ゲスト
(ka0000)
【東征】少年、鬼の子からタケノコもらう
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/06/23 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/07/02 22:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●初めての景色
「うわっ、見てみて、あれ、何」
災厄の十三魔が一人レチタティーヴォ配下の歪虚プエルは、少年の外見同様、好奇心は強い。初めての土地で見慣れぬものを見つけて走り出した。
はしゃいでいる主にエクエスは溜息が出る。
「駄目です、プエル様、結界があるから近付けないですよ」
「面白そうなのに……どうやったらいけるかな?」
プエルが指さす先は竹の間にある茶色の円錐形の物体。
エクエスの中に幾つか案は浮かぶが簡単ではないので、茶色の円錐は諦めてもらうしかない。
プエルは溜息ついて、別の所に歩き出す。
「あれ、あのヒト何?」
プエルの指さす先には青い肌の大きな姿がある。
「鬼、ですね」
「へぇ」
止める間もなく、プエルは歩き出していた。
●鬼と少女?
ぼんやりと人里を見下ろす青い鬼のサルハネは、仲間が出ていくのを見送って溜息を洩らした。
人間の集落から気になる物をもらってくるために彼らは出かけた。
要は盗みなのだが、こっそりという重要な言葉が付いている。必要以上に物を盗らず、人の命もとらず……を守ることを大人からは言われている。
妖怪たちは騒ぎにしてほしいと思っているに違いないが……。
一度、サルハネは取りに行くのに付き合った。夜の人間の集落にこっそり行き、見慣れぬ食べ物を手に入れた。
帰る際に、警戒していた人間に追われ、散り散りになった。まあみんな無事だったのだが、サルハネは一歩間違うと危険だった。
落とし穴にはまり、にっちもさっちもいかなくなった。
白くゆったりとした着物を着た女性が来たとき、殺されると彼は考えた。しかし、質問におとなしく答えていると、助けてくれた。
『また襲撃などすれば、次は容赦なく打ち滅ぼしますよ! あなたが、他人を害していないというのを信じ、今日は見逃しましょう』
女性は飴を一つサルハネにくれ、それ以外は没収し、結界の外に追い出した。本当に攻撃もされず、彼は帰った。
それ以来、サルハネの中には鬼と妖怪たちと人間との関係がぐるぐる回っている。
人間は鬼を虐げてきた。だから、鬼だけの国を作る、という理想の元ここにいる。妖怪がそれに手を貸すという。
監視もあるのに妖怪は本当に味方なのか?
助けてくれる人間もいるのにすべてが敵なのか?
人間が張っている結界を妖怪は通れないのに、鬼が通れるのはなぜ?
人間の物を盗っても、こっそりとしつこく言うのは、人間すべてを敵に回したくない表れなのかもしれない……とサルハネは考えるようになってきていた。
考えても、考えても答えは出てこない。相談するにも難しい問題だ。
「何をブツブツ言っている?」
一人しかいなかったはずなのに、横から凛とした声が届く。横を見ると、角のない頭の少女のような人間のようなモノが座っている。
「ぎゃあああああああああ」
サルハネは足をバタバタさせて後退する。
「大きいのに、余がいるだけで驚くのか?」
少女のようなそれは笑う。
人間、少女……サルハネは観察する。肌は白いが、陶器のような質だ。人間ではない存在だと気付いた。
「俺は何もしないぞ」
「ん?」
「ここで、一人外を見ているだけだ」
言い訳をしたサルハネに少女は首をかしげる。ひょこと立つと、サルハネの角をむんずとつかんだ。
「ふふっ、固い」
「……え?」
鬼を知らないようだ。新しく生まればかりの妖怪か、それとも別の所から来たモノか?
