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  • 調査

【東征】腹ペコ鬼と符術師

マスター:狐野径

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/06/19 19:00
リプレイ完成予定
2015/06/28 19:00

オープニング

●巫子
 大江紅葉はできる限り結界の中を歩き回るようにしている。陰陽寮に所属する符術師であり巫子たる務めと考える。
 何かあってもいいように護衛としてモノノフを連れる。何もない方がいいに決まっているが、結界外でも見える範囲で襲われているモノがあった場合、自分独りで解決できるかという問題が生じる。符術でできることは限られるし、幼い頃から使っている弓をでも大したことはできない。
 協力をしないといけないのだ、何事も。
 最近はモノノフと会うことは、紅葉にとって嬉しいこともあった。
 西方諸国から来るハンターもいるからだ。
 紅葉の知識欲を刺激し、満たす。
 大江家は遠い昔は学問を良くする家系であるため、家の中には書物であふれかえっていたという。紅葉が知っているのは、数冊の書物のみ。逃げる際に持って行けるわけもなく、書物もほとんどが失われ、口伝や都に残った物を頼んで見せてもらうことしか知識を蓄える術はなかった。
 符術師の才能があるといって、陰陽寮で教わることは嬉しかった。増える知識、出来ることが増える予感が紅葉は心地よかった。
 一方で六歳年下の妹の若葉は刀を手にした。
「姉上、学問なんて役に立たない!」
 きっぱりと言い切って。
 紅葉は苦笑するしかなかった。別に学問を押し付けるつもりはなかったが、大江家の宗主として、両親代わりとしてあれこれ言いすぎたらしかった。
 平和が来たとき役に立つかも、とは言えない。

●食料が消える
「大江様、聞いてください! 食料が消えるんです」
 天ノ都よりも結界に近いいくつかの集落で聞かれたことであった。いつもではなく時々、「あれなくなってる?」と気付く程度だと言う。
「避難してきている人も増えている。その人たちが盗っているのかな」
 人間同士の不和につながりかねない言動だが、この問いはすぐに消える。力を合わせないといけないから。
 愚痴が広まり、ともに戦う意識が消えるのが怖いと思いながら、紅葉は人々の話を聞いている。
 そして次に疑われるのは、結界が本当に機能しているのかということ。
 外から来るものとして歪虚が関わっていたら、こんなことで済まないと考えながら、紅葉は丁寧に説明するしかない。
 説明の後、結界については納得してくれるのだが、今回は異なっていた。
「結界の外に出ていく大きな影を見たんだ」
「前も言ったけど、お前が寝とぼけてたんじゃないのか!」
「いや、だってさ……角あったみたいだし」
「鬼は来られないだろう? だって、妖怪の手先だから」
 紅葉は、おしゃべりがやむのを困ったように見つめるしかなかった。
(誰もが同じ感情を持っているわけではない……って解かっている! だから鬼のすべてが通れないわけじゃないと説明しちゃまずいってことも)
 事実を話せば納得されるかもしれないが、パニックを引き起こすことは必至だと紅葉は知っている。
「分かりました。今夜は私たちもおりますし、調査してみますね?」
 集落に安堵が生じたのは間違いなかった。

●若い鬼たち
 歪虚支配地域でも天ノ都近くのとあるところ、若い鬼たちは大人たちに見つからないようにこそこそと話をしていた。
「サルハネ、お前はどうする?」
「でも、こいつ、前回結構追いかけられてなんとか逃げてきたっていったよな」
「見つかったらやばいよな」
 声を掛けられたサルハネは曖昧にうなずく。「来るな」と言っているのが分かるから、サルハネは仲間の武運を祈って立ち去る。
 人間の食料は普段食べないモノがあって美味しいのだ。それは、以前からこっそりもらってきている者たちがいるので誰もが知っていた。
 不毛な土地となっていく場所で食べ物なんてなきに等しい。人間のところは食べ物がある。あるから獲るのだ。
「そろそろ行こうか?」
「監視してるやつらは?」
「ほら、あっちだ」
「急げ、急げ」
 四人の若い鬼たちは出かけ行った。
 妖怪たちも人間に混乱を与えると言う理由であれば見逃してくれる。
 大人たちは若い鬼たちの行動に目をつむり、目立たずこっそりならというようなことをさりげなく言われている。
 灰色の行動、それが若い鬼たちの行為。
 こっそり行ってこっそり戻ってくる。
 これまではどうにかなっていた。

