ゲスト
(ka0000)
ベルテイル先生のプライド
マスター:秋風落葉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/06/14 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/06/23 07:30
オープニング
●恐れていたこと
「攻める時は ち・すい・か・ふう! 守る時はおんなじの!」
一人の少女はなにやら歌を口ずさんでいる。また、ある机の上では少年同士が向かいあい、卓上にカラフルな札を並べていた。
「スペルカード発動! ファイアボルトでお前のエアエレメンタルを狙うぜ! 火で風を攻撃したからダメージアップだ!」
「くそっ!」
少年達の手作りらしいそれは、マギステルの魔法を題材にしたカードゲームらしい。
「見てろ新入り! これが風の魔法が土に強いってことだ!」
生意気そうな男の子が、一際小さい男子を前に透明の箱を取り出した。そこには色とりどりの紙片が無数に入っている。箱についている空気穴に男の子が息を吹きかけると、中の紙片は華麗に宙を舞う。
吐息が風を、紙片が土を見立てているらしい。
「へえーっ、おもしろーい!」
小さな男の子はその機能に目を輝かせた。
そんな騒がしい部屋で一人、黙々と己の魔術書を読みふける女性がいた。
ここはマギステルを養成するための私塾だ。読書に励む彼女の名はベルテイル。この学校で教師を務めている。
今は昼休みであり、先生も生徒も思い思いに過ごしていた。
カードゲームの決着がついたのか、一人の少年が自作のイラストを見つめている。それはある火の魔法を現していた。
「ファイアーボールっていいよなー! やっぱりカッコいい!!」
少年は自分が未だ使えぬ魔法スキルの名を口にし、はしゃいでいる。今はカードゲームの中でしか使えないが、いつかは実際に用いることが出来ると夢見ているのだ。
ベルテイルはなぜかその声を聞くと顔を本に寄せ、読書に没頭しているように装った。
「先生ってファイアーボールとか使えるのー?」
カードを手にする少年が何気なく発した言葉にベルテイルはぎくりと身をすくませる。
いつか来ると思っていた質問がついに飛んできてしまった。ベルテイルはこわごわと本から顔を上げ、答える。
「……え、ええ……もちろん?」
ベルテイルの唇は引きつり、声も張りがなかったが、少年達がそれに気付いたかどうか。
休み時間を満喫していた生徒達は一斉に教卓のある方へと顔を向け、目を輝かせる。
「使ってみせてよー!」
「俺も見たいー!」
「あたしもー!!」
笑顔ではやし立てる子供達とは対照的に、ベルテイルの表情は苦しげなものになる。
「い、いけません」
「えー? なんでー?」
「いいじゃん、ケチー!!」
先生の答えに、生徒達は不満の声をあげる。ベルテイルは目を泳がせ、ぼそぼそと小さな声で喋る。
「……あれは野外でも危険ですし、貴方達を巻き込むわけには」
彼女の言葉に嘘はない。実際、ファイアーボールは広範囲に効果を及ぼす魔法であり、危険であることは確かだ。
しかし、子供達は別の意図を嗅ぎ取ったらしい。
「なーんか嘘くせーなー!」
「ひょっとして……使えないんじゃないのー?」
口元に笑みを浮かべて隣のクラスメートと顔を見合わせる少年少女たち。
「な、何を言っているのですか、私がこの街一番のマギステルであることくらいは知っているでしょう!?」
あせったように教卓をバンバンと叩くベルテイル。しかし、それで子供達の疑念が晴れるわけもない。
「じゃあ見せてよー!」
「そうだそうだー!」
「見せろよー!」
ますますヒートアップする生徒達に、ついにベルテイルは覚悟を決めた。
「分かりました、分かりました! 見せてあげます!」
バン! と一際大きく机を叩き、ベルテイルはそう宣言する。歓喜の声を上げようとする子供達を前に、一つだけ付け加えた。
「ただし、来週になってからです! 先ほども言った通り、あれは危険な魔法ですから、準備がいるのです!」
「わーい!」
「約束だからね! 先生!」
無邪気に喜ぶ生徒達を前に、ベルテイルはため息をついた。次の休日は休みを返上することになりそうだ、と。
●教鞭を杖に持ち替えて
「まさか、ハンターとして再びここに来ることになるとは……」
その週の休日。ベルテイルは王都イルダーナにいた。向かう先はハンターオフィス。
かつてはハンターとして活動していたベルテイル。故郷の街で私塾を開いてからは、ハンターとしての活動をやめ、依頼を受けることもなかったが、まさかこうなってしまうとは……。
ハンターオフィスの扉を開けたベルテイル。来客に気付き、受付嬢は顔を向けた。
「いらっしゃいませ。初めてのご利用ですか?」
「ここのオフィスは初めてですが、ハンターとしての活動経験はあります。マギステルとして、お役に立てそうな仕事があれば……」
「なるほど、少々お待ちくださいね?」
受付嬢はファイルをめくり、やがて一枚の紙をベルテイルに指し示した。
「この依頼なんてどうでしょうか。とある小さな遺跡に緑のスライムが発生してしまったんですが、この緑のスライムは風属性を持っているそうです。ご存知だと思いますが、スライムは物理攻撃に耐性を持つものが多いですから。マギステルの方にメンバーに加わってほしいと思っていたんですよ」
