ゲスト
(ka0000)
遺品整理
マスター:江口梨奈

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 6~8人
- サポート
- 現在0人 / 0~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/07/10 07:30
- リプレイ完成予定
- 2014/07/18 07:30
オープニング
「ズーシィ・トリナ氏のお宅は、こちらでしょうか?」
ある日、身形のよい男がナツの元を訪れてそう尋ねたが、ナツにはそれが誰か分からなかった。
「60年ほど前から、○×窯で陶器に絵付けをしていた職人さんだと思うのですが」
「ろくじゅうッ……って、あたし、まだ17歳なんで……。ちょっと待って下さい、ばあちゃんを呼んできます」
無茶なことを尋ねる来客だ、と苦笑しながらナツは、慌てて祖母を呼びに戻った。今年で70歳になる祖母のタラミはまだまだ頭も体もぴんしゃんしていて、来客の問いにあっさり答えた。
「わしの父親ですじゃ。けど、もう20年も前に亡くなっております」
「あなたが、娘さん?」
「はい」
「他に、ご兄弟は?」
「わし一人ですじゃ」
身形のよい男は姿勢を正し、改めて礼をして、自分は仲介屋のバルバだと名乗った。
「仲介屋?」
「はい。おおざっぱに言いますと、私共のお客様が買いたい物があるとしたら、それを売ってくれる人を捜して交渉する仕事ですね」
「はあ。それで、わしの父親に、何のご用でしょうぞ?」
「お父様がご存命の頃に発表した、裸婦像を売って頂きたいのです」
ズーシィはいわゆる、売れない画家だった。生活のために絵付けの仕事をしていたが、合間に油絵を描いては画壇に発表していた。しかし、これといった評価もされず絵に価値も付かず、陶器屋の雇われ職人として人生を終えたのだという。
「歌劇女優の△△、ご存知ですか?」
バルバは、どこかの公演で好評を得てなんとか言う賞を取ったという、ここ最近に急激に人気の出た女優の名前をあげた。祖母は頸をかしげたが、ナツは十分知っていた。ファンだと言ってもいい。
「彼女がまだ無名だった時、絵のモデルをしていたそうで。もうお分かりでしょう? お父様の発表された裸婦像が△△で、世の好事家たちがその絵を捜しているのですよ。未発表のものや、下書きなどがあればそれらもまとめて」
画家ではなく、モデルに価値があるということか。なんとも皮肉な話である。
「はあ、そりゃ構いませんが。けンど、絵の一切はここにはありませんで」
今、住んでいるこの家は祖母の嫁ぎ先であり、ズーシィが晩年に足腰が立たなくなって、その世話をするために一人娘の祖母が呼び寄せたのである。絵の類は、トリナの実家に置きっぱなしになっている。
「ご実家は、どちらなんですか?」
「ちょっと遠くての。ほれ、ここから北へ向かったどん詰まりにある村じゃ」
場所を聞いて、バルバは眉をひそめた。その意味が分かるタラミも頷いた。
「あそこですか……」
「あそこなんじゃ」
鬱蒼とした山の中にある、寂れた村である。いや、もう誰も住んでいないかもしれない。ズーシィが生きていた頃にヴォイド騒ぎが起き、それもタラミが父を安全な街へ呼び寄せた理由のひとつだった。今も時々、ヴォイドが出たとの噂を聞くし、そうでなければ野盗が住み着いてるとも聞く。そもそもどん詰まりの村なので、よほどの用事がない限り、誰も近寄らない場所なのだ。
「いかがでしょう、絵の管理を、私に任せてもらえませんか? タラミさんのお許しが頂けるなら、私が北の村へ行って絵を取って参ります」
「けどなあ、今日会ったばっかりの人に、はいどうぞって任せるんもなあ……」
「ごもっともです。ですが、こういったものは、売り時があるのですよ。ここだけの話、女優の人気なぞ今だけのものです。旬を過ぎればあとは値が下がる一方なんです」
なかなか世知辛い話だ。
「それに、急激に注目を浴びた人には、あまり好ましからざる後援者が現れたりするのですよ、ルールもマナーも知らないような連中が、ね。裸婦像の話は、私が簡単にこの家を探せた程度に、知れ渡ってる話でして。もしかしたらズーシィさんの生家も、もう知られてるかもしれません。私としましては、正当な方法で譲り受けたものが本当のファンの方の手に渡って欲しいのですよ」
ともすれば脅しととれるようなことをバルバは言ったが、ナツはそう受け取らなかった。彼はどうも本心から、自分の顧客のために真っ当な商売をしたいと思ってるようだった。
「じゃあ、ばあちゃん。あたしが、ひいじいちゃんの家に行って、持って帰ってくるってのはどう? △△の絵だけでいいんでしょう、顔ぐらい知ってるわ」
「アホか、おまえ。あんな危ないところに、おまえ一人で行かせられるか」
「でしたら、私が用心棒を雇いますよ!」
目を輝かせて、バルバは言った。交渉の第一段階は成功したのである。
ある日、身形のよい男がナツの元を訪れてそう尋ねたが、ナツにはそれが誰か分からなかった。
「60年ほど前から、○×窯で陶器に絵付けをしていた職人さんだと思うのですが」
「ろくじゅうッ……って、あたし、まだ17歳なんで……。ちょっと待って下さい、ばあちゃんを呼んできます」
無茶なことを尋ねる来客だ、と苦笑しながらナツは、慌てて祖母を呼びに戻った。今年で70歳になる祖母のタラミはまだまだ頭も体もぴんしゃんしていて、来客の問いにあっさり答えた。
「わしの父親ですじゃ。けど、もう20年も前に亡くなっております」
「あなたが、娘さん?」
「はい」
「他に、ご兄弟は?」
「わし一人ですじゃ」
身形のよい男は姿勢を正し、改めて礼をして、自分は仲介屋のバルバだと名乗った。
「仲介屋?」
