ゲスト
(ka0000)
嗚呼! いとしのアマーリエ!~お散歩~
マスター:朝海りく

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/11 15:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/20 15:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●アマーリエ、散歩を嫌がる
初夏を思わせるような晴れた空と、庭を彩る青緑色の草木。それでも窓から差し込む陽の光は、まだ穏やかで優しく、春の名残を感じさせる。
春とも夏ともつかないこの季節が、アマーリエは一番好きだった。
しばらく窓から庭を眺めたあと、のしのし、のしのしと廊下を歩く。
廊下に並ぶ各部屋の扉は、動物であるアマーリエに不便がないよう、すべて少しだけ開けられていた。その向こうで動き回る使用人の姿を横目に、主人の部屋へと急ぐ。
上向いた鼻先で扉を押すと、机に向かう主人の姿があった。足元に近付く。
「おお、アマーリエ。どうした?」
散歩の時間だと、知らせようと思った。
けれど、優しく微笑む主人の目元は、昨日よりもクマがひどい。顎に生えた短い無精髭。いつもきれいにしているのに。心なしか、表情にも覇気がないように見えた。
主人は、ひどく疲れている。その顔を見つめながらアマーリエはそう思った。
「……ああそうか、散歩の時間だな。よし」
時計に目をやった主人は、手にしていた万年筆を置いて立ち上がろうとした。が、それを制止するように、アマーリエが大きく鳴く。
「アマーリエ?」
散歩が嫌だと言わんばかりに、体を揺らし、続けざまに声を上げた。
呆気に取られたように立ち尽くす主人に、フンっ、と大きく鼻を鳴らしたあと、アマーリエはまた、のしのしと部屋を出て行った。
●ルスタンの悩み
ここ数日、アマーリエの様子がおかしい。
散歩の時間になると、決まってどこかへ姿を隠したり、リードを手にした彼、ルスタンを見るなり逃げ出すようになった。
愛するアマーリエに嫌われてしまったのではないかと、めそめそと枕を涙で濡らす夜もあったが、どうやらそうではないらしい。それ以外は、いたって普通なのである。
「………………」
ルスタンは、机に肘をついたまま、考え込んでいた。
散歩を嫌がりはするが、窓の外を眺めながらうずうずと体を動かしているアマーリエの姿をよく見かける。散歩自体には行きたいのだろう。しかし、嫌がるのだ。
整理しなければならない書類の山、書かなければならない礼状の数々。多忙を極める彼だったが、それすらも手につかないほど、アマーリエの異変が気掛かりで、心配で、ならない。
「ああ……一体どうしてしまったというのだ、私の愛しいアマーリエ……」
溜息と共に、今にも泣きだしそうな情けない声がこぼれる。
コンコンと扉を叩く音がして、使用人の一人、ヘレンが顔を出した。
「ルスタン様、お手紙が届いております」
「ああ、ありがとう」
顔を上げたルスタンに数通の手紙を渡したヘレンは、そこに留まったまま主の顔を見つめた。
「……大丈夫ですか? 最近お疲れのようですけど」
「忙しいのは、それだけ儲けが出ている証拠だよ」
「まあ、そうかもしれませんけど……一日くらいお休みになられた方がいいのでは? みんな、心配しておりますわ」
その言葉に、ルスタンが瞬いた。それからようやく合点がいったとばかりに、その口元に笑みを乗せる。
「――――ああ、そうか。そういうことか、アマーリエ」
なんのことはない。
心優しいアマーリエは、多忙な自分を気遣い、遠慮し、散歩に行きたくないふりをしていたのだ。
「フフ……フフフ……、……ふむ」
突然笑いだしたかと思いきや今度は真面目な顔つきで何やら思案し始める主の姿は、異様である。
ヘレンは顔に張り付けた笑みを引きつらせながら、恐る恐る声を掛けた。
「ルスタン様……?」
「……ヘレン。すまないが、ひとつ頼まれごとをしてくれないか」
そう言って顔を上げたルスタンは、晴れやかな笑顔を見せていた。
●散歩をお願い!
