ゲスト
(ka0000)
赤い粘泥
マスター:狭霧

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/07/14 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/07/23 19:00
オープニング
古都アークエルス。
様々な研究を目的とした、グラズヘイム王国随一の学術都市だ。
その内容は歴史から魔法まで多岐に渡り、知識の探究者たちが日々研究に身を捧げている。
しかしながら研究や実験には失敗が付き物。
まして魔法研究という分野では、時として本人の手におえない大失敗を引き起こしかねないのだ。
実験動物に逃げられた研究者もいれば、魔法にあてられた生物が魔法生物化することも珍しくない。
その殆どは大事になる前に駐在している騎士が処理するのだが、彼らだけで全てに対処することは難しく……。
都市の在り方とは切っても切れない関係であるがゆえに、アークエルスとその周辺では、歪虚と同等かそれ以上の悩みの種になっていた。
●
アークエルス郊外。
畑作を主産業としている村でその事件は起こった。
異変に気付いたのは小麦畑の様子を見に訪れた農夫だった。
秋に蒔いた小麦は柔らかな穂をつけ、黄金色の海原のように風にそよいでいる。
それを見て一時は満足げな笑みを浮かべた農夫だったが、すぐに訝しげな表情に変わる。
「なんだありゃ?」
一面に広がる麦海の中、まるで虫に食われた葉のようにぽっかりと穴が開いた箇所がある。
獣の仕業かとも思ったが、他に踏み荒らされたり、食い荒らされた形跡はない。
その部分だけがくり抜いたように消えているのだ。
奇妙さに顔をしかめていると、彼の前で小麦の背がみるみる下がっていき、消えた。後にはぽっかりと穴だけが残る。
「おいおい勘弁してくれよ。もうすぐ収穫だってのに……」
冬を越し、順調に育った小麦は収穫を待つばかり。
何の仕業か知らないが、それを台無しにされてたまるかと、腰に吊るした護身用の短剣に手をかける。
男は腕っ節には自信があった。
麦に隠れて犯人の姿は見えないが、それゆえに自分の命を脅かすほどの脅威ではないと己を鼓舞し、短剣の柄を握り締め、足元の石を手に取った。
感触を確かめつつ振りかぶり、今できたばかりの“穴”に投げ込んで――
彼がボロボロになりながらも村長の家に駆け込み、備え付けの魔導伝話でハンターズソサエティの支部に助けを求めたのは、それからすぐのことだった。
●
ハンターズソサエティ・アークエルス支部。
本部から転移してきたハンターたちは女性職員に出迎えられ、依頼の説明を受けることになった。
「ご苦労様です。早速ですが、今回貴方たちにお願いするのはスライム退治になります」
職員は慣れた様子で情報を手配していく。
空中に開いた表示窓にハンターたちの視線が向いたのを確認すると、自らも資料を手に説明を始めた。
「ここから馬で四半日ほどの農村から、麦畑にいる赤いスライムを討伐してくれ、という依頼が届きました」
感情を窺わせない声色。それは余計な情を排して、純粋な情報のみをハンターたちに与えていた。
「依頼人によると、対象は麦畑にぽっかりと空いた穴の中に潜んでおり、ちょっかいを出すと飛び出してくるとのことです。やたらすばしっこいスライムだったそうですよ」
ちなみにその依頼人はというと。投石をしたところ猛スピードで飛び出してきたスライムの体当たりを腹部に受け、悶絶しているところをズタボロにされたらしい。一般人の中では屈強な部類に入ると思しき依頼人だったからこそ死に物狂いで逃げ切れたものの、街で働く商人などであればひとたまりもなかっただろう。
話を聞いたハンターが彼の身を案じていると、職員はそれと……と、別の案件を口にした。
「数日前にアークエルスの駐在兵が特徴の似たスライムを取り逃がしているんですが……話を聞く限り、同一個体と見ていいでしょうね」
日常的とまではいかずとも、それなりの頻度で持ち込まれる類。スライムということで油断もあったのだろう。
練度に劣る新兵が対応に当たった結果、予想外の速度に翻弄され、何とか追い詰めたものの息の根を止める前に逃げられてしまったそうだ。
