ゲスト
(ka0000)
本気のケンカ求む
マスター:松尾京

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/16 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/25 19:00
オープニング
●欠乏
蒸気工場都市フマーレ。
金属加工を営むその工場で――
定時からだいぶ遅れてようやく終業すると、工場長のハワードは息をついた。
「やっと終われるか。……まわりは連休取ってるところもあるってのに。うちはどうにもうまくまわらねえな」
まだ作業場に残り、あくびをしたり伸びをしたりしている工員を見る。
どこか、だらけた雰囲気だった。
工員が悪いわけではないのはわかっている。
どうにも最近、自分自身のモチベーションが低いのだ。
いや、わかっている。そもそも自分が工場を持てているだけ、まだよくやっている方だというのは。
●男の出自
ハワードは元々ポルトワールの生まれだ。
が、風光明媚な表の街ではなく、ダウンタウンの生まれの、荒くれ者である。
ハワードがダウンタウンにいた頃は、ケンカは日常茶飯事であった。何となく鬱屈した若者なりに、誰ともわからない男どもと殴り合って、今を生きている実感を得たりしていたものだった。
ただ、人並みに歳を取って行くにつれて、このままではいけないと、各地を流浪してフマーレで職を得た。
そうして必死に生きるうちに、血の気の多かった若者は一つの工場を持つまでになったのだ。
ハワードにとって、それはまちがいなく成長だと言えた。
が、ようやく人生に多少の余裕が出てきたところで、張り合いがなくなっているのは明らかだった。
いや、仕事は忙しいし、やることは山ほどある。張り合いという意味では少し、違った。
何というか、そう――血の気が足りない。
●それだ
ハワードは工員の男二人を何となく見つめた。
「お前ら、ちょっと殴り合ってみろ」
「え?」
「殴り合ってみろ。拳でな。しゅっ、しゅっ!」
工員は顔をしかめた。『またはじまったよ』という表情である。
ハワードは普段からめちゃくちゃな要求をしてくることがあって、そのエネルギーが工場を持つまでに至らしめたのだが……たまに本当に意味不明なこと言うので工員は困った。
工員はぽこぽこと殴り合った。
「全然ちがうわ! そんなんじゃないだろうがッ!」
ハワードが口角泡を飛ばすと工員は迷惑そうに見た。
「どうしろって言うんですか」
「こっちはガチを求めてるんだよ。本気でやってみろと言っている」
「そんなこと言っても、俺、人殴ったことなんかないし……女にビンタ張られたことはあるけど」
「ポール、お前何したんだよ……いや、女に叩かれたことは俺もあるが」
「うぐぐ。このもやしっこどもめ」
ハワードはうめいた。ただ、この若者らが何とくケンカのまねごとをしただけでも、少々沸き立つものはあった。
――本当に強い奴が、ガチでやり合ったら……。
治安の悪いダウンタウンで、男たちが何かを晴らそうと、殴り合っていたあの光景。それを手に汗握りながら眺めていたあのとき。
思い出して、ハワードはにわかに興奮する。
それはガラの悪い若者の、紛れもない青春であった。
……とはいえ、工場を持つ自分が暴力沙汰など、シャレにならない。
そこで思いついたことがあった。
●依頼
ハワードはポールに顎をしゃくった。
「はいそこ、ポール」
「何すか? 工場長」
「この界隈で一番、ケンカが強いのは誰だ?」
「工場長の奥さんですか?」
「違……くは、ないか……ええい、そうじゃない。もっと視野を広げて考えろ!」
「強い人って言ったら、ハンターでしょ」
もう一人の工員が言って、それだ、とハワードは頷いた。
「ひと舞台作ってハンター同士、戦ってもらおう。休日の奴も多いし、みんな集めて観戦だ!」
すると何だ何だと他の工員も集まってくる。話を聞くと、ポールを含め男たちは盛り上がった。
「ケンカ騒ぎはこの辺でもあるけど……ハンターが戦うなんて、面白そうですね」
「俺はそういうの大好きだぜ! 最近仕事仕事だったし、息抜きが欲しかったんだ!」
「広い場所を用意すれば、この地区のやつらはみんな集まるんじゃないか」
「早速準備だ!」
