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【聖呪】セイント・ガーディアン

マスター:鹿野やいと

このシナリオは4日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/06/16 19:00
リプレイ完成予定
2015/06/29 19:00

オープニング

 青の隊は本格的な調査に乗り出した。まずはゴブリンの南下の問題。近隣の領主達と共に遭遇次第排除しているが、いずれその問題の起点である大峡谷を調査せねばならない。その先駆けとして青の隊隊長ゲオルギウスは幾つもの偵察隊を近隣地域に送り出した。パルシア村が村長ジェイクの指揮の下、こつこつと進めていた亜人の調査はここで威力を発揮し、青の隊はその情報の確認程度でことが済んでしまうことも多々あった。進んでいなかった亜人集落への調査も、早い段階で進められるだろうと思われた。ここに来てゲオルギウスには気になる話が二つあった。天幕の中で1人、ゲオルギウスは先日のパルシア村とのやりとりを思い出していた
 1件目は言わずもがな、自殺した聖女の件である。経緯に関してはアランにおおよその話を聞くことで事情はわかったが、村長が未だに黙秘を続けるために情報に穴がある。アランの説明では聖女が自殺にいたる動機は理解できても、聖堂教会が何を行っていたのかがさっぱり不明瞭だ。儀式失敗の後に自殺に追い込まれるほどの叱責が繰り返されたというが、教会はなぜそんな益体のないことが続けていたのか。そんな明瞭な醜聞があるのに何故村長は聖堂教会を弾劾しないのか。アランは教会との取引に関しては知らないと言ったが、窓口である村長は否定していない。現在の状況に置いてゴブリン退治と近辺の調査は、アランの協力だけで事足りるだろう。黙秘してやり過ごそうとする村長の意図は明らかだった。ハンターの出した推論は間違っていないだろうが、経緯に至る軸が未だに見えない。
 そして2件目は亡霊騒ぎだ。目撃者は口を揃えて「若い少女の亡霊」と言っていたが、パルシア村出身の目撃者は「聖女に似ていた」と証言している。この時期にこの話は偶然の一致ではないだろう。この亡霊騒ぎも北部の騒ぎを収める大事な要素となるのは間違いない。問題は、亡霊という不確かなものに確実に会う方法が無いということだ。出現情報の多い場所をまわり、幸運に期待する以外にない。ゲオルギウスは思考を止め、水代わりのぬるいエールに口をつけた。
「村長はもう少しなんとかなると思ったのだがな」
 村長のジェイクはあれ以来新しい情報を出してはくれない。それが仮初のものであれ、怒りのままに罵声を吐いていた頃なら対処のしようもあっただろう。城を攻めるのと同じ。守りに徹した動きの無い相手というのが一番手ごわく、あとは力づくという方法しかなくなる。それはゲオルギウスとてしたくないし、したところで得られた情報が真実と確かめる術がない。
「………かと言って、教会に聞いて答えが出るわけでもなし」
 今回の件、節々に謎が多い。聖女が北の大渓谷に向かったのは、エクラ教において自殺を恥ずかしいものと思う考えが元だろう。しかし、非力な彼女がどうやって亜人の本拠地の奥深くまで入ったのか不明なままだ。聖女の周囲には不思議な現象が起こっていたというが、それも儀式の後に多く起こっていたという。儀式に失敗し、聖女の資格なしとされたエリカに力があるというのも妙な話だ。ゲオルギウスは天幕の天井を見上げ嘆息した。村長の考えは楽観に過ぎる。この一件はただの亜人討伐では終わらない。そんな嫌な予感が思考を離れなかった。



