ゲスト
(ka0000)
部品泥棒を捕まえて!
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/26 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/06/04 07:30
オープニング
●
男達が、潰れた馬車を片付けている。
「よーし、これで仕舞いだ。そっち気をつけろ」
「おう、それにしても……何だったんだろうな。この馬車の持ち主は、街道で死んでたらしいし、この馬車に乗ってきたのは誰か分からずじまいだ」
「見たって奴も、大けがしたらしいしよ」
「この馬車、コーヒー問屋のあの人のだろ? あの店も潰れちまうのかね」
「馬車から放り落とされてみたいに死んでたんだってな」
「怖いねぇ」
「まったく」
フマーレの大通りを進んで1つ2つと細い道を曲がった突き当たり。
馬車が横倒しになる事故があった。
積荷は散らかって、牽いていた馬も死んでいた。
馬車の持ち主の姿は無く、後日、それらしい人物の死体が、フマーレからジェオルジへ続く街道で回収された。
死体と周辺の状況から、馬車から落ちたのでは無いか、或いは、同乗者に突き落とされたのでは無いかと言われたが、各局の所は明らかになっていない。
しかし、その馬車だけはフマーレへ辿り着き、道の外れで、積荷をばらまき、荷台を損壊させていた。
何があったのかと口々に囁きながら、警邏の男達はその片付けを終えた。
物陰に潜んだ何かが動く。それの纏った紫色のローブが翻った。
●
同じ頃、フマーレの職人達の頭を日々悩ませる事件が起こっていた。
その噂はフマーレの東の外れの紡績工場に勤める青年、エンリコ・アモーレの耳にも届いていた。
顔見知りの婦人、家具の工場に勤める彼女から、取引先の捻子工場がその被害に遭ったと聞いた。
「――それで、結局、何も取られてはいなかったみたいなんだけど……暫くは製造も、出荷も、停止。うちが頼んでいた部品も、大分遅れるみたい……」
蒸気工場都市フマーレに軒を連ねる様々な工場、その中でも捻子や歯車といった部品を扱う工場に忍び込んで、荒らし回っていく者がいるらしい。
初めは泥棒の類いかと言われていたが、荒らされた工場を片付けると、何も盗まれてはいない。
しかし、売り物にならないほど商品を散らかされたり、機械や建物自体を壊されていたりと被害は大きい。
彼女の取引先も昨晩遭遇し、大分深刻な状況のようだ。
彼女と別れて暫く、工場へ着くと、その庭で飼っている狐が出迎えてきた。狐の頭を一撫でし、工場の重い鉄扉を開ける。
紡績機械が動き始める頃、工場長の阪井輔が知人のハンターオフィス受付嬢と出勤してきた。
「そこで会ってね。この辺りも部品泥棒の被害が出ているらしいから、みんなで纏めて依頼を出そうかって話していたんだ」
「はい! 困ったことはハンターさんにお任せ下さい! ……でも、酷いですよね。大事な工場を荒らしていくなんて」
腕組みをして憤る案内人に、エンリコは頷いて、捻子工場の件を伝えた。工場だけじゃ無くて、その部品を使う人も困っているようだと、深い溜息を吐いた。
『部品泥棒を捕まえて下さい!』
●
依頼が掲載された日、集まったハンターと案内人は、一先ず通りの見回りをすることにした。
被害を受けた工場の話を聞き、辺りの地理を簡単にだが把握する。そして、他の工場へも注意を促しながら、街を見回る。
そして、日が暮れてからもう一度、今度は犯人を捕まえる為に出発した。
阪井の工場から少し歩いて広い通りに出たさきの、別の細い道に入った辺り。
その丁字路の角に佇む古くからの歯車の工場。
表に面した店舗部分は片付いていて、大小様々な歯車が棚に整然と並んでいる。
灯りの落ちた夜の暗闇の中、派手な音を立ててその扉が破られる。
「…………これ、ジャ、ない……コレ、は、あわなイ。こまりました、ネ」
闖入者は桑の実を潰したような鮮やかな紫色のローブを纏い、老若男女何れともつかない声を継ぎ接ぎした様な音で喋りながらその棚を荒らす。
そのローブは目深に被ったフードの半分が千切れていて、所々に穴が空いている。その穴の周囲の焦げが、その綻びが銃弾に撃たれたものだと知らせている。
物音に気付いたのは、店の裏の工房で作業をしていた職人だった。
工房から店に続くドアを開け、何事だとカンテラを翳す。
ガラスが砕けて棚が倒れ、商品の散らかる大きな音。何かが潰れ、引き千切られる音がした。
案内人の手の先でカンテラが揺れる。
音のした方へと走る跫音。
騒ぎに起き出した住人の声。
「なにごとですー!」