「そちらの報告も併せて考えると、素早さ以外は一般的なスライムと大差ないでしょう。依頼人から、確実に倒してくれるなら畑一つ二つ分くらいは諦める、と言質は取ってありますから、畑の被害はあまり気にしなくても大丈夫です。追い詰められると逃走するようですが、くれぐれも逃がさないでくださいね」
説明は終わり、とばかりに自分用の資料を閉じた職員は、どうやって逃がさず討伐するか思案していたハンターたちから視線を外し、やや俯いて口を開いた。
これはあくまで独り言ですが、と前置きして。
「依頼人には諦めると言っていただきましたが。なるべく被害を抑えていただけると助かります」
と、変わらず抑揚のない声色で告げると、誰の反応も待たずに顔を上げ。
「それでは、よろしくお願いします」
そう言って頭を下げた。
様々な研究を目的とした、グラズヘイム王国随一の学術都市だ。
その内容は歴史から魔法まで多岐に渡り、知識の探究者たちが日々研究に身を捧げている。
しかしながら研究や実験には失敗が付き物。
まして魔法研究という分野では、時として本人の手におえない大失敗を引き起こしかねないのだ。
実験動物に逃げられた研究者もいれば、魔法にあてられた生物が魔法生物化することも珍しくない。
その殆どは大事になる前に駐在している騎士が処理するのだが、彼らだけで全てに対処することは難しく……。
都市の在り方とは切っても切れない関係であるがゆえに、アークエルスとその周辺では、歪虚と同等かそれ以上の悩みの種になっていた。
●
アークエルス郊外。
畑作を主産業としている村でその事件は起こった。
異変に気付いたのは小麦畑の様子を見に訪れた農夫だった。
秋に蒔いた小麦は柔らかな穂をつけ、黄金色の海原のように風にそよいでいる。
それを見て一時は満足げな笑みを浮かべた農夫だったが、すぐに訝しげな表情に変わる。
「なんだありゃ?」
一面に広がる麦海の中、まるで虫に食われた葉のようにぽっかりと穴が開いた箇所がある。
獣の仕業かとも思ったが、他に踏み荒らされたり、食い荒らされた形跡はない。
その部分だけがくり抜いたように消えているのだ。
奇妙さに顔をしかめていると、彼の前で小麦の背がみるみる下がっていき、消えた。後にはぽっかりと穴だけが残る。
「おいおい勘弁してくれよ。もうすぐ収穫だってのに……」
冬を越し、順調に育った小麦は収穫を待つばかり。
何の仕業か知らないが、それを台無しにされてたまるかと、腰に吊るした護身用の短剣に手をかける。
男は腕っ節には自信があった。
麦に隠れて犯人の姿は見えないが、それゆえに自分の命を脅かすほどの脅威ではないと己を鼓舞し、短剣の柄を握り締め、足元の石を手に取った。
感触を確かめつつ振りかぶり、今できたばかりの“穴”に投げ込んで――
彼がボロボロになりながらも村長の家に駆け込み、備え付けの魔導伝話でハンターズソサエティの支部に助けを求めたのは、それからすぐのことだった。
●
ハンターズソサエティ・アークエルス支部。
本部から転移してきたハンターたちは女性職員に出迎えられ、依頼の説明を受けることになった。
「ご苦労様です。早速ですが、今回貴方たちにお願いするのはスライム退治になります」
職員は慣れた様子で情報を手配していく。
空中に開いた表示窓にハンターたちの視線が向いたのを確認すると、自らも資料を手に説明を始めた。
「ここから馬で四半日ほどの農村から、麦畑にいる赤いスライムを討伐してくれ、という依頼が届きました」
感情を窺わせない声色。それは余計な情を排して、純粋な情報のみをハンターたちに与えていた。
「依頼人によると、対象は麦畑にぽっかりと空いた穴の中に潜んでおり、ちょっかいを出すと飛び出してくるとのことです。やたらすばしっこいスライムだったそうですよ」
ちなみにその依頼人はというと。投石をしたところ猛スピードで飛び出してきたスライムの体当たりを腹部に受け、悶絶しているところをズタボロにされたらしい。一般人の中では屈強な部類に入ると思しき依頼人だったからこそ死に物狂いで逃げ切れたものの、街で働く商人などであればひとたまりもなかっただろう。