 ゲオルギウスは息抜きにと天幕を抜け出し、自警団を相手にした訓練の様子を視察していた。パルシア村の若者達は士気が高く、騎士達の訓練に必死についてきている。彼らには以後の村の防衛を任せるため念入りに鍛えているが、青の隊が必要としたのはこの自警団を率いるアランだった。
「エリカをちゃんと弔いたい。それが叶うなら何でも協力する」
 悲しみに沈んだままの村長とは対照的に、アランは精力的に騎士団の仕事に協力していた。亜人の討伐はもとより、不案内な騎士団を先導して周囲の地形を隅々まで案内した。その中でアランの際立った強さは、すぐに青の隊全てが知ることになった。こんな田舎には勿体無い猛者だった。もしも彼が本気になれば、1:1で止められるのは騎士団ではダンテかエリオットかぐらいであろう。ゲオルギウスは早々に彼には敵わないと見切りをつけた。しかしアランはその強さに比して、それ以外の要素が稚拙だった。剣を振るう速度ならアランはダンテにも比肩しうる使い手だが、技という観点では落第だ。アランの剣は単純すぎる。剣術はいかに相手の構えをすりぬけ、人体の急所をつくか、あるいは戦闘力を落とすかという技術体系だ。ダンテの剣は速度と重さで相手に反撃の隙を与えないが、その速さと重さに慣れると次はその精緻な術が猛然と襲い掛かってくる。最高速度のまま最適の動きで急所を狙う彼の剣は、決して一撃の重さに頼るだけの愚者の剣ではない。一方アランはどうか。これはもうめちゃくちゃだ。安直すぎて受けるのは新人の騎士でも容易い。アランの剣の理屈は単純だった。剣が防がれてしまうなら、防ぐのが間に合わない速度で斬れば良い。剣が防がれてしまうなら、受けとめきれない重さで断ち切れば良い。実際に騎士相手の模擬戦でも同じことをして、中堅までの騎士がこの単純明快極まる暴力に膝を屈した。この近辺に現れるゴブリンなら、こんなものを受ければ即死するだろう。正直なところ、同じ長さのメイスなりバトルアックスなりを持たせたほうが彼は強くなる。しかしだからと言ってそうしてしまえば、武術家としての彼の素養を完全に殺してしまう。なんとか適切な訓練でもって一段上の戦士に育てたい。そして次の問題にぶちあたる。
「隊長。彼にまともな訓練をつけられる騎士は、我が隊には残っておりません」
 情けない顔をした分隊長がゲオルギウスに何度目かの報告をした。
「わかっとるわい、そんなこと」
 対するゲオルギウスも苦い顔だった。青の隊は基本的には裏方作業の部隊である。築城やら偵察やら輸送やら、そういった戦場の後方・準備段階でこそ威力を発揮する。もちろん騎士として十分な訓練を受けているが、赤の隊のように実戦経験が豊富というわけではない。数少ない猛者達には既に斥候を申しつけており、都合の良い人員は一人も残っていなかった。ゲオルギウスはもう一度残った騎士の顔ぶれを思い出し、どうにもならないことを悟って諦めた。
「ハンターに頼むか」
 実戦経験では申し分なし。異種装備の知識もあるだろう。何より単独・小集団から大集団への連携という点も経験が多いはずだ。今のアランを確かな戦力として運用するには、ハンターのような運用が最適と思われた。
「戻ってきたハンターで手の空いた連中に声をかけてくれ」
「了解しました」
 ゲオルギウスは視線を模擬試合に戻す。
 もの数秒としないうちに騎士の1人が薙ぎ倒され、ゲオルギウスは大きく嘆息した。

解説

●状況
 偵察任務などで参加していた折、覚醒者アランの訓練に参加してほしいと打診がありました
 このシナリオの前作に関しては「【聖呪】15年目の涙石」を参照してください

●して欲しいこと(全体)
 アランは強いのですが、OPの通りド素人です
 剣術もそうですが基本的な戦術もあまり理解していません
 というのも、同じ覚醒者と肩を並べて戦った経験がないのです
 敵と自分の戦力差を把握する程度の眼力は備えていますが、それぐらいです
 これから必要と思うことをさわりだけでも良いので教えてあげてください

●出来ること(個人)
 実際にアランと戦ってみるも良し
 覚醒者同士の模擬戦を見せるも良し
 新しい武器や本を与えてみるも良し
 今後一緒に戦う仲間として、必要な素養を備えるように教育してください

 依頼としては上記内容ですが、1人以上が戦闘訓練を実施すれば
 それ以外のPCは訓練以外の行動をしてもかまいません
 状況はOPと解説の通りなので、好きなようにRPしてください

●NPC紹介
・アラン
 聖女の元婚約者。パルシア村自警団の団長。闘狩人の覚醒者
 エリカの亡骸の回収したいと願っている
 前回の依頼で騎士団や冒険者への全面的な協力を約束した

・聖女エリカ
 前回ので儀式に失敗した聖女
 世間一般では失踪したといわれているが、実際には大峡谷で自殺している
 
・ジェイク
 聖女エリカの実父。以前は教会と騎士団に凄まじい敵意を見せていたが
 ハンターに感化されたアランに説得され、一転して騎士団を受け入れた。
 現在は協力態勢は作りながらも、過去の出来事を一切語らず黙秘を続けてる

・ゲオルギウス・グラニフ・グランフェルト
 王国騎士団青の隊の隊長。年齢は60代で騎士団でほぼ最高齢の人物
 白の隊のエリオットに続き、赤の隊のダンテに並ぶ地位にある
 ダンテと正反対の後方で知略を廻らすタイプ

マスターより

ゲオルギウスのGはジジイのG。頭文字に三つもついてるのでこれはもう3G!(版権的に色々アカンやつ

お待たせしました、聖呪連動のパルシア村編です
アランの訓練がメインですが自由行動のシナリオですので
存分に遊んでいただければ幸いです
どなた様もお気軽にご参加ください
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/06/29 05:28

参加者一覧

  • お茶会の魔法使い
    白水 燈夜(ka0236
    人間(蒼)|21才|男性|魔術師
  • ノブレス・オブリージュ
    ジャック・J・グリーヴ(ka1305
    人間(紅)|24才|男性|闘狩人
  • 母なる海より祝福をこめて
    バレーヌ=モノクローム(ka1605
    人間(紅)|20才|男性|闘狩人
  • 爛漫なる猫鮫
    鮫島 寝子(ka1658
    人間(蒼)|16才|女性|霊闘士
  • 俯瞰視の狩人
    ヴァージル・チェンバレン(ka1989
    人間(紅)|45才|男性|闘狩人
  • 心に鉄、槍には紅炎
    逢見 千(ka4357
    人間(蒼)|14才|女性|闘狩人
  • 正しき姿勢で正しき目を
    セイラ・イシュリエル(ka4820
    人間(紅)|20才|女性|疾影士

  • 鹿乃 梓(ka4972
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
バレーヌ=モノクローム(ka1605
人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2015/06/16 06:31:42
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/06/13 11:40:38