灯りを向けた先、ドアの外れて窓が全て割られた店先、紫色のローブを纏った隻腕の歪虚が、人間の右腕を握って、こちらを向いた。
「アラアラァ、やっと、合いそうナ、もの、見付けタ、の。ニ。ちょっと、ダケ、目を、瞑って、くれません、カ?」
笑い声のような音を響かせて、歪虚はハンター達に向かって小さな木細工の玩具を投げた。
それは地面に落ちる直前に膨らんで、大きな甲虫を思わせる歪な歪虚の手駒となった。
ぎょろりと動く大きな目玉が濁った色に彼等を映す。
男達が、潰れた馬車を片付けている。
「よーし、これで仕舞いだ。そっち気をつけろ」
「おう、それにしても……何だったんだろうな。この馬車の持ち主は、街道で死んでたらしいし、この馬車に乗ってきたのは誰か分からずじまいだ」
「見たって奴も、大けがしたらしいしよ」
「この馬車、コーヒー問屋のあの人のだろ? あの店も潰れちまうのかね」
「馬車から放り落とされてみたいに死んでたんだってな」
「怖いねぇ」
「まったく」
フマーレの大通りを進んで1つ2つと細い道を曲がった突き当たり。
馬車が横倒しになる事故があった。
積荷は散らかって、牽いていた馬も死んでいた。
馬車の持ち主の姿は無く、後日、それらしい人物の死体が、フマーレからジェオルジへ続く街道で回収された。
死体と周辺の状況から、馬車から落ちたのでは無いか、或いは、同乗者に突き落とされたのでは無いかと言われたが、各局の所は明らかになっていない。
しかし、その馬車だけはフマーレへ辿り着き、道の外れで、積荷をばらまき、荷台を損壊させていた。
何があったのかと口々に囁きながら、警邏の男達はその片付けを終えた。
物陰に潜んだ何かが動く。それの纏った紫色のローブが翻った。
●
同じ頃、フマーレの職人達の頭を日々悩ませる事件が起こっていた。
その噂はフマーレの東の外れの紡績工場に勤める青年、エンリコ・アモーレの耳にも届いていた。
顔見知りの婦人、家具の工場に勤める彼女から、取引先の捻子工場がその被害に遭ったと聞いた。
「――それで、結局、何も取られてはいなかったみたいなんだけど……暫くは製造も、出荷も、停止。うちが頼んでいた部品も、大分遅れるみたい……」
蒸気工場都市フマーレに軒を連ねる様々な工場、その中でも捻子や歯車といった部品を扱う工場に忍び込んで、荒らし回っていく者がいるらしい。
初めは泥棒の類いかと言われていたが、荒らされた工場を片付けると、何も盗まれてはいない。
しかし、売り物にならないほど商品を散らかされたり、機械や建物自体を壊されていたりと被害は大きい。
彼女の取引先も昨晩遭遇し、大分深刻な状況のようだ。
彼女と別れて暫く、工場へ着くと、その庭で飼っている狐が出迎えてきた。狐の頭を一撫でし、工場の重い鉄扉を開ける。
紡績機械が動き始める頃、工場長の阪井輔が知人のハンターオフィス受付嬢と出勤してきた。
「そこで会ってね。この辺りも部品泥棒の被害が出ているらしいから、みんなで纏めて依頼を出そうかって話していたんだ」
「はい! 困ったことはハンターさんにお任せ下さい! ……でも、酷いですよね。大事な工場を荒らしていくなんて」
腕組みをして憤る案内人に、エンリコは頷いて、捻子工場の件を伝えた。工場だけじゃ無くて、その部品を使う人も困っているようだと、深い溜息を吐いた。
『部品泥棒を捕まえて下さい!』
●
依頼が掲載された日、集まったハンターと案内人は、一先ず通りの見回りをすることにした。
被害を受けた工場の話を聞き、辺りの地理を簡単にだが把握する。そして、他の工場へも注意を促しながら、街を見回る。
そして、日が暮れてからもう一度、今度は犯人を捕まえる為に出発した。
阪井の工場から少し歩いて広い通りに出たさきの、別の細い道に入った辺り。
その丁字路の角に佇む古くからの歯車の工場。
表に面した店舗部分は片付いていて、大小様々な歯車が棚に整然と並んでいる。
灯りの落ちた夜の暗闇の中、派手な音を立ててその扉が破られる。
「…………これ、ジャ、ない……コレ、は、あわなイ。こまりました、ネ」
闖入者は桑の実を潰したような鮮やかな紫色のローブを纏い、老若男女何れともつかない声を継ぎ接ぎした様な音で喋りながらその棚を荒らす。
そのローブは目深に被ったフードの半分が千切れていて、所々に穴が空いている。その穴の周囲の焦げが、その綻びが銃弾に撃たれたものだと知らせている。
物音に気付いたのは、店の裏の工房で作業をしていた職人だった。
工房から店に続くドアを開け、何事だとカンテラを翳す。
ガラスが砕けて棚が倒れ、商品の散らかる大きな音。何かが潰れ、引き千切られる音がした。
案内人の手の先でカンテラが揺れる。
