ゲスト
(ka0000)
ちびドワーフとお手伝い
マスター:T谷

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/06/20 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/06/29 22:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●
「えっほー、えっほー」
毛むくじゃらのドワーフは、今日も元気にツルハシを振るう。鉄と、石と、同じく毛むくじゃらな仲間に囲まれて、日々を楽しく穴の中で過ごしている。
今日の進捗は、余りよくない。堅い岩にぶつかってしまったせいで、予定よりも少し遅れてしまっている。渡された設計図の通りに掘り終わるのは、まだかなり先の話になりそうだ。
とはいえ、彼は気にしなかった。短い足を踏ん張って、短い腕で大きなツルハシを振りかぶり、百センチちょっとの小さな体は、少しずつ穴を掘る。
穴を掘るのは、とても楽しい。手に伝う土の柔らかさが、石の砕ける手応えが、がつんがつんと響くいくつもの音が、子守歌のように心を癒やしてくれる。長く伸びた眉に土が付くのは、少し煩わしいけど。
それでも陽気なかけ声が、思わず出てしまう。彼は自分が声を出していることに気付いていなかったので、最初に仲間に指摘されたときは少し恥ずかしかったことを覚えている。
「おーい、今日はもう上がるぞー」
親方の声が聞こえた。同時に、辺りに響いていた音が鳴り止んで、おーと仲間達が一日で一番嬉しそうな歓声を上げる。次いで上がる話題はいつも通り、仕事帰りに飲む酒の話だ。
しかし、仲間達の中で一際小さな彼だけは、もう終わりかと少し残念な気分になっていた。
「親方―。僕、もうちょっと頑張りたいなー」
「またかエミール。いつも言ってるだろ、休むのも仕事だってな」
「えー」
エミールが口を尖らせる。その仕草は年相応で、やはりまだ彼は見習いに過ぎないのだなと苦笑いを浮かべて親方は小さく笑った。
子供扱いは余り嬉しくない。今年でもう十二になるのだ。まだ髭を伸ばすことは認められていないが、体力も腕力も、酒浸りの酔っ払いよりはいくらかあるつもりだ。
「そんな焦らんでもな、これからの人生、いっくらでも働けんだよ」
エミールの態度が余りに露骨だったのか、親方の言葉は優しく諭すようだった。これもまた、子供扱いなんじゃないかと少し不満に思うも、低く響く親方の声は嫌いじゃない。
分かったよと、エミールはようやくツルハシを下ろした。
「ここの掘削もいずれ終わるだろうが、そうすりゃ、また別の場所が俺達を待ってんだ。気楽に行こうぜ。このご時世、食いっぱぐれねえってのは良いこった!」
親方の豪快な笑い声が、掘削途中の穴に響く。その笑顔はエミールをも笑顔にさせ、手を振って踵を返すその背中は、大きな誇りを背負ってがっしりと地面に立っていた。
エミールは、その姿に大きな憧れを覚える。
ここに生まれて、ここに育ち、親方の元で働けることは、エミールにとっての”誇り”に他ならなかった。
●
その夜、小さな影がカールスラーエ要塞にあるハンターズソサエティ支部の門を潜った。
一メートルほどの身長に、短い手足。同じく横幅も一メートルといったところで、坂道で蹴躓けばそのまま転がって行ってしまいそうな体型は球に近い。オーバーオールのような作業服は特徴的で、この都市の住民であれば彼が地下空間の建造を一手に引き受けているドワーフ達の一人なのだろうと見当がつくだろう。
名をエミールというそのドワーフは、若くして地下拡張事業のホープとして名高い人物だった。
「ごめんくださーい」
元気な声が、夜も更け静まりかえる建物に響く。もう誰も来ないと高をくくって受付に突っ伏していた女性が、ハッと顔を上げた。
「あら、あらあら、随分可愛いお客さんですね?」
目をこすり、慌てて営業スマイルを作った受付嬢が、にこやかに話しかける。
「えっとー、お仕事の依頼を、お願いしたいんですけどー」
「ええ、それはもちろん構わないけど……こんな夜中に?」
「うん、今すぐがいいの」
エミールの話は簡単だった。
