ゲスト
(ka0000)
血の味を覚えた熊
マスター:江口梨奈

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 6~8人
- サポート
- 現在0人 / 0~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/26 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/06/04 22:00
オープニング
女は血の匂いをさせている間は山へ入るな、というのが、この狩猟を主な生業とする小さな村のささやかな掟だった。
彼らの生活は、山に住む獣を狩ることで成り立っている。鹿や猪、兎や、時には熊のように大きなものから、ウズラのような小さなものまで、さまざまだ。肉はもちろん、皮も、角や牙、骨の類も、彼らの生活を潤してくれる。この村は先祖の頃からずっと、そうやって成り立ってきたのだ。
エトゥの娘で、エナという10歳になる娘がいる。大柄な活発な子で、兄やその友達と混ざって狩りの道具を持ち、平気で走り回るような娘だった。この日も、同じように子供らだけで庭に等しい山に入り、遊んでいた。
途中で、エナは腹の不調を訴えた。
「兄ちゃん、なんか、おなか痛い……」
「ヘンなもん、食べたか? そこの繁みにでも行けよ」
「そんな感じじゃ、ないんだけど……」
兄に言われるまま、草むらにしゃがみこんだ。足の間を、何かが流れる感触があった。
「あ……」
自分の体の変化に気付いたエナは兄の元へ戻ろうとした、が、その時だ。
すぐ後ろに、大きな熊が近付いているではないか!
「きゃあッ!!」
普通の熊なら、その大きな声で逃げてしまうところだが、その熊は違っていた。
鼻をひくつかせ、血の匂いを嗅ぎとり、エナに向かって前脚を振り上げた。
「ギャアア!」
腰から尻の肉が抉られる。エナの尋常ではない悲鳴を聞きつけ、兄と友人達が助けに来た。彼らの持つオモチャのような弓矢でも熊をたじろがせる事が出来、彼らに支えられながら逃げる。しかし、熊は執拗に血を滴らせる獲物を追いかけてくる。
村の近くまで来ると、大人達が気付いてくれた。本格的な武器で応戦され、片目を撃ち抜かれて熊は逃げた。大人達は追うも、見失ってしまう。
「やばいな……」
大人のひとりが言った。
なまじ、血の味を覚えた獣は、それを繰り返し求めるようになる。逃がしてしまったのは大きな痛手だ。捜して、確実に仕留めないと、どんな厄災をもたらすことになるか。
エナは精霊の加護のおかげで、大きな傷跡を残しはしたものの一命を取り留めた。だが、可愛い娘をこんな目に遭わされたエトゥの怒りがおさまるはずはない。
「何としても、熊を捜しだして、息の根を止めてやる!」
この日から村の男たちが総出で、片目を失った熊を捜すこととなった。しかし数日捜すも、見つからない。なにせ小さい村、使える男衆は20人足らず。この数に対して山はあまりに大きすぎる。
「人手を増やすか……」
ハンターの助けを、借りることとなった。
さて、村人の誰か、知っているだろうか。
自然の中では偶然に、マテリアルが歪になることがある。
もし仮にここに生物が紛れ込んだら。その生物が偶然、動くことが出来ずにこの場所に留まり続けてしまったら。
歪んだ空間は、周囲に膨大にある正常なマテリアルによって洗われ、今は正常に戻ったかもしれない。
けれど、そこに残されたものは……。
彼らの生活は、山に住む獣を狩ることで成り立っている。鹿や猪、兎や、時には熊のように大きなものから、ウズラのような小さなものまで、さまざまだ。肉はもちろん、皮も、角や牙、骨の類も、彼らの生活を潤してくれる。この村は先祖の頃からずっと、そうやって成り立ってきたのだ。
エトゥの娘で、エナという10歳になる娘がいる。大柄な活発な子で、兄やその友達と混ざって狩りの道具を持ち、平気で走り回るような娘だった。この日も、同じように子供らだけで庭に等しい山に入り、遊んでいた。
途中で、エナは腹の不調を訴えた。
「兄ちゃん、なんか、おなか痛い……」
「ヘンなもん、食べたか? そこの繁みにでも行けよ」
「そんな感じじゃ、ないんだけど……」
兄に言われるまま、草むらにしゃがみこんだ。足の間を、何かが流れる感触があった。
「あ……」
自分の体の変化に気付いたエナは兄の元へ戻ろうとした、が、その時だ。
すぐ後ろに、大きな熊が近付いているではないか!