「余は人間が嫌いだよ? お前は気になるのか?」
独り言から考えが暴露されている。
サルハネはゴクリと唾を飲んだ。素直に言うか否か。
「ああ」
「ふーん」
「お前、結界の中に入れるんだろう? 余が連れて行ってやるから、人間見てくればいい」
「へっ?」
「その代り、余の言うことを聞け!」
歪虚に目をつけられたと知り、サルハネは生きた心地はしていなかった。
●百聞は一見にしかず
肌が出ないように長袖長ズボンに、手袋でマントにフード……これで肌は見えないとそれは言った。
「これでよいだろう! お前はきっと人間が嫌な存在だとして帰ってくる。それと、その茶色の持ってくること!」
結界のところで別れるとき、それは頬を赤くして目をきらきらせながら、タケノコを指さして言った。
苦笑しつつサルハネはタケノコを一つ折るとそれに差し出した。
「え?」
それはきょとんとしてタケノコを両手で受け取る。
「そこで待ってろよ」
「あ、うん」
なんか変なやり取りだと思いつつ、呆然とする歪虚を置いてサルハネは集落に向かった。
行って帰ってくるだけ……それなら、問題は起こらないはずだ。人間がどうか分からないかも知れないが、まずは見てみることが重要だと考えた。
こっそりではなく堂々と入る人間の集落の雰囲気が違っていた。まず日があるうちに入ったということもある。
通りを行き来する人間を思わず立ち止まって見つめる。急いでいる人間でもぶつかることなく避けていく。
大人だけでなく、子どもも往来にいる。遊んでいるのか時折楽しそうな声が上がった。
鬼の集落にはない活気がここにはある。
(妖怪じゃなくて、人間と仲良くできなかったのかな?)
人間は鬼を嫌悪すると聞かされている。
妖怪は受け入れてくれたと言う。
昼間の人間を見たことにより、サルハネは余計に分からなくなってきていた。
通りを少し歩こうと足を進める。荷物を山と積んだ大八車が通って行った。
その大八車がかしいだのをサルハネは見た。
大八車が倒れる方に、老婆と幼い子がいる。
彼は駆けつけた。
老婆と幼い子に覆いかぶさり、荷物を背中に受ける。ずっしりと重さがかかるが耐えないとならない。
「大丈夫か!」
「おいしっかりしろ」
「積み過ぎなんだよ! 馬鹿モンが!」
怒号と悲鳴が上がる中、荷物がどけられる。
サルハネはほっとした。人を助けることができて。
老婆と幼子の顔が目に入った。
「お、鬼だ! 鬼だよ!」
老婆は悲鳴を上げて、幼子はきょとんとしている。
サルハネはフードがとれ、スカーフが外れていることに気付いた。
「なんで鬼がこんなところに」
武器を持った男たちが集まってくる。
老婆はあわてて幼子を連れて逃げる。
「お兄ちゃん、助けてくれてありが……」
幼子の声が遠ざかる。
石が飛んできた。
「妖怪の手先だ! 鬼は殺さないと!」
鬼の子は悲しみの中で呆然と座り込むしかできなかった。
●初めての景色
「うわっ、見てみて、あれ、何」
災厄の十三魔が一人レチタティーヴォ配下の歪虚プエルは、少年の外見同様、好奇心は強い。初めての土地で見慣れぬものを見つけて走り出した。
はしゃいでいる主にエクエスは溜息が出る。
「駄目です、プエル様、結界があるから近付けないですよ」
「面白そうなのに……どうやったらいけるかな?」
プエルが指さす先は竹の間にある茶色の円錐形の物体。
エクエスの中に幾つか案は浮かぶが簡単ではないので、茶色の円錐は諦めてもらうしかない。
プエルは溜息ついて、別の所に歩き出す。
「あれ、あのヒト何?」
プエルの指さす先には青い肌の大きな姿がある。
「鬼、ですね」
「へぇ」
止める間もなく、プエルは歩き出していた。
●鬼と少女?