「はい。おおざっぱに言いますと、私共のお客様が買いたい物があるとしたら、それを売ってくれる人を捜して交渉する仕事ですね」
「はあ。それで、わしの父親に、何のご用でしょうぞ?」
「お父様がご存命の頃に発表した、裸婦像を売って頂きたいのです」
ズーシィはいわゆる、売れない画家だった。生活のために絵付けの仕事をしていたが、合間に油絵を描いては画壇に発表していた。しかし、これといった評価もされず絵に価値も付かず、陶器屋の雇われ職人として人生を終えたのだという。
「歌劇女優の△△、ご存知ですか?」
バルバは、どこかの公演で好評を得てなんとか言う賞を取ったという、ここ最近に急激に人気の出た女優の名前をあげた。祖母は頸をかしげたが、ナツは十分知っていた。ファンだと言ってもいい。
「彼女がまだ無名だった時、絵のモデルをしていたそうで。もうお分かりでしょう? お父様の発表された裸婦像が△△で、世の好事家たちがその絵を捜しているのですよ。未発表のものや、下書きなどがあればそれらもまとめて」
画家ではなく、モデルに価値があるということか。なんとも皮肉な話である。
「はあ、そりゃ構いませんが。けンど、絵の一切はここにはありませんで」
今、住んでいるこの家は祖母の嫁ぎ先であり、ズーシィが晩年に足腰が立たなくなって、その世話をするために一人娘の祖母が呼び寄せたのである。絵の類は、トリナの実家に置きっぱなしになっている。
「ご実家は、どちらなんですか?」
「ちょっと遠くての。ほれ、ここから北へ向かったどん詰まりにある村じゃ」
場所を聞いて、バルバは眉をひそめた。その意味が分かるタラミも頷いた。
「あそこですか……」
「あそこなんじゃ」
鬱蒼とした山の中にある、寂れた村である。いや、もう誰も住んでいないかもしれない。ズーシィが生きていた頃にヴォイド騒ぎが起き、それもタラミが父を安全な街へ呼び寄せた理由のひとつだった。今も時々、ヴォイドが出たとの噂を聞くし、そうでなければ野盗が住み着いてるとも聞く。そもそもどん詰まりの村なので、よほどの用事がない限り、誰も近寄らない場所なのだ。
「いかがでしょう、絵の管理を、私に任せてもらえませんか? タラミさんのお許しが頂けるなら、私が北の村へ行って絵を取って参ります」
「けどなあ、今日会ったばっかりの人に、はいどうぞって任せるんもなあ……」
「ごもっともです。ですが、こういったものは、売り時があるのですよ。ここだけの話、女優の人気なぞ今だけのものです。旬を過ぎればあとは値が下がる一方なんです」
なかなか世知辛い話だ。
「それに、急激に注目を浴びた人には、あまり好ましからざる後援者が現れたりするのですよ、ルールもマナーも知らないような連中が、ね。裸婦像の話は、私が簡単にこの家を探せた程度に、知れ渡ってる話でして。もしかしたらズーシィさんの生家も、もう知られてるかもしれません。私としましては、正当な方法で譲り受けたものが本当のファンの方の手に渡って欲しいのですよ」
ともすれば脅しととれるようなことをバルバは言ったが、ナツはそう受け取らなかった。彼はどうも本心から、自分の顧客のために真っ当な商売をしたいと思ってるようだった。
「じゃあ、ばあちゃん。あたしが、ひいじいちゃんの家に行って、持って帰ってくるってのはどう? △△の絵だけでいいんでしょう、顔ぐらい知ってるわ」
「アホか、おまえ。あんな危ないところに、おまえ一人で行かせられるか」
「でしたら、私が用心棒を雇いますよ!」
目を輝かせて、バルバは言った。交渉の第一段階は成功したのである。
解説
ナツが曾祖父の家に行く護衛をして下さい。
場所は、山奥にある寂れた村。過去にヴォイド騒ぎがあり、その後もヴォイドや野盗の噂は絶えず、今は誰も住んでいないかも知れません。少なくともズーシィの家は20年以上無人で誰も立ち入っていません、家も庭も、そうとう荒れていると思って下さい。
ズーシィの家には人気女優の裸婦像と、その関連の作品がいくつかあるようです。これらを整理し、持ち帰る必要があります。しかし裸婦像には、にわか価値がついており、それを虎視眈々と狙っている連中も多そうです。
場所は、山奥にある寂れた村。過去にヴォイド騒ぎがあり、その後もヴォイドや野盗の噂は絶えず、今は誰も住んでいないかも知れません。少なくともズーシィの家は20年以上無人で誰も立ち入っていません、家も庭も、そうとう荒れていると思って下さい。
ズーシィの家には人気女優の裸婦像と、その関連の作品がいくつかあるようです。これらを整理し、持ち帰る必要があります。しかし裸婦像には、にわか価値がついており、それを虎視眈々と狙っている連中も多そうです。
マスターより
敵は、ヴォイドか野盗かヤクザな後援会かルール無視のにわかファンか、どれかです。全部かもしれない。
バルバまでは疑わなくていいです、彼と売買契約がなされたらゴールと思って下さい。
それでは、頑張って下さい。
バルバまでは疑わなくていいです、彼と売買契約がなされたらゴールと思って下さい。
それでは、頑張って下さい。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/07/16 20:09
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/07/04 19:54:22 |
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作戦会議 ティアナ・アナスタシア(ka0546) 人間(クリムゾンウェスト)|15才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/07/09 22:43:38 |