ゲスト
(ka0000)
【東征】煙々羅
マスター:葉槻

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在9人 / 6~9人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/06/16 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/06/30 19:00
オープニング
●
静謐なる境内に血風が舞った。
屈強な僧侶の上腕が二分の一の長さを残して切断され、彼は苦悶の表情を浮かべて3歩後退する。
まだ少女の風貌を残した尼僧が治癒術を施し、かろうじて動脈からの流血を抑えるが、皮膚の再生など当然追いつかない。
「さぁ、次は何処にする? 左腕? それとも脚にしてやろうか?」
その歪虚は落ちた腕を拾って切り口を喰みながら至極楽しそうに嗤った。
「さぁ、如何する? 残るはお前とそこな女のみ。逃げるか? 逃げるか?」
きゃらきゃらと甲高い声で嗤いながら鮮血に染まった色打ち掛けを翻して、もう1人の歪虚が問う。
「女は俺が喰ろうてやろう。頭の先から褄先まで、俺が残さず喰ろうてやろう」
筋骨隆々、人であれば『偉丈夫』といった歪虚の視線が舐めるように尼僧の全身を這う。
その視線を振り切るように尼僧は僧侶へと治癒術を続ける。
「……ここは私が抑えます、僧正様はお逃げ下さい。僧正様さえご無事なら、この寺院の再建も叶いましょう」
「無茶を言う。利き腕をもがれた我に何が出来よう? ジケイ殿こそ逃げて、生き……ぐああっ!」
色打ち掛けを纏った歪虚が、右袖を払うだけの仕草で男の視界を奪った。
「やっぱ逃がしてあーげない。遊びましょ~」
キャラキャラと嗤う歪虚の腕を取ると、僧正と呼ばれた男は気合いと共に全身から気を迸らせる。
「破ァッ!!」
「ぎゃぁっ!?」
「逃げろ、ジケイ殿! 行って、現状を御上に!!」
「おのれ、よくも姉様を!」
「わはは、やるでは無いか腐れ坊主!!」
歪虚がこぞって僧侶へ襲いかかる中、尼僧は走り出した。
「っち、女ぁっ!」
「およし、『ふうぜん』逃がしておやり」
「なんでさ、『ひじり』姉」
尼僧を追う為に身を起こした『ふうぜん』に、既に息絶えた男の腹に肘まで手を入れ、湯気を上げる内臓をまさぐりながら『ひじり』と呼ばれた歪虚が制止をかける。
「その方が面白いじゃ無いか」
「えー、殺そうよ-、コロコロしちゃおうよー」
男の生首を掲げて滴る血を舌先で受け止めながら、一番小柄な歪虚が特に何の感慨もなさそうに言う。
「他の雑魚なんかに獲られるくらいなら、俺が殺して喰いたい」
諦めが付かない、と地団駄を踏むように『ふうぜん』が不満を漏らす。
「そりゃね、運が悪けりゃのたれ死ぬかも知れないけどね」
肝を取り出して、それを喰みながら『ひじり』が嗤う。
「運が良けりゃ、沢山の人間を連れてまた帰ってくるさ」
「あ、納得。流石姉様、あったまいー」
「『みいろ』もちょっとは考えて行動おし」
叱られて、不満げに唇を突き出してむくれる『みいろ』を見て、『ふうぜん』は溜息を吐いた。
「……死体はどうする? 流石にこれ全部喰うのは胃が凭れそうだ」
「ほっとけば怨霊にでもなるかもだし、そのままでも雑魚が美味しく食べるんじゃない? ボクももうおなかいっぱーい」
鮮血で汚れた唇回りを色打ち掛けの袖で乱暴に拭うと、『ひじり』は立ち上がった。
「さぁ、次はもっと楽しいといいねぇ」
くつくつと嗤いながら『ひじり』は尼僧の逃げた方角を一瞥して立ち去った。
●
尼僧――慈恵は夢から目を覚ました。
もう10年も前の事。まだ10年しか経っていない過去の事。
もう何度この過去を悪夢に見たことだろう。
ここは天の都。
龍尾城城下町であるここは結界により、唯一『人』が住まうことが赦された地だった。
寝汗を吸った襦袢が貼り付いて気持ち悪い。
障子戸を開け、外の空気を吸う。
夜明け前の済んだ冷たい空気が肺いっぱいに広がり、暗澹とした胸の内が少し軽くなった気がした。
今日、漸く積年の願いが叶う。
再びあの懐かしい山門を潜り、境内に入れるのだと思うと一刻も早くと急く気持ちと同時に、今はどうなっているのかという不安に行きたくないという思いも沸き上がる。
それでも、行かねばならない。
慈恵は静かに両目を閉じて経を唱えると、禊ぎをする為に襖を開けた。
