ゲスト
(ka0000)
二律背反
マスター:赤山優牙

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/13 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/22 09:00
オープニング
二律背反――
同等の重要さで従うべき規範が二つあり、一つの規範を選べば、他方が反する場合をいう。
●少年が見た歪虚
一人の男が、木々が開けた場所でジッと精神を集中させていた。
人間――ではない。歪虚だ。頭には幾何学模様が美しい角が二本生えていた。
ハンターとの戦いにより左角の先端が折れているのが特徴的だ。
「……破っ!!!」
カッと目を見開く。
刹那、歪虚の足元に黒く光る三角形と白く光る三角形が現れる。
二つの三角形は輝きを増しながら同一場所で回転すると、やがて、明闇の六芒星となり、その光闇が歪虚を包み込む。
歪虚の背中に純白な翼が現れ、両腕を白銀の竜鱗が包み込んだ。
黒かった瞳は、銀色の光を放つ。
「……素晴らしい……これが、私の力……」
両手をグッと握りしめる歪虚。
そこに、人間の悲鳴。
振り返ると、3人の男と1人の少年。
「わ、わ、歪虚だぁぁぁ!」
「目立たない様に、深い山中で殺せって言ったのは、お前じゃねぇか!」
「てめぇだって、賛成したじゃねぇか!」
男達がお互いに非難し始めた。
少年は、両手を縄で繋がれていた。恐怖のあまりか、腰を抜かしているようだ。
「ほう……ちょうど良い。試してみるか……」
右手に漆黒の剣。左手に白く輝く剣を持っていた。
「ひぃ!」
男達が武器を構えた瞬間。
踏み出した歪虚は既に男達の背後に立っていた。
血飛沫をあげてバラバラに崩れていく人間だったモノ。
「想像以上だ……」
満足そうな微笑みの歪虚。
「うわぁぁぁ! 歪虚めぇぇぇ!」
両手塞がれながらも少年がぶつかってきた。
何事も無かったかのように、歪虚は剣を少年の頭に振り下ろ――さずに、寸止めする。
「歪虚と言えども、私とて、人間を知らぬわけではない」
剣先で少年の両手を戒めていた縄を断ち切る。
「事情を話してみろ。なぜ、貴様は同族にこの様な仕打ちをされていたのか」
少年は驚いていた。
歪虚が人間に情けをかけるをかけるなど、聞いた事がなかった。
少年はフレッサ領を治める貴族の一人息子だった。
歪虚の侵略の前に、街に立て籠っていた。だが、父はいずこかに逃亡してしまった。残された家族と共に屋敷にいた所を空から侵入してきた歪虚によって、家族や兵士達は全員殺された。
母が命がけで屋敷から逃がし、少年は街の中を流れる下水道を通って街から脱出したのであった。
途方に暮れながら街道を歩いていた所、ある貴族の私兵に保護されたと思ったら、縄をかけられ、山中に連れて来られた。
「僕が生きていると邪魔だって……」
少年は俯きながら最後に貴族の私兵の会話を呟いた。
貴族の跡取りがいなくなった場合、その領地の行方は、円卓会議などによって、決められる。
跡取りである少年が『生き残っている事』が不都合な貴族も中にはいるという事なのだろうか。
「父さんは、絶対に生きてる! 父さんがいれば!」
その必死な眼差しに歪虚は心の中で、不気味な笑いを浮かべた。
例え、父親が見つかったとしても、歪虚と戦わず一人で逃げた責任は負わなければならない。
最悪、領地を失うだろうし、王国や他貴族から領地経営に口出しがあるかもしれない。
そんな事もわからず、少年はただ一つの希望にすがる様に、父がいればと叫んでいるのだ。
「貴様の父親を探してやろう」
「ほ、本当!?」
「あぁ、そうだとも。さぁ、少年、教えるのだ。父親の事を……」
歪虚の目が怪しく光る。
