ゲスト
(ka0000)
森に咲く一輪の
マスター:秋月雅哉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/06/06 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/06/15 19:00
オープニング
●可憐な花にも棘がある
その花は森の中でたった一輪咲いている、孤独な花だった。
森自体は下草も豊かで、木々の樹齢も長い立派なものだった。
けれどその花の同族ともいうべき、同じ種類の花はいなかった。
花は何にも縛られずに咲き誇る。
多年草であるらしく、毎年毎年、同じ場所で咲き誇る。
誰も見に来る人がいないと知っているのだろうか。
知っているかもしれない。知らないかもしれない。
それでも花は咲き続ける。ただ咲くことが己の役割であるというように、咲くことが生まれてきた理由だとでもいうように。
「なぁ、聞いたか。凄く珍しい花が入らずの森に咲いているらしいぜ」
好奇心が旺盛そうな青年の言葉に気が弱そうな青年は眉をひそめた。
「入らずの森の意味を知らないのかよ。入ったらいけないからそう呼ばれているんだろう」
「まぁ聞けよ、その花に好事家が高値の懸賞金を付けたんだ」
「花に懸賞金?」
それはまた不思議な話である。
「なんでも突然変異の一種じゃないかって話が合ってさ、それで、この村って貧しいだろう。
俺とお前でちょっと取りに行ってみないか」
「でもジョニー、入らずの森は……」
「聞き分けのないやつだな、ジョアンは。なんで話が漏れたか考えてみろよ。入らずの森に誰かが入って『あそこには珍しい花がある』って吹聴したからだろう」
「……あまりいい気はしないな。俺はやめておくよ」
「なら俺がいってくる。探すのに少し時間がかかるかもしれないが……そうだな、三日か四日で戻るよ」
花を根元から土ごと持ってこないといけないらしいし、準備があるから俺はもういくよ。
ジョニーが杜へ行く準備を進める間、ジョアンは気になる噂を耳にした。
『以前ジョニーが注意して、それに激昂したごろつきたちが最近入らずの森へ立ち入っている』
何かよからぬことを考えているのかもしれない、とごろつきたちの様子をこっそり探ると何やら荷物を持って森へと分け入っているではないか。
「前、お前と揉めたごろつきがなにか企んでるかもしれないんだ。やっぱりやめた方がいい」
ジョアンはジョニーに再度森へ入る事をやめるよう促したが相手はどこ吹く風。
「向こうも賞金のことを耳にして探し回ってるんだろうさ。明日の朝に出発するよ」
そして、ジョニーは一週間を過ぎても戻ってこなかったのである。
「友人を探し出してきてほしいんです。何でも珍しい花が入らずの森にあるってうわさが広がって、懸賞金までかかっているみたいで」
「落ち着いて、ジョアン君。入らずの森にその珍しい花が咲いていると他の人も知っているのかい?」
知っていて立ち入り、何かが理由で帰ってこれなくなった人は他にはいないか、というルカ・シュバルツエンド(kz0073)の問いかけにジョアンは少し考えた後首を振った。
「何人か森に入ろうとはしたみたいです。でも空気がおかしい、やっぱり入らずの森には入ったら駄目なんだってすぐ戻ってきました。
あ、でも友人と揉めたことのあるごろつきは何度も森へ入ってるみたいです」
「となると誰が噂を広めて、どんな好事家が花一輪に多額の懸賞金をかけたりしたんだろう。
ジョニー君はもしかしてちょっと向こう見ずで、こういったら何だけど博打好きだったりするのかな」
「……おっしゃる通りです。彼は子供が多いから金策が大変みたいで」
「それにごろつきが何度も、か。誰かが仕組んだ罠、ということも考えられるね。それと空気が明らかにおかしいなら植物か動物が歪虚化しているのかもしれない。
ジョニー君を陥れようとしている可能性は否定できないね」
ルカの言葉にジョニーが震え上がった。
「そ、そんなに危険なんですか!?」
「嫌がらせのつもりで仕込んだ罠に引っかかったところに、雑魔が現れたとして、しかもそれを事前に知ることなくジョニー君が入らずの森に入ったならそれは命に関わるよ」
あまり困ったことになってないといいけど。
ルカはそう言いながら僅かに眉間にしわを寄せた。
「どっちみち、食料ももう尽きてる可能性が高いよね。三日か四日で戻るっていって出ていって、もう一週間だ。
入らずの森ってことは道の整備も、案内板もないんだろう? 一人で出かけていったなら足を怪我して動けないかもしれない、うっかり迷って出られなくなったのかもしれない。
あとはまぁ……花探しに夢中になりすぎて時間を忘れてるとか? それにしたって夢中に、がむしゃらに探したんじゃ帰り道が分からなくなるよ。
ジョニー君にこういう、森や山での探し物の経験は?」
「ない、と思います。あってもいらずの森じゃない場所に日暮れ近くなっても帰ってこない子供を探しにとかくらいで……」
ルカの眉間のしわが濃くなった。
「じゃあ、山菜取りの経験は?」
「ジョニーは山菜があまり好きじゃないみたいなんです……」
なんて無謀な。ハンターと斡旋人の顔に浮かんだ呆れた表情にジョアンは縮こまる。
