ゲスト
(ka0000)
崩壊した町
マスター:瑞木雫

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/06/07 15:00
- リプレイ完成予定
- 2015/06/16 15:00
オープニング
●大切な、家族
(どうして………)
―――まさか自分の町がこのように襲われ、大切な人を残して逃げなければならなくなるなんて。
これが悪夢なら、醒めて欲しい……。
その日、惨劇が起きた町があった。
突如現れた奴らのせいで、平和な日常が狂ってしまった。
奴らは逃げる人々を追いかけては食いちぎり、町は混乱状態に陥っていたのだという。たとえ大切な人が餌食となっていようとも、逃げなければ殺されてしまう。この場で生き残るためには、安全と思える場所まで振り返らずに走るしかない状況だったそうだ。
「お姉ちゃん……! 行こう。まず救助隊を呼んで、それからお父さんとお母さん達を助けよう……!」
今も無数の悲鳴が聞こえる中で、アニスは姉のユイの腕を引っ張ろうとした。しかしユイはこの場から立ち去ろうとせず、力なく、首を左右に振る。
「アニス……、ごめん。私はやっぱり、置いてけないから。先に行ってて。大丈夫、なんとかするから」
ユイは瓦礫の下を見つめていた。
そこには家族が埋もれているのだ。
「お姉ちゃん……」
父親は母親を守る為に庇い直視できない程変わり果てた姿となり、母親も守られたゆえ一命は取り留めたようだが複雑に骨折していて、出血だって止まらない。『もう助かる事はない』。だがそんなふうにユイに言える筈がなく、そしてユイ自身だって気付いていない訳じゃあないだろう。もう助からないのだとしても、傍に居たいのだ。恐らく、きっと。
「本当に大丈夫だから。ほら、行って……! この町を、助けて……!」
アニスに託すように、ユイは懇願した。
芯が強いユイの頼もしさが、一瞬、アニスに大丈夫かもしれないという気持ちになって、頷いてしまう。
「分かった……じゃあ、私は先に行く。救助隊を呼んでくるから、お姉ちゃんも危なくなったら逃げるんだよ!」
「うん」
「行く、からね……」
アニスは走った。―――立ち去る際に涙を見せ、振り返らずに走っていく背中が見えなくなるまで、ずっと、ユイは見届けていた。良かった……、と逃げてくれたことに安堵しながら。
「ユ……イ…………、逃げ…………て……………」
瓦礫の底から聞こえる、母親の声。最期の力を振り絞った、切ない声。
「ううん。何処にも行かないよ」
ユイは揺るぐことなく、言う。
「ずっと傍にいる。……お母さんに寂しい想い、絶対にさせないよ」
――――しかし現実は非情だった。
アニスが去って暫く経ち、町の悲鳴も聞こえなくなった頃だろうか。
『ガウゥゥウ………』
最期の瞬間まで寄り添う為この町に残ったユイに、歪虚の影が落ちたのだ。
「……!」
真っ青になったユイの身に、歪虚が襲い掛かる。そして血の気が引くような激痛が、右足に駆け巡っていた。
●歪虚に襲われた町
一方その頃、ハンター達は町に到着していた。町は酷く痛ましい有様だった。
建物は脆いものならば壊され、町中に人が這いつくばるように倒れていた。変わり果てた人の姿。鼻がもげそうになるほど充満している血のにおい。見るも無残な惨状を見つめながら、ハンター達は一体何を想っただろうか。
武力もまともに持たないこの町は、歪虚の出現によって崩壊してしまった。
――――歪虚。
この世界にはびこる悪、ヤツらのせいで……。
ハンター達は、歪虚を殲滅させる為に要請された救助の先遣隊で、歪虚に支配されたこの町から脱出したというハンターオフィスに駆け込んできた少女・アニスから幾つかの情報を貰っていた。
先ずは歪虚の情報。
一つ目は、歪虚は狼と猪の姿を模していること。
二つ目は、狼雑魔は群れで行動しているようで、単体ではなく集団で人を襲うこと。
三つ目は、猪雑魔は2体で、二足歩行らしくハンマーのようなものを所持しており、建物も壊していたということ。