しかし、少年はその事に気づきもせず、ただ、知っている事を全て歪虚に教えるのであった。
●陰謀の始まり
そこは、貴族の家族しかしらない避暑地であった。
小さいテントからを背後に、フレッサ領の貴族は目の前に現れた歪虚を前に、土下座している。
「お助けを! お助けを!」
「なんだ、貴様。私が来るなり、突然、命乞いか?」
呆れる歪虚。
「……まぁ、悪い気はしないがな。貴様、このフレッサ領の貴族だな」
「は、はぃ~。命だけはぁ~」
涙と鼻水が一緒になったぐちゃぐちゃの顔を上げて、貴族は命乞いを続ける。
「そうか、なら、一つだけ、貴様が助かる方法があるぞ」
「な、な、なんでしょうか! なんでもします!」
「貴様がフレッサ領主として凱旋する事だ」
その言葉は意外過ぎた。
何の事か分からず、ポカンとする貴族の目の前に、厳つい顔を持つ羊歪虚の生首を転がる。生首は崩れかけていた。
「ひぃ! こ、これは!」
「貴様も見ただろう。このフレッサ領を襲った歪虚の親玉。これは、その生首だ。数日もすれば、粉々に消え去るだけだがな」
「ど、ど、どうしろと?」
生首の不気味さに驚き、腰を抜かす貴族。
「一人で敵前逃亡した貴様は、円卓会議とやらで糾弾されるであろう。領地も没収かもしれん。だが、貴様が、この首を持って凱旋すれば……」
罪が帳消し位にはなるかもしれない程の戦果だ。
領地の没収はないだろうし、上手くいけば、褒美が出る……かもしれない。
貴族はテントの中から毛布を持ってくると、乱雑に生首を包む。
「へへへ、これで、俺は助かる……ほ、本当にいいのか? なにか、だ、代償はないのか?」
「これは、契約だ。約束しよう。私は貴様の命を奪ったりはしない。ただ、私の命令を聞けばいい」
物音が聞こえたのは、その時だった。
貴族が振り返ると、そこには……。
同等の重要さで従うべき規範が二つあり、一つの規範を選べば、他方が反する場合をいう。
●少年が見た歪虚
一人の男が、木々が開けた場所でジッと精神を集中させていた。
人間――ではない。歪虚だ。頭には幾何学模様が美しい角が二本生えていた。
ハンターとの戦いにより左角の先端が折れているのが特徴的だ。
「……破っ!!!」
カッと目を見開く。
刹那、歪虚の足元に黒く光る三角形と白く光る三角形が現れる。
二つの三角形は輝きを増しながら同一場所で回転すると、やがて、明闇の六芒星となり、その光闇が歪虚を包み込む。
歪虚の背中に純白な翼が現れ、両腕を白銀の竜鱗が包み込んだ。
黒かった瞳は、銀色の光を放つ。
「……素晴らしい……これが、私の力……」
両手をグッと握りしめる歪虚。
そこに、人間の悲鳴。
振り返ると、3人の男と1人の少年。
「わ、わ、歪虚だぁぁぁ!」
「目立たない様に、深い山中で殺せって言ったのは、お前じゃねぇか!」
「てめぇだって、賛成したじゃねぇか!」
男達がお互いに非難し始めた。
少年は、両手を縄で繋がれていた。恐怖のあまりか、腰を抜かしているようだ。
「ほう……ちょうど良い。試してみるか……」
右手に漆黒の剣。左手に白く輝く剣を持っていた。
「ひぃ!」
男達が武器を構えた瞬間。
踏み出した歪虚は既に男達の背後に立っていた。
血飛沫をあげてバラバラに崩れていく人間だったモノ。
「想像以上だ……」
満足そうな微笑みの歪虚。
「うわぁぁぁ! 歪虚めぇぇぇ!」
両手塞がれながらも少年がぶつかってきた。
何事も無かったかのように、歪虚は剣を少年の頭に振り下ろ――さずに、寸止めする。
「歪虚と言えども、私とて、人間を知らぬわけではない」
剣先で少年の両手を戒めていた縄を断ち切る。
「事情を話してみろ。なぜ、貴様は同族にこの様な仕打ちをされていたのか」
少年は驚いていた。
歪虚が人間に情けをかけるをかけるなど、聞いた事がなかった。