「あの、それで……厚かましいんですけどジョニーを探していただけないでしょうか……」
「もし問題の花が見つかった時は対処は任せるよ。花に罪はないけれど、こういう事件が何度も起きても困る。
君たちでどうするのがベストか見極めて欲しい」
その花は森の中でたった一輪咲いている、孤独な花だった。
森自体は下草も豊かで、木々の樹齢も長い立派なものだった。
けれどその花の同族ともいうべき、同じ種類の花はいなかった。
花は何にも縛られずに咲き誇る。
多年草であるらしく、毎年毎年、同じ場所で咲き誇る。
誰も見に来る人がいないと知っているのだろうか。
知っているかもしれない。知らないかもしれない。
それでも花は咲き続ける。ただ咲くことが己の役割であるというように、咲くことが生まれてきた理由だとでもいうように。
「なぁ、聞いたか。凄く珍しい花が入らずの森に咲いているらしいぜ」
好奇心が旺盛そうな青年の言葉に気が弱そうな青年は眉をひそめた。
「入らずの森の意味を知らないのかよ。入ったらいけないからそう呼ばれているんだろう」
「まぁ聞けよ、その花に好事家が高値の懸賞金を付けたんだ」
「花に懸賞金?」
それはまた不思議な話である。
「なんでも突然変異の一種じゃないかって話が合ってさ、それで、この村って貧しいだろう。
俺とお前でちょっと取りに行ってみないか」
「でもジョニー、入らずの森は……」
「聞き分けのないやつだな、ジョアンは。なんで話が漏れたか考えてみろよ。入らずの森に誰かが入って『あそこには珍しい花がある』って吹聴したからだろう」
「……あまりいい気はしないな。俺はやめておくよ」
「なら俺がいってくる。探すのに少し時間がかかるかもしれないが……そうだな、三日か四日で戻るよ」
花を根元から土ごと持ってこないといけないらしいし、準備があるから俺はもういくよ。
ジョニーが杜へ行く準備を進める間、ジョアンは気になる噂を耳にした。
『以前ジョニーが注意して、それに激昂したごろつきたちが最近入らずの森へ立ち入っている』
何かよからぬことを考えているのかもしれない、とごろつきたちの様子をこっそり探ると何やら荷物を持って森へと分け入っているではないか。
「前、お前と揉めたごろつきがなにか企んでるかもしれないんだ。やっぱりやめた方がいい」
ジョアンはジョニーに再度森へ入る事をやめるよう促したが相手はどこ吹く風。
「向こうも賞金のことを耳にして探し回ってるんだろうさ。明日の朝に出発するよ」
そして、ジョニーは一週間を過ぎても戻ってこなかったのである。
「友人を探し出してきてほしいんです。何でも珍しい花が入らずの森にあるってうわさが広がって、懸賞金までかかっているみたいで」
「落ち着いて、ジョアン君。入らずの森にその珍しい花が咲いていると他の人も知っているのかい?」
知っていて立ち入り、何かが理由で帰ってこれなくなった人は他にはいないか、というルカ・シュバルツエンド(kz0073)の問いかけにジョアンは少し考えた後首を振った。
「何人か森に入ろうとはしたみたいです。でも空気がおかしい、やっぱり入らずの森には入ったら駄目なんだってすぐ戻ってきました。
あ、でも友人と揉めたことのあるごろつきは何度も森へ入ってるみたいです」
「となると誰が噂を広めて、どんな好事家が花一輪に多額の懸賞金をかけたりしたんだろう。
ジョニー君はもしかしてちょっと向こう見ずで、こういったら何だけど博打好きだったりするのかな」
「……おっしゃる通りです。彼は子供が多いから金策が大変みたいで」
「それにごろつきが何度も、か。誰かが仕組んだ罠、ということも考えられるね。それと空気が明らかにおかしいなら植物か動物が歪虚化しているのかもしれない。
ジョニー君を陥れようとしている可能性は否定できないね」
ルカの言葉にジョニーが震え上がった。
「そ、そんなに危険なんですか!?」
「嫌がらせのつもりで仕込んだ罠に引っかかったところに、雑魔が現れたとして、しかもそれを事前に知ることなくジョニー君が入らずの森に入ったならそれは命に関わるよ」
あまり困ったことになってないといいけど。
ルカはそう言いながら僅かに眉間にしわを寄せた。
「どっちみち、食料ももう尽きてる可能性が高いよね。三日か四日で戻るっていって出ていって、もう一週間だ。
入らずの森ってことは道の整備も、案内板もないんだろう? 一人で出かけていったなら足を怪我して動けないかもしれない、うっかり迷って出られなくなったのかもしれない。
あとはまぁ……花探しに夢中になりすぎて時間を忘れてるとか? それにしたって夢中に、がむしゃらに探したんじゃ帰り道が分からなくなるよ。
ジョニー君にこういう、森や山での探し物の経験は?」
「ない、と思います。あってもいらずの森じゃない場所に日暮れ近くなっても帰ってこない子供を探しにとかくらいで……」
ルカの眉間のしわが濃くなった。
「じゃあ、山菜取りの経験は?」
「ジョニーは山菜があまり好きじゃないみたいなんです……」
なんて無謀な。ハンターと斡旋人の顔に浮かんだ呆れた表情にジョアンは縮こまる。
「あの、それで……厚かましいんですけどジョニーを探していただけないでしょうか……」
