ゲスト
(ka0000)
【聖呪】消えぬ隔意。北からの冷風
マスター:馬車猪

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/20 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/29 22:00
オープニング
腐りかけの卵がイコニアの額にぶつかった。
「恥知らず!」
「よくも顔を出せたな!」
小さな椅子が、汚れた食器が、ありとあらゆるものが投げつけられる。
イコニアの片目は自身の血と卵で塞がり、衝撃で平衡感覚が狂い、強烈な臭いで鼻も麻痺している。
「帰れ! 帰って!」
老女が叫ぶ。
強い怒りと恨み、そしてそれらを無視できるほど圧倒的な拒絶が、エクラ教の聖職者に向けられていた。
「わたっ」
口の中に破片が入って中が切れる。
「私達は村の北に向かいゴブリンに対処します。1体も通さないつもりですが別働隊が現れるかもしれません。安全が確保されるまで村の外にはっ」
鉄製の農具が当たり、イコニアは意識を失い地面に倒れた。
●1時間後。村の外縁から500メートル
「司祭様、その……」
使い込まれた皮鎧に山刀、短剣に短弓を装備した中年兵士が、途方に暮れた顔で司祭に話しけようとして言葉に詰まる。
臭い。それに鉄臭い。
押し殺した泣き声が、タオルに顔を埋めたイコニアから響いてくる。
「隊長」
古参の兵士が囁く。
「やりますかい?」
ここにいる7人全員が、マギア砦籠城戦からの戦いでイコニアにより命を救われた。
皆荒っぽい質であり、恩人の敵を不幸にすることに躊躇いなどなかった。
ちーんと、盛大に鼻をかむ音が不穏な空気を切り裂く。
汚れきったタオルで乱暴に顔を拭い、髪についた大きな汚れだけを払い、イコニアはいつもの表情で顔を上げる。
「時間が無いのに動きを止めて申し訳ありません。隊長さん、状況を教えて頂けますか」
現役の王国兵にして現在司祭護衛中の兵士が、生涯で最も気合の入った敬礼を捧げ報告する。
「3名の班を2つ偵察に出し1班が戻りました。ゴブリン3集団計10体に遭遇。敵の装備は木製の盾に小型槍。腕は劣悪ですが訓練の形跡がありました」
イコニアの真っ赤になった目が見開かれる。
「それって……、いえ、ハンターソサエティへの援軍要請を行っても?」
「是非お願いします」
司祭は無言でうなずき、荷物の中にあるはずのトランシーバーを探し始めた。
隊長が司祭に背を向け獰猛な笑みを浮かべる。
「おいお前等、司祭様の前で不抜けた真似したら糞村人の前にお前等から締めてやる。気合を入れろ」
泣いた子も気絶しかねない雄叫びが重なり合い、村にいる人々を怯えさせていた。
●ハンターズソサエティ
トランシーバーで遊んでいたパルムが村の近くから最寄りのソサエティ支部に全力疾走する。
到着後すぐに複数のパルムと情報が共有され、神霊樹経由で広がり、ソサエティ本部の一室で依頼票として表示された。
『こちら王国兵10名とエクラ教司祭のイコニアです。現在地はパルシア村の北ごひゃく』
木が倒れる音と小型の生物の断末魔が聞こえた。
『約500メートルでゴブリンの集団と戦闘中です。至急増援を』
男達の怒号とゴブリンの悲鳴、イコニアがヒールを使う声が挟まる。
『はい、ゴブリンは木製ですがほぼ統一された装備を身につけています。考えづらいですが大規模かつ組織的な襲撃である可能性も皆無ではありません。やり過ぎくらいに装備を調えて来て頂けると……』
エクラ教徒の土地に入るな畜生共! というイコニアの声とメイスによる撲殺音が鮮やかに聞こえた。
『失礼しました。皆様と直接お会いできるのを楽しみにしていますね』
ほがらかな少女の声と、ゴブリンの悲鳴が同時に響く。
『肝心なことを伝え忘れていました。エクラ教とパルシア村との間には非常に繊細な経緯があって』
声が湿る。
『教会の都合を押しつけてごめんなさい。エクラ教関係者はできれば村の方にばれないように』
邪魔をするなという怒声とゴブリンの頭蓋を砕く音。
『お願いしますね』
