ゲスト
(ka0000)
憧れの蒼き世界-美食編-
マスター:スタジオI

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- サポート
- 現在0人 / 0~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/06/16 15:00
- リプレイ完成予定
- 2014/06/25 15:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●
エンリコは、鍛え上げられた腕で、白いボールを力強く握った。
「こう握って、こう回転させるのか!」
腕を横から弓のようにしならせ、ボールを投げ放つ。
白球は轟音をあげながら飛び、その先で待ち受けている恋女房・シモーナの掌に納まった。
「それとも、こうか!」
エンリコの掌が次の白球を、四本の指で挟むように握った。
長身から、オーバースローの構えで投げ放つ。
ボールは、高速で直進しながらも、シモーナの手元で急角度に落ちた。
エンリコは、快心の笑みを浮かべた。
「これだ! この握りと回転なら、リアルブルーにさえ通じるに違いない!」
シモーナは受け止めた二つの白いボール――ライスボールを、交互にモグモグと食べた。
「アナタ、ドッチも同じヨ、味変わってナイ」
独特のたどたどしい口調の後、シモーナは溜息をついた。
エンリコは頭を抱え、食堂の天井に向かって悲痛な叫びをあげた。
「これも違うのか! 一体、スシとは何なんだ!? スシを回転させれば庶民の味になると聞いたが、どう回転させればいいんだ!?」
●
事の起こりは昨日、リアルブルー人がエンリコの経営する食堂に訪れた事だ。
エンリコの住むポルトワール郊外には、リアルブルーが住んでいないどころか、訪れる事すら滅多にない。
正直、会話をするのさえ、その日が初めてだった。
「リアルブルーの料理では、何が一番美味いんだ?」
エンリコの料理に舌鼓を打ってくれた客に、会計の時、尋ねてみた。
――スシだ――
客は、そう答えた。
「スシ? それはどんなモノなんだい?」
――白米を握ったものに、魚を乗せた料理だよ――
「白米! ちょうどそれが手に入ったところだ! 魚なら、サーモンのいいのがある! せっかくだからサービスだ、作らせてくれ!」
魚はサーモンの他に、地元で水揚げされた鯛やヒラメなどの安くて美味しい魚が入ってきていた。
白米は農耕推進地域「ジェオルジ」にいる親戚が送ってきたものがある。
エンリコは客を半ば強引に引き止め、言う通りの料理を作ってみた。
白米はボリュームがあっても食べやすいよう、三角形に握ってみた。
味がないので、塩も振ってみた。
サーモンには、香ばしさを出すため火を通してみた。
ライスボールの上に乗せただけでは不安定だったので、白米の中に埋め込む形にした。
「出来た、スシだ!」
それを一口食べると、客は大喜びした。
――美味い、懐かしい味だ――
エンリコは、リアルブルーで一番美味いと言われる料理を、一発で作れたのだと悦に入った。
それは、長い時間ではなかった。
――だが、これはスシじゃない――
「違うのか? 言われた通りに作ったんだが」
――スシは、ライスに酢がしみ込んでいる。 基本的には魚も生だ――
エンリコは、ライスボールを酢の中にドボンと入れてみた。
サーモンも生のままの切り身を乗せてみる。
「今度こそ、間違いなくスシだ! 食ってみてくれ!」
客は一口それを喰うと、ブチ切れて食堂を出て行った。
「待ってくれ! 何が悪かったんだ!?」
エンリコは慌てた。
食堂の外に出た客に追いすがった。
●
田舎育ちの青年であるエンリコにとって、リアルブルーは憧れである。
初めて料理を喰ってもらい、美味いと言われ喜んだのも束の間、言われた通りに料理をしたら、今度は怒り出してしまった。
もうわけがわからず、パニックになっていた。
「安い魚を使ったのがいけなかったのか? スシはウチのような安食堂で出すモノじゃないのか!?」
――そんな事はない、回るスシはリアルブルーでも庶民の味だった――
「教えてくれ! 俺はスシを! リアルブルーの味をもっと知りたいんだ!」
――今日は時間がない、だが、来週、仲間を連れてまたここに来る――
「その時に教えてくれるのか!?」
――すまんが、作り方は来週までに自分で習得しておいてくれ。スシの話をしていたら、無性に食いたくなっちまった。来週連れてくる仲間たちと一緒に今度こそ本物のスシを食いたい。あんたの腕なら出来るさ、満足させてくれたらリアルブルーの料理をもっと教えてやってもいい――
