ゲスト
(ka0000)
【聖呪】奇縁たる、繋がれたる
マスター:練子やきも

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/06/17 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/06/26 12:00
オープニング
王国北部の森の中、その者は彷徨っていた。
目的があるでもなく、ただ生きるために生きる。その事に不満も退屈もなく、ただ、生きるために日々を戦っていた。
此方に気付いていない小さなウサギを見付け、捕まえる。ささやかな食事を済ませ、満たされた腹に機嫌良く喉を鳴らしながら再び歩き始めたその者は、二本足で歩く奇妙な生き物に出逢った。
茶色い肌、尖った鼻、以前見た二本足の仲間だろうか? だったら……。
若干の期待を込めながら近付いてみた行為は、しかしその相手の怒りに触れたのか……それともこちらを食料と見なしたのか。襲ってきた相手が振り下ろした物を躱しざま、相手の喉に喰らい付いて瞬時に仕留める。
(……あんまり美味しくない)
この二本足、足こそ二本足だが前に見た二本足の仲間ではなく、恐らくサルの仲間か何かなのだろうと、その者は思った。今はあまり腹も減っていないし、こんな不味い物を食べるまでもない。口に入った肉をペッ、と吐きだし、動かなくなった相手に一瞥を与えると、その者は再び歩き出した。
その後も、その森には何匹も何匹も、あの不味い二本足が居た。時には複数、いっぱい居る事もあった。たぶんこの辺ではありふれた生き物なのだろう。なんだか一様に疲れた感じだし、弱いのにウサギみたいに巣穴に籠もる事もしていない、変な生き物。……きっと、ウサギより頭が悪くて巣穴を作れないんだろうと思った。
そんなある日、優しく流れる風に乗って薫ってきた懐かしい匂いに、ふと足が止まった。久しく嗅いだ事のない、でも懐かしい匂い。自然とそちらへ足が向く。こっちに、二本足は居るのだろうか?
ーーーー
「うおっ!? ト、トラ!!?」
いきなり現れたトラに慌てて、運んでいた牛乳を取り落としそうになった若い牧夫は、逃げ出そうと踵を返しかけた所で気付いた。
(こういう時は背を向けちゃダメだ、ゆっくりとバックだ、そう、俺ならできる、ゆっくり、ゆっくり)
トラから目を離さないようにしながらゆっくり下がろうとした牧夫は、ある程度……10メートル程の距離で、おすわりのポーズで座り込んだトラの視線が、自分の持っている牛乳の桶にひたすら注がれている事に気が付いた。
「……もしかしてこれが欲しいのか……?」
牛乳の桶を動かすと、トラの顔もそれに合わせて動く。右、左、ぐるんと回って……逆回転。
「ミルク欲しがる人って事はまだ子供かぁ、脅かしやがって」
あまりの敵意の無さと要求物のストレートさに、既に牧夫からはこのトラへの恐怖心は消えていた。
牛乳桶の蓋にミルクを注いで与えると、近付いて来て飲み始めるトラ。体高もせいぜい50センチ程度で、やはりまだ子供なのだろう。
そのトラは、ちょくちょく牧場へと姿を見せるようになった。牛乳をくれる元が牛である事もどうやら理解しているようで、人や牛、柵の中にいる生き物を襲うようなそぶりを見せる事もなく。礼のつもりなのか、たまに仕留めたウサギやトリなどを持って来るようになり、奇妙な隣人としての生活がしばらく続いたある日の事。
牧場の中に、柵の壊れる音とゴブリンの歓声と、牛の悲鳴が響き渡る。慌てて起き出した牧夫が見たのは、奇妙な……馬車? というかゴブリン車? ゴブ車?
