ゲスト
(ka0000)
君の宝物、僕のガラクタ
マスター:秋月雅哉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/10 15:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/19 15:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●君の守りたい物、僕が大事にしたい者
いつかその左手の薬指に似合う指輪を贈りたいと願っていた。
特別な指輪だから、本当に世界でたった一つの物にしたいと、二人にとっての何よりの特別になって欲しいと願っていた。
小さい頃からの幼馴染で婚約者で小さい頃は仲のいい友達として、思春期を迎えてからは生まれて初めて好きになった人として。
ずっと隣にいた彼女。
そんな彼女と結婚を親が公に認めてくれたことは何より嬉しいと思う。
金属の装飾品を作る細工師の家系に生まれ、小さい頃からいろんなものを作っては彼女に見せた。
それは彼女の好みを知るためであり、女性としての観点を、男では分からない装飾品に求める別の視点を聞くためだった。
そんな理由を抜きにしても彼女が新しい細工物を見て目を輝かせるところを見るのが好きだった。
幸せだった。幸せなはずだった。ある日突然別れを切り出され、縁談が破談になる、その前日まで、ずっと僕は幸せな夢を見ていた。
今はそんな気がする。
彼女は遠方へ嫁ぐという。二度と帰ってこれない程遠くへ嫁ぐという。
ならば、せめて。
小さい頃に今以上に未熟な僕が作った指輪を返して欲しいと彼女に乞うた。もう指のサイズが変わってしまってはめることもできない、上質な素材を使ってもいないガラクタのような物だけれど。
僕と彼女を繋ぐ縁をせめて物理的に断ち切ってしまいたかった。けれどそれに対する返事は『否』、そんなものはどこかへ捨ててしまった。
そう答えた時、一瞬彼女の目が伏せられた。彼女の嘘を吐くときの癖。指輪は必ず彼女の手元に、まだある。
許されるなら君のために作ったガラクタを返してほしい。
そして君の幸せを願えるように、遠方へ嫁ぐ君へと花嫁衣装に、何より君にどんなものより似合う装飾品を仕立てさせてほしい。
それがせめてもの意地だった。僕以上に彼女の好きなものを知ってる人なんていないんだと、未練がましくも戻ってきてほしいと願いを込めて持ち掛けた取引もむべなく断られた。
やがて面会を許されなくなり、彼女はもうじき遠くへ旅立つ。
その前にどうか僕にとってのガラクタを。そしてうぬぼれでないなら彼女にとっての宝物を、取り戻したいと願う。
みっともないと嗤われても、僕には彼女の幸せを祈る生き方しか、できないから。
離れていく最愛の人へ。どうかどうか君にたくさんの幸せが降り注ぎますように。
「……という、恋愛劇にでもなりそうな依頼を細工師の若者から斡旋を頼まれたのだけれどね。取り戻してほしいのは安物の金属と色付きガラスで作られた指輪。それを商家の令嬢を説得して取り戻すなり若者が納得する理由を引き出して諦めさせるなりすれば依頼は成立する。
甘い話が大嫌いじゃなくて人を説得するのが得意ならそれほど難しい依頼じゃない。
……ただ、ね。念のためその令嬢の家族に接触したところこの話には裏があるんだ」
ルカ・シュバルツエンド(kz0073)は珍しく沈痛な表情で目を伏せた。
「令嬢が嫁ぐって言うのは真っ赤な嘘。敢えて嘘じゃないというなら……嫁ぎ先は冥府、ということになるね。彼女には余命がほとんど残っていない。
彼女としては悪女を装って彼に新しい恋を早く見つけて自分を忘れて欲しいんだってさ。
ついでにいうと彼女の方からも彼を早く諦めさせる協力要請が来ていてね。
生憎ラブロマンスは専門外だから君たちに恋の結末を見届けてきてほしいのさ」
どんな形がハッピーエンドかは人それぞれだから、彼らなりの答えを見つける手伝いをしてきてほしい。
軽口の得意な斡旋人はそれきり口を閉ざした。
●君の守りたい物、僕が大事にしたい者
いつかその左手の薬指に似合う指輪を贈りたいと願っていた。
特別な指輪だから、本当に世界でたった一つの物にしたいと、二人にとっての何よりの特別になって欲しいと願っていた。
小さい頃からの幼馴染で婚約者で小さい頃は仲のいい友達として、思春期を迎えてからは生まれて初めて好きになった人として。
ずっと隣にいた彼女。
そんな彼女と結婚を親が公に認めてくれたことは何より嬉しいと思う。
金属の装飾品を作る細工師の家系に生まれ、小さい頃からいろんなものを作っては彼女に見せた。
それは彼女の好みを知るためであり、女性としての観点を、男では分からない装飾品に求める別の視点を聞くためだった。
そんな理由を抜きにしても彼女が新しい細工物を見て目を輝かせるところを見るのが好きだった。
幸せだった。幸せなはずだった。ある日突然別れを切り出され、縁談が破談になる、その前日まで、ずっと僕は幸せな夢を見ていた。
今はそんな気がする。
彼女は遠方へ嫁ぐという。二度と帰ってこれない程遠くへ嫁ぐという。
ならば、せめて。
小さい頃に今以上に未熟な僕が作った指輪を返して欲しいと彼女に乞うた。もう指のサイズが変わってしまってはめることもできない、上質な素材を使ってもいないガラクタのような物だけれど。
僕と彼女を繋ぐ縁をせめて物理的に断ち切ってしまいたかった。けれどそれに対する返事は『否』、そんなものはどこかへ捨ててしまった。
