ゲスト
(ka0000)
赤い頭巾は森を抜けて
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/06/26 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/07/05 09:00
オープニング
●
「あの子が心配で心配でしかたがないわ」
「いや、そこは信頼しようよ」
「ダメよ、やっぱり、だめ。誰か護衛につけましょう」
王国内にあるとある村で、中年夫婦が言い争っていた。
妻の視線の先には、娘の寝室があった。
娘の名は、リコット。赤い衣装を好む、ちょっと変わった女の子だ。
「しかし、16才だぞ? もう立派なオトナだ」
「まだ、16才よ」
こういう場合、夫婦の話し合いというのは平行線になるものだ。
窓辺の近くでは、飼い犬が堂々とあくびをしていた。
空気の読めない飼い犬を睨めつけて、妻は続ける。
「それに……」
ここで一つ説明が必要だろう。
リコットは近々、祖母の家のある別の村へお使いに行く予定なのだ。
そのおつかいは、村の伝統行事のようなもので、成人の証にもなる。
妻もかつては、森を抜けて、その役目を果たしたものだ。
しかし、今年は事情が異なる。
「あなたも知っているでしょ?」
「あの噂か……」
噂というのは、森によからぬ獣が出るというものだ。
狼にも似た獣だというが、数匹で群れをなし、襲いかかってくるという。
猟師が狩りに出かけたが、右足と左腕を大きく損傷して命からがら逃げ帰ってきた。
「わかるでしょ?」
「そう、だな」
ここで夫が折れる。
「時期はずらせないんでしょ?」
「そいつは無理だし、村の連中は儀式の形式を重要視するだろうな」
精霊への祭祀を兼ねているのだから、他の村人は必死だろう。
最近の王国内の動きを鑑みても、ここは儀式をしっかり決めたいのだ。
「なら、ハンターにお願いしましょう」
「そう、だな。狼退治と護衛を両方つけておくしかないな」
「向こうの村で行われる祭は、旅人を祝福するから、うってつけよ」
よく頭の回る妻だと、鈍重な夫は思う。
明くる日、買い付けを理由に夫は村を経った。
もちろん、ハンターオフィスに依頼をすることが主な理由であったが、それは妻以外知らないのだ。
●
「森抜けの儀式というものですね」
博識だなと思った夫に、スタッフは苦笑を浮かべる。
「昔から、この手の依頼はちょくちょくあるんですよ」
「え」
「皆さん、表立っては言えないからでしょうね」
「じゃあ、村の連中には……」
「わかっている方もいるでしょうね。でも、言わずが花です」
「はい」
森抜けの儀式。
リコットの住んでいる村は、森を隔てていくつかの集落にわかれている。
それぞれが森の財産を共有し、役割を分担しているのだ。
森抜けの儀式は、それらの村々で若い娘もしくは少年が、森を抜けるというものだ。
名前のままであるが、その際に持ち回りで行われる祭りの供物を持っていく。
今回は、リンゴとワインだ。
森抜けを受ける側では、精霊への祈りを捧げる儀式が合わせて行われる。
そして、森を抜けてきた者や旅人を招いて宴が行われるのだ。
「リンゴということは、お祖母様はアップルパイを作られるのですか?」
「えぇ、よくしってますね」
「そちらの地方のアップルパイは美味しいと聞いてますから」
ただのグルメだった。
「あ、とりあえず、依頼は了解しました」
ハンターオフィスとしても、正体不明の獣を放置しておく訳にはいかない。
正式な討伐依頼としても、受けることになった。
「なるべく、娘さんにはわからないよう言い含めておきますね」
スタッフの笑顔に絆され、夫の緊張は完全にほぐれるのであった。
●
「さて、行くのですよ~」
ぽやんとした空気を醸し出して、リコットは家を出る。
非常に不安そうな夫を妻がたしなめるのを、笑いながらリコットは村を後にした。
そして、ハンターたちが動き出す……。
「あの子が心配で心配でしかたがないわ」
「いや、そこは信頼しようよ」
「ダメよ、やっぱり、だめ。誰か護衛につけましょう」
王国内にあるとある村で、中年夫婦が言い争っていた。
妻の視線の先には、娘の寝室があった。
娘の名は、リコット。赤い衣装を好む、ちょっと変わった女の子だ。
「しかし、16才だぞ? もう立派なオトナだ」
「まだ、16才よ」
こういう場合、夫婦の話し合いというのは平行線になるものだ。
窓辺の近くでは、飼い犬が堂々とあくびをしていた。
空気の読めない飼い犬を睨めつけて、妻は続ける。
「それに……」
ここで一つ説明が必要だろう。
リコットは近々、祖母の家のある別の村へお使いに行く予定なのだ。
そのおつかいは、村の伝統行事のようなもので、成人の証にもなる。
妻もかつては、森を抜けて、その役目を果たしたものだ。
しかし、今年は事情が異なる。
「あなたも知っているでしょ?」
「あの噂か……」
噂というのは、森によからぬ獣が出るというものだ。
狼にも似た獣だというが、数匹で群れをなし、襲いかかってくるという。
猟師が狩りに出かけたが、右足と左腕を大きく損傷して命からがら逃げ帰ってきた。
「わかるでしょ?」
「そう、だな」
ここで夫が折れる。
「時期はずらせないんでしょ?」
「そいつは無理だし、村の連中は儀式の形式を重要視するだろうな」
精霊への祭祀を兼ねているのだから、他の村人は必死だろう。