そう言葉を残し、リアルブルーの男は去って行った。
調べろと言っても、こんな田舎でリアルブルーの料理本など手に入るわけがない。
そもそも、エンリコも、女房のシモーナも字が読めない。
必死になって食堂の常連客たちに、スシの事を尋ねてみた。
一人だけ、それに関して聞きかじっている者がいた。
曰く――
スシは、握るだけじゃない
巻いたり
散らしたり
押したりもする。
茶色い袋に入れる場合もある
時には軍艦だったりする
「軍艦!? 軍艦って何だ!? 海水に浮かべるのか!? 大砲を付けるのか!?」
もうわけがわからなかった。
約束の日は、刻一刻と近づいてくる。
今回成功すれば、スシのみならず、リアルブルーの料理を教えてもらえ、この食堂は大きく発展するだろう。
だが、失敗すれば終わりだ。
皆にとっても憧れであるリアルブルーに対し、地元の恥を晒したと責められ、エンリコ夫妻の居場所は、故郷から無くなる。
「アンタ、仕方ナイヨ、ハンターズソサイティに頼モウ」
妻の提案に、エンリコは一縷の望みを託すことにした。
●
エンリコは、鍛え上げられた腕で、白いボールを力強く握った。
「こう握って、こう回転させるのか!」
腕を横から弓のようにしならせ、ボールを投げ放つ。
白球は轟音をあげながら飛び、その先で待ち受けている恋女房・シモーナの掌に納まった。
「それとも、こうか!」
エンリコの掌が次の白球を、四本の指で挟むように握った。
長身から、オーバースローの構えで投げ放つ。
ボールは、高速で直進しながらも、シモーナの手元で急角度に落ちた。
エンリコは、快心の笑みを浮かべた。
「これだ! この握りと回転なら、リアルブルーにさえ通じるに違いない!」
シモーナは受け止めた二つの白いボール――ライスボールを、交互にモグモグと食べた。
「アナタ、ドッチも同じヨ、味変わってナイ」
独特のたどたどしい口調の後、シモーナは溜息をついた。
エンリコは頭を抱え、食堂の天井に向かって悲痛な叫びをあげた。
「これも違うのか! 一体、スシとは何なんだ!? スシを回転させれば庶民の味になると聞いたが、どう回転させればいいんだ!?」
●
事の起こりは昨日、リアルブルー人がエンリコの経営する食堂に訪れた事だ。
エンリコの住むポルトワール郊外には、リアルブルーが住んでいないどころか、訪れる事すら滅多にない。
正直、会話をするのさえ、その日が初めてだった。
「リアルブルーの料理では、何が一番美味いんだ?」
エンリコの料理に舌鼓を打ってくれた客に、会計の時、尋ねてみた。
――スシだ――
客は、そう答えた。
「スシ? それはどんなモノなんだい?」
――白米を握ったものに、魚を乗せた料理だよ――
「白米! ちょうどそれが手に入ったところだ! 魚なら、サーモンのいいのがある! せっかくだからサービスだ、作らせてくれ!」
魚はサーモンの他に、地元で水揚げされた鯛やヒラメなどの安くて美味しい魚が入ってきていた。
白米は農耕推進地域「ジェオルジ」にいる親戚が送ってきたものがある。
エンリコは客を半ば強引に引き止め、言う通りの料理を作ってみた。
白米はボリュームがあっても食べやすいよう、三角形に握ってみた。
味がないので、塩も振ってみた。
サーモンには、香ばしさを出すため火を通してみた。
ライスボールの上に乗せただけでは不安定だったので、白米の中に埋め込む形にした。
「出来た、スシだ!」
それを一口食べると、客は大喜びした。
――美味い、懐かしい味だ――
エンリコは、リアルブルーで一番美味いと言われる料理を、一発で作れたのだと悦に入った。
それは、長い時間ではなかった。
――だが、これはスシじゃない――
「違うのか? 言われた通りに作ったんだが」
――スシは、ライスに酢がしみ込んでいる。 基本的には魚も生だ――
エンリコは、ライスボールを酢の中にドボンと入れてみた。
サーモンも生のままの切り身を乗せてみる。
「今度こそ、間違いなくスシだ! 食ってみてくれ!」
客は一口それを喰うと、ブチ切れて食堂を出て行った。
「待ってくれ! 何が悪かったんだ!?」
エンリコは慌てた。
食堂の外に出た客に追いすがった。
●
田舎育ちの青年であるエンリコにとって、リアルブルーは憧れである。
初めて料理を喰ってもらい、美味いと言われ喜んだのも束の間、言われた通りに料理をしたら、今度は怒り出してしまった。
もうわけがわからず、パニックになっていた。
「安い魚を使ったのがいけなかったのか? スシはウチのような安食堂で出すモノじゃないのか!?」
