公園に居てぶつかるなんて、奇縁としか言いようがない。
それですっかり機嫌を良くしたアンヌは、学校から帰ってくる娘と待ち合わせているから、と公園の奥の方へ向かう男性と別れ、散歩などすっかり忘れて帰宅した。けれどもご機嫌なまま紙袋を開けて、中に入っていたものに愕然とする。
何しろ中から綺麗な花の縁取りのカードが出てきて、そこにはこう書いてあったのだ。
『愛するベツィーへ
10歳の誕生日おめでとう。
今日という日をお前が元気に迎えられて、本当に嬉しい。
きっと母さんも空の上で、元気なお前の姿を見て喜んでいることだろう。
どうか今年もお前が健やかに過ごせますように。
心から愛しているよ。
カルロス』
「これ……あの人の娘さんへの誕生日カード……?」
そう思い至ってアンヌはさっと顔色を変えた。きっと拾ってもらった時に、あの男性は――きっとこのカードのカルロスと言うのが彼の名前だろう――間違って、自分の分をアンヌに渡してしまったのに違いない。
大変だ、と慌ててアンヌはカードを紙袋に投げ込んで、公園へと駆け戻った。パウンドケーキだけならともかく、このカードはカルロスが娘のために心をこめて書いたものなのだから、何とかして届けてあげなければいけない。
だからアンヌは、まだこの公園に居てくれる事に望みをかけて、目に付いた人にこう尋ねた。
「すみません! あの、この辺りでこれと同じ紙袋を持った男性を見ませんでしたか!?」
お気に入りのお菓子屋さんの紙袋を手に、ご機嫌な気分でアンヌは街を歩いていた。今日はちらほら雲は見られるものの良いお天気で、だからますます気分が良い。
冒険都市リゼリオ、その一角にあるお菓子屋さんが、最近のアンヌのお気に入りだった。このところ、数日と空けずに通っては、何かしらのお菓子を購入していっている。
前からあったのを気付かなかっただけなのか、最近出来たのか、あまり人通りのない通りの一角にひっそりと建つ、そのお店『レディ・ブルー』に気付いたのはひと月ほど前のこと。古めかしくも、新しくも感じられる店構えに少し気後れしながら入ったアンヌは、そこで売られていた数々のお菓子に魅了されたのだ。
今日もどっしりとした重みを持つ、木の実やドライフルーツがどっさり入ったパウンドケーキを購入して、今から食べるのが楽しみで仕方がなかった。家族と一緒に食べようと、奮発して1本丸々買ったからなおさらだ。
(せっかくだから、公園でも散歩して帰ろうかな?)
こんなご機嫌な気分でただ真っ直ぐに家に帰るのももったいないと、アンヌは家から歩いてすぐの所にある公園に足を向けた。ぐるりと公園をめぐる散歩道を歩くのも、ちょっと気持ち良さそうだ。
公園は辺りの住民がよく散歩したり、日向ぼっこしたり、かと思えば子供たちが元気に走り回っていたりして、一巡りするのに30分ほどはかかるくらいの、ちょっとした広さがあった。たまに大道芸を披露していたり、かと思えば籠に入れた花を売る娘や、地面に敷いた布に手作りのアクセサリーを並べた露店があったりして、アンヌも子供の頃から数え切れないくらい遊びに来た公園である。
今日もそういった賑やかしの人々と、それを眺めたり、はたまた関係なく友人同士でくつろいでいる姿を見ながら、どうしようかな、と考えた。そうして、そろそろ夏の緑が綺麗な散歩道の方を歩こうかと、足を向けたアンヌはその瞬間、ドン! と誰かに思い切りぶつかってしまう。
「きゃ……ッ!?」
「うわ……ッと、大丈夫ですか?」
――どさ……ッ
衝撃に、手に持っていた紙袋を落として悲鳴を上げたアンヌに、同じく驚いた男性の声が重なった。そうしてアンヌの落とした紙袋を拾い上げ、どうぞ、と渡してくれる。
ありがとうございますと受け取った、アンヌは男性の手にも同じ紙袋があることに気がついた。持ち手のついた白い紙袋には、『レディ・ブルー』の看板と同じ、花の上で蝶と遊ぶ猫の絵が描かれている。