「なるほど、それは私の力が活かせそうですね。場所は近くでしょうか? ちょっと事情がありまして、今日と明日にしか動けないもので」
「場所は離れていますが、転移門で近くまではいけますので大丈夫ですよ」
「助かります……ではその依頼、お受けいたします」
ベルテイルは安堵の息をついた。この依頼が解決できれば、きっと……。
「攻める時は ち・すい・か・ふう! 守る時はおんなじの!」
一人の少女はなにやら歌を口ずさんでいる。また、ある机の上では少年同士が向かいあい、卓上にカラフルな札を並べていた。
「スペルカード発動! ファイアボルトでお前のエアエレメンタルを狙うぜ! 火で風を攻撃したからダメージアップだ!」
「くそっ!」
少年達の手作りらしいそれは、マギステルの魔法を題材にしたカードゲームらしい。
「見てろ新入り! これが風の魔法が土に強いってことだ!」
生意気そうな男の子が、一際小さい男子を前に透明の箱を取り出した。そこには色とりどりの紙片が無数に入っている。箱についている空気穴に男の子が息を吹きかけると、中の紙片は華麗に宙を舞う。
吐息が風を、紙片が土を見立てているらしい。
「へえーっ、おもしろーい!」
小さな男の子はその機能に目を輝かせた。
そんな騒がしい部屋で一人、黙々と己の魔術書を読みふける女性がいた。
ここはマギステルを養成するための私塾だ。読書に励む彼女の名はベルテイル。この学校で教師を務めている。
今は昼休みであり、先生も生徒も思い思いに過ごしていた。
カードゲームの決着がついたのか、一人の少年が自作のイラストを見つめている。それはある火の魔法を現していた。
「ファイアーボールっていいよなー! やっぱりカッコいい!!」
少年は自分が未だ使えぬ魔法スキルの名を口にし、はしゃいでいる。今はカードゲームの中でしか使えないが、いつかは実際に用いることが出来ると夢見ているのだ。
ベルテイルはなぜかその声を聞くと顔を本に寄せ、読書に没頭しているように装った。
「先生ってファイアーボールとか使えるのー?」
カードを手にする少年が何気なく発した言葉にベルテイルはぎくりと身をすくませる。
いつか来ると思っていた質問がついに飛んできてしまった。ベルテイルはこわごわと本から顔を上げ、答える。
「……え、ええ……もちろん?」
ベルテイルの唇は引きつり、声も張りがなかったが、少年達がそれに気付いたかどうか。
休み時間を満喫していた生徒達は一斉に教卓のある方へと顔を向け、目を輝かせる。
「使ってみせてよー!」
「俺も見たいー!」
「あたしもー!!」
笑顔ではやし立てる子供達とは対照的に、ベルテイルの表情は苦しげなものになる。
「い、いけません」
「えー? なんでー?」
「いいじゃん、ケチー!!」
先生の答えに、生徒達は不満の声をあげる。ベルテイルは目を泳がせ、ぼそぼそと小さな声で喋る。
「……あれは野外でも危険ですし、貴方達を巻き込むわけには」
彼女の言葉に嘘はない。実際、ファイアーボールは広範囲に効果を及ぼす魔法であり、危険であることは確かだ。
しかし、子供達は別の意図を嗅ぎ取ったらしい。
「なーんか嘘くせーなー!」
「ひょっとして……使えないんじゃないのー?」
口元に笑みを浮かべて隣のクラスメートと顔を見合わせる少年少女たち。
「な、何を言っているのですか、私がこの街一番のマギステルであることくらいは知っているでしょう!?」
あせったように教卓をバンバンと叩くベルテイル。しかし、それで子供達の疑念が晴れるわけもない。
「じゃあ見せてよー!」
「そうだそうだー!」
「見せろよー!」
ますますヒートアップする生徒達に、ついにベルテイルは覚悟を決めた。
「分かりました、分かりました! 見せてあげます!」
バン! と一際大きく机を叩き、ベルテイルはそう宣言する。歓喜の声を上げようとする子供達を前に、一つだけ付け加えた。
「ただし、来週になってからです! 先ほども言った通り、あれは危険な魔法ですから、準備がいるのです!」
「わーい!」
「約束だからね! 先生!」
無邪気に喜ぶ生徒達を前に、ベルテイルはため息をついた。次の休日は休みを返上することになりそうだ、と。
●教鞭を杖に持ち替えて
「まさか、ハンターとして再びここに来ることになるとは……」
その週の休日。ベルテイルは王都イルダーナにいた。向かう先はハンターオフィス。
かつてはハンターとして活動していたベルテイル。故郷の街で私塾を開いてからは、ハンターとしての活動をやめ、依頼を受けることもなかったが、まさかこうなってしまうとは……。
ハンターオフィスの扉を開けたベルテイル。来客に気付き、受付嬢は顔を向けた。
「いらっしゃいませ。初めてのご利用ですか?」
「ここのオフィスは初めてですが、ハンターとしての活動経験はあります。マギステルとして、お役に立てそうな仕事があれば……」
「なるほど、少々お待ちくださいね?」
受付嬢はファイルをめくり、やがて一枚の紙をベルテイルに指し示した。
「この依頼なんてどうでしょうか。とある小さな遺跡に緑のスライムが発生してしまったんですが、この緑のスライムは風属性を持っているそうです。ご存知だと思いますが、スライムは物理攻撃に耐性を持つものが多いですから。マギステルの方にメンバーに加わってほしいと思っていたんですよ」