回復役も白兵戦を強いられるほど、不利なのかもしれない。
「恥知らず!」
「よくも顔を出せたな!」
小さな椅子が、汚れた食器が、ありとあらゆるものが投げつけられる。
イコニアの片目は自身の血と卵で塞がり、衝撃で平衡感覚が狂い、強烈な臭いで鼻も麻痺している。
「帰れ! 帰って!」
老女が叫ぶ。
強い怒りと恨み、そしてそれらを無視できるほど圧倒的な拒絶が、エクラ教の聖職者に向けられていた。
「わたっ」
口の中に破片が入って中が切れる。
「私達は村の北に向かいゴブリンに対処します。1体も通さないつもりですが別働隊が現れるかもしれません。安全が確保されるまで村の外にはっ」
鉄製の農具が当たり、イコニアは意識を失い地面に倒れた。
●1時間後。村の外縁から500メートル
「司祭様、その……」
使い込まれた皮鎧に山刀、短剣に短弓を装備した中年兵士が、途方に暮れた顔で司祭に話しけようとして言葉に詰まる。
臭い。それに鉄臭い。
押し殺した泣き声が、タオルに顔を埋めたイコニアから響いてくる。
「隊長」
古参の兵士が囁く。
「やりますかい?」
ここにいる7人全員が、マギア砦籠城戦からの戦いでイコニアにより命を救われた。
皆荒っぽい質であり、恩人の敵を不幸にすることに躊躇いなどなかった。
ちーんと、盛大に鼻をかむ音が不穏な空気を切り裂く。
汚れきったタオルで乱暴に顔を拭い、髪についた大きな汚れだけを払い、イコニアはいつもの表情で顔を上げる。
「時間が無いのに動きを止めて申し訳ありません。隊長さん、状況を教えて頂けますか」
現役の王国兵にして現在司祭護衛中の兵士が、生涯で最も気合の入った敬礼を捧げ報告する。
「3名の班を2つ偵察に出し1班が戻りました。ゴブリン3集団計10体に遭遇。敵の装備は木製の盾に小型槍。腕は劣悪ですが訓練の形跡がありました」
イコニアの真っ赤になった目が見開かれる。
「それって……、いえ、ハンターソサエティへの援軍要請を行っても?」
「是非お願いします」
司祭は無言でうなずき、荷物の中にあるはずのトランシーバーを探し始めた。
隊長が司祭に背を向け獰猛な笑みを浮かべる。
「おいお前等、司祭様の前で不抜けた真似したら糞村人の前にお前等から締めてやる。気合を入れろ」
泣いた子も気絶しかねない雄叫びが重なり合い、村にいる人々を怯えさせていた。
●ハンターズソサエティ
トランシーバーで遊んでいたパルムが村の近くから最寄りのソサエティ支部に全力疾走する。
到着後すぐに複数のパルムと情報が共有され、神霊樹経由で広がり、ソサエティ本部の一室で依頼票として表示された。
『こちら王国兵10名とエクラ教司祭のイコニアです。現在地はパルシア村の北ごひゃく』
木が倒れる音と小型の生物の断末魔が聞こえた。
『約500メートルでゴブリンの集団と戦闘中です。至急増援を』
男達の怒号とゴブリンの悲鳴、イコニアがヒールを使う声が挟まる。
『はい、ゴブリンは木製ですがほぼ統一された装備を身につけています。考えづらいですが大規模かつ組織的な襲撃である可能性も皆無ではありません。やり過ぎくらいに装備を調えて来て頂けると……』
エクラ教徒の土地に入るな畜生共! というイコニアの声とメイスによる撲殺音が鮮やかに聞こえた。
『失礼しました。皆様と直接お会いできるのを楽しみにしていますね』
ほがらかな少女の声と、ゴブリンの悲鳴が同時に響く。
『肝心なことを伝え忘れていました。エクラ教とパルシア村との間には非常に繊細な経緯があって』
声が湿る。
『教会の都合を押しつけてごめんなさい。エクラ教関係者はできれば村の方にばれないように』
邪魔をするなという怒声とゴブリンの頭蓋を砕く音。
『お願いしますね』
回復役も白兵戦を強いられるほど、不利なのかもしれない。
解説
ゴブリンの大群相手に戦う依頼です。
場所は王国北部。王国の庇護の薄い、薄暗い因縁の重なりあう村の近くですが気にせず戦闘に集中して全く問題有りません。
●戦場地図(1文字縦横50メートル。縦横250メートルの正方形です)
偵 林林林
ゴゴ 林
イ
林林
林林林林