静謐なる境内に血風が舞った。
屈強な僧侶の上腕が二分の一の長さを残して切断され、彼は苦悶の表情を浮かべて3歩後退する。
まだ少女の風貌を残した尼僧が治癒術を施し、かろうじて動脈からの流血を抑えるが、皮膚の再生など当然追いつかない。
「さぁ、次は何処にする? 左腕? それとも脚にしてやろうか?」
その歪虚は落ちた腕を拾って切り口を喰みながら至極楽しそうに嗤った。
「さぁ、如何する? 残るはお前とそこな女のみ。逃げるか? 逃げるか?」
きゃらきゃらと甲高い声で嗤いながら鮮血に染まった色打ち掛けを翻して、もう1人の歪虚が問う。
「女は俺が喰ろうてやろう。頭の先から褄先まで、俺が残さず喰ろうてやろう」
筋骨隆々、人であれば『偉丈夫』といった歪虚の視線が舐めるように尼僧の全身を這う。
その視線を振り切るように尼僧は僧侶へと治癒術を続ける。
「……ここは私が抑えます、僧正様はお逃げ下さい。僧正様さえご無事なら、この寺院の再建も叶いましょう」
「無茶を言う。利き腕をもがれた我に何が出来よう? ジケイ殿こそ逃げて、生き……ぐああっ!」
色打ち掛けを纏った歪虚が、右袖を払うだけの仕草で男の視界を奪った。
「やっぱ逃がしてあーげない。遊びましょ~」
キャラキャラと嗤う歪虚の腕を取ると、僧正と呼ばれた男は気合いと共に全身から気を迸らせる。
「破ァッ!!」
「ぎゃぁっ!?」
「逃げろ、ジケイ殿! 行って、現状を御上に!!」
「おのれ、よくも姉様を!」
「わはは、やるでは無いか腐れ坊主!!」
歪虚がこぞって僧侶へ襲いかかる中、尼僧は走り出した。
「っち、女ぁっ!」
「およし、『ふうぜん』逃がしておやり」
「なんでさ、『ひじり』姉」
尼僧を追う為に身を起こした『ふうぜん』に、既に息絶えた男の腹に肘まで手を入れ、湯気を上げる内臓をまさぐりながら『ひじり』と呼ばれた歪虚が制止をかける。
「その方が面白いじゃ無いか」
「えー、殺そうよ-、コロコロしちゃおうよー」
男の生首を掲げて滴る血を舌先で受け止めながら、一番小柄な歪虚が特に何の感慨もなさそうに言う。
「他の雑魚なんかに獲られるくらいなら、俺が殺して喰いたい」
諦めが付かない、と地団駄を踏むように『ふうぜん』が不満を漏らす。
「そりゃね、運が悪けりゃのたれ死ぬかも知れないけどね」
肝を取り出して、それを喰みながら『ひじり』が嗤う。
「運が良けりゃ、沢山の人間を連れてまた帰ってくるさ」
「あ、納得。流石姉様、あったまいー」
「『みいろ』もちょっとは考えて行動おし」
叱られて、不満げに唇を突き出してむくれる『みいろ』を見て、『ふうぜん』は溜息を吐いた。
「……死体はどうする? 流石にこれ全部喰うのは胃が凭れそうだ」
「ほっとけば怨霊にでもなるかもだし、そのままでも雑魚が美味しく食べるんじゃない? ボクももうおなかいっぱーい」
鮮血で汚れた唇回りを色打ち掛けの袖で乱暴に拭うと、『ひじり』は立ち上がった。
「さぁ、次はもっと楽しいといいねぇ」
くつくつと嗤いながら『ひじり』は尼僧の逃げた方角を一瞥して立ち去った。
●
尼僧――慈恵は夢から目を覚ました。
もう10年も前の事。まだ10年しか経っていない過去の事。
もう何度この過去を悪夢に見たことだろう。
ここは天の都。
龍尾城城下町であるここは結界により、唯一『人』が住まうことが赦された地だった。
寝汗を吸った襦袢が貼り付いて気持ち悪い。
障子戸を開け、外の空気を吸う。
夜明け前の済んだ冷たい空気が肺いっぱいに広がり、暗澹とした胸の内が少し軽くなった気がした。
今日、漸く積年の願いが叶う。
再びあの懐かしい山門を潜り、境内に入れるのだと思うと一刻も早くと急く気持ちと同時に、今はどうなっているのかという不安に行きたくないという思いも沸き上がる。
それでも、行かねばならない。
慈恵は静かに両目を閉じて経を唱えると、禊ぎをする為に襖を開けた。
解説
【目的】
物資と食糧の移送を完遂する
【貸出】
牛車(牛1頭に荷台を引かせるもの)3台
※行きはこれに乗って行く事も可能
崩れた木材を退かすための手斧など
※最低限の食糧は提供される
【場所】
山中にある廃寺
かつては武林として栄え、孤児などを引き取り育てており、地域の寺子屋的な役目も担っていた
行きの2日間は平坦な砂利道
残り1日は午後には廃村に到着、廃寺までは抜け細い山道を登る
山門を潜ると敷地は広いが、あちらこちらに激しい戦いの痕がそのまま野晒しになっている