音のした方へと走る跫音。
騒ぎに起き出した住人の声。
「なにごとですー!」
灯りを向けた先、ドアの外れて窓が全て割られた店先、紫色のローブを纏った隻腕の歪虚が、人間の右腕を握って、こちらを向いた。
「アラアラァ、やっと、合いそうナ、もの、見付けタ、の。ニ。ちょっと、ダケ、目を、瞑って、くれません、カ?」
笑い声のような音を響かせて、歪虚はハンター達に向かって小さな木細工の玩具を投げた。
それは地面に落ちる直前に膨らんで、大きな甲虫を思わせる歪な歪虚の手駒となった。
ぎょろりと動く大きな目玉が濁った色に彼等を映す。
解説
目的
部品泥棒(人型歪虚)の撃退
●エネミー
・人型歪虚
紫色のローブを纏った人型の歪虚、陶器の体と歯車や発条の内臓で出来ている。
逃走を第一に考えて行動する。
目眩まし程度の魔術を使うことができ、
移動速度は馬車よりも速い。
攻撃は呼び出した甲虫型歪虚にほぼ依存している。
・甲中型歪虚×7~
大きな目玉を持った甲虫のような形の歪虚。
艶を帯びた甲羅は硬く、
地面から50~80センチほど浮き上がった状態のものもいる。
撃手段は口から吐く粘液での足止め、体当たり、足で捕獲した上での噛み付き。
移動や攻撃対象について、人型歪虚からの指示を受けることがある。
●地形
大通りに面した歯車工場の店舗前。夜。
●●●□□●●●●●●●●※□※2□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□■□★□□□□□□□□
□この辺りに□■□□□□□□□□□□
□ハンターと□■■■□□□□□□□□
□□□受付嬢□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□
●店の軒先
※荒らされた歯車工場
※2細い路地へ
★人型歪虚
■甲中型歪虚の配置箇所(この辺に7匹)
●NPC
受付嬢
開始時点では、ハンター達の先頭でカンテラを構えています。
彼女の正面に1匹歪虚がいます。
非武装で戦闘力はありませんが、攻撃されれば応戦します。
彼女はハンターの指示に従います。
住人達
騒いでいますが、ハンターの指示には従います。
戦闘力はありませんが、攻撃されれば応戦します。
部品泥棒(人型歪虚)の撃退
●エネミー
・人型歪虚
紫色のローブを纏った人型の歪虚、陶器の体と歯車や発条の内臓で出来ている。
逃走を第一に考えて行動する。
目眩まし程度の魔術を使うことができ、
移動速度は馬車よりも速い。
攻撃は呼び出した甲虫型歪虚にほぼ依存している。
・甲中型歪虚×7~
大きな目玉を持った甲虫のような形の歪虚。
艶を帯びた甲羅は硬く、
地面から50~80センチほど浮き上がった状態のものもいる。
撃手段は口から吐く粘液での足止め、体当たり、足で捕獲した上での噛み付き。
移動や攻撃対象について、人型歪虚からの指示を受けることがある。
●地形
大通りに面した歯車工場の店舗前。夜。
●●●□□●●●●●●●●※□※2□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□■□★□□□□□□□□
□この辺りに□■□□□□□□□□□□
□ハンターと□■■■□□□□□□□□
□□□受付嬢□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□
●店の軒先
※荒らされた歯車工場
※2細い路地へ
★人型歪虚
■甲中型歪虚の配置箇所(この辺に7匹)
●NPC
受付嬢
開始時点では、ハンター達の先頭でカンテラを構えています。
彼女の正面に1匹歪虚がいます。
非武装で戦闘力はありませんが、攻撃されれば応戦します。
彼女はハンターの指示に従います。
住人達
騒いでいますが、ハンターの指示には従います。
戦闘力はありませんが、攻撃されれば応戦します。
マスターより
この前ログインした歪虚です。
逃げるので街に被害を出さない感じで、捕まえて下さい。
逃げるので街に被害を出さない感じで、捕まえて下さい。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/03 16:17
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/21 22:04:58 |
|
![]() |
相談卓 マキナ・バベッジ(ka4302) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/05/25 20:45:23 |