それに、拾ってくれた男性も気が付いたようだった。あ、と目を丸くしたあと、どこか決まりが悪そうに「はは」と笑う。
「貴女もあのお店でお菓子を買ったんですね」
「はい。何だか美味しくて、気に入ってしまって――あの、ありがとうございました。今日はパウンドケーキを買って、家族で食べるつもりだったんです」
「それはますます奇遇だなぁ! 僕もパウンドケーキを買ったんですよ。娘の誕生日のお祝いに、一緒に食べようと思って」
「あら、きっと娘さんも喜んでくれますわ。だって、『レディ・ブルー』のお菓子は本当に美味しくて、それから何だかお洒落なんですもの」
なんて良いお父さんなのかしらと、アンヌはすっかりこの男性に親近感を覚えてそう言った。そうして目に入った花売りの娘から、一番綺麗に咲いているひまわりの花束を買って、娘さんへとプレゼントする。
男性は恐縮していたものの、これも何かの縁ですから、と言うとそれもそうだと受け取ってくれた。実際、決して狭くはないこのリゼリオで、同じお菓子屋さんで同じパウンドケーキを買った2人が、偶然同じ公園に居てぶつかるなんて、奇縁としか言いようがない。
それですっかり機嫌を良くしたアンヌは、学校から帰ってくる娘と待ち合わせているから、と公園の奥の方へ向かう男性と別れ、散歩などすっかり忘れて帰宅した。けれどもご機嫌なまま紙袋を開けて、中に入っていたものに愕然とする。
何しろ中から綺麗な花の縁取りのカードが出てきて、そこにはこう書いてあったのだ。
『愛するベツィーへ
10歳の誕生日おめでとう。
今日という日をお前が元気に迎えられて、本当に嬉しい。
きっと母さんも空の上で、元気なお前の姿を見て喜んでいることだろう。
どうか今年もお前が健やかに過ごせますように。
心から愛しているよ。
カルロス』
「これ……あの人の娘さんへの誕生日カード……?」
そう思い至ってアンヌはさっと顔色を変えた。きっと拾ってもらった時に、あの男性は――きっとこのカードのカルロスと言うのが彼の名前だろう――間違って、自分の分をアンヌに渡してしまったのに違いない。
大変だ、と慌ててアンヌはカードを紙袋に投げ込んで、公園へと駆け戻った。パウンドケーキだけならともかく、このカードはカルロスが娘のために心をこめて書いたものなのだから、何とかして届けてあげなければいけない。
だからアンヌは、まだこの公園に居てくれる事に望みをかけて、目に付いた人にこう尋ねた。
「すみません! あの、この辺りでこれと同じ紙袋を持った男性を見ませんでしたか!?」
解説
【目的】
・アンヌが『レディ・ブルー』の紙袋を持った男性カルロスを探す手伝いをする。
公園はぐるりと外周を回れば30分ほどの広さがあります。
ちょっとした池や水路、林道も作られていて、入り口近くのこじんまりとした広場には大道芸や花売り、露天商などが居ます。
カルロスは公園内のどこかに居ると思われますが、どこに居るのかは解りません。
カルロスは、背の高さは160センチのアンヌよりも頭1つ大きいくらい、茶色の髪と瞳の30代ぐらいに見える男性です。
『レディ・ブルー』の、花の上で蝶と遊ぶ猫の絵が描かれた紙袋を持ち、アンヌがプレゼントしたひまわりの花束を手にしています。
皆様は偶然通りがかった公園で、アンヌに声をかけられて協力を申し出たのかもしれません。
或いは公園でくつろいでいたら、人探しをしている様子に気がついて声をかけたのかも知れません。
走っていくアンヌを見かけて、気になって追いかけてきたのかも。
その辺りは無理のない範囲で、ご自由にご設定頂いて構いません。
それではお気が向かれましたら、どうぞよろしくお願い致します(ぺこり
※依頼参加上のご注意※