「なるほど、それは私の力が活かせそうですね。場所は近くでしょうか? ちょっと事情がありまして、今日と明日にしか動けないもので」
「場所は離れていますが、転移門で近くまではいけますので大丈夫ですよ」
「助かります……ではその依頼、お受けいたします」
ベルテイルは安堵の息をついた。この依頼が解決できれば、きっと……。
解説
マギステルであるベルテイルと共に、ある遺跡に発生した緑のスライムの群れを殲滅してください。
緑のスライムは風の属性を帯びています。
受けた物理攻撃のダメージを半減します。
体液を飛ばすことで遠距離攻撃を行うことが可能です。近距離攻撃、遠距離攻撃ともに、風の属性の攻撃になります。
再生能力を持っており、時間が経過するごとに生命力が少しずつ回復します。
分裂能力はありません。
戦場となる遺跡については、すでに探索が終わった遺跡であり、トラップなどはありません。内部は遺跡自体の機能で戦闘に支障がない程度の明るさがあります。
スライムの数は12体ほどであり、大きな一部屋の中にこのスライム達が全ているとお考えください。
※ベルテイルについて
ベルテイルは以下のスキルを持ち込んでいます。
・ファイアアロー×8
・ファイアエンチャント×5
・集中×4
ファイアエンチャントに関しては、仲間から使ってほしいという要望があった場合は優先的に使用します。複数の方からの希望があった場合、順次使用していくことになるでしょう。
ファイアエンチャントにより属性を帯びた武器は物理攻撃扱いではなくなるため、スライムの物理攻撃半減能力を無効化することができます。そして風の属性を帯びているこの緑のスライムには、より効果を発揮することでしょう。
なお、ベルテイルが実戦に参加するのは久しぶりなため、少々勘が鈍っている可能性もあります。
緑のスライムは風の属性を帯びています。
受けた物理攻撃のダメージを半減します。
体液を飛ばすことで遠距離攻撃を行うことが可能です。近距離攻撃、遠距離攻撃ともに、風の属性の攻撃になります。
再生能力を持っており、時間が経過するごとに生命力が少しずつ回復します。
分裂能力はありません。
戦場となる遺跡については、すでに探索が終わった遺跡であり、トラップなどはありません。内部は遺跡自体の機能で戦闘に支障がない程度の明るさがあります。
スライムの数は12体ほどであり、大きな一部屋の中にこのスライム達が全ているとお考えください。
※ベルテイルについて
ベルテイルは以下のスキルを持ち込んでいます。
・ファイアアロー×8
・ファイアエンチャント×5
・集中×4
ファイアエンチャントに関しては、仲間から使ってほしいという要望があった場合は優先的に使用します。複数の方からの希望があった場合、順次使用していくことになるでしょう。
ファイアエンチャントにより属性を帯びた武器は物理攻撃扱いではなくなるため、スライムの物理攻撃半減能力を無効化することができます。そして風の属性を帯びているこの緑のスライムには、より効果を発揮することでしょう。
なお、ベルテイルが実戦に参加するのは久しぶりなため、少々勘が鈍っている可能性もあります。
マスターより
こんにちは、こんばんは。秋風落葉(しゅうふうらくよう)です。
ベルテイルはとある街一番のマギステルです。もちろん、そこは王都イルダーナとは比較にならないくらい小さな街です。
……お察しいただけるかと思いますが、ベルテイルはファイアーボールを使うことはできません。
しかし今回の戦いで経験を積むことで、使えるようになるのではないかという手ごたえが彼女にはあるようです。
ええ、きっと依頼に【成功】したら使えるようになるのではないかと。
※補足
OPに出てくるベルテイルと生徒達は、公開中のリプレイ『属性って何?』に登場しています。
もちろん、こちらを参照していただかなくても、参加にあたって特に支障はございません。
ベルテイルはとある街一番のマギステルです。もちろん、そこは王都イルダーナとは比較にならないくらい小さな街です。
……お察しいただけるかと思いますが、ベルテイルはファイアーボールを使うことはできません。
しかし今回の戦いで経験を積むことで、使えるようになるのではないかという手ごたえが彼女にはあるようです。
ええ、きっと依頼に【成功】したら使えるようになるのではないかと。
※補足
OPに出てくるベルテイルと生徒達は、公開中のリプレイ『属性って何?』に登場しています。
もちろん、こちらを参照していただかなくても、参加にあたって特に支障はございません。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/19 05:44
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 Anbar(ka4037) 人間(クリムゾンウェスト)|19才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/06/13 21:33:26 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/11 00:20:51 |