ゲスト
(ka0000)
魅惑の夢魔(ただし筋肉)
マスター:有坂参八

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/07/13 07:30
- リプレイ完成予定
- 2014/07/22 07:30
オープニング
「ジョニー……ついさっき、変な奴にあったんだ」
「なんだロドリゴ、神妙な顔をして」
ある晴れた昼さがり。
街の食堂兼酒場のマスターであるジョニーは、店に入ってきた常連客のロドリゴを見るなり、奇妙な違和感を覚えた。
息が荒い。顔が紅潮している。額には汗が粒となって浮かんでいる。
病気だろうか? そう思いながらも、ジョニーはロドリゴに話の続きを促した。
「さっき届け物をした帰り道だ。森の入り口あたりに、妙な男が立ってたんだ……」
そして、彼の回想。
◆
森の入口で、ロドリゴはその「妙な男」に出会った。
筋骨隆々で、街では巨漢と呼ばれるロドリゴでさえ顔を見上げなければならない程に背が高い。
頬骨の張った精悍な顔つき。割れた二重あご。一切頭髪のない頭部。青黒のイブニングシャドー。ごつい。
さらにその男は、上半身裸だった。人間離れする程に青白い肌はしかし、汗の様な液体を大量に浮かびあがらせ、太陽の光に輝いている。
おかしい。この男はおかしい。
真っ昼間から上裸で往来に仁王立ちする男に好奇心を持つほど、ロドリゴは愚かな男ではない。
ロドリゴはこの上裸男を、避けて通りすぎようとした。
そう、遠ざかろうとはしたのだ。目を合わせたのが失敗だった。
『…………!』
ロドリゴと上裸男の視線があったその瞬間だ。
男はロドリゴに向かい駈け出した。猛然と。まるで闘牛かという勢いで。
反応する暇も無かった。気づいた時には、ロドリゴの視界は、自分の二倍ほどもある筋肉の壁に視界を塞がれる。
「な」
『…………!』
気づいた時は、ロドリゴは男に抱きしめられていた。右と左の腕で、強く優しく。
ロドリゴは背筋が凍る感覚を覚えた。
こいつの素性は判らない。だがこいつがとりあえずヤバイのは間違いない。
「おッ……くそ……離せッ!」
男は何も答えない。恐怖である。
これが世に言う貞操の危機かと、ロドリゴは必死でもがき、男を振り払おうとするが、全く歯がたたなかった。
それどころか男のホールディングパワーはますます強くなっていく。肌の表面が微妙にぬるぬるしていて大変気色悪い。
「おいッ……だれ、か…………だ……ッ!」
同時にロドリゴは筋肉の壁に呼吸を遮られ、彼の意識は徐々に遠のいていく。
やがて、視界が黒く染まり、ロドリゴは気を失った。
◆
「で、気づいたら上裸男は消えてて、自分はその場に一人で倒れてたと」
ジョニーはロドリゴの話を、胡散臭そうな顔つきで聞き終えた。
「ああ、初めは悪い夢を見たのかと思ったさ。だが間違いないね、ありゃぁ歪虚だ」
そう答えるロドリゴの顔は未だに赤く染まり、息は荒いままだ。
「そうかね? 本当に歪虚ならいまごろ無事にここまで来れてないだろう」
「いや…無事に済んでないんだよこれが」
「?」
訝しむジョニーを、ロドリゴはじっと見つめる。
視線が妙に熱っぽかった。逆にジョニーは寒気を感じた。
「あの男に抱きつかれてから、こっち、ずっとな……」
ロドリゴがジョニーに対して距離を詰める。
ジョニーは本能的に一歩下がるが、ロドリゴはさらに一歩詰め寄る。
ロドリゴは一度深く息を吸い込み、両腕を大きく広げながら叫んだ。
「今度は俺が男に抱きつきたくてしょうがなくなっちまったんだよォォォ~~~~ッ!」
「うぉぉぉ、寄るんじゃねぇッ!?」
突如猛ダッシュしてきたロドリゴに背を向けて、ジョニーは脱兎の如く自分の店から逃げ出した。
逃げてどうするかはわからないが、とにかく今のロドリゴに抱きつかれてしまってはイケない。色んな意味で。