続いて町人の情報。
歪虚は突如現れたのもあり、既に多くの町人が死んでしまったということ。
町で倒れている者の中に、息をしている者も存在していたということ。
すべての建物が崩壊されているわけではないからこそ、立て籠もっている者も居る筈だということ。
―――そして。
両親の傍に居る為、姉のユイが広場の西の先にある場所で取り残されていることを話していた。
頼もしい後押しを貰いがむしゃらに逃げたけれど、こんな状況の町に残して大丈夫なはずがない。置いてきたことを、ひどく後悔しているようだった。
だから彼女の事も助けて欲しい、とも要請されている。
それらの情報を念頭に入れながら広場に足を踏み入れたハンター達。そこで偶然にも、奴らと遭遇する――――。
ハンマーを所持しているという猪雑魔2体。
どうやらハンターの到着に気付いたようで殺意を剥き出しにしながらにじり寄って来た。
――――そして戦闘を行えば、狼雑魔4体も騒ぎに気付いて駆けつけてくるかもしれない。
このまま放っておくのは危険である事には間違いない、歪虚達。
血と死臭漂う広場でハンター達はそれぞれの想いを抱いていた――――。
(どうして………)
―――まさか自分の町がこのように襲われ、大切な人を残して逃げなければならなくなるなんて。
これが悪夢なら、醒めて欲しい……。
その日、惨劇が起きた町があった。
突如現れた奴らのせいで、平和な日常が狂ってしまった。
奴らは逃げる人々を追いかけては食いちぎり、町は混乱状態に陥っていたのだという。たとえ大切な人が餌食となっていようとも、逃げなければ殺されてしまう。この場で生き残るためには、安全と思える場所まで振り返らずに走るしかない状況だったそうだ。
「お姉ちゃん……! 行こう。まず救助隊を呼んで、それからお父さんとお母さん達を助けよう……!」
今も無数の悲鳴が聞こえる中で、アニスは姉のユイの腕を引っ張ろうとした。しかしユイはこの場から立ち去ろうとせず、力なく、首を左右に振る。
「アニス……、ごめん。私はやっぱり、置いてけないから。先に行ってて。大丈夫、なんとかするから」
ユイは瓦礫の下を見つめていた。
そこには家族が埋もれているのだ。
「お姉ちゃん……」
父親は母親を守る為に庇い直視できない程変わり果てた姿となり、母親も守られたゆえ一命は取り留めたようだが複雑に骨折していて、出血だって止まらない。『もう助かる事はない』。だがそんなふうにユイに言える筈がなく、そしてユイ自身だって気付いていない訳じゃあないだろう。もう助からないのだとしても、傍に居たいのだ。恐らく、きっと。
「本当に大丈夫だから。ほら、行って……! この町を、助けて……!」
アニスに託すように、ユイは懇願した。
芯が強いユイの頼もしさが、一瞬、アニスに大丈夫かもしれないという気持ちになって、頷いてしまう。
「分かった……じゃあ、私は先に行く。救助隊を呼んでくるから、お姉ちゃんも危なくなったら逃げるんだよ!」
「うん」
「行く、からね……」
アニスは走った。―――立ち去る際に涙を見せ、振り返らずに走っていく背中が見えなくなるまで、ずっと、ユイは見届けていた。良かった……、と逃げてくれたことに安堵しながら。
「ユ……イ…………、逃げ…………て……………」
瓦礫の底から聞こえる、母親の声。最期の力を振り絞った、切ない声。
「ううん。何処にも行かないよ」
ユイは揺るぐことなく、言う。
「ずっと傍にいる。……お母さんに寂しい想い、絶対にさせないよ」
――――しかし現実は非情だった。
アニスが去って暫く経ち、町の悲鳴も聞こえなくなった頃だろうか。
『ガウゥゥウ………』
最期の瞬間まで寄り添う為この町に残ったユイに、歪虚の影が落ちたのだ。
「……!」
真っ青になったユイの身に、歪虚が襲い掛かる。そして血の気が引くような激痛が、右足に駆け巡っていた。
●歪虚に襲われた町
