ゲスト
(ka0000)
百年目のエルフと酒場
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在9人 / 4~9人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/25 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/06/03 12:00
オープニング
「うわあっ」
森から出たとき、流離いのエルフ少女、フラ・キャンディは紫色の瞳をいっぱいに見開き回りを見回した。
「世界って、こんなに広かったんだ」
目の前には、農耕推進地域「ジェオルジ」の広大でぼくとつとした田園風景がどこまでも、どこまでも続いていた。しかもそれが視界の前をぐるり。見渡す限りの空、麦秋を待つ恵みの大地、やがて田植えとなる水の張られた棚田、点々と小さな民家の並ぶ集落、そして草原が色鮮やかにたたずんでいる。
「すごい、すごい、すごい……。こんなの初めて。ボク、本当に捨てられたんじゃなかったんだね!」
思わず、フラの口からそんな言葉が出た。
それは保護者のように横に立ちフラの喜びように眼を細めていた隠者の老人、ジル・コバルトをはっとさせた。
「『百年目のエルフ』というのは、小さな集落で血が濃くなりすぎるのを防ぐため旅に出すと聞いたが?」
フラ、我に返った。
改めてジルの方に向き直った。見返す顔は今にも泣き出しそうだった。
「うん、間違いないよ。ただね……」
言葉を切ると、ついに堪えきれず涙をこぼした。
「お母さんだけは『捨てるんじゃないんだからね。必要な子なんだからね』って、誰もいないところでボクを抱きして何度も繰り返して泣くんだ……」
作り笑顔に、大玉の涙。
「だからボクは頑張ってたくさん学んだんだ。大人は『里の誇りをかけて鍛える』って、ボクにたくさんの事を教えてくれた。……ボクは、里の代表なんだ」
気丈に言い張る。自分に言い聞かせるように。
「だから、恥ずかしくないよう立派にならなくちゃ……しっかりしなくちゃ」
「フラは立派じゃよ。……里を思って涙が流せるなら、もう一人前じゃ。ほれ」
ジルの柔らかい表情を見て今度はフラがはっとした。
「うん、うん……ありがとう。ジルのおじいちゃん」
ごしごしと腕で涙を拭い、差し出されたあめ玉を受け取る。大玉だ。いつものように口に含み、ころりと転がし改めて笑顔。これを見てジルもほほ笑んだ。
「さて、これからはわしがフラの後見人じゃ。あの小屋ももうどうでもいい。これから、どこに行きたい?」
「ええっとね~。まず人里に出たら……」
フラ、いつもの調子に戻った。
そしてとんでもないことを言い出す。
「なに? 夜の酒場に行きたいじゃと?!」
「うんっ。人里に出たらまずは夜の酒場で歌って踊ってお金を稼げって。ボクは子供だし、珍しいから最初はおひねりがもらえるに違いないんだって」
ジル、フラの里の入れ知恵と知り納得した。同時にその危うさに呆れたが。
「子供1人が酒場で踊るのは危険じゃ。……どれ、ハンターを雇ってやるからみんなで盛り上げるといい」
「ええー、それじゃお金稼ぎにならないよ」
この不満ににらみを利かせるジル。
「まずは知り合いをつくることじゃ。そして信頼できる友人をつくること。でないと、わしのようになる」
「ジルさんのように?」
「そうじゃ。したくもない権力争いに巻き込まれて追い出され、誰も彼もに裏切られて世捨て人として隠れ住む……ええか、これからは『百年目のエルフ』に対して、わしが誇りをかけて磨きを掛ける」
真顔のジルに、嬉しそうに頷くフラだった。ころ、と頬の中であめ玉が踊っている。
というわけで、初夏の訪れで陽気になっている「ジェオルジ」の大きな街の酒場でフラと一緒に演奏や踊り、歌って盛り上げてくれる人、求ム。
もちろん、合間にワインを飲んだりリゾットやミネストローネ、サラミやカルパッチョなど地元料理を楽しむことができる。
森から出たとき、流離いのエルフ少女、フラ・キャンディは紫色の瞳をいっぱいに見開き回りを見回した。
「世界って、こんなに広かったんだ」
目の前には、農耕推進地域「ジェオルジ」の広大でぼくとつとした田園風景がどこまでも、どこまでも続いていた。しかもそれが視界の前をぐるり。見渡す限りの空、麦秋を待つ恵みの大地、やがて田植えとなる水の張られた棚田、点々と小さな民家の並ぶ集落、そして草原が色鮮やかにたたずんでいる。
「すごい、すごい、すごい……。こんなの初めて。ボク、本当に捨てられたんじゃなかったんだね!」
思わず、フラの口からそんな言葉が出た。
それは保護者のように横に立ちフラの喜びように眼を細めていた隠者の老人、ジル・コバルトをはっとさせた。
「『百年目のエルフ』というのは、小さな集落で血が濃くなりすぎるのを防ぐため旅に出すと聞いたが?」
フラ、我に返った。
改めてジルの方に向き直った。見返す顔は今にも泣き出しそうだった。
「うん、間違いないよ。ただね……」
言葉を切ると、ついに堪えきれず涙をこぼした。
「お母さんだけは『捨てるんじゃないんだからね。必要な子なんだからね』って、誰もいないところでボクを抱きして何度も繰り返して泣くんだ……」
作り笑顔に、大玉の涙。
「だからボクは頑張ってたくさん学んだんだ。大人は『里の誇りをかけて鍛える』って、ボクにたくさんの事を教えてくれた。……ボクは、里の代表なんだ」