ゴブリンが、ゴテゴテした武装の付いた馬車を引き回しながら牧場内を荒らし回っている。ご丁寧にそのゴブ車の後ろには荷台まで付いており、どうやら牛を攫ってその荷台に積み込んでいくつもりらしい。
「そういや最近ゴブリン増えてる聞いてたけど、まさかうちにまで来やがるとは……」
歯噛みしながらもどうする事もできない牧夫の前方で、上がるゴブリン達の悲鳴。
「あのトラ! ……あいつか!」
どうやらあのトラが助けに来てくれたようだ。我が物顔に暴れ回るゴブリン達に襲いかかったトラ、どうやらゴブリン程度ならあっさり蹴散らせるようだが……その姿を見て、ゴブ車の中から奇妙なゴブリンが姿を見せた。
その太い片手に、なんだか対比的に細い棒切れのように見える杖を持つ、腕だけが異様に太くなったゴブリン。そいつは、隣に居たゴブリンを引っ掴むと……トラ目掛けて投げ付ける!
あまりにあまりな飛び道具と、流石に死にはせずすぐに起き上がった弾……ゴブリンを前に、流石にトラも近付く事が出来ないでいるようだ。
(……助けに来てくれたアイツを見捨てる訳にもいかないよなぁ……)
自分も加勢に行くべきだろうか……? 迷っている牧夫の背後から、駆け付ける姿があった。
「あ、あんたら……ハンターか! 助かった、まさかゴブリンがうちの牧場にまで来るとは思ってなくてさぁ……。なんか変な感じだよなぁ。……あ、あのトラは俺の友達なんだ、なんか牧場を守ってくれてるみたいだから、間違えて攻撃したりしないでやってくれ、頼んだぜ!」
これ幸いとばかりにハンターに丸投げする牧夫だったが、流石に一緒に戦わせる訳にも行かないし、ある意味役割をちゃんと理解してくれていると言えなくもない。……とりあえず彼が邪魔になる事は無さそうだ。
目的があるでもなく、ただ生きるために生きる。その事に不満も退屈もなく、ただ、生きるために日々を戦っていた。
此方に気付いていない小さなウサギを見付け、捕まえる。ささやかな食事を済ませ、満たされた腹に機嫌良く喉を鳴らしながら再び歩き始めたその者は、二本足で歩く奇妙な生き物に出逢った。
茶色い肌、尖った鼻、以前見た二本足の仲間だろうか? だったら……。
若干の期待を込めながら近付いてみた行為は、しかしその相手の怒りに触れたのか……それともこちらを食料と見なしたのか。襲ってきた相手が振り下ろした物を躱しざま、相手の喉に喰らい付いて瞬時に仕留める。
(……あんまり美味しくない)
この二本足、足こそ二本足だが前に見た二本足の仲間ではなく、恐らくサルの仲間か何かなのだろうと、その者は思った。今はあまり腹も減っていないし、こんな不味い物を食べるまでもない。口に入った肉をペッ、と吐きだし、動かなくなった相手に一瞥を与えると、その者は再び歩き出した。
その後も、その森には何匹も何匹も、あの不味い二本足が居た。時には複数、いっぱい居る事もあった。たぶんこの辺ではありふれた生き物なのだろう。なんだか一様に疲れた感じだし、弱いのにウサギみたいに巣穴に籠もる事もしていない、変な生き物。……きっと、ウサギより頭が悪くて巣穴を作れないんだろうと思った。
そんなある日、優しく流れる風に乗って薫ってきた懐かしい匂いに、ふと足が止まった。久しく嗅いだ事のない、でも懐かしい匂い。自然とそちらへ足が向く。こっちに、二本足は居るのだろうか?
