ゲスト
(ka0000)
少年、雑魔にブラッシング
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~7人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/06/03 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/06/12 07:30
オープニング
●恐怖
夜、医者を訪ねようと家を出た村人は、悲鳴を上げた。
悲鳴を聞きつけ外に出た者の中で、幾人かはかろうじて家に戻った。
「ぞ、雑魔だ……あれは雑魔だった」
怪我人がいても医者は外に出ることはできなかった。
翌朝、雑魔がいないことを確認し、用心しながら外に出た。食いちぎられて無残な遺体と対面し、医者は無力感にさいなまれる。被害者家族も涙をこぼし、泣くしかなかった。
どこから雑魔が来たのか?
日中は問題ないのだろうか?
村人は首をかしげた。
雑魔がいるなら、北の森だろう。
これまで特に何もなく、安全だとばかり考えていたのを改めないとならない。
武器を持った村人たちは、状況を確認しに森に行った。もちろん、危険ならば引き返す気持ちで。
一方で、領主に対して救援要請を出した。
●別荘
村のはずれであり、森の手前と言う場所に、ある貴族が避暑に使う別荘がある。
毎年夏から秋に使われる家に異変があると、森に向かった者たちは気付いた。
ここ数日、天気が悪かったため、入らなかったためにようやく異変を知る。
馬小屋がある部分に大量に生き物が入っている気配があった。
鳴き声と獣の匂い……。
近寄って中を見ようとした。
「ガルルル」
飛び出してきた大きな獣、元は狼だったような雑魔に威嚇をされる。
腰を抜かした村人を、他の者が引っ張って雑魔から引き離す。雑魔は飛びかかってくることはなかったため、離れながら観察を行った。
毛並みが整えられ、首に布を巻いている。
「ペット?」
状況を忘れて、一人はつぶやく。
村人の一人は、二階のカーテンの隙間から覗いている影に気付いた。薄茶色の髪の毛、白い肌、笑っているような紫の目が印象に残る。子どもと言うには大きいが、大人というには早い雰囲気だ。
「おい……誰かいる、別荘に」
雑魔から離れた後、別荘がかろうじて見えるところから村人たちは見る。
二階の窓のカーテンは閉められ、揺れている。人影はないが、誰かいることを示している。
いつもは夏に来る貴族が来たのか?
村を通らずに来るなどありえない。馬車や馬を使ってくるだろうし、徒歩でこっそり来られるということがない限り気付かないわけがない。
それにしても、馬小屋の雑魔は良くわからない事である。雑魔がいること自体奇妙で、それらが手入れされていることは異様である。
「とにかく、領主さまには伝えてもらって……」
朝、すでに救援要請を持った者が出たので、追って頼みに行った。
●空虚
ベッドに寝そべり、天井に伸ばした手を見つめる。すでに痛みもなく動かすのに支障はない。
「どうしたいんだろう?」
いくつか候補は上がるが、今できることではない。
外で吠える狼の声を聞き、プエルはベッドから降りた。
「もうそんな時間か」
窓の外は夜、霧雨が降っている。
馬小屋となっているところから狼だった雑魔が何匹か出てきた。それらはプエルを見上げて尻尾を振っている。
「可愛いなぁ。僕はここにいるから、お前たちは村で遊んでおいで」
笑いながら見ているプエルに対し、遠吠えを返す雑魔たち。
雑魔を見送った後、ぽつり、つぶやく。
「どうしたらいいのかなぁ。……レチタティーヴォ様と一緒いるのが一番いいのに……。僕もあんな風になりたいなぁ。まずは頑張らないと、見てもらえないし……」
考えても仕方がないことはやめる。そう、楽しいことを探そう。家の中を歩き回る。
プエル好みの家具が備えられている別荘は、定期的に使われているらしくきれいに整えられている。
女の子の人形を見つけ、操ってみる。ちょうどいい暇つぶしだ。肩の載せると頬に引っ付いてくるのは可愛らしくていい。
滞在して日数は経つが、いればいるほど落ち着く家であった。
「やっぱりエクエスも連れてくれば良かったのかな」
「ええ、気付いたらいないというパターンはやめてください。あなたに用がある方に質問攻めにされますので。さて、スコーンをいただきましたのでお持ちしました」
「あっ」
エクエスが持っている籠をプエルはとる。