少年はフレッサ領を治める貴族の一人息子だった。
歪虚の侵略の前に、街に立て籠っていた。だが、父はいずこかに逃亡してしまった。残された家族と共に屋敷にいた所を空から侵入してきた歪虚によって、家族や兵士達は全員殺された。
母が命がけで屋敷から逃がし、少年は街の中を流れる下水道を通って街から脱出したのであった。
途方に暮れながら街道を歩いていた所、ある貴族の私兵に保護されたと思ったら、縄をかけられ、山中に連れて来られた。
「僕が生きていると邪魔だって……」
少年は俯きながら最後に貴族の私兵の会話を呟いた。
貴族の跡取りがいなくなった場合、その領地の行方は、円卓会議などによって、決められる。
跡取りである少年が『生き残っている事』が不都合な貴族も中にはいるという事なのだろうか。
「父さんは、絶対に生きてる! 父さんがいれば!」
その必死な眼差しに歪虚は心の中で、不気味な笑いを浮かべた。
例え、父親が見つかったとしても、歪虚と戦わず一人で逃げた責任は負わなければならない。
最悪、領地を失うだろうし、王国や他貴族から領地経営に口出しがあるかもしれない。
そんな事もわからず、少年はただ一つの希望にすがる様に、父がいればと叫んでいるのだ。
「貴様の父親を探してやろう」
「ほ、本当!?」
「あぁ、そうだとも。さぁ、少年、教えるのだ。父親の事を……」
歪虚の目が怪しく光る。
しかし、少年はその事に気づきもせず、ただ、知っている事を全て歪虚に教えるのであった。
●陰謀の始まり
そこは、貴族の家族しかしらない避暑地であった。
小さいテントからを背後に、フレッサ領の貴族は目の前に現れた歪虚を前に、土下座している。
「お助けを! お助けを!」
「なんだ、貴様。私が来るなり、突然、命乞いか?」
呆れる歪虚。
「……まぁ、悪い気はしないがな。貴様、このフレッサ領の貴族だな」
「は、はぃ~。命だけはぁ~」
涙と鼻水が一緒になったぐちゃぐちゃの顔を上げて、貴族は命乞いを続ける。
「そうか、なら、一つだけ、貴様が助かる方法があるぞ」
「な、な、なんでしょうか! なんでもします!」
「貴様がフレッサ領主として凱旋する事だ」
その言葉は意外過ぎた。
何の事か分からず、ポカンとする貴族の目の前に、厳つい顔を持つ羊歪虚の生首を転がる。生首は崩れかけていた。
「ひぃ! こ、これは!」
「貴様も見ただろう。このフレッサ領を襲った歪虚の親玉。これは、その生首だ。数日もすれば、粉々に消え去るだけだがな」
「ど、ど、どうしろと?」
生首の不気味さに驚き、腰を抜かす貴族。
「一人で敵前逃亡した貴様は、円卓会議とやらで糾弾されるであろう。領地も没収かもしれん。だが、貴様が、この首を持って凱旋すれば……」
罪が帳消し位にはなるかもしれない程の戦果だ。
領地の没収はないだろうし、上手くいけば、褒美が出る……かもしれない。
貴族はテントの中から毛布を持ってくると、乱雑に生首を包む。
「へへへ、これで、俺は助かる……ほ、本当にいいのか? なにか、だ、代償はないのか?」
「これは、契約だ。約束しよう。私は貴様の命を奪ったりはしない。ただ、私の命令を聞けばいい」
物音が聞こえたのは、その時だった。
貴族が振り返ると、そこには……。
解説
●目的
フレッサ領の貴族の発見。
●内容
山あり谷ありの山中を探索し、領主貴族を見つける(生死問わず)。
●探索
便宜上、ポイント制とします。
判定には、ステータスの『器用』と『直感』を基にします。
有効と判断したプレイングやスキル等は判定の加算とします。
各PCが順番で判定に成功する毎に、1ポイント得られます。
PT全体で探索ポイントが48点に達した時点で、少年を保護し、少年の案内で、領主貴族の居場所へ行く事ができます。
●???