「きゃあッ!!」
普通の熊なら、その大きな声で逃げてしまうところだが、その熊は違っていた。
鼻をひくつかせ、血の匂いを嗅ぎとり、エナに向かって前脚を振り上げた。
「ギャアア!」
腰から尻の肉が抉られる。エナの尋常ではない悲鳴を聞きつけ、兄と友人達が助けに来た。彼らの持つオモチャのような弓矢でも熊をたじろがせる事が出来、彼らに支えられながら逃げる。しかし、熊は執拗に血を滴らせる獲物を追いかけてくる。
村の近くまで来ると、大人達が気付いてくれた。本格的な武器で応戦され、片目を撃ち抜かれて熊は逃げた。大人達は追うも、見失ってしまう。
「やばいな……」
大人のひとりが言った。
なまじ、血の味を覚えた獣は、それを繰り返し求めるようになる。逃がしてしまったのは大きな痛手だ。捜して、確実に仕留めないと、どんな厄災をもたらすことになるか。
エナは精霊の加護のおかげで、大きな傷跡を残しはしたものの一命を取り留めた。だが、可愛い娘をこんな目に遭わされたエトゥの怒りがおさまるはずはない。
「何としても、熊を捜しだして、息の根を止めてやる!」
この日から村の男たちが総出で、片目を失った熊を捜すこととなった。しかし数日捜すも、見つからない。なにせ小さい村、使える男衆は20人足らず。この数に対して山はあまりに大きすぎる。
「人手を増やすか……」
ハンターの助けを、借りることとなった。
さて、村人の誰か、知っているだろうか。
自然の中では偶然に、マテリアルが歪になることがある。
もし仮にここに生物が紛れ込んだら。その生物が偶然、動くことが出来ずにこの場所に留まり続けてしまったら。
歪んだ空間は、周囲に膨大にある正常なマテリアルによって洗われ、今は正常に戻ったかもしれない。
けれど、そこに残されたものは……。
解説
エナを襲った、片目を撃ち抜かれた熊を捜す手伝いをしてください。死んでいた場合はその報告を、生きていた場合はとどめを刺して下さい。
逃げた場所は分からず、村人を含めた人海戦術で捜す必要があり、これを手伝って下さい。つまり、村人も捜索を行います。所有武器は一般的な猟銃です。
場所は、東西南北、どこも特徴のない初夏の山です。木は青々と茂り、雑草は高く背を伸ばしており、獣はエネルギッシュに活動しています。敢えて言うなら北が山頂側、南が麓側と傾斜がありますが、誤差です。
逃げた場所は分からず、村人を含めた人海戦術で捜す必要があり、これを手伝って下さい。つまり、村人も捜索を行います。所有武器は一般的な猟銃です。
場所は、東西南北、どこも特徴のない初夏の山です。木は青々と茂り、雑草は高く背を伸ばしており、獣はエネルギッシュに活動しています。敢えて言うなら北が山頂側、南が麓側と傾斜がありますが、誤差です。
マスターより
はい、こういう世界ですからね、あらゆることに警戒するのはイイと思います。
ただの村人では考えの及ばないことも、そこはそれ、経験豊富なハンターがせっかく呼ばれたのですから。
要するに、そういう事です。
それでは、頑張って下さい。
ただの村人では考えの及ばないことも、そこはそれ、経験豊富なハンターがせっかく呼ばれたのですから。
要するに、そういう事です。
それでは、頑張って下さい。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/03 04:08
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 犬養 菜摘(ka3996) 人間(リアルブルー)|21才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/05/26 20:25:51 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/24 23:15:43 |