そう答えた時、一瞬彼女の目が伏せられた。彼女の嘘を吐くときの癖。指輪は必ず彼女の手元に、まだある。
許されるなら君のために作ったガラクタを返してほしい。
そして君の幸せを願えるように、遠方へ嫁ぐ君へと花嫁衣装に、何より君にどんなものより似合う装飾品を仕立てさせてほしい。
それがせめてもの意地だった。僕以上に彼女の好きなものを知ってる人なんていないんだと、未練がましくも戻ってきてほしいと願いを込めて持ち掛けた取引もむべなく断られた。
やがて面会を許されなくなり、彼女はもうじき遠くへ旅立つ。
その前にどうか僕にとってのガラクタを。そしてうぬぼれでないなら彼女にとっての宝物を、取り戻したいと願う。
みっともないと嗤われても、僕には彼女の幸せを祈る生き方しか、できないから。
離れていく最愛の人へ。どうかどうか君にたくさんの幸せが降り注ぎますように。
「……という、恋愛劇にでもなりそうな依頼を細工師の若者から斡旋を頼まれたのだけれどね。取り戻してほしいのは安物の金属と色付きガラスで作られた指輪。それを商家の令嬢を説得して取り戻すなり若者が納得する理由を引き出して諦めさせるなりすれば依頼は成立する。
甘い話が大嫌いじゃなくて人を説得するのが得意ならそれほど難しい依頼じゃない。
……ただ、ね。念のためその令嬢の家族に接触したところこの話には裏があるんだ」
ルカ・シュバルツエンド(kz0073)は珍しく沈痛な表情で目を伏せた。
「令嬢が嫁ぐって言うのは真っ赤な嘘。敢えて嘘じゃないというなら……嫁ぎ先は冥府、ということになるね。彼女には余命がほとんど残っていない。
彼女としては悪女を装って彼に新しい恋を早く見つけて自分を忘れて欲しいんだってさ。
ついでにいうと彼女の方からも彼を早く諦めさせる協力要請が来ていてね。
生憎ラブロマンスは専門外だから君たちに恋の結末を見届けてきてほしいのさ」
どんな形がハッピーエンドかは人それぞれだから、彼らなりの答えを見つける手伝いをしてきてほしい。
軽口の得意な斡旋人はそれきり口を閉ざした。
解説
若者:細工師の家系に生まれ、小さい頃から幼馴染の少女に恋をしていました。親同士の話し合いのもと晴れて婚約、持てる技術を尽くして結婚指輪を作りましたがその矢先に破談。せめて彼女との思い出を手元に置きたいと子供のころ贈った指輪を取り戻したいと考えています。
指輪が捨てられたという嘘は即座に見抜きましたが遠方へ嫁ぐという言葉はヴェールで顔が隠されていたため見抜けませんでした。
ただ純粋に幼馴染の幸せを願っています。
女性:余命がほとんど残っていないことが結婚間際に発覚し、全てを隠して遠方に嫁ぐという嘘をついて若者を遠ざけています。
嘘を吐くとき一瞬目を伏せる癖があります。
子供のころ贈られた「いつかもっと綺麗で君に似合う指輪を贈る」という誓いの指輪を宝物にしています。
若者には自分を忘れて幸せな結婚をしてほしいと思っています。
新しい指輪ではなく古い指輪を大事にするのは「自分には未来はないから、過去だけを持ってあの世へ行きたい」という意思です
この二人の恋になにがしかの答えを提示することが依頼の成功条件となります
指輪が捨てられたという嘘は即座に見抜きましたが遠方へ嫁ぐという言葉はヴェールで顔が隠されていたため見抜けませんでした。
ただ純粋に幼馴染の幸せを願っています。
女性:余命がほとんど残っていないことが結婚間際に発覚し、全てを隠して遠方に嫁ぐという嘘をついて若者を遠ざけています。
嘘を吐くとき一瞬目を伏せる癖があります。
子供のころ贈られた「いつかもっと綺麗で君に似合う指輪を贈る」という誓いの指輪を宝物にしています。
若者には自分を忘れて幸せな結婚をしてほしいと思っています。
新しい指輪ではなく古い指輪を大事にするのは「自分には未来はないから、過去だけを持ってあの世へ行きたい」という意思です
この二人の恋になにがしかの答えを提示することが依頼の成功条件となります
マスターより
ネタ依頼と日常物に最近気を抜くと傾くので、久し振りに心情系でもやってみようかな、と。
どちらも自分より相手の幸せを願っているのに願い方が相手の望みとずれてしまってこのままでは悲劇に終わるラブストーリー。
エンドロールにはまだ少し、余裕があるようです。
何が書き足されるのか、その結果どんな終わりを迎えるのか。
それは皆様次第です。
どちらも自分より相手の幸せを願っているのに願い方が相手の望みとずれてしまってこのままでは悲劇に終わるラブストーリー。
エンドロールにはまだ少し、余裕があるようです。
何が書き足されるのか、その結果どんな終わりを迎えるのか。
それは皆様次第です。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/11 14:44
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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誰も悲しまない悲劇の為に キー=フェイス(ka0791) 人間(リアルブルー)|25才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/05/10 09:10:52 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/07 19:25:45 |