――そんな事はない、回るスシはリアルブルーでも庶民の味だった――
「教えてくれ! 俺はスシを! リアルブルーの味をもっと知りたいんだ!」
――今日は時間がない、だが、来週、仲間を連れてまたここに来る――
「その時に教えてくれるのか!?」
――すまんが、作り方は来週までに自分で習得しておいてくれ。スシの話をしていたら、無性に食いたくなっちまった。来週連れてくる仲間たちと一緒に今度こそ本物のスシを食いたい。あんたの腕なら出来るさ、満足させてくれたらリアルブルーの料理をもっと教えてやってもいい――
そう言葉を残し、リアルブルーの男は去って行った。
調べろと言っても、こんな田舎でリアルブルーの料理本など手に入るわけがない。
そもそも、エンリコも、女房のシモーナも字が読めない。
必死になって食堂の常連客たちに、スシの事を尋ねてみた。
一人だけ、それに関して聞きかじっている者がいた。
曰く――
スシは、握るだけじゃない
巻いたり
散らしたり
押したりもする。
茶色い袋に入れる場合もある
時には軍艦だったりする
「軍艦!? 軍艦って何だ!? 海水に浮かべるのか!? 大砲を付けるのか!?」
もうわけがわからなかった。
約束の日は、刻一刻と近づいてくる。
今回成功すれば、スシのみならず、リアルブルーの料理を教えてもらえ、この食堂は大きく発展するだろう。
だが、失敗すれば終わりだ。
皆にとっても憧れであるリアルブルーに対し、地元の恥を晒したと責められ、エンリコ夫妻の居場所は、故郷から無くなる。
「アンタ、仕方ナイヨ、ハンターズソサイティに頼モウ」
妻の提案に、エンリコは一縷の望みを託すことにした。
解説
●成功条件
聞きかじった数々の情報に、パニック気味のエンリコ。
彼と共にリアルブルーの客たちが、満足するスシを作ってください。
現実の寿司屋にだけ拘らず、新たなるスシの開発に挑み、美味しかったら成功度が増します。
●募集人員
・作り方を教えてくれる人、
・新しいスシを考えてくれる人
・当日一緒に作ってくれる人
・材料を用意してくれる人
・旨そうに食ってくれる喰い専門客
などなど、募集いたします。複数の役を兼任もOK! お気軽にどうぞ!
●条件
・食材は「お米、塩、酢、醤油、鯛、ヒラメ、マグロ、メカジキ、イカ、タコ、エビ、ホタテ」など。
なお、軍艦巻き等に使う板海苔は流通していませんので、今回は準備できないものとお考えください。
・刺身包丁など凝ったものはありませんので、普通の包丁をお使いください。
聞きかじった数々の情報に、パニック気味のエンリコ。
彼と共にリアルブルーの客たちが、満足するスシを作ってください。
現実の寿司屋にだけ拘らず、新たなるスシの開発に挑み、美味しかったら成功度が増します。
●募集人員
・作り方を教えてくれる人、
・新しいスシを考えてくれる人
・当日一緒に作ってくれる人
・材料を用意してくれる人
・旨そうに食ってくれる喰い専門客
などなど、募集いたします。複数の役を兼任もOK! お気軽にどうぞ!
●条件
・食材は「お米、塩、酢、醤油、鯛、ヒラメ、マグロ、メカジキ、イカ、タコ、エビ、ホタテ」など。
なお、軍艦巻き等に使う板海苔は流通していませんので、今回は準備できないものとお考えください。
・刺身包丁など凝ったものはありませんので、普通の包丁をお使いください。
マスターより
初めまして、スタジオIと申します。
エリュシュオンでマスター業を開始して二ヶ月、卵の殻も取れないうちに新世界へとやってきました。
そして、このカオスなオープニングです。
着いて来てくれる心の広い方がおられれば、大感謝です。
エリュシュオンでマスター業を開始して二ヶ月、卵の殻も取れないうちに新世界へとやってきました。
そして、このカオスなオープニングです。
着いて来てくれる心の広い方がおられれば、大感謝です。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/06/22 06:39
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 マートーシャ・ハースニル(ka0209) エルフ|13才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2014/06/15 23:45:02 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/12 18:46:25 |