ぼんやりと人里を見下ろす青い鬼のサルハネは、仲間が出ていくのを見送って溜息を洩らした。
人間の集落から気になる物をもらってくるために彼らは出かけた。
要は盗みなのだが、こっそりという重要な言葉が付いている。必要以上に物を盗らず、人の命もとらず……を守ることを大人からは言われている。
妖怪たちは騒ぎにしてほしいと思っているに違いないが……。
一度、サルハネは取りに行くのに付き合った。夜の人間の集落にこっそり行き、見慣れぬ食べ物を手に入れた。
帰る際に、警戒していた人間に追われ、散り散りになった。まあみんな無事だったのだが、サルハネは一歩間違うと危険だった。
落とし穴にはまり、にっちもさっちもいかなくなった。
白くゆったりとした着物を着た女性が来たとき、殺されると彼は考えた。しかし、質問におとなしく答えていると、助けてくれた。
『また襲撃などすれば、次は容赦なく打ち滅ぼしますよ! あなたが、他人を害していないというのを信じ、今日は見逃しましょう』
女性は飴を一つサルハネにくれ、それ以外は没収し、結界の外に追い出した。本当に攻撃もされず、彼は帰った。
それ以来、サルハネの中には鬼と妖怪たちと人間との関係がぐるぐる回っている。
人間は鬼を虐げてきた。だから、鬼だけの国を作る、という理想の元ここにいる。妖怪がそれに手を貸すという。
監視もあるのに妖怪は本当に味方なのか?
助けてくれる人間もいるのにすべてが敵なのか?
人間が張っている結界を妖怪は通れないのに、鬼が通れるのはなぜ?
人間の物を盗っても、こっそりとしつこく言うのは、人間すべてを敵に回したくない表れなのかもしれない……とサルハネは考えるようになってきていた。
考えても、考えても答えは出てこない。相談するにも難しい問題だ。
「何をブツブツ言っている?」
一人しかいなかったはずなのに、横から凛とした声が届く。横を見ると、角のない頭の少女のような人間のようなモノが座っている。
「ぎゃあああああああああ」
サルハネは足をバタバタさせて後退する。
「大きいのに、余がいるだけで驚くのか?」
少女のようなそれは笑う。
人間、少女……サルハネは観察する。肌は白いが、陶器のような質だ。人間ではない存在だと気付いた。
「俺は何もしないぞ」
「ん?」
「ここで、一人外を見ているだけだ」
言い訳をしたサルハネに少女は首をかしげる。ひょこと立つと、サルハネの角をむんずとつかんだ。
「ふふっ、固い」
「……え?」
鬼を知らないようだ。新しく生まればかりの妖怪か、それとも別の所から来たモノか?
「余は人間が嫌いだよ? お前は気になるのか?」
独り言から考えが暴露されている。
サルハネはゴクリと唾を飲んだ。素直に言うか否か。
「ああ」
「ふーん」
「お前、結界の中に入れるんだろう? 余が連れて行ってやるから、人間見てくればいい」
「へっ?」
「その代り、余の言うことを聞け!」
歪虚に目をつけられたと知り、サルハネは生きた心地はしていなかった。
●百聞は一見にしかず
肌が出ないように長袖長ズボンに、手袋でマントにフード……これで肌は見えないとそれは言った。
「これでよいだろう! お前はきっと人間が嫌な存在だとして帰ってくる。それと、その茶色の持ってくること!」
結界のところで別れるとき、それは頬を赤くして目をきらきらせながら、タケノコを指さして言った。
苦笑しつつサルハネはタケノコを一つ折るとそれに差し出した。
「え?」
それはきょとんとしてタケノコを両手で受け取る。
「そこで待ってろよ」
「あ、うん」
なんか変なやり取りだと思いつつ、呆然とする歪虚を置いてサルハネは集落に向かった。
行って帰ってくるだけ……それなら、問題は起こらないはずだ。人間がどうか分からないかも知れないが、まずは見てみることが重要だと考えた。
こっそりではなく堂々と入る人間の集落の雰囲気が違っていた。まず日があるうちに入ったということもある。
通りを行き来する人間を思わず立ち止まって見つめる。急いでいる人間でもぶつかることなく避けていく。
大人だけでなく、子どもも往来にいる。遊んでいるのか時折楽しそうな声が上がった。
鬼の集落にはない活気がここにはある。
(妖怪じゃなくて、人間と仲良くできなかったのかな?)