「……そうだ、ハンターだ、ハンターに頼みゃどうにかなる!」
十数分後、ハンターオフィスにて。
「その歪虚は、数年前に一度、同型の個体の出現例があります」
「あるのかよ! そんなのが!」
職員の言葉に思わず叫んだジョニー。背後ではジョニーを追いかけてきた挙句、警備に取り押さえられたロドリゴが暴れているが、それはこの際ほうっておく。
「抱きついた男に、同姓への欲求を目覚めさせてしまう特殊能力……所謂、インキュバスの一種ですよ。筋肉モリモリなので、筋肉夢魔とでも呼びましょう」
「どうでもいいわ」
「奴らは男にしか興味がありません。男同士の愛こそ真実の愛だと考えているんです。真実の愛を広め、そして世界を滅ぼすのが奴の歪んだ目的なのでしょう」
「まあ確かに世界中全ての男が男にしか興奮しなくなったらそりゃ人類が滅ぶ……て回りくどいなオイ!」
その歪虚、恐ろしいは恐ろしいが、ぶっちゃけそれよりは傍迷惑というのが勝る。
いささかうんざりし始めた表情のジョニーに、職員は滔々と解説する。
「脅威度の区分としてはそれほど大した歪虚ではありません。過去の事例では、該当の歪虚を討てば被害者達の性癖も元に戻っていますから、まあ安心していいですよ」
「おいまて、じゃあそれまでロドリゴはこのまんまかよ」ちらと背後のロドリゴを見る。
職員はジョニーの肩に手を乗せ微笑んだ。
「お幸せに」
「殺すぞ」
「やめてくれ、俺のために争わないでくれ!」
「違うわ!」
取り押さえられたまま叫ぶロドリゴに、ジョニーが思わず叫び返す。
「とりあえず、アレだ、その歪虚を倒せばいいんだな」
「倒せばいいです、はい」
と、ジョニーの問いに職員。となれば、後の対処はシンプルだ。
「ハンターを呼んで筋肉夢魔を倒してもらいましょう。それまではロドリゴさんとお幸せに」
「殺すぞ」
「やめてくれ、俺のために……」
「うるせェーッ!」
ジョニーの貞操やいかに。走れ、ハンター。
「なんだロドリゴ、神妙な顔をして」
ある晴れた昼さがり。
街の食堂兼酒場のマスターであるジョニーは、店に入ってきた常連客のロドリゴを見るなり、奇妙な違和感を覚えた。
息が荒い。顔が紅潮している。額には汗が粒となって浮かんでいる。
病気だろうか? そう思いながらも、ジョニーはロドリゴに話の続きを促した。
「さっき届け物をした帰り道だ。森の入り口あたりに、妙な男が立ってたんだ……」
そして、彼の回想。
◆
森の入口で、ロドリゴはその「妙な男」に出会った。
筋骨隆々で、街では巨漢と呼ばれるロドリゴでさえ顔を見上げなければならない程に背が高い。
頬骨の張った精悍な顔つき。割れた二重あご。一切頭髪のない頭部。青黒のイブニングシャドー。ごつい。
さらにその男は、上半身裸だった。人間離れする程に青白い肌はしかし、汗の様な液体を大量に浮かびあがらせ、太陽の光に輝いている。
おかしい。この男はおかしい。
真っ昼間から上裸で往来に仁王立ちする男に好奇心を持つほど、ロドリゴは愚かな男ではない。
ロドリゴはこの上裸男を、避けて通りすぎようとした。
そう、遠ざかろうとはしたのだ。目を合わせたのが失敗だった。
『…………!』
ロドリゴと上裸男の視線があったその瞬間だ。
男はロドリゴに向かい駈け出した。猛然と。まるで闘牛かという勢いで。
反応する暇も無かった。気づいた時には、ロドリゴの視界は、自分の二倍ほどもある筋肉の壁に視界を塞がれる。
「な」
『…………!』
気づいた時は、ロドリゴは男に抱きしめられていた。右と左の腕で、強く優しく。
ロドリゴは背筋が凍る感覚を覚えた。
こいつの素性は判らない。だがこいつがとりあえずヤバイのは間違いない。
「おッ……くそ……離せッ!」
男は何も答えない。恐怖である。