「どうして、僕の居場所がばれているの?」
プエルは不審を抱きつつも、籠をテーブルに置き行儀よく座った。
「ここで何をしていらっしゃるんですか? その人形は?」
「うん、痛いの嫌だし、考えることにしたんだ。この子はね、なんとなく」
人形を胸にだき、その頭をなでる。
「考える?」
「うん、エクエス以外にも僕を守ってくれるヒトとか、後ろに立てば魔法使えるなとか、他人に動いてもらえばいんだよなって」
皿にスコーンを載せ、プエルはニコリとほほ笑んだ。
「はい? 魔法?」
「うん」
「……なら今までは?」
「敵に囲まれたら意味ないもの」
エクエスは「使えないな」と内心つぶやく。
「……さて、お茶でも淹れますか? 『妹君』にも?」
エクエスはプエルの表情を見逃さないように、金の双眸をじっと向ける。
「妹? ふふっ、この子はそこまでできないから」
プエルは人形をテーブルの上に置き、愛おしそうに、優しく頭をなでる。
「あっ……ちょっと待って、僕がお茶淹れるから!」
「いえ、それは私が……」
「だって、お前が淹れるのはまずいんだもの」
「……」
プエルがお茶を淹れるのに集中を始めてから、人形は倒れた。
●依頼
その領主の代理人がハンターズソサエティ支部に依頼を持ちこんだのは、村人に死人が出て一週間が経った日だった。
「村に確認に行ったところ、夜になると雑魔が現れるんですよ」
ちょっと軽めなのか気安さを出そうとしているのか、努めて代理人は明るくしゃべる。
「家の外に出なければ被害はないんです。無理矢理壊して入ってくることは現在のところないようです」
雑魔の種類は狼のような形のものが多く、熊っぽいものもいた。そのうち家屋を壊して侵入する可能性はある大きさである。
「別荘には雑魔がいました……。中にいるらしい人とは接触できなかったんですが、夜になると聞き覚えのない少年の歌声がしたので、誰かはいるみたいです」
どんな歌なのかと尋ねると一般的な合唱曲や聖歌隊が歌うタイトルが返ってくる。
「雑魔退治と原因が分かればその対処をお願いしたいんです。それと、別荘にいる人の確認を」
「分かりました」
職員が請け負うと、領主の代理人は深々頭をさげて立ち去って行った。
「あの人はわざと考えないようにしていたんでしょうか? 雑魔がいても気にしない様子ですよ、別荘の人。下手をするとその上の存在がいる可能性あります……」
職員はぽつりつぶやくと依頼書には、要注意と書き込んだ。
夜、医者を訪ねようと家を出た村人は、悲鳴を上げた。
悲鳴を聞きつけ外に出た者の中で、幾人かはかろうじて家に戻った。
「ぞ、雑魔だ……あれは雑魔だった」
怪我人がいても医者は外に出ることはできなかった。
翌朝、雑魔がいないことを確認し、用心しながら外に出た。食いちぎられて無残な遺体と対面し、医者は無力感にさいなまれる。被害者家族も涙をこぼし、泣くしかなかった。
どこから雑魔が来たのか?
日中は問題ないのだろうか?
村人は首をかしげた。
雑魔がいるなら、北の森だろう。
これまで特に何もなく、安全だとばかり考えていたのを改めないとならない。
武器を持った村人たちは、状況を確認しに森に行った。もちろん、危険ならば引き返す気持ちで。
一方で、領主に対して救援要請を出した。
●別荘
村のはずれであり、森の手前と言う場所に、ある貴族が避暑に使う別荘がある。
毎年夏から秋に使われる家に異変があると、森に向かった者たちは気付いた。
ここ数日、天気が悪かったため、入らなかったためにようやく異変を知る。
馬小屋がある部分に大量に生き物が入っている気配があった。
鳴き声と獣の匂い……。
近寄って中を見ようとした。
「ガルルル」
飛び出してきた大きな獣、元は狼だったような雑魔に威嚇をされる。
腰を抜かした村人を、他の者が引っ張って雑魔から引き離す。雑魔は飛びかかってくることはなかったため、離れながら観察を行った。
毛並みが整えられ、首に布を巻いている。
「ペット?」
状況を忘れて、一人はつぶやく。
村人の一人は、二階のカーテンの隙間から覗いている影に気付いた。薄茶色の髪の毛、白い肌、笑っているような紫の目が印象に残る。子どもと言うには大きいが、大人というには早い雰囲気だ。
「おい……誰かいる、別荘に」
雑魔から離れた後、別荘がかろうじて見えるところから村人たちは見る。
二階の窓のカーテンは閉められ、揺れている。人影はないが、誰かいることを示している。
いつもは夏に来る貴族が来たのか?