「ったく、なんで私が……まぁアレの散歩にかり出されるよりマシかしら」
ブツブツと文句を垂れ流すヘレンは、自分の住む町から半日以上も掛け、ハンターオフィスのある街へとやってきていた。
支部の扉を開いて、受付へと進む。
「ハンターオフィスへようこそ!」
営業スマイルを浮かべる受付の女性に、ヘレンもまた、得意の優等生スマイルを張り付ける。
「すみません、依頼を出したいのですが」
「はい、どういったご依頼でしょう?」
ヘレンはにっこりと笑顔を浮かべたまま、事の経緯を説明していく。
「ペットの散歩……ですか」
「ええ、お忙しいハンターの方々に、こんなことをお願いするのは非常に心苦しいのですが……」
渋りを見せる受付嬢に、ヘレンは眉を下げた。申し訳なさそうなふりをする。
「以前、ハンターの皆様にお世話になったことがあり、ルスタンは大変な信頼を寄せております。……彼にとって、アマーリエは命同様大切な存在。お願いするなら是非とも皆様に、とのことで」
受付嬢はしばらく押し黙ったが、それからようやく頷いた。
「……わかりました、そういうことでしたら。では、依頼として手続きしておきますね」
彼女の言葉にヘレンがにんまりと笑う。
「言い忘れてましたけど、アマーリエはペットとは言え『ぶた』ですの。一応伝えてはおきますけど敬遠される方も多いと思うので、どこか端っこの方に小さく書いておいていただけます? あとコレ、町の地図です。じゃあよろしくお願いしますね」
先程までの殊勝な態度はどこへやら、受付嬢に口を挟む隙を与えることなくぱっぱと説明を終えたヘレンは、颯爽と支部から出て行った。
●アマーリエ、散歩を嫌がる
初夏を思わせるような晴れた空と、庭を彩る青緑色の草木。それでも窓から差し込む陽の光は、まだ穏やかで優しく、春の名残を感じさせる。
春とも夏ともつかないこの季節が、アマーリエは一番好きだった。
しばらく窓から庭を眺めたあと、のしのし、のしのしと廊下を歩く。
廊下に並ぶ各部屋の扉は、動物であるアマーリエに不便がないよう、すべて少しだけ開けられていた。その向こうで動き回る使用人の姿を横目に、主人の部屋へと急ぐ。
上向いた鼻先で扉を押すと、机に向かう主人の姿があった。足元に近付く。
「おお、アマーリエ。どうした?」
散歩の時間だと、知らせようと思った。
けれど、優しく微笑む主人の目元は、昨日よりもクマがひどい。顎に生えた短い無精髭。いつもきれいにしているのに。心なしか、表情にも覇気がないように見えた。
主人は、ひどく疲れている。その顔を見つめながらアマーリエはそう思った。
「……ああそうか、散歩の時間だな。よし」
時計に目をやった主人は、手にしていた万年筆を置いて立ち上がろうとした。が、それを制止するように、アマーリエが大きく鳴く。
「アマーリエ?」
散歩が嫌だと言わんばかりに、体を揺らし、続けざまに声を上げた。
呆気に取られたように立ち尽くす主人に、フンっ、と大きく鼻を鳴らしたあと、アマーリエはまた、のしのしと部屋を出て行った。
●ルスタンの悩み
ここ数日、アマーリエの様子がおかしい。
散歩の時間になると、決まってどこかへ姿を隠したり、リードを手にした彼、ルスタンを見るなり逃げ出すようになった。
愛するアマーリエに嫌われてしまったのではないかと、めそめそと枕を涙で濡らす夜もあったが、どうやらそうではないらしい。それ以外は、いたって普通なのである。
「………………」
ルスタンは、机に肘をついたまま、考え込んでいた。
散歩を嫌がりはするが、窓の外を眺めながらうずうずと体を動かしているアマーリエの姿をよく見かける。散歩自体には行きたいのだろう。しかし、嫌がるのだ。
整理しなければならない書類の山、書かなければならない礼状の数々。多忙を極める彼だったが、それすらも手につかないほど、アマーリエの異変が気掛かりで、心配で、ならない。
「ああ……一体どうしてしまったというのだ、私の愛しいアマーリエ……」
溜息と共に、今にも泣きだしそうな情けない声がこぼれる。
コンコンと扉を叩く音がして、使用人の一人、ヘレンが顔を出した。
「ルスタン様、お手紙が届いております」
「ああ、ありがとう」
顔を上げたルスタンに数通の手紙を渡したヘレンは、そこに留まったまま主の顔を見つめた。
「……大丈夫ですか? 最近お疲れのようですけど」
「忙しいのは、それだけ儲けが出ている証拠だよ」
「まあ、そうかもしれませんけど……一日くらいお休みになられた方がいいのでは? みんな、心配しておりますわ」
その言葉に、ルスタンが瞬いた。それからようやく合点がいったとばかりに、その口元に笑みを乗せる。
「――――ああ、そうか。そういうことか、アマーリエ」
なんのことはない。
心優しいアマーリエは、多忙な自分を気遣い、遠慮し、散歩に行きたくないふりをしていたのだ。
「フフ……フフフ……、……ふむ」
突然笑いだしたかと思いきや今度は真面目な顔つきで何やら思案し始める主の姿は、異様である。
ヘレンは顔に張り付けた笑みを引きつらせながら、恐る恐る声を掛けた。
「ルスタン様……?」
「……ヘレン。すまないが、ひとつ頼まれごとをしてくれないか」
そう言って顔を上げたルスタンは、晴れやかな笑顔を見せていた。
●散歩をお願い!