都合の良いことに、移転作業を終えたばかりで、今はほぼ空状態の倉庫が一つあった。広さはそこで充分だろう。
ハワードは期待を浮かべた。
「あとは、ここに来てくれるハンターを探すだけだな!」
そして――ハンターオフィスの画面にブン、と……『本気のケンカ求む』の文字列が躍った。
蒸気工場都市フマーレ。
金属加工を営むその工場で――
定時からだいぶ遅れてようやく終業すると、工場長のハワードは息をついた。
「やっと終われるか。……まわりは連休取ってるところもあるってのに。うちはどうにもうまくまわらねえな」
まだ作業場に残り、あくびをしたり伸びをしたりしている工員を見る。
どこか、だらけた雰囲気だった。
工員が悪いわけではないのはわかっている。
どうにも最近、自分自身のモチベーションが低いのだ。
いや、わかっている。そもそも自分が工場を持てているだけ、まだよくやっている方だというのは。
●男の出自
ハワードは元々ポルトワールの生まれだ。
が、風光明媚な表の街ではなく、ダウンタウンの生まれの、荒くれ者である。
ハワードがダウンタウンにいた頃は、ケンカは日常茶飯事であった。何となく鬱屈した若者なりに、誰ともわからない男どもと殴り合って、今を生きている実感を得たりしていたものだった。
ただ、人並みに歳を取って行くにつれて、このままではいけないと、各地を流浪してフマーレで職を得た。
そうして必死に生きるうちに、血の気の多かった若者は一つの工場を持つまでになったのだ。
ハワードにとって、それはまちがいなく成長だと言えた。
が、ようやく人生に多少の余裕が出てきたところで、張り合いがなくなっているのは明らかだった。
いや、仕事は忙しいし、やることは山ほどある。張り合いという意味では少し、違った。
何というか、そう――血の気が足りない。
●それだ
ハワードは工員の男二人を何となく見つめた。
「お前ら、ちょっと殴り合ってみろ」
「え?」
「殴り合ってみろ。拳でな。しゅっ、しゅっ!」
工員は顔をしかめた。『またはじまったよ』という表情である。
ハワードは普段からめちゃくちゃな要求をしてくることがあって、そのエネルギーが工場を持つまでに至らしめたのだが……たまに本当に意味不明なこと言うので工員は困った。
工員はぽこぽこと殴り合った。
「全然ちがうわ! そんなんじゃないだろうがッ!」
ハワードが口角泡を飛ばすと工員は迷惑そうに見た。
「どうしろって言うんですか」
「こっちはガチを求めてるんだよ。本気でやってみろと言っている」
「そんなこと言っても、俺、人殴ったことなんかないし……女にビンタ張られたことはあるけど」
「ポール、お前何したんだよ……いや、女に叩かれたことは俺もあるが」
「うぐぐ。このもやしっこどもめ」
ハワードはうめいた。ただ、この若者らが何とくケンカのまねごとをしただけでも、少々沸き立つものはあった。
――本当に強い奴が、ガチでやり合ったら……。
治安の悪いダウンタウンで、男たちが何かを晴らそうと、殴り合っていたあの光景。それを手に汗握りながら眺めていたあのとき。
思い出して、ハワードはにわかに興奮する。
それはガラの悪い若者の、紛れもない青春であった。
……とはいえ、工場を持つ自分が暴力沙汰など、シャレにならない。
そこで思いついたことがあった。
●依頼
ハワードはポールに顎をしゃくった。
「はいそこ、ポール」
「何すか? 工場長」
「この界隈で一番、ケンカが強いのは誰だ?」
「工場長の奥さんですか?」
「違……くは、ないか……ええい、そうじゃない。もっと視野を広げて考えろ!」
「強い人って言ったら、ハンターでしょ」
もう一人の工員が言って、それだ、とハワードは頷いた。
「ひと舞台作ってハンター同士、戦ってもらおう。休日の奴も多いし、みんな集めて観戦だ!」
すると何だ何だと他の工員も集まってくる。話を聞くと、ポールを含め男たちは盛り上がった。
「ケンカ騒ぎはこの辺でもあるけど……ハンターが戦うなんて、面白そうですね」
「俺はそういうの大好きだぜ! 最近仕事仕事だったし、息抜きが欲しかったんだ!」
「広い場所を用意すれば、この地区のやつらはみんな集まるんじゃないか」
「早速準備だ!」