一方その頃、ハンター達は町に到着していた。町は酷く痛ましい有様だった。
建物は脆いものならば壊され、町中に人が這いつくばるように倒れていた。変わり果てた人の姿。鼻がもげそうになるほど充満している血のにおい。見るも無残な惨状を見つめながら、ハンター達は一体何を想っただろうか。
武力もまともに持たないこの町は、歪虚の出現によって崩壊してしまった。
――――歪虚。
この世界にはびこる悪、ヤツらのせいで……。
ハンター達は、歪虚を殲滅させる為に要請された救助の先遣隊で、歪虚に支配されたこの町から脱出したというハンターオフィスに駆け込んできた少女・アニスから幾つかの情報を貰っていた。
先ずは歪虚の情報。
一つ目は、歪虚は狼と猪の姿を模していること。
二つ目は、狼雑魔は群れで行動しているようで、単体ではなく集団で人を襲うこと。
三つ目は、猪雑魔は2体で、二足歩行らしくハンマーのようなものを所持しており、建物も壊していたということ。
続いて町人の情報。
歪虚は突如現れたのもあり、既に多くの町人が死んでしまったということ。
町で倒れている者の中に、息をしている者も存在していたということ。
すべての建物が崩壊されているわけではないからこそ、立て籠もっている者も居る筈だということ。
―――そして。
両親の傍に居る為、姉のユイが広場の西の先にある場所で取り残されていることを話していた。
頼もしい後押しを貰いがむしゃらに逃げたけれど、こんな状況の町に残して大丈夫なはずがない。置いてきたことを、ひどく後悔しているようだった。
だから彼女の事も助けて欲しい、とも要請されている。
それらの情報を念頭に入れながら広場に足を踏み入れたハンター達。そこで偶然にも、奴らと遭遇する――――。
ハンマーを所持しているという猪雑魔2体。
どうやらハンターの到着に気付いたようで殺意を剥き出しにしながらにじり寄って来た。
――――そして戦闘を行えば、狼雑魔4体も騒ぎに気付いて駆けつけてくるかもしれない。
このまま放っておくのは危険である事には間違いない、歪虚達。
血と死臭漂う広場でハンター達はそれぞれの想いを抱いていた――――。
解説
■リプレイの構成の予定
【現場到着】
ハンター達は依頼を受けて最速の手段で既に現場に到着したものとし、リプレイはそこからのスタートになり、早く到着するための工夫を頂いても、状況は変わらないものとします。
↓
【戦闘】
↓
【戦闘後】
詳細は『歪虚が居なくなった後の町』に記載
■敵の情報
(狼雑魔×4体)
狼雑魔の個体の強さはハンター達にとっては手強くはありませんが、足も速く攻撃的な狼雑魔は一般人にとっては十分脅威な存在です。
群れで行動しており連携します。
外見には大きく差がない4体ですがボス狼が1体存在し、
『ボスの指示で動くので統率が取れている』『ボスが倒されれば逃走する可能性がある』という性質を持ちます。
狼雑魔達は今の所、横たわっている町人には何もする気配はありません。『動かない相手』には関心が無いのです。
(二足歩行の猪雑魔×2体)
ハンマーを所持しており、脆い建物だと粉砕する威力を持っています。
死体だろうと何だろうと目に入った対象を攻撃します。
■戦場
ハンター達が雑魔を発見するのは、広場です。戦闘する為の広さについては大丈夫そうです。
但し雑魔達に襲われた町人達が横たわっていて、死亡者も居れば、今も息をしている重傷者も居るでしょう。
因みにアニスとユイは16歳と18歳の姉妹で、
最後に別れた場所というのがこの広場を突っ切った先にあると、皆さんは事前にアニスから聞いています。
両親についてはもう、助からないでしょう。
ユイについては救出できる可能性が限りなく低いです。
■歪虚が居なくなった後の町
雑魔を『退治』あるいは『逃走させた』後には―――
救助隊が駆けつけ、彼らは町の救助活動を行うことでしょう。
避難していた町人の生存者達も、目を背けたくなるような残酷な光景の町に帰って参ります。