「ったく、なんで私が……まぁアレの散歩にかり出されるよりマシかしら」
ブツブツと文句を垂れ流すヘレンは、自分の住む町から半日以上も掛け、ハンターオフィスのある街へとやってきていた。
支部の扉を開いて、受付へと進む。
「ハンターオフィスへようこそ!」
営業スマイルを浮かべる受付の女性に、ヘレンもまた、得意の優等生スマイルを張り付ける。
「すみません、依頼を出したいのですが」
「はい、どういったご依頼でしょう?」
ヘレンはにっこりと笑顔を浮かべたまま、事の経緯を説明していく。
「ペットの散歩……ですか」
「ええ、お忙しいハンターの方々に、こんなことをお願いするのは非常に心苦しいのですが……」
渋りを見せる受付嬢に、ヘレンは眉を下げた。申し訳なさそうなふりをする。
「以前、ハンターの皆様にお世話になったことがあり、ルスタンは大変な信頼を寄せております。……彼にとって、アマーリエは命同様大切な存在。お願いするなら是非とも皆様に、とのことで」
受付嬢はしばらく押し黙ったが、それからようやく頷いた。
「……わかりました、そういうことでしたら。では、依頼として手続きしておきますね」
彼女の言葉にヘレンがにんまりと笑う。
「言い忘れてましたけど、アマーリエはペットとは言え『ぶた』ですの。一応伝えてはおきますけど敬遠される方も多いと思うので、どこか端っこの方に小さく書いておいていただけます? あとコレ、町の地図です。じゃあよろしくお願いしますね」
先程までの殊勝な態度はどこへやら、受付嬢に口を挟む隙を与えることなくぱっぱと説明を終えたヘレンは、颯爽と支部から出て行った。
解説
●アマーリエについて
体長1m体重200kg前後のぶた。家畜豚並の大きさです。
耳の後ろに白い花飾りを付けており、散歩の際にはおそろいのリードを使用。首輪ではなく胴体に繋ぐタイプのもの。
恐怖を感じることがあれば逃げ出そうと走り回ります。
足は遅くとも重量感たっぷり。大人2人でやっと引っ張れるくらいです。
●散歩について
大まかな散歩経路は決まっており、地図に記されてますが「好きなように歩かせてやってくれ」というのがルスタンの意向。
途中、アマーリエトラップが2つあります。
トラップ内容はPL情報となりますのでご注意ください。
・宿屋のおばちゃん
宿屋前を掃除中のおばちゃん。必ず遭遇します。
町の資産家ルスタンにはへつらいますが、豚であるアマーリエを良く思っていません。
彼女に捕まると愚痴が始まり、数分後、アマーリエが番犬(小型犬)にいじめられます。吠えられる、追いかけ回される程度です。
・洋菓子店『フロマージュ』
店前まで甘い匂いの漂う洋菓子店。
アマーリエは一度で良いからここのケーキを食べてみたい様子。
皆さんをつぶらな瞳で見上げてきます。店前から頑として動きません。
与えても害はありませんが、「もっとくれ」になります。
そしてその後、与えた分だけアマーリエがちょっとワガママになります。
トラップを乗り越えたあとは、町の中心にある大きな公園で遊ばせてあげてくださいませ。
・公園
八方から伸びる石畳の細い道と芝生の敷き詰められた公園。
中央には噴水が設置されており、それを取り巻くようにベンチが並ぶ。緑豊か。町人たちの憩いの場。
●町について
石畳の小さな町。商店が多く活気があります。
●備考
・依頼主はルスタン・エードリヒ。町では名の知れた資産家であり、一見ダンディなおじさまです。
・事前に使用人ヘレンから「町の人間にはアマーリエを良く思ってない者がいる、アマーリエが食いしん坊である」ということを伝えられます。
体長1m体重200kg前後のぶた。家畜豚並の大きさです。
耳の後ろに白い花飾りを付けており、散歩の際にはおそろいのリードを使用。首輪ではなく胴体に繋ぐタイプのもの。
