ゲスト
(ka0000)
罰、裁きを下す者
マスター:朝臣あむ

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/06/01 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/06/10 09:00
オープニング
●帝都郊外の村
夜の帳が落ちた村の一角に、仄かな灯りの点いた小屋が在った。
「概ね報告書にあった通りだな。で、犯罪者は何処に居る」
問い掛けたのは政府司法課所属の新米司法官、ニカ・アニシンだ。彼女は前髪を切り揃えた事によって露見する瞳を鋭く光らせ、報告を寄せた軍人を睨み付けた。
「犯罪者って……彼等はビラを配っていただけですよ。ですからそんな」
「は? 貴様は何を言っている。反政府組織のビラを配っていたという事は、政府にとって奴らは危険因子であろう。となれば犯罪者である事は間違いない。馬鹿な事を言うと貴様も検挙の対象に加えるか?」
「いっ!?」
睨み据える視線と連ねられる冷たい言葉に威圧され、軍人の脚が下がる。それを見止めて息を吐くと、彼女は隣に立つ軍人にターゲットを変えた。
「貴様に聞く。反政府組織のビラを配っていた農民は何処へ消えた。隠し立てすれば貴様等が軍事であろうと容赦はしないぞ」
言い切ったニカに軍人たちは顔を見合わせて眉を寄せた。これに彼女の元々吊り上っている眉が更に吊り上る事になる。
そもそも彼女がここにいるのは反政府組織のビラを配る輩がいたので捌いて欲しい、と政府司法課に話が来たからだ。
帝国政府司法課は帝国軍による犯罪調査報告を受け、帝都バルトアンデルスから司法官を派遣し現地にて罪状を言い渡す。
帝国は地方に細かく裁判所を設置していない。故に帝都の裁判所まで犯罪者を一々招集するのではなく、小さな犯罪であれば村や街単位、或いは最寄りの師団都市にて判決を下し、そのまま監獄都市アネリブーベへ送り込んでしまうのである。
しかし実際に足を運んでみて驚いた。
捕縛した農民は全て姿を消し、監視の為にいた軍人はこの有様。何処に行ったのかと問い掛ければ「家に帰ったんですよ」の一言。
「何が家に帰った、だ。犯罪者の思考は常に凶悪方面に傾くと決まっている。奴らは反政府組織の連中と結託し、更なる混乱を起こそうとしているんだ。そもそも逃走するのはやましい事があるからだろう」
違うか? そう問い掛ける彼女に軍人ら2人は呆気にとられた様子で目を見開く。これに彼女の口から何度目かの溜息が漏れた。
「田舎軍人はこれだから困る。昨今のヴルツァライヒの台頭も知らんのか」
完全に聞こえるように放たれた声に、驚くばかりだった軍人たちの表情が変わった。
けれどニカは続ける。
「貴様ら田舎軍人に捕縛を命じた所で同じ結果しか得られまい。無能な三下はそこで大人しくしていろ」
「なっ!」
「司法官だからと黙って聞いていれば失礼なッ! これ以上侮辱するならタダでは置かんぞ!」
「ほう?」
スゥッと細めた目が、威勢を張った軍人に向かう。そうして冷たい笑みを口元に刻むと、持っていた銃を抜き取り目の前に突き付けた。
「無能を無能と言って何が悪い。己が職務を全うしていれば言われる事もない言葉だろう。だが貴様らは最低限の職務すらも放棄した。これは職務放棄として罪に問われる問題だぞ?」
「――」
軍事国家である帝国において、文官は軍官よりも発言力が低い。
通常であれば、政府所属の文官が帝国兵に大きな顔でもしようものなら袋叩きに合うだろう。
しかし、司法官だけは違う。恐らく帝国政府の文官の中で彼女たちだけが、軍人と対等以上に話をする事ができるのだ。
威圧と威厳。その双方に睨まれて言葉を失う軍人に更なる溜息を零し、ニカは取り出した拳銃を下げた。
その上で言い放つ。
「至急ハンターを集め犯罪者を捕縛させろ。田舎軍人よりは役に立つだろうからな」
行け。そう命じると、彼女は犯罪者の消えた部屋を振り返った。
●数時間前
反政府組織のビラを配っていたとされ事情聴取を受けていた農民らは、外に落ち始めた闇に気付き腰を上げた。
「そろそろ帰らねぇと娘が心配する」
「カミさんにすぐ帰るって伝えてるしなぁ」
口々と零される声を聞いてもわかる通り、彼等に罪を犯したと言う意識はない。
そもそも何故ビラを配るに至ったのか。それはこの村に訪れた貧困が原因だった。
昨年の不作に続き、昨今増え始めた歪虚が原因で食物が上手く育たないのだ。故に彼等は金を得る手段として反政府組織の頼みであるビラを配った。
「仕方ないな。おっちゃんたちはもう家に帰って良いよ。司法官さんには俺たちが事情を説明しておくから、呼ばれたら顔を出してくれるか?」
