ゲスト
(ka0000)
糸の褥
マスター:硲銘介

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/06/23 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/07/02 07:30
オープニング
●
見上げた空には何処までも青色が広がっていて、光と熱を降らせる太陽がそこにある。
それは当たり前の事――そう。当たり前の事だ。
――頭上に広がるは一面の白。視界は僅かにも蒼穹を映す事なく、天蓋の如きその広がりを追っていく。
真実、それは天を覆っているのだ。町一つが丸ごと呑み込まれ、我々から空を奪っていった。
展開された糸は地上から空までをドーム状に覆いつくし、外からの侵入を――そして外への逃亡を妨げる。
糸で閉鎖された町の中。そこを歩くのは我々人間の筈だった。事実、つい数日前まではその当たり前の光景が広がっていた。
しかし、様相は既に激変していた。人間に代わり大通りを闊歩するものは、蟲。
大人ほどの大きさもある幼虫が地面を、壁を這い回り、人の町を彼らのものへと変えていた。
町はかつての建物を残しつつも、大量の糸が張られその見た目は最早蟲の巣と化している。
閉ざされた空間内は蟲達の専用空間であり、外敵の存在しない内部には無数の卵が産み付けられた。
更に、幼虫達が成体へと変態する為の蛹の姿、それも街中のあらゆる場所に見られる。
そうして糸に覆われた安全な褥で育まれる蟲達は卵から新たに生まれ、蛹の段階を経て成体へと成長していく。
蛾の様な見た目の成体はその羽で低空を舞う。彼らはおぞましき姿で我々に恐怖を与え、毒性の燐粉を撒き散らす事で人へと仇為す。
成体となった蟲は卵を産み、それが孵り、彼らはまた数を増していく。
本当に恐ろしい。一週間前に最初の目撃情報があった時、その数はたった一匹だけだった。
その一匹が既に卵を産んでいたのか、もしくは他にも入り込んでいたのか。今となっては確かめる術も無いが、彼らは驚異的な速度で勢力を増していった。
対して町民たちは僅か三日程で多くが死に絶え、未だ生き残る者達も建物の中で息を潜めて隠れ住むしかない。それも、長くはもたないだろう。
正確な測量などしなくとも分かる。既に人と蟲の生存数は完全に反転した。
その瞬間から――否、或いはこの町が糸に包まれた時から。或いは最初の死人が出た時から。或いは、始めの一匹が町に入り込んだ時から――この町は、人間の物ではなくなった。
最後に。私は数人の仲間とこの町からの脱出を試みる。成功の可能性は極めて低いだろう。おそらくは、我らの内の誰一人も無事に町を出る事は叶わない。
だが、このまま家の中で恐怖に怯え隠れていても結末は変わらない。ならば、決死の特攻だろうとやる価値はあると思うのだ。
数多の町民達の犠牲によって得られた蟲達の情報を加えて、私はここに筆を置く。誰でもいい、誰かが生き残ったならばこの手紙をハンターオフィスへと届けよう。
そこに属するハンター達ならばこの情報も活かしてくれるだろうと信じている。
彼らが動く頃には生き残り達がどうなっているかも分からない。最悪、町諸共葬ってくれてもかまわない。
大事なのは、この惨状を他の町へ広げない事。ここで絶望を味わった我々だからこそ、その重要性は身に染みている。
――さて、未だ語り足りず名残惜しくはあるが、ここで区切りをつけるとしよう。
もしも生き延びる事が出来たなら、再び筆を取り、今の体験を元に物語を書こうと思っている。だから許されるのなら続きはまた後日、拙著の中で語るとしよう。
●
――満身創痍でハンターオフィスに駆け込んできた男が手にしていた手紙の内容は以上である。
傷だらけの男は自身の役目を終えたかのように既に息を引き取っており、町民が未だ生き延びているかどうかの検証も出来てはいない。
しかしその男が、手紙の著者が伝えた蟲の脅威は無視する事は到底出来ない。その排除の為、すぐに数人のハンターが集められた。
見上げた空には何処までも青色が広がっていて、光と熱を降らせる太陽がそこにある。
それは当たり前の事――そう。当たり前の事だ。
――頭上に広がるは一面の白。視界は僅かにも蒼穹を映す事なく、天蓋の如きその広がりを追っていく。