恐怖を感じることがあれば逃げ出そうと走り回ります。
足は遅くとも重量感たっぷり。大人2人でやっと引っ張れるくらいです。
●散歩について
大まかな散歩経路は決まっており、地図に記されてますが「好きなように歩かせてやってくれ」というのがルスタンの意向。
途中、アマーリエトラップが2つあります。
トラップ内容はPL情報となりますのでご注意ください。
・宿屋のおばちゃん
宿屋前を掃除中のおばちゃん。必ず遭遇します。
町の資産家ルスタンにはへつらいますが、豚であるアマーリエを良く思っていません。
彼女に捕まると愚痴が始まり、数分後、アマーリエが番犬(小型犬)にいじめられます。吠えられる、追いかけ回される程度です。
・洋菓子店『フロマージュ』
店前まで甘い匂いの漂う洋菓子店。
アマーリエは一度で良いからここのケーキを食べてみたい様子。
皆さんをつぶらな瞳で見上げてきます。店前から頑として動きません。
与えても害はありませんが、「もっとくれ」になります。
そしてその後、与えた分だけアマーリエがちょっとワガママになります。
トラップを乗り越えたあとは、町の中心にある大きな公園で遊ばせてあげてくださいませ。
・公園
八方から伸びる石畳の細い道と芝生の敷き詰められた公園。
中央には噴水が設置されており、それを取り巻くようにベンチが並ぶ。緑豊か。町人たちの憩いの場。
●町について
石畳の小さな町。商店が多く活気があります。
●備考
・依頼主はルスタン・エードリヒ。町では名の知れた資産家であり、一見ダンディなおじさまです。
・事前に使用人ヘレンから「町の人間にはアマーリエを良く思ってない者がいる、アマーリエが食いしん坊である」ということを伝えられます。
マスターより
こんにちは、朝海りくです。
ルスタンが愛してやまないぶたの『アマーリエ嬢』、今回は、彼女のお散歩をお願いいたします。
掲載されている依頼書には端の方に小さく『※ぶたです』と記されています。
それを承知の上で参加、もしくは気付かず普通のペットとして参加、どちらでも構いません。
またアマーリエへの態度によって成功判定が変わることはありませんので、PC様らしい対応をしつつ楽しんでいただければと思います。
アマーリエに関する出費は、ルスタンが負担してくれますのでご安心を。
アマーリエは、以前のシナリオ『嗚呼! いとしのアマーリエ!』に登場しておりますが、読まずとも支障はありません。お気軽にご参加くださいませ。
ルスタンが愛してやまないぶたの『アマーリエ嬢』、今回は、彼女のお散歩をお願いいたします。
掲載されている依頼書には端の方に小さく『※ぶたです』と記されています。
それを承知の上で参加、もしくは気付かず普通のペットとして参加、どちらでも構いません。
またアマーリエへの態度によって成功判定が変わることはありませんので、PC様らしい対応をしつつ楽しんでいただければと思います。
アマーリエに関する出費は、ルスタンが負担してくれますのでご安心を。
アマーリエは、以前のシナリオ『嗚呼! いとしのアマーリエ!』に登場しておりますが、読まずとも支障はありません。お気軽にご参加くださいませ。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/19 08:26
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/10 13:04:34 |
|
![]() |
…相談だな 希崎 十夜(ka3752) 人間(リアルブルー)|19才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/05/10 13:23:02 |