武器は本堂の奥の地下蔵だが、焼け落ちており発掘が必要
食糧は庫裡の奥の土蔵
穀物や乾物、漬物等が貯蔵されている
しかし争いとなった時、村のまだ戦えぬ女子どもを匿っていた場所だった為、凄惨な状態で放置されている
【案内人】
慈恵 尼僧(聖導士相当)
戦闘時には回復担当として行動
攻撃は錫杖での近接攻撃のみ
年齢20代後半~30代前半
【その他】
本格的な供養・弔い・埋葬などを行う時間は無い
道中、休憩時間を設ける際など交代で見張りが必要
【日程】
1日目早朝出発
3日目午前中到着予定
4日目早朝出発
6日目午前中帰着予定
PL情報
【敵】
往路・復路共に道中には雑魔がひっきりなしに出るが、ハンターならば通常攻撃で殺せる程度
偶にホブゴブリンクラスの雑魔が出てくることもある
境内には無念の死を遂げた人達の怒りが歪虚となって住み着いている
煙のような外見だが物理攻撃は有効
近距離攻撃・遠距離攻撃共に行ってくる
物資と食糧の移送を完遂する
【貸出】
牛車(牛1頭に荷台を引かせるもの)3台
※行きはこれに乗って行く事も可能
崩れた木材を退かすための手斧など
※最低限の食糧は提供される
【場所】
山中にある廃寺
かつては武林として栄え、孤児などを引き取り育てており、地域の寺子屋的な役目も担っていた
行きの2日間は平坦な砂利道
残り1日は午後には廃村に到着、廃寺までは抜け細い山道を登る
山門を潜ると敷地は広いが、あちらこちらに激しい戦いの痕がそのまま野晒しになっている
武器は本堂の奥の地下蔵だが、焼け落ちており発掘が必要
食糧は庫裡の奥の土蔵
穀物や乾物、漬物等が貯蔵されている
しかし争いとなった時、村のまだ戦えぬ女子どもを匿っていた場所だった為、凄惨な状態で放置されている
【案内人】
慈恵 尼僧(聖導士相当)
戦闘時には回復担当として行動
攻撃は錫杖での近接攻撃のみ
年齢20代後半~30代前半
【その他】
本格的な供養・弔い・埋葬などを行う時間は無い
道中、休憩時間を設ける際など交代で見張りが必要
【日程】
1日目早朝出発
3日目午前中到着予定
4日目早朝出発
6日目午前中帰着予定
PL情報
【敵】
往路・復路共に道中には雑魔がひっきりなしに出るが、ハンターならば通常攻撃で殺せる程度
偶にホブゴブリンクラスの雑魔が出てくることもある
境内には無念の死を遂げた人達の怒りが歪虚となって住み着いている
煙のような外見だが物理攻撃は有効
近距離攻撃・遠距離攻撃共に行ってくる
マスターより
■MSより
はじめまして、または再びお目にかかれて光栄です。葉槻(はづき)です。
14作目は東方よりお届けいたします。
心情重視出来たら良いなぁと思っております……が、全ては皆様次第。
慈恵さんは放っておいても皆さんの回復支援します。
ですが戦闘はからっきしな人なので期待しない方が吉かと。
なお、美人です。美人です(2回目)。
更に補足しますとOPで出てきた三兄弟とは戦えますが今回だけで決着を付けることは出来ません。
あくまで任務は物資と食糧の移送です。
それでは、あなたらしい行動をお待ちしております。
はじめまして、または再びお目にかかれて光栄です。葉槻(はづき)です。
14作目は東方よりお届けいたします。
心情重視出来たら良いなぁと思っております……が、全ては皆様次第。
慈恵さんは放っておいても皆さんの回復支援します。
ですが戦闘はからっきしな人なので期待しない方が吉かと。
なお、美人です。美人です(2回目)。
更に補足しますとOPで出てきた三兄弟とは戦えますが今回だけで決着を付けることは出来ません。
あくまで任務は物資と食糧の移送です。
それでは、あなたらしい行動をお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/29 22:29
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/14 05:45:55 |
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相談場所 ファン・リーエ(ka4772) 人間(クリムゾンウェスト)|15才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2015/06/16 17:52:59 |