真実、それは天を覆っているのだ。町一つが丸ごと呑み込まれ、我々から空を奪っていった。
展開された糸は地上から空までをドーム状に覆いつくし、外からの侵入を――そして外への逃亡を妨げる。
糸で閉鎖された町の中。そこを歩くのは我々人間の筈だった。事実、つい数日前まではその当たり前の光景が広がっていた。
しかし、様相は既に激変していた。人間に代わり大通りを闊歩するものは、蟲。
大人ほどの大きさもある幼虫が地面を、壁を這い回り、人の町を彼らのものへと変えていた。
町はかつての建物を残しつつも、大量の糸が張られその見た目は最早蟲の巣と化している。
閉ざされた空間内は蟲達の専用空間であり、外敵の存在しない内部には無数の卵が産み付けられた。
更に、幼虫達が成体へと変態する為の蛹の姿、それも街中のあらゆる場所に見られる。
そうして糸に覆われた安全な褥で育まれる蟲達は卵から新たに生まれ、蛹の段階を経て成体へと成長していく。
蛾の様な見た目の成体はその羽で低空を舞う。彼らはおぞましき姿で我々に恐怖を与え、毒性の燐粉を撒き散らす事で人へと仇為す。
成体となった蟲は卵を産み、それが孵り、彼らはまた数を増していく。
本当に恐ろしい。一週間前に最初の目撃情報があった時、その数はたった一匹だけだった。
その一匹が既に卵を産んでいたのか、もしくは他にも入り込んでいたのか。今となっては確かめる術も無いが、彼らは驚異的な速度で勢力を増していった。
対して町民たちは僅か三日程で多くが死に絶え、未だ生き残る者達も建物の中で息を潜めて隠れ住むしかない。それも、長くはもたないだろう。
正確な測量などしなくとも分かる。既に人と蟲の生存数は完全に反転した。
その瞬間から――否、或いはこの町が糸に包まれた時から。或いは最初の死人が出た時から。或いは、始めの一匹が町に入り込んだ時から――この町は、人間の物ではなくなった。
最後に。私は数人の仲間とこの町からの脱出を試みる。成功の可能性は極めて低いだろう。おそらくは、我らの内の誰一人も無事に町を出る事は叶わない。
だが、このまま家の中で恐怖に怯え隠れていても結末は変わらない。ならば、決死の特攻だろうとやる価値はあると思うのだ。
数多の町民達の犠牲によって得られた蟲達の情報を加えて、私はここに筆を置く。誰でもいい、誰かが生き残ったならばこの手紙をハンターオフィスへと届けよう。
そこに属するハンター達ならばこの情報も活かしてくれるだろうと信じている。
彼らが動く頃には生き残り達がどうなっているかも分からない。最悪、町諸共葬ってくれてもかまわない。
大事なのは、この惨状を他の町へ広げない事。ここで絶望を味わった我々だからこそ、その重要性は身に染みている。
――さて、未だ語り足りず名残惜しくはあるが、ここで区切りをつけるとしよう。
もしも生き延びる事が出来たなら、再び筆を取り、今の体験を元に物語を書こうと思っている。だから許されるのなら続きはまた後日、拙著の中で語るとしよう。
●
――満身創痍でハンターオフィスに駆け込んできた男が手にしていた手紙の内容は以上である。
傷だらけの男は自身の役目を終えたかのように既に息を引き取っており、町民が未だ生き延びているかどうかの検証も出来てはいない。
しかしその男が、手紙の著者が伝えた蟲の脅威は無視する事は到底出来ない。その排除の為、すぐに数人のハンターが集められた。
解説
『依頼内容』
とある町を覆う糸のドームを突破し、内部の蟲を一掃して下さい。正確な数は不明ですが、総数は百に近いでしょう。
最優先するべきは二次的被害を出さぬ為、敵を逃さない事です。
続いて生存者の救出ですが、最悪こちらは無視してもかまいません。
『現場情報』
田舎町という事もあり、大きさはそれ程でもありません。
しかし、町全体を糸がドーム状に覆っています。この為外部から様子を窺う事は出来ませんが、内部の建物等には損壊はありません。
この糸ですが、強度は高くなく突破は難しくないでしょう。しかし強い粘着性の為、排除に用いる手段の選択は必要となります。
また糸はドーム内部にも多数張られており、突入後の行動を妨げる要因になります。
『敵勢情報』
敵は四種類確認されています。尚、今回の敵は所謂害虫に区分されます。
・幼虫
大人の男ほどの大きさの巨大な芋虫です。内部に存在する蟲の半数近くはこの形態となります。