話を聞いたハンターが彼の身を案じていると、職員はそれと……と、別の案件を口にした。
「数日前にアークエルスの駐在兵が特徴の似たスライムを取り逃がしているんですが……話を聞く限り、同一個体と見ていいでしょうね」
日常的とまではいかずとも、それなりの頻度で持ち込まれる類。スライムということで油断もあったのだろう。
練度に劣る新兵が対応に当たった結果、予想外の速度に翻弄され、何とか追い詰めたものの息の根を止める前に逃げられてしまったそうだ。
「そちらの報告も併せて考えると、素早さ以外は一般的なスライムと大差ないでしょう。依頼人から、確実に倒してくれるなら畑一つ二つ分くらいは諦める、と言質は取ってありますから、畑の被害はあまり気にしなくても大丈夫です。追い詰められると逃走するようですが、くれぐれも逃がさないでくださいね」
説明は終わり、とばかりに自分用の資料を閉じた職員は、どうやって逃がさず討伐するか思案していたハンターたちから視線を外し、やや俯いて口を開いた。
これはあくまで独り言ですが、と前置きして。
「依頼人には諦めると言っていただきましたが。なるべく被害を抑えていただけると助かります」
と、変わらず抑揚のない声色で告げると、誰の反応も待たずに顔を上げ。
「それでは、よろしくお願いします」
そう言って頭を下げた。
解説
・目的
魔法生物(スライム)の撃滅
・現場
平野に10×5spの麦畑が格子状に広がっており、その中の1つ、穴の開いた畑にスライムが潜んでいる。
小麦の高さは約80cm。
畑と畑の間はひとりが十分に近接武器を振るえる程度(1sq)。移動の際、すれ違うくらいは可能。
・敵情報
「レッドスライム」
通常の3倍――は言い過ぎだが、通常種より速度系ステが高いスライム。
物理攻撃に対して耐性を持ち、強酸を吐いたり速度を乗せた体当たりで攻撃してくる。
元は1体だったのだが、ハンターが駆けつける間に分裂したらしく到着時には2体になっている。
到着時は麦畑に潜んでおり、ちょっかいさえかけなければ襲ってくることはない。
知能と呼べるものは持ち合わせていないが、倒されそうになると逃走する程度の生存本能はある模様。
魔法生物(スライム)の撃滅
・現場
平野に10×5spの麦畑が格子状に広がっており、その中の1つ、穴の開いた畑にスライムが潜んでいる。
小麦の高さは約80cm。
畑と畑の間はひとりが十分に近接武器を振るえる程度(1sq)。移動の際、すれ違うくらいは可能。
・敵情報
「レッドスライム」
通常の3倍――は言い過ぎだが、通常種より速度系ステが高いスライム。
物理攻撃に対して耐性を持ち、強酸を吐いたり速度を乗せた体当たりで攻撃してくる。
元は1体だったのだが、ハンターが駆けつける間に分裂したらしく到着時には2体になっている。
到着時は麦畑に潜んでおり、ちょっかいさえかけなければ襲ってくることはない。
知能と呼べるものは持ち合わせていないが、倒されそうになると逃走する程度の生存本能はある模様。
マスターより
はじめまして、狭霧と申します。
スライムといえばファンタジーと言えるほど定番の敵ですが、だからと言って雑魚とも限らないのがこいつら。
まして今回のこれは若干強化されていますし。
油断せず、きっちり片付けちゃってください。
それでは、よろしくお願いします。
スライムといえばファンタジーと言えるほど定番の敵ですが、だからと言って雑魚とも限らないのがこいつら。
まして今回のこれは若干強化されていますし。
油断せず、きっちり片付けちゃってください。
それでは、よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/07/22 11:25
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼相談卓 夢路 まよい(ka1328) 人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2014/07/13 23:56:04 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/07/09 11:47:17 |