これが世に言う貞操の危機かと、ロドリゴは必死でもがき、男を振り払おうとするが、全く歯がたたなかった。
それどころか男のホールディングパワーはますます強くなっていく。肌の表面が微妙にぬるぬるしていて大変気色悪い。
「おいッ……だれ、か…………だ……ッ!」
同時にロドリゴは筋肉の壁に呼吸を遮られ、彼の意識は徐々に遠のいていく。
やがて、視界が黒く染まり、ロドリゴは気を失った。
◆
「で、気づいたら上裸男は消えてて、自分はその場に一人で倒れてたと」
ジョニーはロドリゴの話を、胡散臭そうな顔つきで聞き終えた。
「ああ、初めは悪い夢を見たのかと思ったさ。だが間違いないね、ありゃぁ歪虚だ」
そう答えるロドリゴの顔は未だに赤く染まり、息は荒いままだ。
「そうかね? 本当に歪虚ならいまごろ無事にここまで来れてないだろう」
「いや…無事に済んでないんだよこれが」
「?」
訝しむジョニーを、ロドリゴはじっと見つめる。
視線が妙に熱っぽかった。逆にジョニーは寒気を感じた。
「あの男に抱きつかれてから、こっち、ずっとな……」
ロドリゴがジョニーに対して距離を詰める。
ジョニーは本能的に一歩下がるが、ロドリゴはさらに一歩詰め寄る。
ロドリゴは一度深く息を吸い込み、両腕を大きく広げながら叫んだ。
「今度は俺が男に抱きつきたくてしょうがなくなっちまったんだよォォォ~~~~ッ!」
「うぉぉぉ、寄るんじゃねぇッ!?」
突如猛ダッシュしてきたロドリゴに背を向けて、ジョニーは脱兎の如く自分の店から逃げ出した。
逃げてどうするかはわからないが、とにかく今のロドリゴに抱きつかれてしまってはイケない。色んな意味で。
「……そうだ、ハンターだ、ハンターに頼みゃどうにかなる!」
十数分後、ハンターオフィスにて。
「その歪虚は、数年前に一度、同型の個体の出現例があります」
「あるのかよ! そんなのが!」
職員の言葉に思わず叫んだジョニー。背後ではジョニーを追いかけてきた挙句、警備に取り押さえられたロドリゴが暴れているが、それはこの際ほうっておく。
「抱きついた男に、同姓への欲求を目覚めさせてしまう特殊能力……所謂、インキュバスの一種ですよ。筋肉モリモリなので、筋肉夢魔とでも呼びましょう」
「どうでもいいわ」
「奴らは男にしか興味がありません。男同士の愛こそ真実の愛だと考えているんです。真実の愛を広め、そして世界を滅ぼすのが奴の歪んだ目的なのでしょう」
「まあ確かに世界中全ての男が男にしか興奮しなくなったらそりゃ人類が滅ぶ……て回りくどいなオイ!」
その歪虚、恐ろしいは恐ろしいが、ぶっちゃけそれよりは傍迷惑というのが勝る。
いささかうんざりし始めた表情のジョニーに、職員は滔々と解説する。
「脅威度の区分としてはそれほど大した歪虚ではありません。過去の事例では、該当の歪虚を討てば被害者達の性癖も元に戻っていますから、まあ安心していいですよ」
「おいまて、じゃあそれまでロドリゴはこのまんまかよ」ちらと背後のロドリゴを見る。
職員はジョニーの肩に手を乗せ微笑んだ。
「お幸せに」
「殺すぞ」
「やめてくれ、俺のために争わないでくれ!」
「違うわ!」
取り押さえられたまま叫ぶロドリゴに、ジョニーが思わず叫び返す。
「とりあえず、アレだ、その歪虚を倒せばいいんだな」
「倒せばいいです、はい」
と、ジョニーの問いに職員。となれば、後の対処はシンプルだ。
「ハンターを呼んで筋肉夢魔を倒してもらいましょう。それまではロドリゴさんとお幸せに」
「殺すぞ」
「やめてくれ、俺のために……」
「うるせェーッ!」
ジョニーの貞操やいかに。走れ、ハンター。
解説
【依頼内容】
筋肉夢魔を討伐する
以上。
【敵】
筋肉夢魔:
筋肉モリモリ、上裸で青白い肌の大男型歪虚。
手近の男性に対して無差別に抱きつきます。
抱きつかれると、PCはその意思にかかわらず、手近の男性に対して無差別に興奮し抱きつくようになってしまいます。