謎の集団(6人)。探索中にPC達と遭遇する事はありません。先にPC達が領主貴族を発見した場合、山中から撤退します。
PC達の判定回数が58回に達する時点で、探索ポイントが48点に達さない場合、彼らが先に領主貴族を見つける事になります。
その場合、48点に達するまでの判定回数分、ラウンドが経過します。
1R:歪虚と謎の集団が、戦闘を開始。
2R~4R:戦闘。
5R:領主貴族が謎の集団に殺される。歪虚逃亡。
6R:謎の集団と鉢合わせ。
7R以降:領主貴族の死体のみが残る。
●歪虚
ネル・ベルです。人物の詳細は下記NPC欄を確認して下さい。
PC達と戦う気はなく、領主貴族が『凱旋』できるのであれば、PC達と一言二言会話して逃げ去ります。
戦闘を望む場合は、かなりの覚悟が必要です。戦闘の巻き添えになって、領主貴族や少年が危険となります。
●領主貴族
歪虚生首を毛布に包んで持っています。
生首の事を訊かれても、自分が倒したと言い張ります。
●少年
領主貴族の一人息子です。逃げた父に失望していますが、父の事が嫌いというわけではありません。
少年の心の行く末も依頼の達成度に影響します。
●その他
『少年が見た歪虚』に関しては、少年を保護した時点で、少年から教えてくれます。
『陰謀の始まり』に関しては、PL情報となります。領主貴族が話す事はありません。
PC達は、王国からハンターオフィスを通じての探索任務となります。
フレッサ領の貴族の発見。
●内容
山あり谷ありの山中を探索し、領主貴族を見つける(生死問わず)。
●探索
便宜上、ポイント制とします。
判定には、ステータスの『器用』と『直感』を基にします。
有効と判断したプレイングやスキル等は判定の加算とします。
各PCが順番で判定に成功する毎に、1ポイント得られます。
PT全体で探索ポイントが48点に達した時点で、少年を保護し、少年の案内で、領主貴族の居場所へ行く事ができます。
●???
謎の集団(6人)。探索中にPC達と遭遇する事はありません。先にPC達が領主貴族を発見した場合、山中から撤退します。
PC達の判定回数が58回に達する時点で、探索ポイントが48点に達さない場合、彼らが先に領主貴族を見つける事になります。
その場合、48点に達するまでの判定回数分、ラウンドが経過します。
1R:歪虚と謎の集団が、戦闘を開始。
2R~4R:戦闘。
5R:領主貴族が謎の集団に殺される。歪虚逃亡。
6R:謎の集団と鉢合わせ。
7R以降:領主貴族の死体のみが残る。
●歪虚
ネル・ベルです。人物の詳細は下記NPC欄を確認して下さい。
PC達と戦う気はなく、領主貴族が『凱旋』できるのであれば、PC達と一言二言会話して逃げ去ります。
戦闘を望む場合は、かなりの覚悟が必要です。戦闘の巻き添えになって、領主貴族や少年が危険となります。
●領主貴族
歪虚生首を毛布に包んで持っています。
生首の事を訊かれても、自分が倒したと言い張ります。
●少年
領主貴族の一人息子です。逃げた父に失望していますが、父の事が嫌いというわけではありません。
少年の心の行く末も依頼の達成度に影響します。
●その他
『少年が見た歪虚』に関しては、少年を保護した時点で、少年から教えてくれます。
『陰謀の始まり』に関しては、PL情報となります。領主貴族が話す事はありません。
PC達は、王国からハンターオフィスを通じての探索任務となります。
マスターより
●ご挨拶
皆さま、ご元気ですか? 赤山です。フレッサ編最終となります。最後は……イケメン歪虚に飾って貰おうと思います。
●攻略のヒント
領主貴族を『凱旋』させると、後々、大きな障害になるのは明白です。
キャラクターとしての思いとプレイヤーとしての願い。時として相反する場合もあるかと思います。
それでも、皆さまであれば、より良い選択をされると信じています。
皆さま、ご元気ですか? 赤山です。フレッサ編最終となります。最後は……イケメン歪虚に飾って貰おうと思います。
●攻略のヒント
領主貴族を『凱旋』させると、後々、大きな障害になるのは明白です。
キャラクターとしての思いとプレイヤーとしての願い。時として相反する場合もあるかと思います。
それでも、皆さまであれば、より良い選択をされると信じています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/17 20:18
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/08 23:25:40 |
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![]() |
相談卓~二律背反の先~ Uisca=S=Amhran(ka0754) エルフ|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/05/13 07:28:19 |