・依頼に参加なさいましたら、まずは『がんばる』の一言だけでも仮プレイングを送信される事を、強くお奨めいたします。プレイングを送信しないまま出発してしまった場合、リプレイに登場して頂く事が出来ませんので、くれぐれもご注意下さいませ。
・所持品をご使用になる場合は、可能な限りプレイングにご明記頂けると助かります。場合によっては記載なくとも削除させていただいたり、或いは所持金の削除にて対応させて頂きますので、何卒ご了承下さいませ。
・称号は、希望と書いて頂いても基本は対応出来ません。悪しからず、ご了承下さいませ。
・アンヌが『レディ・ブルー』の紙袋を持った男性カルロスを探す手伝いをする。
公園はぐるりと外周を回れば30分ほどの広さがあります。
ちょっとした池や水路、林道も作られていて、入り口近くのこじんまりとした広場には大道芸や花売り、露天商などが居ます。
カルロスは公園内のどこかに居ると思われますが、どこに居るのかは解りません。
カルロスは、背の高さは160センチのアンヌよりも頭1つ大きいくらい、茶色の髪と瞳の30代ぐらいに見える男性です。
『レディ・ブルー』の、花の上で蝶と遊ぶ猫の絵が描かれた紙袋を持ち、アンヌがプレゼントしたひまわりの花束を手にしています。
皆様は偶然通りがかった公園で、アンヌに声をかけられて協力を申し出たのかもしれません。
或いは公園でくつろいでいたら、人探しをしている様子に気がついて声をかけたのかも知れません。
走っていくアンヌを見かけて、気になって追いかけてきたのかも。
その辺りは無理のない範囲で、ご自由にご設定頂いて構いません。
それではお気が向かれましたら、どうぞよろしくお願い致します(ぺこり
※依頼参加上のご注意※
・依頼に参加なさいましたら、まずは『がんばる』の一言だけでも仮プレイングを送信される事を、強くお奨めいたします。プレイングを送信しないまま出発してしまった場合、リプレイに登場して頂く事が出来ませんので、くれぐれもご注意下さいませ。
・所持品をご使用になる場合は、可能な限りプレイングにご明記頂けると助かります。場合によっては記載なくとも削除させていただいたり、或いは所持金の削除にて対応させて頂きますので、何卒ご了承下さいませ。
・称号は、希望と書いて頂いても基本は対応出来ません。悪しからず、ご了承下さいませ。
マスターより
初めまして、蓮華・水無月と申します。
初めての依頼はこんな、人探しのお願いでひっそりとお邪魔致します。
お誕生日は誰にとっても、どんな日でも特別だな、と思います。
その『特別な日』を祝うカードは、きっと世界に1つしかないプレゼントに違いありません。
どうぞ、大切なプレゼントを届けるお手伝いをしてやっていただければ幸いです。
それではどうぞお気が向かれましたら、よろしくお願い致します(ぺこり
初めての依頼はこんな、人探しのお願いでひっそりとお邪魔致します。
お誕生日は誰にとっても、どんな日でも特別だな、と思います。
その『特別な日』を祝うカードは、きっと世界に1つしかないプレゼントに違いありません。
どうぞ、大切なプレゼントを届けるお手伝いをしてやっていただければ幸いです。
それではどうぞお気が向かれましたら、よろしくお願い致します(ぺこり
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/07/25 19:50
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/07/06 19:34:33 |
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相談の卓 ルシオ・セレステ(ka0673) エルフ|21才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/07/09 23:39:05 |