ーーーー
「うおっ!? ト、トラ!!?」
いきなり現れたトラに慌てて、運んでいた牛乳を取り落としそうになった若い牧夫は、逃げ出そうと踵を返しかけた所で気付いた。
(こういう時は背を向けちゃダメだ、ゆっくりとバックだ、そう、俺ならできる、ゆっくり、ゆっくり)
トラから目を離さないようにしながらゆっくり下がろうとした牧夫は、ある程度……10メートル程の距離で、おすわりのポーズで座り込んだトラの視線が、自分の持っている牛乳の桶にひたすら注がれている事に気が付いた。
「……もしかしてこれが欲しいのか……?」
牛乳の桶を動かすと、トラの顔もそれに合わせて動く。右、左、ぐるんと回って……逆回転。
「ミルク欲しがる人って事はまだ子供かぁ、脅かしやがって」
あまりの敵意の無さと要求物のストレートさに、既に牧夫からはこのトラへの恐怖心は消えていた。
牛乳桶の蓋にミルクを注いで与えると、近付いて来て飲み始めるトラ。体高もせいぜい50センチ程度で、やはりまだ子供なのだろう。
そのトラは、ちょくちょく牧場へと姿を見せるようになった。牛乳をくれる元が牛である事もどうやら理解しているようで、人や牛、柵の中にいる生き物を襲うようなそぶりを見せる事もなく。礼のつもりなのか、たまに仕留めたウサギやトリなどを持って来るようになり、奇妙な隣人としての生活がしばらく続いたある日の事。
牧場の中に、柵の壊れる音とゴブリンの歓声と、牛の悲鳴が響き渡る。慌てて起き出した牧夫が見たのは、奇妙な……馬車? というかゴブリン車? ゴブ車?
ゴブリンが、ゴテゴテした武装の付いた馬車を引き回しながら牧場内を荒らし回っている。ご丁寧にそのゴブ車の後ろには荷台まで付いており、どうやら牛を攫ってその荷台に積み込んでいくつもりらしい。
「そういや最近ゴブリン増えてる聞いてたけど、まさかうちにまで来やがるとは……」
歯噛みしながらもどうする事もできない牧夫の前方で、上がるゴブリン達の悲鳴。
「あのトラ! ……あいつか!」
どうやらあのトラが助けに来てくれたようだ。我が物顔に暴れ回るゴブリン達に襲いかかったトラ、どうやらゴブリン程度ならあっさり蹴散らせるようだが……その姿を見て、ゴブ車の中から奇妙なゴブリンが姿を見せた。
その太い片手に、なんだか対比的に細い棒切れのように見える杖を持つ、腕だけが異様に太くなったゴブリン。そいつは、隣に居たゴブリンを引っ掴むと……トラ目掛けて投げ付ける!
あまりにあまりな飛び道具と、流石に死にはせずすぐに起き上がった弾……ゴブリンを前に、流石にトラも近付く事が出来ないでいるようだ。
(……助けに来てくれたアイツを見捨てる訳にもいかないよなぁ……)
自分も加勢に行くべきだろうか……? 迷っている牧夫の背後から、駆け付ける姿があった。
「あ、あんたら……ハンターか! 助かった、まさかゴブリンがうちの牧場にまで来るとは思ってなくてさぁ……。なんか変な感じだよなぁ。……あ、あのトラは俺の友達なんだ、なんか牧場を守ってくれてるみたいだから、間違えて攻撃したりしないでやってくれ、頼んだぜ!」
これ幸いとばかりにハンターに丸投げする牧夫だったが、流石に一緒に戦わせる訳にも行かないし、ある意味役割をちゃんと理解してくれていると言えなくもない。……とりあえず彼が邪魔になる事は無さそうだ。
解説
●目的
ゴブリン亜種の討伐
●状況
皆さんは、最近頻度の高いゴブリンの襲撃に備えて、付近に詰めていたハンターとなっております。
ゴブリン達は牧場の柵を破壊して農場に攻め込んで来ており、現在体高50センチサイズのトラが孤軍奮闘中です。戦闘スペースはかなり広く確保されています。
●ゴブリンについて
多ゴブ引きのゴブ車で襲撃して来ています。馬の代わりにゴブリンが引くチャリオット型戦車だと思って頂ければわかりやすいかと思われますが、さまざまなトゲトゲした物でゴテゴテに武装しており、意外と固そうです。最高速度はゴブリン並み。あと、後ろに荷車を引いていますので、かなり旋回が鈍そうかも。
ゴブリンは現在見える範囲に亜種を含めた10体程居ますが、まだかなりの数がゴブ車に載っていそうです。明らかに過積載です。