「もし問題の花が見つかった時は対処は任せるよ。花に罪はないけれど、こういう事件が何度も起きても困る。
君たちでどうするのがベストか見極めて欲しい」
解説
●目的
入らずの森に分け入り、珍しい花を探して行方不明になった青年の救出シナリオとなります。
青年を救い出し、依頼主と再会させれば依頼成功です。
●行方不明になっている青年、ジョニーについて
向こう見ずで猪突猛進。子だくさんで子供を養うために奔走しています。
ジョアンとは少年時代からの友人。
今回、「入らずの森に咲いた花がとても珍しい突然変異らしく、好事家が高値を付けた」
とどこからか噂を聞いて入らずの森に入り、以降消息不明となっています。
一応生きてはいますが衰弱しています。
●依頼者の青年、ジョアンについて
ジョニーを止めるブレーキ役。ただし推進力が強すぎてあまりきっちり止められないことを悩んでいます。
ジョニーより思慮深く、慎重で真面目な性格。
裕福ではありませんが一攫千金よりコツコツ地道にやるタイプです。
なにが待っているか分からない入らずの森へは同行せず、入らずの森のある二人の住んでいる村の、自宅で友人の帰りを待っています。
●入らずの森について
広さはそれなり。
植物型の雑魔が時折目撃され、一般人に対しては入らずの森になりました。
雑魔討伐のハンターは侵入可能です。
●注意すること
PL情報となりますが入り組んだ森の中にはジョニーを痛い目に合わせたいと思った数人の不良(かつてジョニーと揉めたことのあるごろつき)が仕掛けた罠があります。
珍しい花を偶然見つけ、植物採集が好きな好事家に話を持ち込み懸賞金でジョニーを釣ろうと考えました。
またこちらもPL情報で森の動植物が少数ですが雑魔化しています。
不良たちは運よくこの雑魔には遭わずに帰ってこれたようです。
この雑魔の討伐もお願い致します
森の中は手つかずのため相当な悪路で、生い茂った樹木で見通しなども悪いです。
罠、雑魔、探し人がどこにいるか分からないままでの調査活動ということで悪条件の多さから難易度「やや難」になっています。
入らずの森に分け入り、珍しい花を探して行方不明になった青年の救出シナリオとなります。
青年を救い出し、依頼主と再会させれば依頼成功です。
●行方不明になっている青年、ジョニーについて
向こう見ずで猪突猛進。子だくさんで子供を養うために奔走しています。
ジョアンとは少年時代からの友人。
今回、「入らずの森に咲いた花がとても珍しい突然変異らしく、好事家が高値を付けた」
とどこからか噂を聞いて入らずの森に入り、以降消息不明となっています。
一応生きてはいますが衰弱しています。
●依頼者の青年、ジョアンについて
ジョニーを止めるブレーキ役。ただし推進力が強すぎてあまりきっちり止められないことを悩んでいます。
ジョニーより思慮深く、慎重で真面目な性格。
裕福ではありませんが一攫千金よりコツコツ地道にやるタイプです。
なにが待っているか分からない入らずの森へは同行せず、入らずの森のある二人の住んでいる村の、自宅で友人の帰りを待っています。
●入らずの森について
広さはそれなり。
植物型の雑魔が時折目撃され、一般人に対しては入らずの森になりました。
雑魔討伐のハンターは侵入可能です。
●注意すること
PL情報となりますが入り組んだ森の中にはジョニーを痛い目に合わせたいと思った数人の不良(かつてジョニーと揉めたことのあるごろつき)が仕掛けた罠があります。
珍しい花を偶然見つけ、植物採集が好きな好事家に話を持ち込み懸賞金でジョニーを釣ろうと考えました。
またこちらもPL情報で森の動植物が少数ですが雑魔化しています。
不良たちは運よくこの雑魔には遭わずに帰ってこれたようです。
この雑魔の討伐もお願い致します
森の中は手つかずのため相当な悪路で、生い茂った樹木で見通しなども悪いです。
罠、雑魔、探し人がどこにいるか分からないままでの調査活動ということで悪条件の多さから難易度「やや難」になっています。
マスターより
入らずの森というのは何処もそれなりに「入ってはいけない理由」というものがあるそうですが割と入ってしまうのが現代社会だと思います。
日本でそこまで危険な入らずの森の話は生憎知りませんが、クリムゾンウェストの入らずの森は流石に物騒な模様。
家で待つ妻子のためにも向こう見ずな青年の救出をお願いします。
日本でそこまで危険な入らずの森の話は生憎知りませんが、クリムゾンウェストの入らずの森は流石に物騒な模様。
家で待つ妻子のためにも向こう見ずな青年の救出をお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/07 22:52
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/05 00:21:27 |
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相談用卓 仁川 リア(ka3483) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/06/06 18:10:50 |