村を通らずに来るなどありえない。馬車や馬を使ってくるだろうし、徒歩でこっそり来られるということがない限り気付かないわけがない。
それにしても、馬小屋の雑魔は良くわからない事である。雑魔がいること自体奇妙で、それらが手入れされていることは異様である。
「とにかく、領主さまには伝えてもらって……」
朝、すでに救援要請を持った者が出たので、追って頼みに行った。
●空虚
ベッドに寝そべり、天井に伸ばした手を見つめる。すでに痛みもなく動かすのに支障はない。
「どうしたいんだろう?」
いくつか候補は上がるが、今できることではない。
外で吠える狼の声を聞き、プエルはベッドから降りた。
「もうそんな時間か」
窓の外は夜、霧雨が降っている。
馬小屋となっているところから狼だった雑魔が何匹か出てきた。それらはプエルを見上げて尻尾を振っている。
「可愛いなぁ。僕はここにいるから、お前たちは村で遊んでおいで」
笑いながら見ているプエルに対し、遠吠えを返す雑魔たち。
雑魔を見送った後、ぽつり、つぶやく。
「どうしたらいいのかなぁ。……レチタティーヴォ様と一緒いるのが一番いいのに……。僕もあんな風になりたいなぁ。まずは頑張らないと、見てもらえないし……」
考えても仕方がないことはやめる。そう、楽しいことを探そう。家の中を歩き回る。
プエル好みの家具が備えられている別荘は、定期的に使われているらしくきれいに整えられている。
女の子の人形を見つけ、操ってみる。ちょうどいい暇つぶしだ。肩の載せると頬に引っ付いてくるのは可愛らしくていい。
滞在して日数は経つが、いればいるほど落ち着く家であった。
「やっぱりエクエスも連れてくれば良かったのかな」
「ええ、気付いたらいないというパターンはやめてください。あなたに用がある方に質問攻めにされますので。さて、スコーンをいただきましたのでお持ちしました」
「あっ」
エクエスが持っている籠をプエルはとる。
「どうして、僕の居場所がばれているの?」
プエルは不審を抱きつつも、籠をテーブルに置き行儀よく座った。
「ここで何をしていらっしゃるんですか? その人形は?」
「うん、痛いの嫌だし、考えることにしたんだ。この子はね、なんとなく」
人形を胸にだき、その頭をなでる。
「考える?」
「うん、エクエス以外にも僕を守ってくれるヒトとか、後ろに立てば魔法使えるなとか、他人に動いてもらえばいんだよなって」
皿にスコーンを載せ、プエルはニコリとほほ笑んだ。
「はい? 魔法?」
「うん」
「……なら今までは?」
「敵に囲まれたら意味ないもの」
エクエスは「使えないな」と内心つぶやく。
「……さて、お茶でも淹れますか? 『妹君』にも?」
エクエスはプエルの表情を見逃さないように、金の双眸をじっと向ける。
「妹? ふふっ、この子はそこまでできないから」
プエルは人形をテーブルの上に置き、愛おしそうに、優しく頭をなでる。
「あっ……ちょっと待って、僕がお茶淹れるから!」
「いえ、それは私が……」
「だって、お前が淹れるのはまずいんだもの」
「……」
プエルがお茶を淹れるのに集中を始めてから、人形は倒れた。
●依頼
その領主の代理人がハンターズソサエティ支部に依頼を持ちこんだのは、村人に死人が出て一週間が経った日だった。
「村に確認に行ったところ、夜になると雑魔が現れるんですよ」
ちょっと軽めなのか気安さを出そうとしているのか、努めて代理人は明るくしゃべる。
「家の外に出なければ被害はないんです。無理矢理壊して入ってくることは現在のところないようです」
雑魔の種類は狼のような形のものが多く、熊っぽいものもいた。そのうち家屋を壊して侵入する可能性はある大きさである。
「別荘には雑魔がいました……。中にいるらしい人とは接触できなかったんですが、夜になると聞き覚えのない少年の歌声がしたので、誰かはいるみたいです」
どんな歌なのかと尋ねると一般的な合唱曲や聖歌隊が歌うタイトルが返ってくる。
「雑魔退治と原因が分かればその対処をお願いしたいんです。それと、別荘にいる人の確認を」
「分かりました」
職員が請け負うと、領主の代理人は深々頭をさげて立ち去って行った。
「あの人はわざと考えないようにしていたんでしょうか? 雑魔がいても気にしない様子ですよ、別荘の人。下手をするとその上の存在がいる可能性あります……」
職員はぽつりつぶやくと依頼書には、要注意と書き込んだ。
解説
雑魔退治です。
領主としては別荘の状況も見てほしいし、不審者は捕まえてほしいとのこと。
なお、以下に掲げる歪虚に関する情報は遭遇後明確化するものとお考えください。
●別荘
貴族の所有で夏から秋にかけて使われます。今は誰もいないはずでした。
