ゲスト
(ka0000)
コボルドだワン
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2015/06/05 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/06/14 19:00
オープニング
ここは自由都市圏内にある、海辺の町。白い壁とオレンジ色の瓦で統一された町並みが、海の青さとあいまって目に快い。
名産は潮風を浴びて作られる柑橘類と、干し鱈。
商業、工業より農業、漁業に力を注いでいるだけあって、のどかな町である。
そののどかな町に、コボルドが出没するようになった。
どこからどう流れてきたのか知らないが、商店の店先から食い物をかっぱらったり、干してある魚を食ったり、飲食店のゴミ箱を引っ繰り返したり、道に穴を掘りまくったりと、ろくなことをしない。
本日町議会はその件について話し合っている。
「今のところ被害は軽微ですが、なにしろ根は凶暴らしいですし。いつ本格的に人間に対し、牙をむくか分かりませんぞ。お年寄りや子供が噛まれるかも知れない。危険です」
「一部の市民が餌付けをしているとの話もあるが……住み着かれたら迷惑どころではすまないぞ。『コボルドを1匹見かけたら、残り999匹が近くにいると思え』というドワーフの諺もあるからな。ここで増えられたらことだ。いったんはびこると、追い出せなくなる」
「野良猫の増加も問題になっておりますからなあ。この上コボルドまで増えるとなると衛生的に大変よろしくないかと」
「現在のところ目撃されているのは1匹だけらしいが」
「それが怪しいところなのだよ。一体コボルドが1匹でいるなんてこと、あるかね? あれは基本的に群れる生き物らしいじゃないかね」
「社会的な自立性を持たないため、大抵ゴブリンに隷属しているとも聞く。近隣にそういった親玉が潜んでいるということも考えられないか?」
「……やはりハンターに確かめてもらうべきだろうな」
●
河口付近にかかる石橋の上。
女学生の団体がこぞってきゃあきゃあはしゃいでいる。歯を剥き威嚇しているコボルドを前にして。
「出た!」
「ほんとにめっちゃかわいい!」
「やだー、触りたーい」
危険な亜人を目の当たりにしながら緊張感が皆無である。揃いも揃ってよほど肝が据わっているのか。腕に覚えがあるのか。
否、そうではない。こういう反応をされる責任は、コボルド自身にある。
わしっ! わしっ! わしっ!
まず声。小型犬が吠えているみたいでちっとも迫力がない。
次に大きさ。コボルドの平均より小さい。おおむね60センチくらいしかない。
さらに顔。確かにコボルドは犬顔だが、それにしたって犬犬し過ぎる。全身深い縮れ毛に覆われむくむくしており、二本足で歩くプードルにしか見えない。
これで怖がれと言う方が無理だ。
「ほらこっちおいでー」
「おいでおいで、パンあげるから」
彼女たちは惜しみ無くパンを投げてやった。
コボルドは吠えるのを止めた。投げられたパンを前足でかき集め、すたこらどこかに逃げて行く。
●
小さなコボルドは川の土手に掘った巣穴に潜り込み、両手一杯に抱え込んだパンを食べ始めた。
彼は仲間たちと共にゴブリンの「おやぶん」に連れられ、辺境からはるばるここまで遠征してきた。道中こそ泥や追いはぎなどで稼いでいたところ、運悪くハンターの団体と鉢合わせ。「おやぶん」はたちまち討伐。仲間たちはてんでばらばらに逃げ出し、自分も逃げ出し、気が付けば見知らぬ土地に1人きり。
この場合匂いを辿っていち早く辺境に帰り、新たな「おやぶん」を見つけるのがコボルドとして正しい行動なのだが、彼はなかなかその決心がつかないでいた。
この地の人間はとても弱い。吠えれば恐れおののき、このようにすぐ食べ物を貢いでくる。辺境では仲間からチビチビと軽んじられていたが、ここにおいてはオレ最強。すごく気分がいい――そう思っているからだ。
自分の姿形が愛らしいから食べ物をもらえるのだという事実には、てんで気づいていない。
無理もない。コボルド的審美眼からすれば彼は、「鋭い牙」「尖った鼻先」「長い手足」といったメス心をくすぐる要素を何一つ持ち合わせていない、非モテ系ぶちゃいく男子なのである。
名産は潮風を浴びて作られる柑橘類と、干し鱈。
商業、工業より農業、漁業に力を注いでいるだけあって、のどかな町である。
そののどかな町に、コボルドが出没するようになった。
どこからどう流れてきたのか知らないが、商店の店先から食い物をかっぱらったり、干してある魚を食ったり、飲食店のゴミ箱を引っ繰り返したり、道に穴を掘りまくったりと、ろくなことをしない。
本日町議会はその件について話し合っている。
「今のところ被害は軽微ですが、なにしろ根は凶暴らしいですし。いつ本格的に人間に対し、牙をむくか分かりませんぞ。お年寄りや子供が噛まれるかも知れない。危険です」
「一部の市民が餌付けをしているとの話もあるが……住み着かれたら迷惑どころではすまないぞ。『コボルドを1匹見かけたら、残り999匹が近くにいると思え』というドワーフの諺もあるからな。ここで増えられたらことだ。いったんはびこると、追い出せなくなる」
「野良猫の増加も問題になっておりますからなあ。この上コボルドまで増えるとなると衛生的に大変よろしくないかと」
「現在のところ目撃されているのは1匹だけらしいが」
「それが怪しいところなのだよ。一体コボルドが1匹でいるなんてこと、あるかね? あれは基本的に群れる生き物らしいじゃないかね」
「社会的な自立性を持たないため、大抵ゴブリンに隷属しているとも聞く。近隣にそういった親玉が潜んでいるということも考えられないか?」
「……やはりハンターに確かめてもらうべきだろうな」
●
河口付近にかかる石橋の上。
女学生の団体がこぞってきゃあきゃあはしゃいでいる。歯を剥き威嚇しているコボルドを前にして。
「出た!」
「ほんとにめっちゃかわいい!」
「やだー、触りたーい」
危険な亜人を目の当たりにしながら緊張感が皆無である。揃いも揃ってよほど肝が据わっているのか。腕に覚えがあるのか。
否、そうではない。こういう反応をされる責任は、コボルド自身にある。
わしっ! わしっ! わしっ!