誰にも気付かれずに作業の遅れを取り戻し、皆に喜んでもらいたい。しかしそのためには、自分一人の力では足りない。そこで、ハンター達に、非覚醒者の自分よりも遙かに強く逞しいと評判の彼らに、お手伝いを頼みたいのだった。
「……うーん、それだったら」
話を聞いた受付嬢は、少し思案すると、ちらりとロビーに目を向ける。
「ほら、あそこのお兄さんお姉さん達に、頼んでみたらいいと思うな」
書類なんかは後でもいいからと、受付嬢はにこやかに笑いかける。
エミールはそれを見、ロビーにたむろするハンターに目をやり……少し落ち着かないように何度かそれを繰り返すと、
「あ、あのー」
意を決したようにとてとてと、ハンター達に声を掛けてきた。
●
「えっほー、えっほー」
毛むくじゃらのドワーフは、今日も元気にツルハシを振るう。鉄と、石と、同じく毛むくじゃらな仲間に囲まれて、日々を楽しく穴の中で過ごしている。
今日の進捗は、余りよくない。堅い岩にぶつかってしまったせいで、予定よりも少し遅れてしまっている。渡された設計図の通りに掘り終わるのは、まだかなり先の話になりそうだ。
とはいえ、彼は気にしなかった。短い足を踏ん張って、短い腕で大きなツルハシを振りかぶり、百センチちょっとの小さな体は、少しずつ穴を掘る。
穴を掘るのは、とても楽しい。手に伝う土の柔らかさが、石の砕ける手応えが、がつんがつんと響くいくつもの音が、子守歌のように心を癒やしてくれる。長く伸びた眉に土が付くのは、少し煩わしいけど。
それでも陽気なかけ声が、思わず出てしまう。彼は自分が声を出していることに気付いていなかったので、最初に仲間に指摘されたときは少し恥ずかしかったことを覚えている。
「おーい、今日はもう上がるぞー」
親方の声が聞こえた。同時に、辺りに響いていた音が鳴り止んで、おーと仲間達が一日で一番嬉しそうな歓声を上げる。次いで上がる話題はいつも通り、仕事帰りに飲む酒の話だ。
しかし、仲間達の中で一際小さな彼だけは、もう終わりかと少し残念な気分になっていた。
「親方―。僕、もうちょっと頑張りたいなー」
「またかエミール。いつも言ってるだろ、休むのも仕事だってな」
「えー」
エミールが口を尖らせる。その仕草は年相応で、やはりまだ彼は見習いに過ぎないのだなと苦笑いを浮かべて親方は小さく笑った。
子供扱いは余り嬉しくない。今年でもう十二になるのだ。まだ髭を伸ばすことは認められていないが、体力も腕力も、酒浸りの酔っ払いよりはいくらかあるつもりだ。
「そんな焦らんでもな、これからの人生、いっくらでも働けんだよ」
エミールの態度が余りに露骨だったのか、親方の言葉は優しく諭すようだった。これもまた、子供扱いなんじゃないかと少し不満に思うも、低く響く親方の声は嫌いじゃない。
分かったよと、エミールはようやくツルハシを下ろした。
「ここの掘削もいずれ終わるだろうが、そうすりゃ、また別の場所が俺達を待ってんだ。気楽に行こうぜ。このご時世、食いっぱぐれねえってのは良いこった!」
親方の豪快な笑い声が、掘削途中の穴に響く。その笑顔はエミールをも笑顔にさせ、手を振って踵を返すその背中は、大きな誇りを背負ってがっしりと地面に立っていた。
エミールは、その姿に大きな憧れを覚える。
ここに生まれて、ここに育ち、親方の元で働けることは、エミールにとっての”誇り”に他ならなかった。
●
その夜、小さな影がカールスラーエ要塞にあるハンターズソサエティ支部の門を潜った。
一メートルほどの身長に、短い手足。同じく横幅も一メートルといったところで、坂道で蹴躓けばそのまま転がって行ってしまいそうな体型は球に近い。オーバーオールのような作業服は特徴的で、この都市の住民であれば彼が地下空間の建造を一手に引き受けているドワーフ達の一人なのだろうと見当がつくだろう。
名をエミールというそのドワーフは、若くして地下拡張事業のホープとして名高い人物だった。
「ごめんくださーい」
元気な声が、夜も更け静まりかえる建物に響く。もう誰も来ないと高をくくって受付に突っ伏していた女性が、ハッと顔を上げた。
「あら、あらあら、随分可愛いお客さんですね?」
目をこすり、慌てて営業スマイルを作った受付嬢が、にこやかに話しかける。