馬屋が付いています。
森が背後にありますが、家の周りは馬車付けもするため結構広い開けたスペースがあります。
●村
四十軒ほどの家は密集ではないけれど、それなりに家々は近い間隔で並んでいます。
村の真ん中を通り、別荘に続く道の幅は4メートル、それ以外は2メートル。
●雑魔
元狼、元熊。前者が10匹くらい、後者は2匹くらい。増えたり減ったりしても概ねこの数。
元狼はブラッシング済み、バンダナ付。大変可愛がられています。元熊もブラッシングされているようです。
夜になると村に遊びに来て、日中は別荘の馬小屋に入っています。太陽に弱いわけではありません。
見た目は通常の狼より大きめですが、噛みつきやひっかきなど、狼の行動のままの攻撃です。
熊も大きさの変化、行動は生前のままと考えて差し支えないです。立つと大きさは2メートル近くなりますが。
日中は別荘に近寄ったり、敵対行動をとらない限り襲ってこないようです。
●歪虚
・プエル
災厄の十三魔レチタティーヴォ配下、嫉妬の歪虚。
外見14歳の少年。背もさほど高くなく華奢です。
魔法使えると嘯いてますが……攻撃は大剣を用いた物です。範囲系の攻撃も持っています。
村には現在は出ていません。別荘でごろごろしています。
・エクエス
プエルが言うには友人兼部下である嫉妬の歪虚。
外見は18歳くらいの青年。優男風、二振りの剣を提げています。
おやつを持って後を付けていた様子。
領主としては別荘の状況も見てほしいし、不審者は捕まえてほしいとのこと。
なお、以下に掲げる歪虚に関する情報は遭遇後明確化するものとお考えください。
●別荘
貴族の所有で夏から秋にかけて使われます。今は誰もいないはずでした。
馬屋が付いています。
森が背後にありますが、家の周りは馬車付けもするため結構広い開けたスペースがあります。
●村
四十軒ほどの家は密集ではないけれど、それなりに家々は近い間隔で並んでいます。
村の真ん中を通り、別荘に続く道の幅は4メートル、それ以外は2メートル。
●雑魔
元狼、元熊。前者が10匹くらい、後者は2匹くらい。増えたり減ったりしても概ねこの数。
元狼はブラッシング済み、バンダナ付。大変可愛がられています。元熊もブラッシングされているようです。
夜になると村に遊びに来て、日中は別荘の馬小屋に入っています。太陽に弱いわけではありません。
見た目は通常の狼より大きめですが、噛みつきやひっかきなど、狼の行動のままの攻撃です。
熊も大きさの変化、行動は生前のままと考えて差し支えないです。立つと大きさは2メートル近くなりますが。
日中は別荘に近寄ったり、敵対行動をとらない限り襲ってこないようです。
●歪虚
・プエル
災厄の十三魔レチタティーヴォ配下、嫉妬の歪虚。
外見14歳の少年。背もさほど高くなく華奢です。
魔法使えると嘯いてますが……攻撃は大剣を用いた物です。範囲系の攻撃も持っています。
村には現在は出ていません。別荘でごろごろしています。
・エクエス
プエルが言うには友人兼部下である嫉妬の歪虚。
外見は18歳くらいの青年。優男風、二振りの剣を提げています。
おやつを持って後を付けていた様子。
マスターより
こんにちは。ブラッシングされた雑魔見てみたく書いてみました。
雑魔さえ退治してしまえば、プエルは撤退します。ただし、戦い方の選択により難易度は変わると思いますので「やや難しい」としてあります。
痛いか面倒くさいかのいずれかですね!
読んでいただかなくとも問題はありませんが、「【不動】少年、死体操るすべを考える」においてエクエスが魔法に関して発言はしています。
では、よろしくお願いします。
雑魔さえ退治してしまえば、プエルは撤退します。ただし、戦い方の選択により難易度は変わると思いますので「やや難しい」としてあります。
痛いか面倒くさいかのいずれかですね!
読んでいただかなくとも問題はありませんが、「【不動】少年、死体操るすべを考える」においてエクエスが魔法に関して発言はしています。
では、よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/07 23:28
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
れっつもふもふ?【相談卓】 黒の夢(ka0187) エルフ|26才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/06/02 19:56:51 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/31 12:12:07 |