林:人の手が入った林です。50メートル先は見通せません。少数のゴブリンがいるかもしれません。
ゴ:平地です。1文字あたりゴブリン30体が行動中です。
イ:イコニアと兵士7名がいます。後退しながら防戦中です。
偵:ゴブリンがいない林です。弓を構えた兵士が3人潜んでおり、兵士の隊長経由で命令可能です。
上が北で右が東。空白の部分は平地です。
地図の配置は、ハンターが普通に移動し地図の一番下の行に到着した時点での配置です。
極めて短時間で現地に到着すると、味方NPCの生命力やスキル使用可能回数が多く残り、ゴブリンの半数近くが北から接近中の状態で戦闘開始になります。
●味方戦力
・兵士10名
全員覚醒者です。ハンターのLV1から5の疾影士または猟撃士に相当します。装備は山刀(ショートソード相当)、各種皮製防具、ショートボウ。装備は全て未強化です。
・イコニア
スキルは全てヒールです。メイスと盾と皮防具を装備しています。戦意は十分、体力に不安有り。
●敵戦力
・ゴブリン(小柄)
全高1メートル強の人型生物です。非歪虚。知性と独自言語を持ち一応人間と会話可能。
移動力2。攻撃手段は槍(射程1~2)と投石(射程1~8)で威力は低い。
盾による防御が成功しても、未強化アサルトライフルによる射撃1回で即死します。
組織的な動きは苦手で2列縦隊すらつくれませんが、個々は身軽で回避成功率が4割近くあります。
場所は王国北部。王国の庇護の薄い、薄暗い因縁の重なりあう村の近くですが気にせず戦闘に集中して全く問題有りません。
●戦場地図(1文字縦横50メートル。縦横250メートルの正方形です)
偵 林林林
ゴゴ 林
イ
林林
林林林林
林:人の手が入った林です。50メートル先は見通せません。少数のゴブリンがいるかもしれません。
ゴ:平地です。1文字あたりゴブリン30体が行動中です。
イ:イコニアと兵士7名がいます。後退しながら防戦中です。
偵:ゴブリンがいない林です。弓を構えた兵士が3人潜んでおり、兵士の隊長経由で命令可能です。
上が北で右が東。空白の部分は平地です。
地図の配置は、ハンターが普通に移動し地図の一番下の行に到着した時点での配置です。
極めて短時間で現地に到着すると、味方NPCの生命力やスキル使用可能回数が多く残り、ゴブリンの半数近くが北から接近中の状態で戦闘開始になります。
●味方戦力
・兵士10名
全員覚醒者です。ハンターのLV1から5の疾影士または猟撃士に相当します。装備は山刀(ショートソード相当)、各種皮製防具、ショートボウ。装備は全て未強化です。
・イコニア
スキルは全てヒールです。メイスと盾と皮防具を装備しています。戦意は十分、体力に不安有り。
●敵戦力
・ゴブリン(小柄)
全高1メートル強の人型生物です。非歪虚。知性と独自言語を持ち一応人間と会話可能。
移動力2。攻撃手段は槍(射程1~2)と投石(射程1~8)で威力は低い。
盾による防御が成功しても、未強化アサルトライフルによる射撃1回で即死します。
組織的な動きは苦手で2列縦隊すらつくれませんが、個々は身軽で回避成功率が4割近くあります。
マスターより
藤山なないろMSの依頼と同時期の依頼です。
直接援軍には向かえませんが早めに敵を撃退すれば良い影響があるかもしれません。全滅させると確実によい影響があります。
直接援軍には向かえませんが早めに敵を撃退すれば良い影響があるかもしれません。全滅させると確実によい影響があります。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/27 20:09
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談処 ペル・ツェ(ka4435) エルフ|15才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/05/20 21:46:44 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/16 15:10:09 |