「えっとー、お仕事の依頼を、お願いしたいんですけどー」
「ええ、それはもちろん構わないけど……こんな夜中に?」
「うん、今すぐがいいの」
エミールの話は簡単だった。
誰にも気付かれずに作業の遅れを取り戻し、皆に喜んでもらいたい。しかしそのためには、自分一人の力では足りない。そこで、ハンター達に、非覚醒者の自分よりも遙かに強く逞しいと評判の彼らに、お手伝いを頼みたいのだった。
「……うーん、それだったら」
話を聞いた受付嬢は、少し思案すると、ちらりとロビーに目を向ける。
「ほら、あそこのお兄さんお姉さん達に、頼んでみたらいいと思うな」
書類なんかは後でもいいからと、受付嬢はにこやかに笑いかける。
エミールはそれを見、ロビーにたむろするハンターに目をやり……少し落ち着かないように何度かそれを繰り返すと、
「あ、あのー」
意を決したようにとてとてと、ハンター達に声を掛けてきた。
解説
・概要
ドワーフの子供と共に、ツルハシを持って第二師団都市カールスラーエの地下に広がる空間を拡張せよ。
最終的な完成予定施設は、CAMや魔導アーマーを格納する倉庫、そしてそれらを地上に運ぶ、大型のエレベーターです。が、今回は穴を掘るだけです。
・エミール
年齢十二歳。身長100センチ。好きな食べ物は干し肉とブドウ。
まん丸に太ったドワーフの子供ですが、穴掘りの腕やセンスは抜群であり、彼のサポートがあれば素人でも簡単安全に掘削を行う事が可能です。
・穴掘りポイント
プレイングに、下記の選択肢1、選択肢2からそれぞれ一つずつ選んで明記して下さい。
選んだ選択肢と付随するプレイングによりポイントの加減が行われ、良いことや悪いことなど何かが起こるかもしれません。
・選択肢1 ・選択肢2
【力の限り】 【言われた通りに掘る】
【適度に】 【真っ直ぐに掘る】
【疲れない程度に】 【気まぐれに掘る】
割と好きなようにしても、ドワーフパワーで何とかしてくれるそうです。
とはいえ限度はありますので、ほどほどに。
ドワーフの子供と共に、ツルハシを持って第二師団都市カールスラーエの地下に広がる空間を拡張せよ。
最終的な完成予定施設は、CAMや魔導アーマーを格納する倉庫、そしてそれらを地上に運ぶ、大型のエレベーターです。が、今回は穴を掘るだけです。
・エミール
年齢十二歳。身長100センチ。好きな食べ物は干し肉とブドウ。
まん丸に太ったドワーフの子供ですが、穴掘りの腕やセンスは抜群であり、彼のサポートがあれば素人でも簡単安全に掘削を行う事が可能です。
・穴掘りポイント
プレイングに、下記の選択肢1、選択肢2からそれぞれ一つずつ選んで明記して下さい。
選んだ選択肢と付随するプレイングによりポイントの加減が行われ、良いことや悪いことなど何かが起こるかもしれません。
・選択肢1 ・選択肢2
【力の限り】 【言われた通りに掘る】
【適度に】 【真っ直ぐに掘る】
【疲れない程度に】 【気まぐれに掘る】
割と好きなようにしても、ドワーフパワーで何とかしてくれるそうです。
とはいえ限度はありますので、ほどほどに。
マスターより
ツルハシが武器で出てくるゲームがあっても、大抵弱いのが納得できませんT谷です。
あのとんがった部分で殴ったら、剣で突いたりするよりダメージ出そうですよね? まあ取り回しは最悪でしょうけども、そこはファンタジー特有の怪力で、こう……。
あのとんがった部分で殴ったら、剣で突いたりするよりダメージ出そうですよね? まあ取り回しは最悪でしょうけども、そこはファンタジー特有の怪力で、こう……。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/28 20:48
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 Holmes(ka3813) ドワーフ|8才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/06/19 21:11:05 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/19 21:07:38 |