気丈に言い張る。自分に言い聞かせるように。
「だから、恥ずかしくないよう立派にならなくちゃ……しっかりしなくちゃ」
「フラは立派じゃよ。……里を思って涙が流せるなら、もう一人前じゃ。ほれ」
ジルの柔らかい表情を見て今度はフラがはっとした。
「うん、うん……ありがとう。ジルのおじいちゃん」
ごしごしと腕で涙を拭い、差し出されたあめ玉を受け取る。大玉だ。いつものように口に含み、ころりと転がし改めて笑顔。これを見てジルもほほ笑んだ。
「さて、これからはわしがフラの後見人じゃ。あの小屋ももうどうでもいい。これから、どこに行きたい?」
「ええっとね~。まず人里に出たら……」
フラ、いつもの調子に戻った。
そしてとんでもないことを言い出す。
「なに? 夜の酒場に行きたいじゃと?!」
「うんっ。人里に出たらまずは夜の酒場で歌って踊ってお金を稼げって。ボクは子供だし、珍しいから最初はおひねりがもらえるに違いないんだって」
ジル、フラの里の入れ知恵と知り納得した。同時にその危うさに呆れたが。
「子供1人が酒場で踊るのは危険じゃ。……どれ、ハンターを雇ってやるからみんなで盛り上げるといい」
「ええー、それじゃお金稼ぎにならないよ」
この不満ににらみを利かせるジル。
「まずは知り合いをつくることじゃ。そして信頼できる友人をつくること。でないと、わしのようになる」
「ジルさんのように?」
「そうじゃ。したくもない権力争いに巻き込まれて追い出され、誰も彼もに裏切られて世捨て人として隠れ住む……ええか、これからは『百年目のエルフ』に対して、わしが誇りをかけて磨きを掛ける」
真顔のジルに、嬉しそうに頷くフラだった。ころ、と頬の中であめ玉が踊っている。
というわけで、初夏の訪れで陽気になっている「ジェオルジ」の大きな街の酒場でフラと一緒に演奏や踊り、歌って盛り上げてくれる人、求ム。
もちろん、合間にワインを飲んだりリゾットやミネストローネ、サラミやカルパッチョなど地元料理を楽しむことができる。
解説
エルフ少女のフラと一緒にジェオルジの夜の酒場に向かい、歌や踊り、演奏で盛り上げてください。
フラは元気な踊りが得意(スカート短いのに)。ほかに歌や横笛ができます。が、小さな女の子が元気良く演じているところを酔った親父が見守るという構図でのみ、激しく金を稼ぐことができるといったところです。短い時間だけしか盛り上げることができません。参加者たちメーンで入れ替わりで演じたりしてください。
さらにフラは何も知らないので、居心地のいい大人な酒場空間演出までは気が回りません。じっくり聴かせたりしんみり飲めたりできると、客はさらに満足を得ることができるでしょう。
あくまで参加者が主役ですので、よろしくお願いします。
なお、フラなどお酒を飲めない年齢の人は普通に水やジュースを飲んでください。
楽しいひとときを過ごすことができれば良い結果となります。
フラは元気な踊りが得意(スカート短いのに)。ほかに歌や横笛ができます。が、小さな女の子が元気良く演じているところを酔った親父が見守るという構図でのみ、激しく金を稼ぐことができるといったところです。短い時間だけしか盛り上げることができません。参加者たちメーンで入れ替わりで演じたりしてください。
さらにフラは何も知らないので、居心地のいい大人な酒場空間演出までは気が回りません。じっくり聴かせたりしんみり飲めたりできると、客はさらに満足を得ることができるでしょう。
あくまで参加者が主役ですので、よろしくお願いします。
なお、フラなどお酒を飲めない年齢の人は普通に水やジュースを飲んでください。
楽しいひとときを過ごすことができれば良い結果となります。
マスターより
まだお休みでないならこんばんは、深夜真世です。
フラ・キャンディの「百年目のエルフ」旅の続きです。
前回、参加者から町の飲食店の話を聞いたり急ぐ旅でないなら送るなどの言葉をもらい、早速人里に出ることに。ジルは、世慣れてないフラが気になる&戦闘後の参加者の偵察でさらに危険があるかもという報告を受け、一緒に出てきました。
今回は気軽に楽しんでください。
報酬の大半は酒場での稼ぎで、何もしないと失敗減俸となるのでこの点だけはご注意を。
フラ・キャンディの「百年目のエルフ」旅の続きです。
前回、参加者から町の飲食店の話を聞いたり急ぐ旅でないなら送るなどの言葉をもらい、早速人里に出ることに。ジルは、世慣れてないフラが気になる&戦闘後の参加者の偵察でさらに危険があるかもという報告を受け、一緒に出てきました。
今回は気軽に楽しんでください。
報酬の大半は酒場での稼ぎで、何もしないと失敗減俸となるのでこの点だけはご注意を。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/02 13:55
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/23 02:59:26 |
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夜の酒場を盛り上げよう イレーヌ(ka1372) ドワーフ|10才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/05/25 01:30:45 |