人間は鬼を嫌悪すると聞かされている。
妖怪は受け入れてくれたと言う。
昼間の人間を見たことにより、サルハネは余計に分からなくなってきていた。
通りを少し歩こうと足を進める。荷物を山と積んだ大八車が通って行った。
その大八車がかしいだのをサルハネは見た。
大八車が倒れる方に、老婆と幼い子がいる。
彼は駆けつけた。
老婆と幼い子に覆いかぶさり、荷物を背中に受ける。ずっしりと重さがかかるが耐えないとならない。
「大丈夫か!」
「おいしっかりしろ」
「積み過ぎなんだよ! 馬鹿モンが!」
怒号と悲鳴が上がる中、荷物がどけられる。
サルハネはほっとした。人を助けることができて。
老婆と幼子の顔が目に入った。
「お、鬼だ! 鬼だよ!」
老婆は悲鳴を上げて、幼子はきょとんとしている。
サルハネはフードがとれ、スカーフが外れていることに気付いた。
「なんで鬼がこんなところに」
武器を持った男たちが集まってくる。
老婆はあわてて幼子を連れて逃げる。
「お兄ちゃん、助けてくれてありが……」
幼子の声が遠ざかる。
石が飛んできた。
「妖怪の手先だ! 鬼は殺さないと!」
鬼の子は悲しみの中で呆然と座り込むしかできなかった。
解説
皆さんは大八車事件を見ています。
侵入者たる鬼をどうするか、です。
●対処方法例
捕まえて尋問する、自警や政府組織等に突き出す、話を聞く……などなど。
●サルハネ
青鬼です。顔はあどけないですが、体格は人間の14歳と比べ物にならないほど大きいです。
事故直後、逃げる行動をとるつもりですが、体が言うことを利いていません。捕まえようと思えば簡単です。
PL情報として、サルハネを以前助けたという女性はこの集落に今はいません。
なお、サルハネはすぐに鬼の集落に帰ろうと考えています。
●歪虚(PL情報)
災厄の十三魔レチタティーヴォ配下のプエルです。
相方のエクエスはこっそり見守って、二人のやり取りを笑っています。
なお、こちらとしてはPCさんたちと遭遇した場合、交戦したいですが、結界近くではしたくはないです。
今回はサルハネ中心なので「日常」です。
●同じころ
このシナリオは先行しております「【東征】腹ペコ鬼と符術師」と同時に起こっているものです。関連はあるようでないので、読まずとも問題ありません。
侵入者たる鬼をどうするか、です。
●対処方法例
捕まえて尋問する、自警や政府組織等に突き出す、話を聞く……などなど。
●サルハネ
青鬼です。顔はあどけないですが、体格は人間の14歳と比べ物にならないほど大きいです。
事故直後、逃げる行動をとるつもりですが、体が言うことを利いていません。捕まえようと思えば簡単です。
PL情報として、サルハネを以前助けたという女性はこの集落に今はいません。
なお、サルハネはすぐに鬼の集落に帰ろうと考えています。
●歪虚(PL情報)
災厄の十三魔レチタティーヴォ配下のプエルです。
相方のエクエスはこっそり見守って、二人のやり取りを笑っています。
なお、こちらとしてはPCさんたちと遭遇した場合、交戦したいですが、結界近くではしたくはないです。
今回はサルハネ中心なので「日常」です。
●同じころ
このシナリオは先行しております「【東征】腹ペコ鬼と符術師」と同時に起こっているものです。関連はあるようでないので、読まずとも問題ありません。
マスターより
こんにちは。【東征】第二弾です。タイトルはやっぱりほのぼの路線です。
あなたはサルハネをどうしますか? 懐柔しますか? 捕まえますか? それとも……。
なお、外に歪虚いるのに戦わせないのかという突っ込みもあると思いますが、サルハネ君の処遇に重点置きたいので「日常」にしました。プエルをいじるプレイングあっても問題ないです。
では、よろしくお願いします。
あなたはサルハネをどうしますか? 懐柔しますか? 捕まえますか? それとも……。
なお、外に歪虚いるのに戦わせないのかという突っ込みもあると思いますが、サルハネ君の処遇に重点置きたいので「日常」にしました。プエルをいじるプレイングあっても問題ないです。
では、よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/29 03:48
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/22 01:08:26 |
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相談卓 牧 渉(ka0033) 人間(リアルブルー)|20才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/06/23 07:07:01 |