亜種ゴブリンは、腕が巨大化した個体となっており、現在は配下のゴブリンを投げる戦法で戦っているようですが、なんか他にもゴブリンを便利に使いそうです。片手に杖をもっているあたり、恐らく何か隠し玉がありそうです。単純な性格をしてそうな感じではありますね。
●トラについて
まだ成長しきっていない、若いと言うより幼い、中型犬サイズのトラですが、狩猟の腕前は既にかなりの物になっており、ただのゴブリンに負ける事はほぼ無さそうです。が、亜種相手には分が悪いようです。
牧夫が注意していますが、人間とゴブリンの区別が付いており、こちらから攻撃しない限りは敵対する事はありませんが、範囲攻撃に巻き込んだりした場合、恐らく笑って済ます事はありませんので気を付けた方が良いかも知れません。
ゴブリン亜種の討伐
●状況
皆さんは、最近頻度の高いゴブリンの襲撃に備えて、付近に詰めていたハンターとなっております。
ゴブリン達は牧場の柵を破壊して農場に攻め込んで来ており、現在体高50センチサイズのトラが孤軍奮闘中です。戦闘スペースはかなり広く確保されています。
●ゴブリンについて
多ゴブ引きのゴブ車で襲撃して来ています。馬の代わりにゴブリンが引くチャリオット型戦車だと思って頂ければわかりやすいかと思われますが、さまざまなトゲトゲした物でゴテゴテに武装しており、意外と固そうです。最高速度はゴブリン並み。あと、後ろに荷車を引いていますので、かなり旋回が鈍そうかも。
ゴブリンは現在見える範囲に亜種を含めた10体程居ますが、まだかなりの数がゴブ車に載っていそうです。明らかに過積載です。
亜種ゴブリンは、腕が巨大化した個体となっており、現在は配下のゴブリンを投げる戦法で戦っているようですが、なんか他にもゴブリンを便利に使いそうです。片手に杖をもっているあたり、恐らく何か隠し玉がありそうです。単純な性格をしてそうな感じではありますね。
●トラについて
まだ成長しきっていない、若いと言うより幼い、中型犬サイズのトラですが、狩猟の腕前は既にかなりの物になっており、ただのゴブリンに負ける事はほぼ無さそうです。が、亜種相手には分が悪いようです。
牧夫が注意していますが、人間とゴブリンの区別が付いており、こちらから攻撃しない限りは敵対する事はありませんが、範囲攻撃に巻き込んだりした場合、恐らく笑って済ます事はありませんので気を付けた方が良いかも知れません。
マスターより
どうも、マイペースっぷりに定評のある(自称)練子やきもです。
王国の北側では色々と起こっているようですが、小さな牧場にもその波は押し寄せて来ているようです。どうか皆さんの力で、変なゴブリンを退治して、牧夫さんとトラを助けてあげて下さい。
ダーウィンが来るあの番組が大好きです。タイガーとかシャーマンとか聞くと心が躍ります。なので足してみたらなんだか奇妙な事になりましたが……気にしません。
ゴブリン戦車のイメージは某アーケードゲームの最初のボス……でした(過去系)
王国の北側では色々と起こっているようですが、小さな牧場にもその波は押し寄せて来ているようです。どうか皆さんの力で、変なゴブリンを退治して、牧夫さんとトラを助けてあげて下さい。
ダーウィンが来るあの番組が大好きです。タイガーとかシャーマンとか聞くと心が躍ります。なので足してみたらなんだか奇妙な事になりましたが……気にしません。
ゴブリン戦車のイメージは某アーケードゲームの最初のボス……でした(過去系)
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/25 19:28
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 イェルバート(ka1772) 人間(クリムゾンウェスト)|15才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/06/17 05:55:51 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/13 20:40:00 |