※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

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　――お母さん。
　今年も、この時期が来ました。

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　ミカという少女は、リアルブルー出身の転移者だ。
　ただまだ幼い故に、ハンターとしての仕事は数えるほどしかこなしていない。
　転移してすぐはハンターズソサエティが身元を保証した上で、若年者向けの保護施設で暮らしていたので苦労といえる苦労はほとんど無かったが、――そう言う施設で暮らしている子どもたちというのはどうしても、親が恋しいと思う年齢なのである。基本的にその施設にいるのは親と離れて暮らしているリアルブルー出身者であるから、恋しさもひとしおなのだ。
　だから、施設では毎年五月の母の日、そして六月の父の日に、ささやかなパーティをすることになっていた。
　カーネーションや薔薇を用意して花束にしたり、みんなでケーキを作って分け合ったり……楽しいイベントだ。
　しかし、今ミカは既にその施設を出ており、結果としてそのイベントに参加することは出来ない。
　けれど――

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「ふむ、母の日――ですか」
　なるほど、とハンターズソサエティの担当者がうなずく。
「親への感謝の気持ちを伝える日だし、みんなで楽しめればいいと思ったの。あたしみたいに、事情があってお母さんに会えない人も多いはずだし」
　たしかに、それは一理ある。
　そう言う、『母親に感謝をしたい人』が集まってささやかなイベントをすれば、きっと誰もが楽しめるのではないか、と。
「そう言うことなら、会場をお貸し出来ますよ」
　ソサエティの担当者も笑顔を浮かべた。
　ミカはぱっと顔を輝かせる。
「ありがとう！」
　それから彼女は、手書きのポスターを職員に手渡した。


『みんなで、母の日に集まりませんか？』

母の日にみんなでささやかなイベントを開きましょう、と言う依頼です。
考えているのは『カーネーションのコサージュ作り』。
発案者は幼い頃にリアルブルーから単身転移してきた少女のミカ。
おそらくもう会えないであろう母親を思い出しながら、毎年この日を祝ってきたのだそうです。
参加者の皆さんも、ハンターであるという都合上、なかなか親に会えない人が多いと思います。
気持ちだけでもコサージュに託してみませんか。

会場はハンターズソサエティの用意してくれた小さな会議室。
お茶とクッキーを頂きながら、コサージュ作りと言うことになると思います。
また、それぞれの『お母さんの思い出』を話したりするのもよいでしょう。

母親を思う気持ちはどこにいても同じです。
皆さんも、参加してみませんか？

お待ちしております。

こんにちは、四月朔日です。
母の日――赤いカーネーションを贈る日ですね。
亡くなったお母様には、白いカーネーションを。

ハンターの皆さんは一体どんなカーネーションをお母様に贈るのでしょう。
皆さんのプレイングが、今から楽しみです。

では、よろしくお願いいたします。