●依頼
「倉庫の事を調べていただけませんか?」
 紅葉としては護衛として来てくれている人に頼むのは気が引けるが、一人ではできないことを承知している。そのための依頼だ。
「盗んだのに気付かれていないと言うのは……見張りがグルか、どこか抜け穴があるかのいずれかと思うんです。ただ、私独りで見て、見落とすかもしれませんからお力添えをしていただければと思ったのです」
 本当に鬼がいるのかという問いかけに対して、紅葉は首かしげる。
「鬼でも人間でも、他人の物を盗むと言う行為自体が問題です。ただ、彼らのおかれた実情を考えると……」
 言葉を切って曖昧に笑う。彼らは何を指すのか?
「そうですね……見張りもしてみましょうか?」
 紅葉はまじめな顔になって告げる。
「今晩来るとは限りませんが、少しくらい私も役に立たないと!」
 彼女の巻き込まれるのは護衛として来たモノノフでありハンターで、彼女も強制はしない。彼女は自分がしたいようにするだけだから。

解説

 PCの皆さんは、大江紅葉の護衛であり、食料減少事件について調べるに関して賛同した人ということになります。
 もし食料を奪っている者たちを発見した場合、追い返す、捕まえる、もしくは倒してください。

●倉庫
 高床式倉庫です。床面は2メートル40センチ、広さは10×20メートルあります。
 入口は一つで見張りがいつもいます。
 倉庫に沿って4メートル空きがあります。つまり、18×28メートルの広場の真ん中に倉庫がある形です。
 倉庫の奥に巧妙に隠された穴があります。
 この穴に気付いた場合、盗まれているものはこの近辺と分かります。

●集落の道など
 倉庫があるところからは細い道(2メートル前後)が入り組んで伸びています。
 集落から結界までダッシュで20分くらいです。

●大江紅葉(おおえ・くれは)
 符術師で凛とした女性(22歳)。平和だったころは学問の徒として名をはせた一族の宗主です。
 彼女が鬼に対して悪感情がないのは知識のためと、PL情報として次を示します。
 紅葉は幼い頃、鬼に助けられたこともあり、全ての鬼が悪いと思っていません。なお、できれば鬼たちは追い返したいと考えており、積極的に殺したがりません。

●結界
 歪虚を通しません。それ以外は通れます。

●鬼
 13~16歳の若い鬼です。
 体格は筋肉質で、身長は170~185センチです。
 四人でこっそりやってきてこっそり帰るつもりです。

マスターより

 こんにちは。エトファリカにやってきました!
 今回はこっそり物を取りに来る若い鬼たちをどうにかする話です。形は調査ですが戦いもありうるので幅広く考えていただければ幸いです。
 なお、同日に起こったことして、近々公開予定で別途シナリオを用意しています。鬼興味あるけど、怖そう、強そうと不安な方はそちらをチェックしていただければ幸いです。
 鬼の側面を描ければ良いなと思います。
 よろしくお願いします。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/06/25 19:51

参加者一覧

  • デュエリスト
    弓月 幸子(ka1749
    人間(蒼)|15才|女性|魔術師
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • ピロクテテスの弓
    ニコラス・ディズレーリ(ka2572
    人間(紅)|21才|男性|猟撃士
  • 小さな望み
    シャトン(ka3198
    人間(蒼)|16才|女性|霊闘士
  • もぐもぐ少女
    泉(ka3737
    ドワーフ|10才|女性|霊闘士
  • 山岳部の集落を救った者
    レウィル=スフェーン(ka4689
    人間(紅)|16才|男性|疾影士
  • お説教レディ
    鬼非鬼 ゆー(ka4952
    人間(蒼)|17才|女性|舞刀士
  • 多彩な技師
    グエン・チ・ホア(ka5051
    人間(蒼)|21才|女性|疾影士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
ニコラス・ディズレーリ(ka2572
人間(クリムゾンウェスト)|21才|男性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2015/06/19 02:41:22
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/06/19 04:20:04