「ああ、勿論だとも」
こうして農民たちは家路に着いた。
この時、軍人たちは後に遣って来る司法官がどういう人物かを分かっていなかった。
彼らは貧困に喘ぎ、それを打開するために今回の行動に出たのだ。その状況を顧みてさえもらえれば、厳重注意か罰金で納まる。そう考えていた。
夜の帳が落ちた村の一角に、仄かな灯りの点いた小屋が在った。
「概ね報告書にあった通りだな。で、犯罪者は何処に居る」
問い掛けたのは政府司法課所属の新米司法官、ニカ・アニシンだ。彼女は前髪を切り揃えた事によって露見する瞳を鋭く光らせ、報告を寄せた軍人を睨み付けた。
「犯罪者って……彼等はビラを配っていただけですよ。ですからそんな」
「は? 貴様は何を言っている。反政府組織のビラを配っていたという事は、政府にとって奴らは危険因子であろう。となれば犯罪者である事は間違いない。馬鹿な事を言うと貴様も検挙の対象に加えるか?」
「いっ!?」
睨み据える視線と連ねられる冷たい言葉に威圧され、軍人の脚が下がる。それを見止めて息を吐くと、彼女は隣に立つ軍人にターゲットを変えた。
「貴様に聞く。反政府組織のビラを配っていた農民は何処へ消えた。隠し立てすれば貴様等が軍事であろうと容赦はしないぞ」
言い切ったニカに軍人たちは顔を見合わせて眉を寄せた。これに彼女の元々吊り上っている眉が更に吊り上る事になる。
そもそも彼女がここにいるのは反政府組織のビラを配る輩がいたので捌いて欲しい、と政府司法課に話が来たからだ。
帝国政府司法課は帝国軍による犯罪調査報告を受け、帝都バルトアンデルスから司法官を派遣し現地にて罪状を言い渡す。
帝国は地方に細かく裁判所を設置していない。故に帝都の裁判所まで犯罪者を一々招集するのではなく、小さな犯罪であれば村や街単位、或いは最寄りの師団都市にて判決を下し、そのまま監獄都市アネリブーベへ送り込んでしまうのである。
しかし実際に足を運んでみて驚いた。
捕縛した農民は全て姿を消し、監視の為にいた軍人はこの有様。何処に行ったのかと問い掛ければ「家に帰ったんですよ」の一言。
「何が家に帰った、だ。犯罪者の思考は常に凶悪方面に傾くと決まっている。奴らは反政府組織の連中と結託し、更なる混乱を起こそうとしているんだ。そもそも逃走するのはやましい事があるからだろう」
違うか? そう問い掛ける彼女に軍人ら2人は呆気にとられた様子で目を見開く。これに彼女の口から何度目かの溜息が漏れた。
「田舎軍人はこれだから困る。昨今のヴルツァライヒの台頭も知らんのか」
完全に聞こえるように放たれた声に、驚くばかりだった軍人たちの表情が変わった。
けれどニカは続ける。
「貴様ら田舎軍人に捕縛を命じた所で同じ結果しか得られまい。無能な三下はそこで大人しくしていろ」
「なっ!」
「司法官だからと黙って聞いていれば失礼なッ! これ以上侮辱するならタダでは置かんぞ!」
「ほう?」
スゥッと細めた目が、威勢を張った軍人に向かう。そうして冷たい笑みを口元に刻むと、持っていた銃を抜き取り目の前に突き付けた。
「無能を無能と言って何が悪い。己が職務を全うしていれば言われる事もない言葉だろう。だが貴様らは最低限の職務すらも放棄した。これは職務放棄として罪に問われる問題だぞ?」
「――」
軍事国家である帝国において、文官は軍官よりも発言力が低い。
通常であれば、政府所属の文官が帝国兵に大きな顔でもしようものなら袋叩きに合うだろう。
しかし、司法官だけは違う。恐らく帝国政府の文官の中で彼女たちだけが、軍人と対等以上に話をする事ができるのだ。
威圧と威厳。その双方に睨まれて言葉を失う軍人に更なる溜息を零し、ニカは取り出した拳銃を下げた。
その上で言い放つ。
「至急ハンターを集め犯罪者を捕縛させろ。田舎軍人よりは役に立つだろうからな」
行け。そう命じると、彼女は犯罪者の消えた部屋を振り返った。
●数時間前
反政府組織のビラを配っていたとされ事情聴取を受けていた農民らは、外に落ち始めた闇に気付き腰を上げた。
「そろそろ帰らねぇと娘が心配する」
「カミさんにすぐ帰るって伝えてるしなぁ」
口々と零される声を聞いてもわかる通り、彼等に罪を犯したと言う意識はない。
そもそも何故ビラを配るに至ったのか。それはこの村に訪れた貧困が原因だった。
昨年の不作に続き、昨今増え始めた歪虚が原因で食物が上手く育たないのだ。故に彼等は金を得る手段として反政府組織の頼みであるビラを配った。
「仕方ないな。おっちゃんたちはもう家に帰って良いよ。司法官さんには俺たちが事情を説明しておくから、呼ばれたら顔を出してくれるか?」