最近の王国内の動きを鑑みても、ここは儀式をしっかり決めたいのだ。
「なら、ハンターにお願いしましょう」
「そう、だな。狼退治と護衛を両方つけておくしかないな」
「向こうの村で行われる祭は、旅人を祝福するから、うってつけよ」
よく頭の回る妻だと、鈍重な夫は思う。
明くる日、買い付けを理由に夫は村を経った。
もちろん、ハンターオフィスに依頼をすることが主な理由であったが、それは妻以外知らないのだ。
●
「森抜けの儀式というものですね」
博識だなと思った夫に、スタッフは苦笑を浮かべる。
「昔から、この手の依頼はちょくちょくあるんですよ」
「え」
「皆さん、表立っては言えないからでしょうね」
「じゃあ、村の連中には……」
「わかっている方もいるでしょうね。でも、言わずが花です」
「はい」
森抜けの儀式。
リコットの住んでいる村は、森を隔てていくつかの集落にわかれている。
それぞれが森の財産を共有し、役割を分担しているのだ。
森抜けの儀式は、それらの村々で若い娘もしくは少年が、森を抜けるというものだ。
名前のままであるが、その際に持ち回りで行われる祭りの供物を持っていく。
今回は、リンゴとワインだ。
森抜けを受ける側では、精霊への祈りを捧げる儀式が合わせて行われる。
そして、森を抜けてきた者や旅人を招いて宴が行われるのだ。
「リンゴということは、お祖母様はアップルパイを作られるのですか?」
「えぇ、よくしってますね」
「そちらの地方のアップルパイは美味しいと聞いてますから」
ただのグルメだった。
「あ、とりあえず、依頼は了解しました」
ハンターオフィスとしても、正体不明の獣を放置しておく訳にはいかない。
正式な討伐依頼としても、受けることになった。
「なるべく、娘さんにはわからないよう言い含めておきますね」
スタッフの笑顔に絆され、夫の緊張は完全にほぐれるのであった。
●
「さて、行くのですよ~」
ぽやんとした空気を醸し出して、リコットは家を出る。
非常に不安そうな夫を妻がたしなめるのを、笑いながらリコットは村を後にした。
そして、ハンターたちが動き出す……。
解説
●目的
四足獣の雑魔討伐およびリコットの森抜けの儀式を成功させる。
●四足獣の雑魔
猟師の話では、おそらく狼が雑魔化したものと思われる。
素早く立ちまわることができ、体躯が通常の狼より大きい。
全身真っ黒で、まさに「魔」といった感じである。
猟銃にもひるまず、むしろ、先んじて壊しにかかってきたという。
群れをなしており、5体程度で行動している。
●リコット
ぽやんとした性格、空気。
天然系であり、何かに気を取られるとぼうっとする癖がある。
●先か後か、はたまた同時か
リコット出発前に討伐する場合、夜中の戦闘になる。
リコット出発後、同時に討伐する場合、リコットにばれないよう心がける必要がある。
リコット出発後、村についてから討伐する場合、リコットが出会わないよう注意しなければならない。
以上は、行動指針としての目安である。
最速で夜の戦闘だと考えてください。
●依頼後
村で疲れを癒やすといいでしょう。
四足獣の雑魔討伐およびリコットの森抜けの儀式を成功させる。
●四足獣の雑魔
猟師の話では、おそらく狼が雑魔化したものと思われる。
素早く立ちまわることができ、体躯が通常の狼より大きい。
全身真っ黒で、まさに「魔」といった感じである。
猟銃にもひるまず、むしろ、先んじて壊しにかかってきたという。
群れをなしており、5体程度で行動している。
●リコット
ぽやんとした性格、空気。
天然系であり、何かに気を取られるとぼうっとする癖がある。
●先か後か、はたまた同時か
リコット出発前に討伐する場合、夜中の戦闘になる。
リコット出発後、同時に討伐する場合、リコットにばれないよう心がける必要がある。
リコット出発後、村についてから討伐する場合、リコットが出会わないよう注意しなければならない。
以上は、行動指針としての目安である。
最速で夜の戦闘だと考えてください。
●依頼後
村で疲れを癒やすといいでしょう。
マスターより
こんにちは、御影堂です。
今回は、あの童話をモチーフにした依頼です。
夜中だと光源の確保が必要ですし、狼が黒いので注意がいります。
それ以降だと、リコットの護衛と同時になります。その場合は、出会わないように工夫がいるでしょう。
夜の戦闘を選んだ場合、リコット護衛は軽いものになるとお考えください。
今回は、あの童話をモチーフにした依頼です。
夜中だと光源の確保が必要ですし、狼が黒いので注意がいります。
それ以降だと、リコットの護衛と同時になります。その場合は、出会わないように工夫がいるでしょう。
夜の戦闘を選んだ場合、リコット護衛は軽いものになるとお考えください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/07/03 06:51
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/06/25 00:44:39 |
|
![]() |
相談しましょうか。 ブラウ(ka4809) ドワーフ|11才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2015/07/04 01:39:51 |