まず声。小型犬が吠えているみたいでちっとも迫力がない。
次に大きさ。コボルドの平均より小さい。おおむね60センチくらいしかない。
さらに顔。確かにコボルドは犬顔だが、それにしたって犬犬し過ぎる。全身深い縮れ毛に覆われむくむくしており、二本足で歩くプードルにしか見えない。
これで怖がれと言う方が無理だ。
「ほらこっちおいでー」
「おいでおいで、パンあげるから」
彼女たちは惜しみ無くパンを投げてやった。
コボルドは吠えるのを止めた。投げられたパンを前足でかき集め、すたこらどこかに逃げて行く。
●
小さなコボルドは川の土手に掘った巣穴に潜り込み、両手一杯に抱え込んだパンを食べ始めた。
彼は仲間たちと共にゴブリンの「おやぶん」に連れられ、辺境からはるばるここまで遠征してきた。道中こそ泥や追いはぎなどで稼いでいたところ、運悪くハンターの団体と鉢合わせ。「おやぶん」はたちまち討伐。仲間たちはてんでばらばらに逃げ出し、自分も逃げ出し、気が付けば見知らぬ土地に1人きり。
この場合匂いを辿っていち早く辺境に帰り、新たな「おやぶん」を見つけるのがコボルドとして正しい行動なのだが、彼はなかなかその決心がつかないでいた。
この地の人間はとても弱い。吠えれば恐れおののき、このようにすぐ食べ物を貢いでくる。辺境では仲間からチビチビと軽んじられていたが、ここにおいてはオレ最強。すごく気分がいい――そう思っているからだ。
自分の姿形が愛らしいから食べ物をもらえるのだという事実には、てんで気づいていない。
無理もない。コボルド的審美眼からすれば彼は、「鋭い牙」「尖った鼻先」「長い手足」といったメス心をくすぐる要素を何一つ持ち合わせていない、非モテ系ぶちゃいく男子なのである。
解説
補足説明
これは町に入り込んできたコボルドを見つけ、捕獲するシナリオです。
『コボルドが二度と町に戻ってこないようにする』というのが目的です。
そのために捕まえた後どうするかは、PCさんの考え次第。生かすも殺すも自由です。皆で話し合って、最終的な扱いを決めてください。
OPにありますようにこのコボルドは、『餌を恵んでもらっている』と思っていません。『人間を脅して食い物を巻き上げてやった。オレ最強』と勘違いしています。
そのため目下、かなり増長気味。自己の力を過信しているので、警戒心が薄れています。
コボルドは河口付近の岸辺に穴を掘って、巣を作っています。見つかりにくいよう、入り口を草で覆っています。
餌をやる人はそのことを知っていますが、『コボちゃんが追い払われたらかわいそう』という気持ちが強いので、見て見ぬふりしています。
コボルドがあまりにも犬犬しているので、町の皆さん危機感が今ひとつです。
登場NPC コボルド:♂。顔も体もむくむく。よく吠える。町に来てから太りぎみ。
これは町に入り込んできたコボルドを見つけ、捕獲するシナリオです。
『コボルドが二度と町に戻ってこないようにする』というのが目的です。
そのために捕まえた後どうするかは、PCさんの考え次第。生かすも殺すも自由です。皆で話し合って、最終的な扱いを決めてください。
OPにありますようにこのコボルドは、『餌を恵んでもらっている』と思っていません。『人間を脅して食い物を巻き上げてやった。オレ最強』と勘違いしています。
そのため目下、かなり増長気味。自己の力を過信しているので、警戒心が薄れています。
コボルドは河口付近の岸辺に穴を掘って、巣を作っています。見つかりにくいよう、入り口を草で覆っています。
餌をやる人はそのことを知っていますが、『コボちゃんが追い払われたらかわいそう』という気持ちが強いので、見て見ぬふりしています。
コボルドがあまりにも犬犬しているので、町の皆さん危機感が今ひとつです。
登場NPC コボルド:♂。顔も体もむくむく。よく吠える。町に来てから太りぎみ。
マスターより
KINUTAです。
今回の任務は亜人捜し。
人間を恐れなくなったら野生動物は長生き出来ません。俺様最強(脳内)状態のコボちゃんに、現実というものを再認識させてあげてください。
今回の任務は亜人捜し。
人間を恐れなくなったら野生動物は長生き出来ません。俺様最強(脳内)状態のコボちゃんに、現実というものを再認識させてあげてください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/11 22:42
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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コボちゃんに現実を ガラーク・ジラント(ka2176) 人間(リアルブルー)|28才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2015/06/04 23:31:02 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/31 17:34:48 |