両親と姉を置いてきてしまった、アニスもです。
どのような結果となったとしても、アニスはきっと苦しんでいることでしょう。
【現場到着】
ハンター達は依頼を受けて最速の手段で既に現場に到着したものとし、リプレイはそこからのスタートになり、早く到着するための工夫を頂いても、状況は変わらないものとします。
↓
【戦闘】
↓
【戦闘後】
詳細は『歪虚が居なくなった後の町』に記載
■敵の情報
(狼雑魔×4体)
狼雑魔の個体の強さはハンター達にとっては手強くはありませんが、足も速く攻撃的な狼雑魔は一般人にとっては十分脅威な存在です。
群れで行動しており連携します。
外見には大きく差がない4体ですがボス狼が1体存在し、
『ボスの指示で動くので統率が取れている』『ボスが倒されれば逃走する可能性がある』という性質を持ちます。
狼雑魔達は今の所、横たわっている町人には何もする気配はありません。『動かない相手』には関心が無いのです。
(二足歩行の猪雑魔×2体)
ハンマーを所持しており、脆い建物だと粉砕する威力を持っています。
死体だろうと何だろうと目に入った対象を攻撃します。
■戦場
ハンター達が雑魔を発見するのは、広場です。戦闘する為の広さについては大丈夫そうです。
但し雑魔達に襲われた町人達が横たわっていて、死亡者も居れば、今も息をしている重傷者も居るでしょう。
因みにアニスとユイは16歳と18歳の姉妹で、
最後に別れた場所というのがこの広場を突っ切った先にあると、皆さんは事前にアニスから聞いています。
両親についてはもう、助からないでしょう。
ユイについては救出できる可能性が限りなく低いです。
■歪虚が居なくなった後の町
雑魔を『退治』あるいは『逃走させた』後には―――
救助隊が駆けつけ、彼らは町の救助活動を行うことでしょう。
避難していた町人の生存者達も、目を背けたくなるような残酷な光景の町に帰って参ります。
両親と姉を置いてきてしまった、アニスもです。
どのような結果となったとしても、アニスはきっと苦しんでいることでしょう。
マスターより
こんにちは、瑞木雫です!
今回のシナリオのリプレイは戦闘も戦闘後も、心理描写が濃厚になるように心掛けたいと思っております。
戦闘面では仲間と共に協力した方が吉でしょう。
ですが心情面やその後の行動については、『何を想い、何をするか』に決められたレールは御座いません。
きっと皆様思うことをはそれぞれ違うと思いますので、皆様が皆様らしい行動を行えますように、是非……想い想いにプレイングに詰め込んで頂けたなら、嬉しいです。
戦闘シナリオ『崩壊した町』、どうか宜しくお願い致します。
今回のシナリオのリプレイは戦闘も戦闘後も、心理描写が濃厚になるように心掛けたいと思っております。
戦闘面では仲間と共に協力した方が吉でしょう。
ですが心情面やその後の行動については、『何を想い、何をするか』に決められたレールは御座いません。
きっと皆様思うことをはそれぞれ違うと思いますので、皆様が皆様らしい行動を行えますように、是非……想い想いにプレイングに詰め込んで頂けたなら、嬉しいです。
戦闘シナリオ『崩壊した町』、どうか宜しくお願い致します。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/18 08:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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作戦相談スレ ウーナ(ka1439) 人間(リアルブルー)|16才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/06/06 21:27:20 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/03 08:49:49 |