都合の良いことに、移転作業を終えたばかりで、今はほぼ空状態の倉庫が一つあった。広さはそこで充分だろう。
ハワードは期待を浮かべた。
「あとは、ここに来てくれるハンターを探すだけだな!」
そして――ハンターオフィスの画面にブン、と……『本気のケンカ求む』の文字列が躍った。
解説
●このシナリオについて
PC同士が戦う、いわゆるPvPシナリオです。
歪虚等は出現せず、純粋なキャラ同士のバトルとなります。
基本的に、やることは倉庫で戦うだけです。
本気で戦って男たちを喜ばせてあげましょう。
●ルールなど
・流れ
プレイングにて対戦相手と初期位置を指定してください。
シナリオでは倉庫内、開始の合図と共にバトルを始める形となります。
・対戦相手
参加したハンター同士であれば自由です。
タイマンを望む声もありますが、実力差がありすぎる等の問題がある場合は、多対多でもいいでしょう。
なお、希望する相手が食い違った場合はこちらでバランスを取ります。
・場所
倉庫内。
30×30スクエア。東西の端に観客。南北の端に、壁から多少の距離を置いて廃材の山。
派手に破壊するなどのプレイングがなければ、流れ弾などによる倉庫内の被害は考えなくても大丈夫です。観客も盾常備なので安心。
初期位置は互いの合意で決めることになりますが、近接系と射撃系で希望が異なるなどの場合は、こちらがダイスで決定します。
・勝敗
降参か、どちらかの生命力が戦闘不能ぎりぎりになるまで。
レフェリーストップが入るので、重傷などの心配はしなくても大丈夫です。
・対戦形式
複数試合同時進行でも、一試合ずつでも構いません。一試合ずつの場合、順番はランダムで決定します。
●その他
勝っても負けても……恨みっこなし!
PC同士が戦う、いわゆるPvPシナリオです。
歪虚等は出現せず、純粋なキャラ同士のバトルとなります。
基本的に、やることは倉庫で戦うだけです。
本気で戦って男たちを喜ばせてあげましょう。
●ルールなど
・流れ
プレイングにて対戦相手と初期位置を指定してください。
シナリオでは倉庫内、開始の合図と共にバトルを始める形となります。
・対戦相手
参加したハンター同士であれば自由です。
タイマンを望む声もありますが、実力差がありすぎる等の問題がある場合は、多対多でもいいでしょう。
なお、希望する相手が食い違った場合はこちらでバランスを取ります。
・場所
倉庫内。
30×30スクエア。東西の端に観客。南北の端に、壁から多少の距離を置いて廃材の山。
派手に破壊するなどのプレイングがなければ、流れ弾などによる倉庫内の被害は考えなくても大丈夫です。観客も盾常備なので安心。
初期位置は互いの合意で決めることになりますが、近接系と射撃系で希望が異なるなどの場合は、こちらがダイスで決定します。
・勝敗
降参か、どちらかの生命力が戦闘不能ぎりぎりになるまで。
レフェリーストップが入るので、重傷などの心配はしなくても大丈夫です。
・対戦形式
複数試合同時進行でも、一試合ずつでも構いません。一試合ずつの場合、順番はランダムで決定します。
●その他
勝っても負けても……恨みっこなし!
マスターより
解説の通り、PvP、皆様が互いに戦い合うというシナリオになります。
数値での判定が主となりますが、戦いはもちろんプレイングに大きく左右されますので、奇策を練ってみるのも良いかと思います。ただ、場合によっては短時間で決着することもあるかと思いますので、ご容赦ください。
数値での判定が主となりますが、戦いはもちろんプレイングに大きく左右されますので、奇策を練ってみるのも良いかと思います。ただ、場合によっては短時間で決着することもあるかと思いますので、ご容赦ください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/22 18:50
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/12 02:30:59 |
|
![]() |
相談用 サントール・アスカ(ka2820) 人間(クリムゾンウェスト)|25才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/05/16 15:27:12 |