「ああ、勿論だとも」
こうして農民たちは家路に着いた。
この時、軍人たちは後に遣って来る司法官がどういう人物かを分かっていなかった。
彼らは貧困に喘ぎ、それを打開するために今回の行動に出たのだ。その状況を顧みてさえもらえれば、厳重注意か罰金で納まる。そう考えていた。
解説
●依頼書
反政府組織のビラを配った犯罪者が逃走した。
ハンター諸君には犯罪者の捕縛を命じる。
犯罪者の数は6名。それぞれ武器を持っている可能性がある。
生け捕りが基本だが刃向かえば武力行使も許可しよう。
くれぐれも逃がすなどと言う不遜な行動には出るなよ。
貴様らの軽率な行動が後の惨事に繋がる事もあるんだ。肝に銘じた上で行動してくれ。
尚、犯罪者が潜伏しそうな場所は洗い出しておいた。確認してくれ。
――以上
●潜伏の可能性がある場所
・犯罪者各自の家
・畑
・帝都に続く街道
いずれも覚醒者が短時間で探せる範囲内。
街道に関しては一般人の足で3~4時間歩いて行ける範囲を想定。
●所有可能性のある武器
・斧
・鉈
・鎌
いずれも農具である可能性が高い。
●NPC
ニカ・アニシン(19)
政府司法課司法官。
新米ながら既に多数の業績があり、それを評価されて昨年帝都に配属になったエリート。
他人を見下す言動や、犯罪者への容赦ない裁きから、影で「冷血司法官」と呼ばれているらしい。
●その他
捕縛がメインではありますが、農民から話を聞くなど捕縛以外の行動を取って頂いて構いません。
何が良いことなのか。一緒に考えて行動して頂ければと思います。
但し、犯罪者を逃がしてしまうと失敗になりますので、そこだけは十分気を付けて下さい。
※白紙防止に「がんばる」だけでも書いておきましょう。
※ご質問には答える事が出来ません。ご了承ください。
反政府組織のビラを配った犯罪者が逃走した。
ハンター諸君には犯罪者の捕縛を命じる。
犯罪者の数は6名。それぞれ武器を持っている可能性がある。
生け捕りが基本だが刃向かえば武力行使も許可しよう。
くれぐれも逃がすなどと言う不遜な行動には出るなよ。
貴様らの軽率な行動が後の惨事に繋がる事もあるんだ。肝に銘じた上で行動してくれ。
尚、犯罪者が潜伏しそうな場所は洗い出しておいた。確認してくれ。
――以上
●潜伏の可能性がある場所
・犯罪者各自の家
・畑
・帝都に続く街道
いずれも覚醒者が短時間で探せる範囲内。
街道に関しては一般人の足で3~4時間歩いて行ける範囲を想定。
●所有可能性のある武器
・斧
・鉈
・鎌
いずれも農具である可能性が高い。
●NPC
ニカ・アニシン(19)
政府司法課司法官。
新米ながら既に多数の業績があり、それを評価されて昨年帝都に配属になったエリート。
他人を見下す言動や、犯罪者への容赦ない裁きから、影で「冷血司法官」と呼ばれているらしい。
●その他
捕縛がメインではありますが、農民から話を聞くなど捕縛以外の行動を取って頂いて構いません。
何が良いことなのか。一緒に考えて行動して頂ければと思います。
但し、犯罪者を逃がしてしまうと失敗になりますので、そこだけは十分気を付けて下さい。
※白紙防止に「がんばる」だけでも書いておきましょう。
※ご質問には答える事が出来ません。ご了承ください。
マスターより
こんにちは、朝臣あむです。
今回は罪人ではなく、罪人を裁く側のシナリオをお届けいたします。
最低条件は「犯罪者の捕縛」ですがそれ以外は決められていませんので、自由度は高いです。
ぜひ一緒に悩んで今回の件を解決して頂ければと思います!
では皆様のご参加とプレイングを心よりお待ちしております!!
今回は罪人ではなく、罪人を裁く側のシナリオをお届けいたします。
最低条件は「犯罪者の捕縛」ですがそれ以外は決められていませんので、自由度は高いです。
ぜひ一緒に悩んで今回の件を解決して頂ければと思います!
では皆様のご参加とプレイングを心よりお待ちしております!!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/08 19:20
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/27 15:54:26 |
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相談卓 水城もなか(ka3532) 人間(リアルブルー)|22才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/05/31 00:13:43 |