非覚醒者である町の男衆でも討伐できたとの情報があり、戦闘能力はそこまで高くないと予想されます。
移動速度は鈍いですが、押し潰されればかなりの被害を受けるでしょう。
この形態は町中を覆う物と同質の糸を吐きます。
・蛹
成体への通過点です。糸に絡まってそこら中にいます。
この形態は無力ですが、時間が経てば成体へと変わる可能性があります。
外皮は硬く、物理攻撃では貫く事は困難でしょう。
・成体
蟲達の最終到達点である蛾の形態です。羽を有し、低空を飛行します。
幼虫よりマシですが、速度は大した事はありません。毒性の燐粉を飛ばす事が確認されており、吸うと眩暈や意識混濁を引き起こします。
特徴的に、全形態で最も逃亡の可能性が高いです。
・卵
蟲達が随所に生みつけた爛々と黄色く光る自己主張の激しい卵です。
幼虫同様に巨大ですが所詮は卵。無力です。
しかし蛹同様、時間が経てば孵化するものと思われます。
とある町を覆う糸のドームを突破し、内部の蟲を一掃して下さい。正確な数は不明ですが、総数は百に近いでしょう。
最優先するべきは二次的被害を出さぬ為、敵を逃さない事です。
続いて生存者の救出ですが、最悪こちらは無視してもかまいません。
『現場情報』
田舎町という事もあり、大きさはそれ程でもありません。
しかし、町全体を糸がドーム状に覆っています。この為外部から様子を窺う事は出来ませんが、内部の建物等には損壊はありません。
この糸ですが、強度は高くなく突破は難しくないでしょう。しかし強い粘着性の為、排除に用いる手段の選択は必要となります。
また糸はドーム内部にも多数張られており、突入後の行動を妨げる要因になります。
『敵勢情報』
敵は四種類確認されています。尚、今回の敵は所謂害虫に区分されます。
・幼虫
大人の男ほどの大きさの巨大な芋虫です。内部に存在する蟲の半数近くはこの形態となります。
非覚醒者である町の男衆でも討伐できたとの情報があり、戦闘能力はそこまで高くないと予想されます。
移動速度は鈍いですが、押し潰されればかなりの被害を受けるでしょう。
この形態は町中を覆う物と同質の糸を吐きます。
・蛹
成体への通過点です。糸に絡まってそこら中にいます。
この形態は無力ですが、時間が経てば成体へと変わる可能性があります。
外皮は硬く、物理攻撃では貫く事は困難でしょう。
・成体
蟲達の最終到達点である蛾の形態です。羽を有し、低空を飛行します。
幼虫よりマシですが、速度は大した事はありません。毒性の燐粉を飛ばす事が確認されており、吸うと眩暈や意識混濁を引き起こします。
特徴的に、全形態で最も逃亡の可能性が高いです。
・卵
蟲達が随所に生みつけた爛々と黄色く光る自己主張の激しい卵です。
幼虫同様に巨大ですが所詮は卵。無力です。
しかし蛹同様、時間が経てば孵化するものと思われます。
マスターより
こんにちは、硲銘介です。
最近、ふと使っていない棚の隅を見たら蜘蛛の巣が張ってました。よく見たら周辺にもびっしり……
けど、今回は蜘蛛じゃありません。
いっぱいいると大抵のものは怖いと思いますが、虫なんか代表格ですよね。
見つけてしまったらきっちりしっかり後腐れなく駆逐したいものです。
それでは、参加のほうお待ちしております。
最近、ふと使っていない棚の隅を見たら蜘蛛の巣が張ってました。よく見たら周辺にもびっしり……
けど、今回は蜘蛛じゃありません。
いっぱいいると大抵のものは怖いと思いますが、虫なんか代表格ですよね。
見つけてしまったらきっちりしっかり後腐れなく駆逐したいものです。
それでは、参加のほうお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/06/30 23:43
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/22 23:39:09 |
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相談卓 カーミン・S・フィールズ(ka1559) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/06/23 04:46:59 |