そのスピードもかなりのもので、速さ関連の能力は現段階でのPCハンター達を上回ります。
生命力にダメージを与えるような攻撃は一切してきません……但し、男性に対してだけ。
女性PCに対しては容赦無い高速チョップを繰り出して攻撃してきます。
行動対象の優先順位は、距離が同じならば男性>女性。
【地理】
筋肉夢魔は最初にロドリゴが遭遇した森の入口に出没します。
広い空間が確保されており、戦闘の障害となる遮蔽物はなし。
時刻は正午付近、天候は晴れ。
【その他注意事項】
PL情報(PCが知り得ないおまけ的情報)ですが、ちょっとした罠があります。
専用の対策プレイングは不要ですが、弱い敵だからといって油断することだけはないよう、ご注意を。
また参加PC全員が男性で、かつ全員が筋肉夢魔に抱きつかれてしまった場合はその時点で依頼失敗となり、色んな意味で取り返しがつかなくなります。
怖いですね。
筋肉夢魔を討伐する
以上。
【敵】
筋肉夢魔:
筋肉モリモリ、上裸で青白い肌の大男型歪虚。
手近の男性に対して無差別に抱きつきます。
抱きつかれると、PCはその意思にかかわらず、手近の男性に対して無差別に興奮し抱きつくようになってしまいます。
そのスピードもかなりのもので、速さ関連の能力は現段階でのPCハンター達を上回ります。
生命力にダメージを与えるような攻撃は一切してきません……但し、男性に対してだけ。
女性PCに対しては容赦無い高速チョップを繰り出して攻撃してきます。
行動対象の優先順位は、距離が同じならば男性>女性。
【地理】
筋肉夢魔は最初にロドリゴが遭遇した森の入口に出没します。
広い空間が確保されており、戦闘の障害となる遮蔽物はなし。
時刻は正午付近、天候は晴れ。
【その他注意事項】
PL情報(PCが知り得ないおまけ的情報)ですが、ちょっとした罠があります。
専用の対策プレイングは不要ですが、弱い敵だからといって油断することだけはないよう、ご注意を。
また参加PC全員が男性で、かつ全員が筋肉夢魔に抱きつかれてしまった場合はその時点で依頼失敗となり、色んな意味で取り返しがつかなくなります。
怖いですね。
マスターより
この依頼をご紹介致します、有坂参八と申します。
総じて脅威度は低い敵ですが、油断はできません。
こういう敵が現れた場合、時としてハンター側の能力や行動とは無関係に、不思議な運命のちからによって行動が失敗してしまうこともままあるのです。
重ねて言いますが、もし今回、理不尽に何らかの行動が失敗したとしても、それは不思議な運命のちからなのです。
それでは、皆様のご活躍と、貞操の無事()をお祈り致します。
総じて脅威度は低い敵ですが、油断はできません。
こういう敵が現れた場合、時としてハンター側の能力や行動とは無関係に、不思議な運命のちからによって行動が失敗してしまうこともままあるのです。
重ねて言いますが、もし今回、理不尽に何らかの行動が失敗したとしても、それは不思議な運命のちからなのです。
それでは、皆様のご活躍と、貞操の無事()をお祈り致します。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/07/18 11:57
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
守れ、僕らの貞操…! フューリ(ka0660) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2014/07/13 02:48:42 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/07/08 14:43:52 |